2020/08/02 のログ
■ラヴェータ > 「言っただろう?ただの気まぐれだ」
ようやく少し元気な様子を見せた持流に対してフふっと笑って。
「せっかく頼られてやったのだ。私の為にもこれからヒーローになってくれ」
勝手に頼られておいてこの言い草である。
ただ、それぐらいの要求は許されるであろう。
「そうだ、貴様の名を聞いていなかったな。人間。
私はラヴェータ。ラヴェータ=ワーフェンダー=クリークラーク。好きに呼べ」
名が売れる前にサインでもくれ、と冗談を付け加えて。
■持流 童男 > 「そうでござるか・・・ラヴェータ殿でござるか、きれいな名前でござる」
笑いかけながら立ちつつも
「某の名前は、持流 童男、・・・自分自身の救う方法を探しつもヒーローを目指して、風紀委員をしてるモノでござるよ」
快活に笑いながらも、サインをするのは
「サインをするのはらしくなってからでござるよ、ラヴェータ殿」
少し元気にいった。
■ラヴェータ > 「ん?貴様風紀なのか。ならばまた会えるだろうな
サインはその時にでも貰おう」
少し驚いた様子を見せ、そして面白い、とでも言いたげに笑みを浮かべて。
まさかこのヒーローが風紀の者だとは思っておらず。
となると名前を聞いても動じないのは新入りなのだろうか?
まあいずれにせよ、風紀の者であるならばまた会えるだろう。
その時にでもサインは貰えばいい。
「ではまた会おう、"人間"
次会うときはかっこいいヒーローを私に見せてくれよ」
揶揄っているのか、小馬鹿にしているのか、はたまた応援しているのか、全てなのか。
そう言い残した狐は立ち上がった持流の後ろの方へと一歩踏み出し、視界の外へと消えたと思えば、そのまま影へと消える。
すぐに振り向いたとしても、そこには誰かがいた形跡なぞない。
せいぜい数歩の足跡だけだろうか。
まあ、それもいづれ雨で消える。
ご案内:「歓楽街」からラヴェータさんが去りました。
■持流 童男 > 「おう!!!その時はかっこいいヒーローを見せるでござるよ!!ラヴェータ殿!!!!」
言いつつもまた会えるでござろうかなぁと思いつつ
そしてそのまま、まだ、自分自身を救う方法はわからないけども
「ありがとうでござるラヴェータ殿。ちょっと元気もらえたでござるから、自分自身を救って見るでござるよ。その方法を人を頼って、考えて見るでござる」
普通にしかし元気そうに言った。
ご案内:「歓楽街」から持流 童男さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に葉山翔一さんが現れました。
■葉山翔一 > 何やら起きていた騒がしい事件も終わりが見えたタイミングで歓楽街に足を運ぶ。
特に目的がる訳ではないが掘り出し物や何か笑えるネタになるような物でもあれば程度の考えで。
「しっかし……変わってないな」
ごたごたがあれば何か変わるかと思ったがこれといった事…。
いや、顔見知りだった二級生徒の何人かの顔を見ない事に気が付くがどうなっただろうかとも考えず。
何かあればと考えて適当に歩く。
ご案内:「歓楽街」から葉山翔一さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にアーヴァリティさんが現れました。
ご案内:「歓楽街」に追影切人さんが現れました。
■アーヴァリティ > 歓楽街は常世島の中で眠ることを知らない街。
日中も夜中も隔てなく、むしろ夜中の方が賑やかなこの街の隅、誰も目に止めないような路地裏に一人の幼い子供がうずくまっている。
その子供の片腕はなく、纏うワンピースも赤黒く染まりボロボロで、銀髪も黒く汚れていて。
「...」
子供改め怪異アーヴァリティは、歓楽街にいた。
死を知り、本心を知り、そして死に瀕した少女は、もう顔もおぼろげで思い出せない少女に救われてからも彷徨い続けていた。
しかし、戦いを恐れた怪異、恨みを買いすぎた怪異にとって落第街やスラムと言った場所はあまりにも危険すぎた。
少しでも安全な方へと追いやられた結果、こうして歓楽街の隅でうずくまっているのだ。
その表情は暗く、情けなく。戦いの際に狂った笑みを浮かべていた面影などなく。
死への恐怖と、殺すこと殺したことへの恐怖が彼女をこの隅へと追いやっていた。
「どうしたらいいの...どうしたら...」
何度目かもわからない、『どうしたらいい』という言葉を吐き出して、目の端に涙を浮かべる。
そしてそのまま、小さな小さな、情けなさを曝け出したまま、泣き始めた。
■追影切人 > 「――誰かと思えば…なーにを黄昏てめそめそしてやがるんだ?テメーは…らしくもねぇ」
そんな少女の耳に飛び込んでくる声が一つ。その声はぶっきらぼうで、その声は遠慮が無くて、その声は何時も通りで。
彼女が顔を上げたなら、そこに私服姿の一人の男が佇んでいる事だろう。
――その左目に何時も付けていた眼帯は無く、ただ生身の瞳と義眼のオッドアイが少女を見下ろしていたか。
片手に携えたのは刀だが――その刃は潰されている。とはいえ、抜刀もしていない状態ではそれも分からないだろう。
「…ったく、少し見ない間に情け無い面しやがって…こっちは怪異に成り掛けたり大変だってのに」
まぁ、それでも監視役の先輩と新たに”友”になれたりと、彼なりに得たものは大きかったが。
――そんな、化物になりつつある”刃”はこの歓楽街の片隅で泣き続ける”怪異”の少女をじっと見下ろしている。
■アーヴァリティ > 「ぇ...きり...ひと?」
頭上から降ってきた声に呆けた声を漏らす。
始めは幻聴を疑った。
この場に切人がいる可能性が0というわけではないが、好都合よく彼が現れるとは全く思っておらず、精神が不安定なことから幻聴を聞いているのかと。
恐る恐る顔あげる。幻聴だったらまた怯えることになると。
でも、幻聴ではない、本当の切人がきてくれたことを信じたくてー
「きりひと...!きりぃひとぉ...!!」
顔をあげたそのさきに写ったのは、望んだ顔だった。
殺し合い、体を重ね、相談相手であり、腐れ縁の相手。
幻聴ではない、とわかれば安心したのか、その顔を見ながら今にも大泣きし始めそうな表情になり、そのままどこにそんな力が残っていたのか跳躍し、切人に片方しかない腕で抱きつこうとする。
■追影切人 > 「あ?それ以外の誰に見えるんだよ…まぁ眼帯はしてねーけどよ…っと!?」
何時もと様子が違うのは流石に男も気付いていたが、この弱りっぷりは初めて見る。
何時もは落ち込みとかダウナーはあっても、必ず立ち直り、必ず人をからかい、必ず笑っていたのだけど。
――それがまぁ、酷い顔をしていやがる。大泣きしそうなそれはただの幼女じゃないか、と。
と、跳躍して抱き付かれればバランスをやや崩しそうになるが持ち直して。
「つーか、テメェ右腕はどうしたんだよアーヴァ…普通に再生とかする筈だろうがよ」
そんな疑問を尋ねつつも、やれやれと溜息を零しながら右手で軽く彼女を抱き返す。
左手は刀を握ったままだが、勿論今彼女に対して振るうつもりはない。そんな気も削がれるほどにこの腐れ縁の怪異が弱弱しいのもあるが。
■アーヴァリティ > 「きりひと..きりひとぉ...」
少年の思っている通り、立ち直れないほど衰弱し、とても誰かを揶揄うのも、一人で立ち直るのも無理になってしまった怪異は情けなく泣いているだけで。
しばらく子供が親に甘えるようにその胸に顔を擦り付けて泣きじゃくれば、投げかけられた質問にぐずりながら、応え始めた。
「その...ぼくの異能は...見ただけ姿を変えられるんだけど...
その...大体は.........殺した人の...で...」
切人は知っているから、信頼しているから話せる。
安心して
「それで...異能でいつもは再生してるんだけど......ころしたひとの...すがたになるのが...怖くて...ごわぐで...」
言葉にするのも、怖く、辛く、悲しい。
再び泣き出しそうになるが、なんとか堪える。
人と共にあろうとした怪異がかつて恐れ、今再び恐れた恐怖を与えること、即ち殺すことの産物が、怪異が普段扱う姿なわけで。
殺した過去から目を背けるように、真っ暗な闇を直視しないどころか尻尾を巻いて逃げ出すぐらいの勢いでいる怪異 は異能で再生する、即ち"殺した相手の姿を構成する"ことが出来ないでいた。
「それで...このままだと死んじゃうし...あっちも怖くて...」
あっちとは、落第街の方である。
普段暴れまわっていた怪異が片腕を失いボロボロとなれば、当然襲われるわけで...
■追影切人 > 「ったく、ほんと何がありやがったんだか…こっちの調子が狂うっつーの」
と、悪態を零しながらも腐れ縁で相応に追影切人という人間の仲では特別な一人である少女を見捨てる気にもなれない。
やれやれ、と思いながらも彼女が落ち着くまでは軽く片腕で抱いているだろうか。
「ああ、テメェの擬態は知ってる…まぁ俺には通用しねーけどな。
…あん?つまりテメェの擬態は殺した連中の模倣で、今更その姿になるのが怖くなった、と?自業自得だろそれ」
と、呆れたように口にする。彼女が追い込まれているのは分かるが、それは今更だろう。
自分が有象無象を斬り捨ててきたように、彼女も有象無象を殺してきたのだから。
今更怯えて怖がるのは筋違いだろう。その辺りは割り切っている。
殺すなら殺される覚悟も当然持たなければならないものなのだから。
「――んで?小難しい話をするのは苦手なんだよ。取りあえずテメーの右腕の再生と衰弱を回復する手は?さっさと教えろ。
正直、今みたいなアーヴァを見てると何かしらねーがイラつくんだよ。らしくねーっていうかよ」
彼は彼女の生い立ちも過去も何も知らない。そもそも興味があるかも怪しい。
だから、その過去の事を慮るなんて優しい真似はしないし出来ない。
ただ、今のボロボロの状態の彼女を回復するにはどうしたらいいか、それを最優先と割り切る。