2020/06/22 のログ
ご案内:「歓楽街」に不破 彩夢さんが現れました。
■不破 彩夢 > 不健全な店などが多くあまり治安がいいとは言えない歓楽街。
そう言う場所だからこそ探せるものもあり。
如何わしいと言える本屋から出てくる顔は満足そうな表情。
「これで全部揃った。探すならここが早いのよ」
大きな紙袋を抱えて本当に機嫌がいいという軽い足取りで通り歩く。
人が多い時間だけに時折に肩が触れたりとするが何かを言われる前に小柄な体格を利用して人込みの中へ。
そうしてゆっくりとだが学生街に向けて歩く、
ご案内:「歓楽街」に黒龍さんが現れました。
■黒龍 > 既に学生を辞めた身からすれば、あまり落第街やスラム以外に顔を出すことは無い。せいぜい、出るとしたら異邦人街方面だが――偶には気紛れで歓楽街辺りくらいまでは足を運ぶ事もある。
ブラブラと咥え煙草をしながら歓楽街を歩き続ける――何か暇潰しになる事でもないものだろうか?
「――あん?」
何気なく視線を向けた先に小柄な一人の少女が――と、いうかこちらに丁度向かってくる所で。
小柄だったのもあるのか、避けようとしたが体が一部ぶつかってしまうかもしれない。
■不破 彩夢 > するりするりと人の間を縫って歩きその先へ。
何人かの脇をすり抜け先には他よりも一頭背の高い男性の姿。
これも避けるつもりで横に身をよけていくのであるが…。
「あ、ごめんなさい」
身長差で距離感をあやまりぶつかってしまい。
掠った程度ならばそのまま通り過ぎるのだがぶつかったのならば別。
脚を止めて男性を見上げて本当に軽くだが頭を下げて謝罪をして。
■黒龍 > 「…っと。…あーー別に大した事ねーから気にすんな」
案の定、お互い目測を誤った結果か体の一部がぶつかってしまう。
自分は兎も角として、小柄な少女の方は倒れこんだりはしなかっただけマシか。
見た目が黒スーツにサングラス、とマフィアかヤクザみたいな見た目ではあるが、それはそれ。
「……怪我とかは…まぁ、ねぇみたいだな。」
ザッと確認するがそういう事は無さそうだ。…と、相手の格好を見て首を緩くかしげ。
「…そりゃ和装ってやつか?それにしちゃあ、何か変わった雰囲気だがよ」
と、素朴な疑問を感じて、本当ならさっさと立ち去るべきなのだろうがそんな質問を。
■不破 彩夢 > 「そう、それならよかった。っていうか、私がぶつかって怪我をしたら大変よ」
それなりな勢いでぶつかりはしたが男性のがたいに良さに救われて自分も転倒はせず。
どんな人にぶつかったのかと見ると、その服装はヤクザに見えて一歩後ずさっただけで済んだのは褒めていいはず。
「あなたがクッションになって何ともないわ」
もしかして慰謝料請求をされるかと心配になるがそれも無くて一安心。
タダなんで首を傾げているのかが判らず。
「これ?和服は和服よ。少し改造気味だけど……変かしら?」
自分では気に入っている改造和服、袴がスカート型で極短い以外は普通の筈。
もしかし変なのかと気になり、さっさと去ればいいのについ気になり聞いてしまう。
■黒龍 > 「そりゃ悪かった。一応避けようとはしたんだぜ、これでもよ…。」
実際、わざとぶつかった訳ではなく…小柄な彼女の姿が往来に紛れていた為に避けるタイミングを逸した、というのが正直な所であり。
そして、一歩こちらから後ずさる様子に、サングラスの奥の金眼を細めつつ。
「…んな、警戒しねーでも、別に取って食いやしねーっての。
クッションにしちゃ柔らかさはねーけどな…。」
と、肩を竦めてみせる程度には気にしていない、という素振り。実際気にしてない。
あくまで見た目がそんな雰囲気、というわけでマフィアとかヤクザではないのだから。
「――変、って訳じゃねーんだがよ…丈が短いっていやぁいいのか?動き易さも兼ねてるんだろうが。
特にそのスカートだっけか。俺が知ってる和装っつーのは肌の露出が基本無いやつだったし。」
と、彼女のスカート、というか見えている太股部分を無造作に指で示して。
デリカシーがやや欠けるが、気になったのだからしょうがない。ただの疑問だ。
「あと、別に変って訳じゃねーよ。見た感じ中々良い女だし、むしろ似合ってんじゃねーの?」
■不破 彩夢 > 相手も避けようとしていたと聞けば増々突っ込んだのが悪かったと思う程度に罪悪感はあり。
ついビビリ一歩下がってしまう事に機嫌を悪くしたかと見上げているが。
「食われるなら今すぐ逃げてる。そうはしないでしょう?
この丈夫さで倒れなかったんだから素直に受け取りなさい」
肩を竦める姿に思っていないと見れば、遠慮せずに男性の腹を軽く叩き。
見た目こそ恐ろしいが雰囲気や言葉使いにヤクザでないと見て。
「和服や巫女服って普通はそういう物だけど、歩きにくいでしょ?
だからこういう風に改造したの。ちょっとやり過ぎた感はあるけど…」
太ももを指させると流石に自覚があるのか頬を赤くして隠すように裾を引っ張り。
「そう?ありがとう。だったら私のを見たお礼にお茶の一つも奢ってくれてもいいけど?」
どう?とそんな無茶難題を吹っ掛けていくスタイル。
本を買いすぎてお金がないとも言うのだが…。
■黒龍 > 「――つーか、そこまで手は早くねーし、別に金に困ってる訳でもねーから、慰謝料どうとかつまんねーイチャモンも付ける気はねーよ」
と、肩を竦めるが…まぁ、食べる時は食べるがそれはそれだ。素直に受け取れ、と言われればそうしよう。
軽く腹を叩かれても怒る事はない。ただ、鋼みたいに固い腹筋の感触は服越しにあったかもしれない。
「――アレンジ…ってやつか?改造とは器用だな…。
やり過ぎっつーか意外と大胆な気はするんだがよ?特に下半身が」
そして、遠慮なく感想をぶつけていくスタイル。丈が短いスカートだからか、太股が何とも眩しいのは否めない。
裾を引っ張ってはいるが、丈的にそれ以上引っ張っても無理な気はするが敢えて指摘はせず。
「――あ?(いや、下着とか見た訳でもねーんだが)……別に構わんが、ここは歓楽街だぜ?
基本多いのが酒とかそっち方面だと思うんだがよ」
と、言いつつも周囲の店を見渡していい店はあるだろうか、と少し思案中。
■不破 彩夢 > 「それならそれで安心出来ていいから」
どこまで本当なのかは判らないがそう言う事をするタイプではないみたい。
硬い腹を叩いても怒らないからすっかりと肩の力を抜いて。
「少し手先が器用なら誰でも出来る事よ。
んー……やっぱりそう思う?」
男性の言う通り傍目に見れば改造しすぎの袴スカート。
本人にとっては涼しく良い物だが隠したい時に隠せず、前を引っ張れば後ろが悲惨な事になるのは実は気が付いていない。
「未成年にお酒を勧めない。ジュースでいいから」
酒と聞くとジトっとした目で見上げ、それでもジュースぐらいあるでしょうと。
それを言うぐらいにこの辺りは全く詳しくなかったりする。
■黒龍 > 「――いや、信用は別にいいんだが、あっさり信用するのもそれはそれでどうかと俺ぁ思うんだが」
こいつ、実は意外とコロッと騙されるタイプなのでは?という疑念が過ぎるが。
まぁ、何となくこの短い会話だけで、この少女がどういう気質かは朧気に理解した。
「俺ぁ裁縫とか流石にできねーぞ。…やっぱりっつぅか、学園の野郎共とかは注目するんじゃねーの?」
女の魅力は別に分かり易い乳とか尻とか顔だけではないのだし。足ふぇち…だったか、なんだか忘れたがそういうのも居ると聞いた覚えがある。
そして、裾を引っ張ると、その丈の短さを考えると後ろから下着が見えるのでは?と、いうのは黙っておく優しさ。
「――あたりめーだ、風紀委員の厄介になるのは御免だ――んじゃ、あっち行くか」
と、指差したのは軽食とバーを兼ねたお店だ。あそこならドリンク類もあるだろうと。
ジト目をしている少女に、ほら、さっさと行くぞと先導するように歩き出し。
「――ああ、そういや忘れてた。俺は黒龍ってんだ。そっちは?」
■不破 彩夢 > 「だってここだと危ないって思えば悲鳴を出せばいいから」
これだけ人が居るなら大丈夫と謎の自信、確かに目立つことは目立つ。
人が居る故に危機感が薄く、そして危なくないと思えば友好的になり。
「あんなのは覚えたら簡単よ。練習すれば直ぐ。学園は流石に制服だから」
この格好はあくまでプライベート、学園で着るという事はさらさらになく。
後ろを歩く男たちの良い物を見たという視線には気が付かない。
「厄介になってしっかりと絞られるといいわよ。案内お願いね。
黒龍?変わった名前ね。私は不破彩夢よ。」
指されたお店を見てそこならあるのだろうとあっさり信じ。
先導するように歩き出すと慌ててその後を追いかけて。
■黒龍 > 「――まぁ、この辺りなら…ギリギリってとこか」
歓楽街…なら、まぁギリギリというここらが境界線だ。この先は――表向きは存在しない扱いのあの街だったら、悲鳴はむしろ”逆効果”の可能性もあった。
「そうか――いや、別に俺は裁縫を覚える気は全くねぇけどよ」
何となく、そういう話になったが裁縫に興味は無い。あと、何人かの通行人がだらしない顔をしたのは見逃していない。
自覚無しで下着サービスとは、中々に剛毅なことだ…無防備すぎるが。
「――まぁ、あだ名みたいなもんだ。…へいへい、彩夢な。んじゃ行くぞ」
と、彼女のこの変な所で堂々としたのは性格なのだろうか。
まぁ、いいかと思いつつ、小柄な少女を引き連れてその店へと。
店内に入れば、明かりは控えめだが落ち着いた雰囲気…。
カウンター席がバーの作りであり、逆にテーブル席がカフェじみた内装だ。
最初、カウンター席に座ろうかと思ったが、少女が抵抗を感じそうなのでテーブル席へ。
「…んじゃ、適当に飲み物を奢るって事で…悪いが食い物まではおごらねーぞ」
と、そこはきっちり釘は刺しておく。ケチというより、単に飲み物としか指定されてないからだ。
そして、男のほうはさっさとアルコールを注文していくのである。
■不破 彩夢 > 人目が集まれば後は逃げるか助かるかは状況次第。
その時はその時という考えもあるが運は良い方。
「覚えたら役に立つのに」
興味が全くないという態度に残念と言うように肩を落とし。
通り過ぎるだらしない顔の男たちに何があったのかと周囲を見回す。
「それでも変な渾名だと思わない?よろしくお願いするわ」
変な態度をとるよりは堂々とした方が揉め事も寄ってこないという知恵。
大柄な男性の後を追いかけて歩く。
初めて入る店内、歓楽街ではあるが落ち着いた雰囲気に良い店、少々くらいが…。
男性がカウンター席に向かうと服の裾を引っ張り、それを察したのかテーブル席に。
「飲み物だけで充分」
それ以上集るつもりはそもそもなく、メニューを見て悩みジュースを注文する。
■黒龍 > 「役に立つ・立たない以前に――ちまちまやるのが面倒臭いんだよ、柄じゃねーわ」
と、そこはきっぱりと。別に裁縫は女だけのものではないのだが、少なくとも男は興味なし。
「変なあだ名なんて幾らでもいんだろーが。この前なんて『全裸アフロ』…だったか。
そういうあだ名の奴も居るって聞いた事があるぞ」
自分で口にして思うが、全裸は分かるがアフロというのがさっぱり分からない。
まぁ、そこは落第街の方でも探って――いや、探る必要があんまし無い気がしてきた。
「取り敢えず注文が決まったなら俺かあっちの店員に言っとけよ」
と、さっさとアルコールを頼んだ男は煙草を――吸おうとして思い止まった。
流石に、この近い距離で煙草はマナー的にもよろしくはないだろう、と。
(――つーか、今こいつが頼んだのって)
確か僅かだがアルコール含まれていた気がするが――まぁ、いいかと気にしない事にした。
■不破 彩夢 > 柄じゃない。それを聞き男性を見ると確かに似合わない。
本当に似合わないと納得してしまう。
「それを言われたら何も言えなくならない?……それ只の変質者……。
風紀に早く捕まる事を祈ってる…」
言葉通りを頭に浮かべれば顔は一気に真っ赤に染まり、早く掴まれと心からの言葉。
そんな変質者が何処に出るかは不明だが絶対に会いたくないと。
「じゃ、これお願い」
男性の言葉に、コレとメニューのジュースを指して纏めてお願いと告げ。
煙草を取り出すが吸わない事に少し感心して。
そして男性が注文しそれが届けば早速口をつけて喉を潤していく。
■黒龍 > 自他共に似合わない、と思っているのだからつまり向いてないという事で問題ないだろう。
「――いや、俺も詳細知らんがその風紀の一員らしいんだが。
そもそも、風紀が全裸になる状況ってのが俺にはさっぱりわかんねーんだが…まぁ…。」
色々と剛毅な輩なんだろう。何で脱いだのかは分からない。せめて下着は履いとけ、と言っておきたいが…。
(いや、どちらにしろ変態じゃねーか……大丈夫か風紀)
落第街に戻った己が心配する義理は無いのだが、流石に治安機構の一員から全裸は少々いかん気がする。
とはいえ、詳細は分からないし、そもそも真面目に調べてはいけない気がした。
「―――あー…。」
一瞬、アルコールがちっとばかり入ってるのを指摘しようとしたが止めた。
大人しく、頼んだビールのジョッキを豪快にぐいっと煽っていこうか。
■不破 彩夢 > 「風紀に変態……?それって問題しかなくない……?」
豪快を通り越して風紀が風紀を乱すという訳の判らない状況。
それで良いのか風紀委員と心の底から突っ込みを上げそうになるのを堪え。
そう言う風紀委員に会った時どうすれば…股座を蹴り上げるべきなのかと真剣に悩む。
恐らくは本気で手加減なく蹴り上げるつもり。
「……何?」
中ほどまで飲んでから男性の様子にじっと見返し。
ビールを飲む姿を見つつ残りのジュースを飲み…身体がゆらゆらと揺れて。
■黒龍 > 「――まぁ、俺らがどうこう言ってもしょうがねぇだろ…つか、周りや風紀の方も流石に対処してんだろーよ」
彼女の気持ちはよく分かる。むしろ普通の感覚が多少なりあれば、誰だってそう思うだろう。
勿論、別に風紀委員じゃなければ全裸になっていい、という事は決してないのだが。
(…流石に落第街やスラムでも全裸で名を上げた奴は居ない――筈だが、自信ねーな)
居ない、と言い切れないのがあそこの恐ろしさでもあり。ともあれ、ビールを飲みながら彼女の様子を伺っていたのだが。
「――いんや、何でも……」
と、そっけなく返しつつも、何か体がゆらゆらと揺れてないかこの女は。
アルコール、といってもそんな大した量は入っていない…少なくとも酔うほどではないはずだが。
(――もしや、めちゃくちゃ酒に弱いタイプとかじゃねーだろうな?)
無意識にサングラスの奥でジト目になりつつも、少女の様子をそれとなく見ながらビールを飲み干して
■不破 彩夢 > 「そう願っておくから。絶対に会いたくないから」
真っ当な神経があれば会いたくない分類。
早く捕まらないかなと本気で願う。
唯一の救いはこの辺りには滅多に来ない。そう言う変態の類に遭遇する事はないだろうと。
「そう……?ならいい……ね、お代わりしていい?」
ちょっと変わった味だが美味しいと思えるジュース、変にぽかぽかするけど。
嫌いじゃないその味に男性にお代わりを強請って。
■黒龍 > 「…そうだな…。(いや、普通に捕まって説教か謹慎くらいにはなってる気がするんだが)」
真っ当な神経じゃなくても、全裸のインパクトが地味に強すぎて正直分からん。
アフロ、というのも気になるし…ちょっと調べてみるかと思う異世界の黒い龍。
そして、歓楽街に変態がたむろしていたら、それこそ風紀が来るだろうと思っており。
「……構わんが、程々にしとけよ?」
…いや、これ普通にほろ酔いじゃねーか?と、思いつつも飲み過ぎないようにと釘は刺す。
刺すのだが、正直言ってそれがどの程度彼女に伝わるかは疑問である。
こちらは二杯目のビールを注文しつつ、ジョッキと共に彼女の御代わりも直ぐに届くだろう。
■不破 彩夢 > 「そうじゃないと危なくて本も買いに来れないし」
全裸アフロと言う新生物、会えば案外面白いかもしれないが捕まって欲しい。
もし見かけたらどうしようと真剣に考えるほどに嫌。
「判ってる…これで終わりだから」
フワフワするけど美味しいから無問題と残りを飲んでしまい。
奢りなのだから飲まないのは損と考える。
二杯目が届く前はグラスに残ったのを未練がましく眺め、そうして二杯目が届けば早速と飲み始め。
半分がなくなる頃には目つきがとろんとして飲む手が止まってしまう。
■黒龍 > 「…いや、歓楽街に本を買いに来るのもどうかと思うんだがよ。
学生街とか商店街にも本屋くらいはあんだろ…そんな珍しい本でも探してたのか?」
と、首をかしげながら二杯目も豪快にビールを煽っていく。そもそも男は酔わないけれど。
単純に味を楽しんでいるだけで、酔う、という感覚を味わった事は実は一度もない。
「……ったく」
こっちのミスだがやれやれとばかりに溜息を零そうか。
まぁ、二杯程度なら別にそんな大した支払いでもないし問題ないのだが。
ともあれ、目付きがいよいよとろーんとしてきた小柄な少女を見遣り、マジで平気かこいつという表情。
「おい、無理して飲まなくていいからその辺りにしとけ…つーか、お前やっぱ酔ってるだろ彩夢」
■不破 彩夢 > 「こっちの方が変わった本が多いの。
向こうだと取り寄せも効かないのが多すぎるから」
それだけ変わった本を集めてると案に告げ。
美味しいジュースの変わった味にすっかりと虜になり飲み進め。
微量のアルコールですっかりと酔っ払い。
言葉も減り黙々と飲み進めてはグラスの残りも既に僅か。
男性の言葉も聞こえているのかいないのか……赤くなった顔、トロンとした目でグラスを両手で持ったまま動かなくなり。
■黒龍 > 「変わった本、ねぇ?(その手のもんなら、あるにはあるが…)」
と、一瞬だけ黒い左腕の義手を見遣る。この義手にはまだ学園に一時期居た頃、禁書庫にあった書物の一つが収納されてしまっている。
ある意味で本に選ばれたようなものだが、この手の本は得てしてタチが悪いのだ。
そして、微量のアルコールが逆にアクセントとなってしまったのか、如何にも酔っているのに手が止まらない少女。
「おーーい、まだ意識はっきりしてるか?……駄目そうだなこりゃ」
目の前で手を軽く振ってみるが反応が鈍い。目付きは完全にとろんとしていて、とうとうグラスを持ったままの手が動かなくなった。
■不破 彩夢 > 「そ、変わった本。嘘か本当か魔術の本とかもあるしね」
大体は偽物か外装の派手な同人誌というものが殆ど、それでも極稀に本物があり。
そういう物目当てで時折に足を運んでいる訳。
そして今日は新しい経験、知らずにお酒を飲むという貴重な事。
ただその代価は酔っ払い意識が完全に飛んでいると言っていいもの。
「あー………ぅ?」
目の前で揺れる手を見ては笑って首を傾げ、男性が目の前で何をしてもとろんとした目で笑うだけ。
■黒龍 > 「実際、その手の本は普通にあるがよ。あんまり興味本位で手を出しちゃマズいのもあるから、そこは気をつけな」
と、経験則もあってかそう述べる。もっとも、魔術を全て封じた身でどうこう言えないか。
取り敢えず、この少女がヤバイ類の書物に出会わない事を願うしか無い。
(…で、それはそれとしてこれはどうしたもんか…完全に酔っ払いだぞ)
止めなかった自分が悪いのだろうが、ここまで弱いのも予想外であり。
溜息と共に、とろーんとした目で笑ってる少女を見遣れば、取り敢えず先に店のマスターに勘定を支払い。
「おい、彩夢。取り敢えずアレだ、家か寮か知らんが送ってやるから、その辺り教えろ…ってか聞こえてるか?」
と、彼女の方まで戻ってくれば、頬を軽く突いたりしてみようとする。
まともに喋れる状態かも怪しいが、取り敢えず送るにしても部屋の場所が分からないと意味がない。
■不破 彩夢 > 「ただ読むだけだし……危ないって思ったらそのまま本棚に詰めてるから大丈夫」
取り敢えず読むが実演をしようといつもりは全くなく。
本当に読書的興味しかないと軽い様子。
元々変わった飲み物にもそれなりに興味を持つことが多く。
ここのジュースは美味しいとついつい飲み過ぎた結果が泥酔状態。
男性が支払いを済ませたなどと全く認識も出来ずに笑ってるだけで。
「ぁ……ぅ?私の……?あっちぃ……」
男性に頬を突かれると少しだけ意識が戻ったのかとろんとした視線を向け。
何処に住んでいるかと問われ、明後日の方向を指さして。
■黒龍 > 「…それならいいが、お前…何か隙だらけっつぅか変な所で無防備そうだからなぁ。俺の杞憂ならいいんだがよ」
読書的興味、は分かる。本の虫、かは分からないが暇さえあれば読書に勤しんでいるのかもしれない。
とはいえ、流石にこれは不注意が過ぎたな、と反省点ではあろう。
まぁ、昔に比べたら我ながら結構甘くなったものだとは思うのだけれど。
支払いを済ませ、少女に寮か家の場所を尋ねるが…明後日の方角だ。そっちはむしろ落第街やスラムの方角である。確実に少女の部屋はそちらではない。
「……あーーったく。」
ガシガシと頭を掻いてから溜息。サングラスを一度外してポケットに引っ掛ければ、ヒョイッと少女を背中におんぶする形に。
小柄なのもあるが、元々が龍なのでこのくらい重さにもなりはしない。
「しかたねーから、近辺の宿にでも放り込むぞーーラブホとかしかねーが文句は言うなよ」
と、聞こえているのかいないのかは分からないがそう口にして。
そのまま、彼女を担いで店を出れば雑踏に紛れていこうか。
■不破 彩夢 > 「私が隙だらけで無防備?それはないんだから」
何を言ってるのと男性を見る目は完全に呆れ目。
読書する場所もきっちりと選んでいるという顔で。
こういう場所ではどんな飲み物でも危ないかもしれない。
そう言う考えを持たずにアルコール入りのジュースを二杯も飲んでしまいすっかり思考はアルコールの彼方。
そもそも何処の方向を指しているかも全く分かっていなく。
頭を掻き溜息を吐く姿を不思議そうに見ているとおんぶをされて背中にぺたり。
見た目通りの軽い身体であるが柔らかな膨らみはしっかりとあり。
何かを言っているが内容は全く頭に入っていなく「それでいい」「私の本」とそれだけは何とか告げ、担がれたまま運ばれていって。
ご案内:「歓楽街」から黒龍さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から不破 彩夢さんが去りました。