2020/07/15 のログ
ご案内:「歓楽街 路地裏」に日月 輝さんが現れました。
■日月 輝 > 女の呻く声がする。
誰とも知らない女の声。
つい先程、あたしに声をかけてきた背の高い女の声。
今は薄暗がりの地べたに頽れて、無様な声ともつかない声を垂れ流している。
「恐喝するんなら、相手を、選びなさい、よ。それとも、選んだ、結果?だとしたら、見る目、ない、のね」
言葉のセンテンスの度に女の呻く声が路地裏に籠る。
あたしの足が軽く小突く度に女の呻く声が路地裏に満ちる。
返事が返って来ないから"体重をかけて"綺麗にマニキュアの塗られた手を踏むと、歪な音とまた別種の呻く声が鳴った。
それを、煩いと思った。
ご案内:「歓楽街 路地裏」にマルレーネさんが現れました。
■日月 輝 > 何てことの無いことだと思う。
女は加害者で、あたしは被害者
女は魔術師で、あたしは異能者
女の言葉より、あたしの手が速かった。
そもそも街中で突然声をかけられて、二つ返事で路地の裏まで来る事を、御人好しだと誹られるなら甘んじる。
だって機嫌が良かったんですもの。欲しかった便箋を偶々見つけて、浮かれていたんですもの。
それなのに今は機嫌が最低値。船底に潜む害虫を視るような気分。目隠しの奥で睥睨だってしようもの。
「ま、いいわ。御免なさい。って言えたらそれでいいけれど。どうかしら?」
あたしを見上げる女の頬桁は歪んでいる。とてもまともに喋れるようには見えない。
あたしを見上げる女の口元は歪んでいる。とてもまともに答えれるようには見えない。
それはそう、だって、あたしがそうしたんだもの。
■マルレーネ > 「はい、ではそこまでにするのはどうでしょうか。」
穏やかに声をかける女が一人、路地裏の暗闇からすれば逆光と言えるかもしれない。
女性の声。この状況でありつつも落ち着いたその声で相手の行動を制する。
見れば、濃紺の修道服は闇に溶けるようではあるが、鮮やかな金髪の白い肌の女。
少しだけ警戒しながらも、微笑みを浮かべて。
「もうこれ以上は。」
首を横に振る。看過できない、と目で少女に訴える。
■日月 輝 > 女の頭を軽く踏む。途端にその顔色が、怖いものを見たかのように歪む。
愛でるように靴裏で鮮やかな金色の髪を乱すと、染め切れていない根本が露わになって警戒色みたい。
「大体こんな島で悪事なんかやめときなさいっての。本土より異能者だの魔術使いだの多いんだから」
「ああそっちも魔術使いっぽいけど。だからってやめなさいって、アタリ引く確率高いでしょ」
「こちとら10年以上異能者やってんだから──」
"体重はかけない"
怯える女を怯えるままにさせて、そうして言葉に顔を向ける。
特別製の目隠しは視界を阻害しない。けれど、場違いに微笑む誰かに言葉を少し失う。
「あんた誰よ。見た所教会とかそっち系の人っぽいけど……この辺、そんなのあった?」
「ともあれ、今お説教中なの。邪魔、しないでくれる?」
数拍の間。
それから言葉を吐いて、女の頭を撫でていた足が転がっていた空き缶を踏む。
スチール製の缶が紙細工のようにひしゃげた。
■マルレーネ > 「ええ、このすぐ傍に………廃屋だった修道院がありまして。 そこの修繕と管理を。」
そっと己の胸に手を置いて、自分の素性を明かす。
とはいえ、とある事件からすぐに名前を名乗ることは控えている。
……ただ、己の見た目からして、多くは語らずとも伝わるだろう。
「そう。……"アタリを引く確率"、高いんですよね。」
「ですから、もうそろそろここで手を引いては、という私の言葉もまた、重みを増すと思うのですが、如何でしょう?」
相手の言葉に、ウィンクぱちり。
どうです? と笑いかける。 敵意はないことを示しながらも、これ以上の暴行は見過ごせない。
無論。………どちらが先に手を出したかは分からないが、そのようなことは些細なことだ。
"力量差"だけははっきりと見て取れるのだから、それで十分。
■日月 輝 > 最初に思ったのはその手のお店の人。
歓楽街は歓楽を司るのだから、当然そういったお店も在るでしょう。
おまけに此処は路地裏で、如何わしさの品揃えだけは豊富ときている。
「マジ?こんな所に修道院って……あ、新規営業?そういうお店のとか」
穏やかな声。
不快な船底じゃなくて青空を頂く甲板が似合う声。
悪くないじゃない。と思うけれど、それは言わない。代わりに疑問を投げかける。
「で、素性はともあれ自信があるから声をかけたって訳?へーえ、ほーお、ふぅーん」
「たださ。そっちこそ、声をかけた奴が"アタリ"とか思わない訳?」
疑問が飛んで、あたしが飛ぶ。
緩やかに、穏やかに、風船のように浮いて"ビルの壁面に掴まって浮いている"
それを視た女が、声にならない悲鳴を上げて転がるように逃げた。
宗教女には目もくれずに一目散。それを視て嘆息する。
「チ、足折っとけばよかった。……で、図らずも手は引く事になったけど、どうする?」
「喧嘩売るの?あんたなら別の売る方が買い手居るんじゃない?」
高度差は5m程。見下ろすように見下した言葉が漂う。
■マルレーネ > 「ちーがーいーまーすー! ちゃんとした修道院ですー!!」
もー! と怒りながら全力否定。
でも頬は赤い。そういう店があることは理解していた。
欲望って果てが無いことくらいは分かっているシスター。
でもいくら―?って聞かれたりどこの店の子?って聞かれるの疲れました。神の試練にしては違う部分のメンタルばかり鍛えられるんですけど。
でもまあ、見た目をよく見れば身体のラインは服越しでもよく分かる。
胸は大きかった。
「思っていますよ。
"貴方"なら、もう相手に抵抗の意思が無いことも、後悔し過ぎて絶望していることも理解できたはずでしょう。強い復讐心や執着がある、というわけでもない。
なら、もう良いじゃないですか。
それでも、というのであれば、仕方な………
ですから何も売りませんってば!!」
ぼしゅ、っと赤くなって、見上げるほどの高さの少女にブーイングする。
理解はした。
■日月 輝 > この島は異能者も魔術使いも別の世界からの連中も多い。
多分何も無い奴の方が少ない。
だから凶行に出る奴にはそれなりの自信があるんだろうし、止める奴にもそれなりの自信があるんだろうとは、理解する。
でも場違いに明るく怒る宗教女はちょっと解らない。目隠しがなければ呆れたような目線になった事が相手にも判ったかもしれない。
「思ってんの?…………それならまあ、仕方ないのかしら……そうね。抵抗の意思が無いことなんて解ってたわ?」
「でも仕返しとか困るじゃない。あたしを御し易しとみないようにしてあげただけ……ああ大丈夫。売ってても買わない買わない」
「あたしは便箋買いに来ただけだから」
少なくとも私服の風紀委員とかでは無いみたい。彼ら彼女らはそれなりにおっかない。
となれば彼女は本当に言葉の通りの修道院のシスターさんだ。流石に、そういう人をどうこうするのは……まあ、場合によるけれど。
ビルの側面から勢いをつけて手を離す。緩やかな軌道を描いてあたしはシスターの前に着地。距離にして1m程ってところ。
近付くと相手の方が背が高くて、相手の方が胸が大きくて、少しだけ鼻白む。
あたしの手にしたカワイイ便箋が直ぐに売り切れるように、きっと売ったら直ぐ売れる。そんな事を思う。
「ほらこれが証拠。あたしは善良な学生だもの。さっきのは冗談、敬虔な宗教屋さんに無体な振舞いなんてしないわ?」
紙袋を示して甘えた声。勿論嘘よ。ただ毒気を抜かれちゃったのは本当。
なにより、あたしはカワイイモノが好きだから、カワイイ顔のシスターさんの顔が歪むのは、勿体無いと考えた。
■マルレーネ > 自信は無かった。
荒事に関しての自信が無いわけではない。現に一人旅の最中はずっと戦いを続けていたし、戦闘術という意味でならば………特に一対一ならば、それなりに戦えるはずだ。
ただ、ここにいる人は"それなり"では全く歯が立たないことも理解している。
その気になれば同じ目に遭っていただろうことは間違いない。
「あれでもう十分。与しやすいなんて思われないですって。
……なるほど、お買い物の途中だったんですね。」
警戒は解かないが、敵意が無い事が分かれば少し安堵はする。
ひゅるりと目の前に着地してきた少女には、それなりに、流石に身体を固くするのだけれど。
「………であればよかった。 本当は自信なんかありませんでしたからね。
敬虔、であればいいんですが。 ……修道院ほっぽってこっち来てますけどね。
お買い物、もう終わったのですか?」
相手の言葉に吐息を漏らし、表情を緩める。嘘は嘘。嘘をついていたとはっきりと認めながら。
相手の言葉に、少しだけ歯を見せて笑ってぺろりと舌を出す。 ランダム指名 > マルレーネ
■日月 輝 > 「……無いの?うっわあんた早死にするタイプね。そーゆーの勇気って言わないのよ無謀って言うの」
「あとほっぽって遊んでるなら違うんでしょうけど、修理とかしてたんでしょ。それなら立派なことなんじゃないの?」
呆れながらに買物終了を示すように紙袋からカラフルな便箋を幾つか出してみる。言外の言って感じかしら。
「ああ、あとそうそう。信じるか信じないかは別として弁明させて貰うけどさ」
午前中でテストが終わった帰り、便箋を切らしていたから買物まで足を延ばしたこと。
首尾よくお買い物を終えた帰りにさっきの女に声をかけられたこと。
曰く、クラスメイトが貴方を呼んでいる。そんな風に言われたから素直に応じた末が先程のこと。
「──ってワケ。しかも魔術使いか知らないけど何か唱えようとしてたんですもの」
「だから先に顎を叩き割ってやったのよ。だからあたしはわるくない。いい?」
ずい、と一歩前に出て、人差し指をシスターさんの鼻先につきつけるようにして確認を取る。
後から通報なんてされたら困るわけ。だってあたしは善良な学生なんだから。
善良な学生なので舌を出した相手の舌を引っ張ったりはしない。ちゃんと我慢だってできるわ。
■マルレーネ > 「よく言われます。」
勇気と無謀は紙一重。でも無謀と勇気がごちゃ混ぜになった場所を休みなく歩いてきた彼女にとってすれば、紙一重は即ち無いも同じ。
危険を感じるセンサーは鋭いが、進まなければいけないなら、そのセンサーの警報を無視することもまた当たり前。古びた危機管理室。
苦笑しながらその言葉を吐いて、あはは……と困ったような笑いを一つ。
「……なるほど。 ここ最近催眠術を扱う生徒がいると聞いたことがあります。
もしかすると、そうだったのかもしれませんね。
………差し支えなければ、どのように?」
やたら疑うようなことはしない。指を突きつけられれば目をぱちぱちと瞬かせながらも、言葉を返して。
ただ、一応探りはいれる。
術者の詠唱よりも早く相手の口だけを狙い撃てる能力は、………この島ならば多いのだろうが、彼女はさほど知らない。
そして、こういう時、後ろ暗い気持ちが無ければ"事実として起こったこと"は話すはずだ。
■日月 輝 > 「でしょう。良く言われ……マジ?言われてるの?いや、言われてるなら止めた方が……あら、気になる?」
青空を頂いた甲板が似合うような穏やかな声。でもこの声の主、甲板から海原にダイブしてる気がするわ。
行動を諫めた方がいいのかしら?でも初対面だし?そもそも宗教系の理由なら邪魔したら悪いかもだし?
少しの間、重力をかけられたように固まって、けれども訊ねる声で我に返る。鼻とかも鳴らしてしまうわ。ふふん。
「さっき浮いて見せたでしょ。あたしの異能は重力操作。自分の体重を操作できるのよ」
「そうね、大体1グラムから1トンまで。だからさっきは、ふざけた女に"体重をのせて軽くビンタしただけ"よ」
「あとはまあ、そうね……"これ"は取らない方がいいわね、うん。駄目よ取っちゃ。危ないから。バラエティ番組のフリじゃないから」
目隠しを示しながら重力驚動 -グラビティ・ヘックス-と呼ばれる力を説明し、見せつける。
シスターさんに肩に手を置き自らの体重を軽くする。
あたしの身体は彼女に掴まったまま、彼女を基点として倒立するかのように逆しまの姿勢。
まるで無重力空間であるかのように振る舞って、その実1グラムの重さを与える不可思議な光景を展開し、その背後に着地する。
新体操の選手であるかのようにポーズも決めてやるわ。
「……と、言うわけ。お返しにそっちのも……って無いのよね。自信無いって言ってたし」
「そうね~それなら名前くらい教えなさいよ。あたしは日月輝。お日様の日にお月様の月、輝くと書いてアキラ」
「……あ、漢字わかる?それだけ日本語上手ければ大丈夫そうだけど」
あとはくるりと振り向いて、シスターさんの背後から言葉を風船のように放って自己紹介。
■マルレーネ > 「………まあ、お仕事ですからね。」
見る者の無いお仕事。薄く遠く離れてしまった教えを思い出せば。
当然、もう抵抗できなくなった相手に対しての攻撃を止めない選択肢は無い。
それで死ぬも、仕方のないことだ。
「…………ああ、なるほど。 それは確かに重そうです、けど。
いや、流石にフリだと言われても取りませんよ。何かしら理由があるのでしょう。
……っと。っ!?」
自分の肩に捕まっていた少女が、まるでふわりと浮かび上がるかのように自分の肩に手を置いて倒立し、するりと背後に着地する。
肩にずしりと人の重みが来るかとこわばらせるも、殆ど何も感じないレベルの重み。
違和感に、思わず動きを止めてしまって。
「なるほど………つまり、今の状態で1トンにしたら、大変なことになっていたわけですね?」
両肩どころか、生殺与奪の権利までしっかりと奪われていたことに気が付けば、喉をごくりと鳴らす。
本当に善良であることを祈るしかない。
面白いことが、すべての倫理観よりも優先される相手であれば、今の時点で致命傷だ。
くるりと振り向いて、その恐怖は振り払う。誰かと話す時に恐怖を感じながら、それを相手に感じさせながら話すほど子供ではない。
「………そうですね、特別なものはあまり。
私はマルレーネ、と申します。 マリーでいいですよ。 ………アキラと呼んでも?」
■日月 輝 > 「あたしが島に来た理由みたいなものよ。元々は今見せた体重操作だけの異能だったんだけどね」
着地後に肩を竦める。口を不満そうに曲げる。
そうして「直視した相手を動けなくしてしまう」事を告げる。
別に、調べればすぐに解ることだもの。ついでのように制御出来ないから着けてる。なんてことも教えるわ。
「そりゃあ大変なことになるけど。そんな事するわけないでしょ」
「何度も言ってるけどあたしは善良な学生。やられたらやりかえすけど、流石に殺したりとかは御免よ」
「骨くらいなら魔術でもなんでもで治るでしょうし、さっきのバカも走って逃げれるなら平気でしょ?」
確認するかのような問いに唇を尖らせて反論。
でもそれはそれ、これはこれ。相手が名乗るなら満足そうに頷くわ。自己満足って大事よね。
「よろしい。分かり合えるってステキね。海外の人?ま、いいわ。というわけでマリー、これあげる。友好の印」
「孔雀草の花ってカワイイからあたしは好きよ」
「佳月屋の新しい便箋なんだけど夏の新作で、なんでか今の御時世でも売り切れるのよね、困っちゃう」
「あとでオークションサイトとか見ると凄い値段になってたりするから、そういうことなんでしょうけど」
「あたしそーゆーの嫌いだわ。全員踏みつぶしてやろうかと……っていけないいけない。つい」
満足しすぎて早口になっていた。それはあんまり可愛くないから言葉を切って、便箋を渡してから一歩距離を取る。
可愛く無いことは、あまり好きじゃない。それは衣服とかもそう。
好きじゃないから、こんな蒸し暑い日にだって好きな恰好をするんだもの。
■マルレーネ > ああ、なるほど。 言い方で気が付く。
"直視した相手を動けなくしてしまう"ということはつまり、本人の意思とは無関係であるということ。
何より、それをどうでもいいと思うのならば、目隠しなんぞつけないだろう。
そこまで思いが至れば、また少し、肩から改めて力が抜ける。
「海外………、海外、ではないでしょうね。
こことはちょっとだけ違う世界から来た、と言えば伝わるでしょうか。
……ありがとうございます。」
自分の境遇を言葉にすることを一瞬だけ詰まって、異邦人であることを告げ、便せんを受け取る。
これが手紙を書くためのものだということはすぐに分かって。
「今はこういったものが高値がつくのですね……知りませんでした。
とはいえ、……島に来た、ということは同級生となるのでしょうか。
よろしくお願いしますね? あんまり危険な物言いは危ない子だと思われますよ?」
微笑みながらも、人差し指を自分の唇に当てて、片目を閉じて注意を一つ。
こっちはフードまでバッチリ被ったガッチリ修道服。可愛い恰好には縁が遠いシスター。
■日月 輝 > 「あら、そうなの?へーえ、そうなんだ……ああいえ、あたし異邦人区に住んでいるんだけど、見た目が変わった人が多いから」
「尻尾生えてたり、羽生えてたり、角生えてたり、腕が沢山あったりとか……」
だからあなたをそうだとは思わなかった。とまでは言葉が続かず言葉が惑う。
だからこの言葉はおしまい。便箋にも描かれない。
「ううん、そんなに高くは無いんだけど……好きな人がつかうもの。を狙って買い占めるバカがいるのよ」
「悪徳商人ってやつね。まったく悪い奴は何処にでも……あら、マリーも学生さんだったの?」
便箋の外のこと。説明についてつらつらと言葉を並べていると、彼女が同級生だとわかる。
確かに年齢とかバラバラの学園だけれど、それにしたって偶然もいいところ。
改めて彼女のこと、下から上へと不躾に目線が向く。頭ごと動くから多分バレてる。でもいいの。
「危険な物言い……危険だったかしら。大丈夫大丈夫。そんな大人しい子を脅かしてお金を巻き上げたりなんかしないわ?」
一歩近づく。マリーの手を取る。
「精々──大人しい子を脅かして、カワイイ御召し物を見繕うくらい。あなた素材がいいのに勿体無いわよ?」
腕を引く。喧噪賑やかしき大通りへと続く道を行こうとする。
「もっとカワイイ服とか着ましょうよ。ほらあたしが見たげるからさ。ゴス…いや甘いほうが似合いそうね……」
「あ、支払い?そういうのは大丈夫。今日はウィンドウショッピングだけのつもりだから。さあさあ」
「あ、肌アレルギーとかある?服の素材で荒れたりすることもあるから……」
言葉はきっと無重力。風船のように浮かんで飛びもするかもしれないわ。
■マルレーネ > 「そうですね、様々な方がいらっしゃいますよね、この場所では。」
その言葉の続きはおおよそ分からないでもない。
もともと異世界の生物を数多と見てきた。そんな自分でも驚くのだから、無理もない。
「成程買い占め。」
そういえば香辛料を買い占めて商人が叩かれていたな、などと顎を撫でて思い返すが、それもまたちょっと違う。
そのちょっとの違いはなかなか分からないのだけれども。
「へっ!?」
じろじろと見られているのは分かったけれど。それこそ今の会話の流れだと、見た目で変わったところを探しているのだと思っていた。
だから、唐突に脅かされて素材がいいと言われれば、トンチキな声が漏れてしまう。
「い、いえ、ちょっと待ってください。 私実はこれ以外そこまで着たことが無くてですね。
お仕事くらいでしか………。」
「服?……あ、いえ、昔素肌の上にチェインを着たらすごい目に遭いましたけど、それくらいしか………」
「いやそうではなく、そういうのはその、恥ずかしいというか……! ですね……!?」
アキラさんをよくよく見れば、フリルにリボンに、とても可愛らしい恰好。
可愛いけど。可愛いけれど。
それを今更自分がやるのは恥ずかしいんですが……!
こちらの言葉もきっと無重力に腕押し。ふわふわとスルーされて、なんとなく引っ張られていってしまうのだろう。
ご案内:「歓楽街 路地裏」から日月 輝さんが去りました。
ご案内:「歓楽街 路地裏」からマルレーネさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
ご案内:「歓楽街」にナインさんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > テストが終わった午後から夕暮れ…
ずっと歓楽街をキョロキョロと落ち着きなく歩く少年の姿。
歓楽街にやってきた理由はあそぶため…
ではなく、人を探してだった。
だが、夜になるまで、その姿を見ることはできない。
今日はここにいなかったか…それともすれ違ったか…
まぁ、街の中で偶然出会うなんてことがまれなのだ。
はぁと肩を落とし、仕方無しにとすでに薄暗くなり始めた路地を歩くのであった。
とりあえず腹が減った。
「…今度からメールしてから探そ…」
■ナイン > 歓楽街は今の身体になってからは来た事がない3人。
色々と覚える事があったのと来てはいけないという言い付けがあったから。
しかしその日はやっておきたい事があると、3人でこっそりとやってきたのだが…。
「「「迷いました」」」
やって来てしばらく目的の場所を探して路地を歩くのだがさっぱりと見付からず。
その上にマップもなく迷子になってしまってさあ大変と3人でわちゃわちゃと話していたが急にその動きが止まり。
「人の気配です」
「感ありです」
「チャンスです」
一斉に薄暗い路地の前から歩いてくる人影を見つけ、そちらへと突撃をしていって。
■水無月 斬鬼丸 > そんなことはつゆ知らず
猫背気味に背中を曲げて路地を通り抜けようとする少年Z。
このあたり、今の時間は人通りが少ないらしい。
薄暗いし陰気だ。歓楽街といえどこういうところにいるとカツアゲに会いかねない。
さっさと抜けるが吉。そうきまってる。
でもこのへん、なんか…見たことあるようなないような…
探すのに集中して迷った?
…まさか。
「…はは…」
端末で現在位置とか確認するかと取り出そうとしたところ。
3つの人影が突進してくるのであった。
しかし、端末に気が向いていてこちらはその事に気づかない!
■ナイン > 暗い路地は目標を見失いそうになるがそこはセンサー感度を上げれば問題はない。
聞こえる音と人影の体温をはっきりと感知し3人で一気に路地を駆け抜けていき。
「次の角の先です」
「接触まであと少し」
「捕獲準備です」
大本目的はここが何処か聞くという事。
ただそれが訪ねるではなく掴まえて聞くというあたり教育が一部間違っているのだが当人たちは真面目。
そして3人続いて角を曲がれば視線を下に向けて歩く少年を発見し。
「「「突撃です!」」」
同時に声をあげると一斉に突進し、それぞれがお腹、右腕、左腕に飛びつこうと突っ込んでいく。
■水無月 斬鬼丸 > 足音、人の声。
誰か来たのかな?道狭いし開けたほうがいいだろうか
などと思い顔を上げたときにはすでに手遅れ。
3つの人影が目に入った瞬間。
上半身は完全に拘束された。っていうか、3つ分の衝撃をモロに喰らい
路地に引き倒される。
「なんっ!?」
なんだ!?なにがおこった?
端末は…取り落し、路地に落ちている。
両腕は動かない。体も起こせない。
なんで?なぜ?
それもあたりまえ。見知らぬ女の子が3人、自分の体を取り押さえているからだ。
「な、なんだぁ!?」
■ナイン > 「「「掴まえました!」」」
正面から突撃をかけたが意識を向けられていた訳ではなく捕縛は成功。
ナインが胴に突っ込み、そのままノインが右腕、ノーヴェが左腕と飛びつき押し引き倒す。
そうして倒してしまえばノインがお腹の上に座る様に移動し、後の二人も両腕を抱えてしっかりと押さえ。
「掴まえました」
「捕縛成功です」
「尋問タイムです」
驚いた声を上げる少年を3人、6つの目が輝き見下ろしていて。
「「「お兄さんに聞きたいことがあります」」」
3人同時にそんな事を声をかける。
■水無月 斬鬼丸 > え?え?え?
なに?なにがおきている?
突然過ぎて理解不能だ。
同じ顔が3つ。自分の体をうまいこと拘束している?
お腹に乗っている少女を見上げると
6つの瞳に囲まれて、混乱の中でそれらを交互に見やる。
「なに!?なに!?
え、尋問って…は、はい!」
少女の声ではあるが、ばっちり揃った三重奏の迫力は
有無を言わせないものであり
抵抗も忘れてカクカクとうなずいた
■ナイン > 押さえ込みこれで話を聞くことが出来る。
ただ問題はその方法をきっちりと教わっていなかった事。
そして質問ではなく尋問なのは戦闘AI特有の言葉の選択、深い意味はなく。
ただ無邪気ゆえの加減のない行動と暗闇に光る眼は普通に迫力がある。
「あなたに聞きたいことがあります」
「隠すと為になりません」
「素直に吐いてください」
脅したつもりはないがカクカク頷く少年の姿に笑みを浮かべる3人。
そして……。
「問います、ここは歓楽街のどのあたりですか?」
「素直に答えてください」
「教えてくれたらお礼します」
■水無月 斬鬼丸 > 尋問?
なんかやばいことしたっけ?
っていうか少女といえど上に乗っかられれば重いし
腕をキメられれば痛い。
もがくこともできず脅される。暗がりの中で
3人の瞳が怪しく輝いているようにすら見えた。
そして、その質問は……
「……え…?」
予想外。
だが、今これは都合が悪い。
隠すとためにならないという少女たちに捕まってる今の状況で…
『俺もわかりません』
などといったら……
「お、俺もわかりませんっす!!」
だが、そう答える他なかった。
今調べるところだったのだから…。
■ナイン > 場所さえ判れば目的地へ、もしくは大通りに戻れるはず。
そして少年をじっと見つめて質問の答えを3人で待つ。
しかし帰ってきた答えは求めていたものではなく。
「判らない?」
「現在地不明?」
「迷子です、迷子です」
少年に聞けば解決をすると思っていた迷子。
それが判らないとなれば完全に計算外、その事にどうしていいか判らず少年に跨り抱き着いたままどうしようどうしようとパニックになってしまい。
■水無月 斬鬼丸 > わからない。
まぁ、すぐにマップで調べれば済む話なのだが…
わからないと聞いた少女3人は混乱しているようす。
……いや、少女?
そういえば決められている腕は両方ともなんかふわっとした感触
乗られたお腹は苦しいが、もちっとした感触。
この子らは何なんだろう?三つ子かなんか?
同じ顔の少女3人に囲まれるという以上体験も相まって
なんか異質なことをされているようだ。
「なっ…えっ…は、はなれてもらっても…?」
パニックになっている少女たちとは裏腹に
こちらはみるみると頬が赤くなっていく。
■ナイン > 想定していたことに対しては応用はそれなりに効きはする。
しかし完全に想定外になれば、それをどうにか出来るほどの経験はなく3人そろってのパニック。
少年を抑えたままどうしようどうしようと首を動かし見つめ合いと動き。
少年を取り押さえているという事も忘れて腕を抱きしめたり動いたりと繰り返して。
「うにゃ?忘れていました」
「捕虜の虐待はいけません」
「逃げませんか?それなら離します」
少年の言葉にピタリと動きが止まり、次には顔を3人そろえて近づけて告げ。
逃げられても直ぐに掴まえれるようにと、左腕、右腕、そして上からと退いていく。
■水無月 斬鬼丸 > 「やめっ!?やーーめーーー!」
むにむにふかふかぷにぷにと…
人の腕持ったままうごうごするものだからこっちは別の意味でパニックだ。
それはそれとして決まったままだから動かれると痛いもんは痛い。
こちらが声を出せば、ようやく気づいたように腕の二人もお腹の一人も体を離す。
なんだこれ、というか、あっさり解放したな。
「ほ、捕虜?」
というか、逃げてはいけないのだろうか?
どいたはいいが、距離が近い。
立ち上がっても許されるのだろうか?
3人の少女が謎すぎてどう動けばいいのやら…とりあえず両手を見せて
無抵抗アピールしておこう…。
■ナイン > 何やら少年が慌て始めるが何故かさっぱり。
捕虜は大事にしなければいけないと出来るだけ痛みを与えないようにと離れていく。
一人二人と退き、最後の一人が退けば少年を囲むように立って見下ろし。
もし逃げようとすれば再び飛びかかり取り押さえる準備をして。
「そうです、大事な捕虜です」
「そして私たちの命綱です」
「速やかに質問に答えるのです」
両手を上げて無抵抗アピールをする少年の姿に警戒を解いて見せ。
真似をするように無害ですと両手を上げて見せて。
少年が立ち上がろうとしても邪魔はせず、立ち上がってしまってから距離をもう一度詰め。
「「「ここは何処ですか。お礼をしますから教えてください」」」
もう一度同じことを揃って口にして目を輝かせる。
■水無月 斬鬼丸 > 何この状況。
離れた少女たちは距離を置くわけでもなく
囲むようにしてみおろしてきている。
臨戦態勢で。
というか、それはいいのだけど…この寝ながら見上げている状況は…
見えてしまっているのではないだろうか?
「こ、こたえるからっ!ちょ、っと、まって!」
このままでは目の毒だ。
少し慌てて立ち上がって
とりあえず無抵抗の構えは継続。
というか、更に詰めてくるとは思わなかった。
ただでさえ狭い路地だというのに…
「お、俺も、しらべようとしてたとこだから!
え、ええっと、端末、拾っても…?」
猫耳…異世界人?ならこのような異常行動も納得できるが…
とりあえずは携帯端末を拾ってからだ
■ナイン > 折角に見つけたこの場所を知り進むか脱出するかの手がかり。
逃がすつもりは全くなく何時でも飛び掛かれる姿勢を維持し。
そんな格好だからこそ、見上げられていれば薄暗くとも白、黒、赤の色が見えていたりして…。
「待ちます、いくらでも」
「待つのは慣れています」
「待ちますよ、待ちますよ」
だから早くと急かすように尻尾が動いて見下ろし。
少年が立ち上がれば囲んでしまって同じ問いかけの連続。
広いとは言えない路地なのでどうなるかは御察しで。
「そうでしたか」
「勿論、かまいません」
「うん、いいよ」
端末?と聞き周囲を見回すと落ちているのを発見。
そちらの方をさっと開けて拾って調べて教えてとわちゃわちゃとせかして。
■水無月 斬鬼丸 > 白はともかく、黒とか赤とか顔に似合わず強気な色を選ぶ。
いや、そうじゃない。
おちつけ。イエメンだかオートボルタだかの国旗を見たとおもえ。
頭をぶんぶか振って、脳裏にちらつく薄布三色を振り払う。
「ちかっ!ちかいっ!ちかいっす!!」
三段撃ちならぬ三方同時砲火にさらされれば
流石に参ってしまう。
耳に心地いいはずの少女の声ではあるが、まるでムクドリの群れのようだ。
ってか、この子らなんて格好してんだ!
それに囲まれているというのだから落ち着かない。
「あ、ありがとうございます…」
ってか拾ってくれるというか、解放はしてくれないようだ。
とりあえずは受け取って……うけとって………
「……あれ?」
液晶割れてる?ってかタップに反応しなくね?
■ナイン > この間の買い物の成果を見られているとは思わずに少年が立ち上がるのを見下ろし。
立ち上がれば距離を詰めて急かすと繰り返し。
「近い?問題ないです」
「この方がよく見えます、聞こえます」
「どうして慌てるのですか?」
普段から教育をしてくれるファミリアにするような行い。
それがおかしいという考えはなく、当然と言うように少年に押しかけ。
人から見れば露出が多いと思える姿も自分たちにはお気に入りの服なので気にもならない。
「いえ、かまいません」
「それより調べてください」
「早くです早くです」
口々に急かしながら端末を渡して調べてくれるのを待ち。
聞こえた言葉に揃って首を傾げてしまう。
■水無月 斬鬼丸 > 「ぁぁ…えっと…はい…」
その理由、この少女たちは全くわかっていないようだ。
ならば説明することもできない。
カクンと頭を垂れて諦めの様子。
普通に見れば可愛い服で終わるのだろうが
初手密着からの更に密着。
冷静になってもそれが続くのだから意識してしまう。
この少女たちが全くその手の知識がないのが災いしている。
しかも…急かされても調べられないのだから…
すごい、こう…いいづらい…
「…………」
めちゃくちゃ急かされてる。
「…えーっと…こわれて…」
■ナイン > 「「「お願いします」」」
怖いや不安がある訳ではない。
ただ来てはいけないと言われた場所にずっといると叱られるかもという心配。
なので早くと少年を急かすのだが、自分たちの格好と無防備な行いで意識をさせているとは思わず。
知識は無くはないが、あまりに直接的過ぎて今と繋がっていなく。
「どうしましたか?」
「問題発生です?」
「早くにゃー」
早く早く早く気が付くと端末を覗き込めるほどに近づいていたのだが。
「「「壊れてるのです?検索できないのです?」」」
その言葉にキョトンとし、次の瞬間に振られていた尻尾が真下にたれてしまう。
■水無月 斬鬼丸 > むこうもむこうで、なんか必死だ。
三人とはいえ少女。
薄暗い路地にとどまるのは嫌なのだろうか?
ならば急かされるのも仕方ないのかも…?
路地を怖がる少女が突然体当たりからの拘束を決めてくるとは考えにくい。
というか、近いと言っているのに更に詰めてくる。
「……あ、はぁ…えっと、ごめんなさい…」
まぢかに迫る少女たちには申し訳ないが、壊れてしまったなら仕方ない。
だが、出口がないわけじゃない…
いや、下手に歩いて落第街方面に出たら流石にやばいのだが…
「べ、別の人ならきっとなんとか…してくれると思いますんで…」
自分はこれで…と行くならばいいのだが…
このあたり、人通りがほとんどないようで、狭い路地にも関わらず
四人でわちゃわちゃしてても他の人影は全く見ない。
まぁ、自分も迷子なので明るい雰囲気の方へ歩くといういきあたりばったりなやり方に頼るしかないわけで。
■ナイン > 予定では襲撃し捕縛した人から現在地を確認、その後に移動だった。
そして予定通りに少年を捕まえたまではよかったが端末が壊れてしまった不幸ごと。
そのお陰で現在地不明になったという不安に3人はおろおろとし始め。
「仕方ないのです」
「あなたは悪くありません」
「運がなかったのです」
口々に少年を慰めるように話しかけると一歩下がり。
これからどうしようと真剣に相互リンクで会議を始めようとするが…。
「名案です」
「その案にしましょう」
「お兄さん賢いです」
他の人に、その言葉にぱっと輝くような笑顔を見せて。
「「「探しましょう!」」」
そう言えば二人が少年の両腕を左右から確保し、最後の一人が前に立ち。
「私はナイン。右の私はノイン。左の私はノーヴェ。お世話になります」
それはつまり連れて行けという事で…。
■水無月 斬鬼丸 > なんだかめちゃくちゃ不安そう。
悪いことをしてしまったような気がする。
そもそも彼女らの襲撃で壊れてしまったのだが
それはそれとして、おろおろとされると気の毒に思えてしまう。
「あ…えっと、いや、むしろ力になれず…」
申し訳な下げに頭を下げて
さるにされないこの状況…。
だが、少女たちはそもそも逃げることを許してはくれなかった。
再度左右からつかまった。
可愛らしい笑顔はいいのだが、なんで確保されている?
「え?えぇ…えーと…水無月斬鬼丸…です…」
目の前の少女を見下ろしつつ名乗り返す。
右の私?左の私?え?なに?異能的な分身とかなにか?
ともあれ、連れていけという少女たち。まいった。
この辺うろついてる人間に声掛ける勇気は俺にはないぞ!
■ナイン > 「そんな事はないのです」
「貴方は調べてくれようとしました」
「運がなかったのです」
申し訳なさそうに頭を下げる少年に口々にあなたが悪くないと告げていき。
大本は自分たちが悪いのに全く気が付いていない3人。
だが少年で目的は果たせなかったがこのまま解放という選択はない。
「「「水無月斬鬼丸ですね。記録しました。水無月と呼びます」」」
その名前をしっかりと登録し、一瞬だけ3人の瞳にノイズのような物が走る。
そして少年を見上げていた一人が先頭を歩き出し、二人が少年の腕を抱いたまま後に続く。
同じ迷子なら一緒に行動すべし、一緒に脱出しようという3人なりの親切で。
■水無月 斬鬼丸 > 「…あ、あざっす…」
慰めてくれているあたり、悪い子達ではない様子。
その原因にきづいていないのは置いといて。
そんな子達を誰が追求できようか…
さっき名乗ってもらった少女たちだが…
違いが全くわからない。
今は立ち位置のおかげでなまえを把握できているが
もはや唯一の違いと言える下着の色すら誰が誰だかわからない…
というか、なんで一緒に行くのにこんな捕まった宇宙人みたいな状態なんですかね…
むしろ、この状態で歩くのか?
むにむにむにむに柔らかいものがあたってるのに…
さすがに…その、すこし、あるきづらくなってしまう。
いろいろと。
「え、えーと…ひ、ひとりであるけるっすけど……」
■ナイン > 「「「困った時はお互い様です」」」
少年の言葉ににこりと笑って尻尾が揺れ動き。
助け合いは大事などと口々に言っては歩き始める。
3人の中では少年はいきなりな事でも優しく話を聞いてくれたいい人。
そして自分たちと同じくついていない人という認識。
そんな人をこの場に一人で置いていけないというお節介に傍目には連行と言える姿で歩き。
その事にも全く疑問も違和感も感じいないのは表情で直ぐに分かるはず。
「「「そう言わずに一緒に歩きましょう。その方が楽しいです」」」
にこりと3人が笑うと離す気は全くなく、センサーを全力稼働させ人の声が多い方へと歩きていく。
■水無月 斬鬼丸 > 優しい子たちなんだろう。
間違いなく。
邪気のない可愛らしい笑顔をみればわかる。
邪気がないからこそこっちは困っているわけなんだが。
「そっすね…」
今まさに困っているんだけども、それを彼女たちに伝えるわけには行かない。
フェイに話したらニヤニヤ笑って馬鹿にされそうなもんだ。
とはいえ健康な男子なので歩調はおそくなっていく。それもしかたのないこと。
「え、えっと…皆さんは…その…三つ子とかなんとか
ってかんじなんっすかね…?」
とりあえず話を振ってみよう。話せば気が紛れるかもしれない。
■ナイン > 普段から色々と教えてくれるお姉さんと慕う先輩ファミリアの教育のたまもので素直。
そしていい人と認めてしまえば人懐っこく無防備に接してしまう3人。
先輩以外のいい人の出会いに危ない場所と判っていてもご機嫌になり。
「迷子は困りましたがいい日です」
「いい出会いはいい日です」
「水無月もいい日です?」
ひょこひょこと尻尾を揺らしながらナインは歩き。
ノイン、ノーヴェは左右から少年を挟んでやはりご機嫌に歩く。
その歩みが遅くなると疲れたのかと速度を落とし。
「「「私は同型機……違います、姉妹です」」」
素直に言いかけて慌てて言い直し、こっちは変な声がするとルートを変えて人の声が多く聞こえる方向へと。
■水無月 斬鬼丸 > 順番に離す三人。
同じような声が別の位置から飛んでくるもんだから混乱しそうだ。
とはいえ、三人が機嫌が良さそうで何よりだ。
オロオロしているのをおいていかなくてよかった…いや、行けなかっただけだが。
「…いい日…だとおもいます、はい…」
道に迷ったり端末ぶっ壊れたり、不幸なことも多くあったが
今この状況で不幸と言っては流石に罰が当たるだろう。
それをさしひいたとしても…
彼女たちの言うようにいい出会い…ではあるだろう。
優しい三つ子?の少女たちとの出会いは。
速度も落としてくれるし…その理由を聞かないでいてくれるし。
耳も生えていたが、さっきから感情をよく表すしっぽも気になってしまう。
前を歩く少女のそれに思わず目が行ってしまう。別にお尻を凝視しているわけではない。
「ドーケー…?ああ、姉妹のこと…そっくりっすね…」
猫耳あるし、異世界人なのだろう。多分。
彼女たちの故郷の言葉でも出てしまったのだろうか?
■ナイン > 3人別々に話すのは個性を持ちなさいと言われたから。
そうでなければ3人が全く同じタイミングで話す人間ではおかしい事になってしまうから。
そのせいで少年を困らせている事にもやはり気が付かない辺り人との触れ合いが経験不足。
「同じですね」
「よかったです」
「嬉しいです」
もしこれでそんな事はないと言われてしまえばフリーズし、再起動後は一日でも落ち込んでしまう3人。
しかしそんな事もなく少年が同じ気持ちと判れば本当に嬉しくて耳も動き。
人間は疲れやすいと教わっているのでゆっくりと歩くことにして。
少年の前で動く頭の耳とお尻に尻尾は感情のままに動き。
その動きは今が嘘偽りなく嬉しく楽しんでいるとゆっくりと左右に揺れていて。
「「「はい、そっくりです。スタイルも一緒なのですよ。中の良い姉妹です」」」
ここで誰が一番かわいいなどとは聞くことはなく、そっくりという事に嬉しく笑い。
時折にボロが出ている事に気が付かないまま歩くと…路地の様子が変わり始めて。
■水無月 斬鬼丸 > ふれあい過剰で困ってはしまうものの
少女たちと少年が同じ気持ちだとしれば、とても嬉しそうに見える。
思わずこちらも微笑んでしまうくらいには。
「そっすね…3人とも優しくて…
えーと、とてもいい人って感じが。
最初はびっくりしたけど」
不安にかられれば突拍子もないこともするかもしれない。
その割には捕獲のコンビネーションは淀みないものだったが。
そんな些事はさておき、この優しく可愛らしい少女たちをやましい目で見るのは良くないだろう、多分。
心を落ち着けろ。
しっぽとお尻を見ている場合ではない。
最近色々経験したからと言って、過剰に意識してしまうのはよくないことだ。
左右の柔らかな感触もわざとではないのだ、流せ、頑張って。
「仲良し姉妹。いいっすね。っと、と?こっち?」
少女の眩しい笑顔にうなずく。そして話してる間に左右の少女にコントロールと
かわいいしっぽにしたがうように後についていく。
こっちであってるのか?
■ナイン > どうしても他人との距離の取り方が判らない3人。
そんな無茶苦茶と言える距離感の中、同じ気持ちの人と歩くのは嬉しく楽しい。
少年の微笑みにテンションは上がっていき。
「私より水無月が優しいです」
「私を放っていかなかったです」
「凄く助けられてます」
突拍子な事をする様子は今の所はなく、路地を縫うように歩き。
元々は一つの存在だっただけにコンビネーションはお手の物。
無邪気に知識はあるにはあるは理解しきれていない3人は、例えやましい目で見られても気が付くことはなく。
尻尾を揺らし、胸を押し付けては楽し気に歩いて。
「ずっと一緒ですから」
「でも水無月も仲良しになりました」
「お友達になりましょう」
途中の変な声や苦しそうな声はきっとトラブルと判断してさけ。
少年を連れたまま歩けば遠くから人の声が微かに聞こえ始めて。
「「「わかりません。人の声を辿りました」」」
つまりは歓楽街なのかスラムなのか判っていないと…。
■水無月 斬鬼丸 > 放っていくにしても
状況的に確保されていた為不可能であったのだが…
あえてそれは言うまい。
優しいと言われるのは正直くすぐったくはあるが。
「む、むしろ助けられてるのはこっちっていうか…
まぁ、その迷子って心細いっすからね。
それこそお互い様ってやつで」
話すたびになんだか喜びの度合いが上がっているような。
なんだか幼い子供を見ているようでほほえましい。
だから、腕にあたってるものに関しては心頭滅却せよ。目の前で揺れるものにも目をつぶれ。
転びそうだから目は開けていなければならないが…
それに気を張ると余計に腕の感覚が鋭くなってしまう。いけない。
「え?お友達…え、えと、みなさんが、よければ…はい…」
まぁ、今携帯端末がぶっ壊れているので連絡先の交換はできないのだが。
それはそれとして、なんか、聞こえる声が不穏を増している気がする。
そして、その答えは…
「…………と、とりあえず…広い道に出ましょう…」
ひらけたところに出れば場所は把握できるはず!
■ナイン > 「迷子は大変です」
「何処にも行けなくなります」
「会えてないと泣いていました」
それ程まで心細かったと言うようにノインとノーヴェは抱き着き。
ナインは振り返れば後ろ脚で器用に歩いて頷く。
そこでナインが少年の様子が少し変な事に気が付き二人にリンク。
左右から少年の顔を覗き込むも理由が判らずに首を傾げ。
「「「お友達になりましょう。最初のお友達です」」」
嫌なんてないと首を3人そろい横にと振り、新しい友達に嬉しくて大騒ぎ。
こういう時は連絡先と考え色々と探し、住所や名前などが書かれた名刺のような物を見つけて少年に押し付け。
そしてそのままに通りにと出てしまうと…そこは歓楽街の一角で。
■水無月 斬鬼丸 > 心細いのはよくわかった。
よくわかったし抱きついてくるのも仕方ない。
何だこの子猫みたいな子らは。
見た目以上にずっと幼く思えてしまう。ソフィア先生の逆だ。
「なら、泣く前にあえてよかったっす。
泣いてる女の子のなだめ方とか知らないんで…」
先導の少女のしっぽがくるりと見えなくなり、代わりに
左右の二人そっくりな顔がこちらに向く。
細い路地だというのに器用なものだ。が、まじまじと顔を見られると頬が真っ赤に染まっているのはわかってしまうかもしれない。
すこしばかり気恥ずかしい。
というか、色々耐えていることがばれるとよろしくない。
が、すぐにその不安は吹き飛ぶ。
「わっ!?さ、さいしょ?は、え?
あー…えっと…よ、よろしくおねがいします…?」
自分で良かったのか?少し心配。
それにしても、喜んでくれるのはうれしい。
なんか照れくさくなってしまうが。押し付けられたものは…名刺?連絡先が書かれたカードだ。
「え、えーっと、俺も電話番号くらいなら暗記してるんで…口頭でいいっすか?」
彼女らに電話番号を教えているうちに…でたのは歓楽街。
このあたりだったら見覚えが…。
「あ、抜けたっすね!もう、大丈夫…なはず…」
■ナイン > 「本当です。会えて安心しました」
「水無月は良い所にいました」
「本当に幸運でした」
口々に上がるのは感謝の声、もし泣いていれば今頃は路地の奥で捕まえたまま。
そうならなかったのは運がよかったとしか言えず。
戻るにしても3人だけならば無言の時間、」少年がいるからこそこうして楽しく話し。
ふと頬が真っ赤に染まっている事に気が付くが暑いせい?と考えて。
「「「はい、よろしくお願いします」」」
断られなかった事に3人は大喜びな姿を見せ。
ナインが押し付けるとノイン、ノーヴェとカードを押し付け。
「「「大丈夫です!」」」
教えられた番号を記憶し抜けた先は見覚えのない場所。
しかし少年の知っているような言葉に抜けれたと判れば勢い良く抱き着いてしまう。