2020/09/20 のログ
ご案内:「歓楽街」にクロロさんが現れました。
ご案内:「歓楽街」にアストロさんが現れました。
クロロ >  
歓楽街、眠らない街。ネオンライト輝く夜の街。
世間一般で言う深夜帯に差し掛かっても、此の街から人は消えない。
道行く街道に、人の影はちらほら見える。
流石に人込み、とまではいかないが、それでも十分すぎる程の人影だ。

「…………」

そんな歓楽街の街道、裏路地に続く建物にもたれかかる青年一人。
ブックカバーの付けた本を開き、人々から外れるように
ネオンライトの輝きの下活字を読み進めていく。

アストロ >  
そんな明るい街の人波の中を、一人の少女が歩く。
とはいえ、背が低い種族や成長が止まったような存在も跋扈するここでは、
少女の容姿が特段珍しいとは言えないのだが、
ネオンに照らされた朱い髪は、すこしだけ異質さを放っていた。

目的もなく歩いていれば、暗がりへの入り口に見慣れた顔がいる。
どうせ暇だから、近寄ってから──声はかけない。

彼は気付くだろうから。

クロロ >  
ブックカバーにより、本のタイトルは見えない。
それでも金色の瞳は真剣に文字をなぞる。
魔術師は知識にどん欲だ、クロロも例外ではない。
例え、それがどんな知識でも、知識足り得れば軽んじる事はない。

「…………」

無数の足音の中に、自分の中に近づいてくるものがある。
そちらへと視線は向けない。やがて、程よい距離で足音が止まった。
見知った、慣れた気配だ。軽く、吐息を一つ。

「……迷子か?アストロ」

何時もと変わらぬ声音で、アストロへと声をかけた。

アストロ >  
「人を見るなりいきなり迷子ってなぁにぃ?
 私を何だとおもってるの~?」

いつも通りのアストロだ。

「そっちこそこんな所で何してるの?貧乏ごっこ?」

本を読んでいたのは見ればわかるが……、
こんな薄暗い場所で読まなくても歓楽街にはいろいろあるだろう。

クロロ >  
「水ガキ」

シンプルな答えが返ってきた。
相変わらず腹の立つ言い方に自然と眉間の皺が深くなる。
元々人相の悪い方だ。傍から見れば、少女を睨みつける青年だ。構図が悪い。

「本読ンでた。お前こそ、オレ様の事なンだと思ッてやがる」

パタン、と本を閉じ、アストロを見下ろした。

アストロ >  
「その水ガキに"ほとんど"勝てないお兄さん」

当然のように睨まれても物ともしない。
周囲の人間も、我関せずといった様子。
因縁付けも多くはないが珍しくもないのだろう。
風紀委員が来たりしたらそうもいかないかも知れないが。

「あ、邪魔しちゃった?ごめんねぇ」

素直に謝る。相変わらず素振りは悪怯れる様子はないが。

クロロ >  
「ア!?負けンが!?なンなら勝つが!?」

尚通算四連敗。何がとは言わない。
声を荒げて睨みつけるも、すぐに舌打ちしてやめた。
こんな所で凄んでも、効果の無い事は知っている。
閉じた本をパチン、と指を慣らせばそれこそマジックの様に消えてしまう。

「別に、そうじゃねェよ。オレ様はいつも通りだ」

気だるそうに、ジャケットのポケットに手を突っ込んだ。

「で、お前こそ何してンだ?
 最近みねェと思ッたが、とりあえず生きてるようで安心したわ」

アストロ >  
「んふふー」

にやにやと笑って流す。今の所負けたのは射的1回だけだ。

「そう?ならいいけど」

特に理由もなく、手を後ろで組む。

「何って、人の物色だけどぉ?
 面白そうな人とか、お仕事できそうな人とかぁ……
 なぁに?心配してくれるの~?」

クロロ >  
「チッ、相変わらず可愛げのねェガキだな」

舌打ち一つ。事実は事実なので何も言い返せない。
アストロとは対照的に、両腕を組んで見下ろしている。

「ア?心配しちゃ悪ィかよ。
 オレ様は別に、"人様"を気に掛けねェ程冷たかねェよ」

関わっていく縁一つ一つを大事するのが"スジ"だ。
それは、彼女であろうと何も変わらない。
フン、と鼻を鳴らしながら煌々と輝く金の瞳が細くなる。

「そう言うからにはまさか、最近痛い目見たフシか?お前」

アストロ >  
「こういうのが好きな人も居るんだよ~?」

くるくると回る。
見下ろす視線も慣れたもの。

「ううん。悪い気はしないかな」

大きくはない声でぽつりつぶやく。
アストロも別に常識がないわけではない。
素直に嬉しい気持ちもあるが……縁というのは
時として枷になることがあることを知っている故に、複雑な気持ちでもある。

「……あは、知ってるんだぁ?」

相手の言いぶりから、すでにそれらしい物を認識していると読んだ。

クロロ >  
「オレ様は慣れただけで、好きじゃねェよ。
 まァ、"可愛げ"ッつーのはなンとなく理解出来た」

白紙の記憶で上塗りされた知識。
それがどういう意図かはともかくとして
その行動がどういうものかは最近理解できるようになったらしい。
それでも若干、彼女事を考えれば呆れ顔だ。
何とも言えない感じで、己の首元を撫でた。

「知らねェよ。ただ、スラムでドンパチやりゃァ
 嫌でもソレッぽい事は耳に入ンだろ」

ああいう場所は特に、"目立つ"事をしていれば表より良く目立つ。
特に、所属した組織の関係上、"裏"の事には敏感だ。
僅かな沈黙を挟めば、少しだけ視線を逸らし、もう一度合わせた。

「……悪い気はしねェ、か。なァ、おい。お前、ずッとこの調子で"遊び"続ける気かよ?」

アストロ >  
「まぁ、通じないのは知ってる」

知っているが、すでに癖として染み付いてるので、
しないようにするには意識しないといけない。
故にほったらかし。

「そっかぁ、私も悪名広がっちゃったかぁ~」

ある日を境に、違反部活/組織の情報を集めている。
良くも悪くも存在をアピールするためだ。
自分を無視できない存在にする。遊ぶために。

「もちろん」

だから、そう。

「他にやることもないし。そもそも私は遊びに来たんだから」

やめる気は、ない。

クロロ >  
「悪かッたな」

意外にも、自分でも妙な事を口走ったと思う。
何が悪かったのか、それは自分でもわからない。

「…………」

クロロは彼女の詳しい事情までは知らなかった。
知る事は無いだろうし、知るとしても力づくで聞くと思っていた。
ただ、今は少しだけ違う。神妙な顔つきで、アストロを見ている。

「そりゃァ、他にやる事が出来たらやめるッつー事か?
 お前、幾ら落第街だろうと、派手やりすぎりゃ最悪死ぬぞ」

裏には裏のルールがある。
その秩序を護る存在さえ、そこにはある。

「それともお前、マジでただ遊びたい為にデタラメに敵を作る気かよ。
 実はなンか裏があるンじゃねェか?それとも、そう言う"性分"か?」

アストロ >  
「いいよぉ、クロロ君がわかんないだけだし?」

相変わらず。ただ、表情は無邪気に笑っていた。

「……」

誰にだって話したことはない。
踏み込んでくる人もいなけりゃ、語る気もなかった。
それは今でも変わらない。いつもの舐め腐った表情でクロロを見上げる。

「んー。まぁ、そうだねぇ。やる事……"出来るものなら"、だけど。
 それに、死ぬのが怖かったらこんな事は出来ないよぉ」

裏には裏のルールがある。そんなことは知っている。
知っているから、表ではなく、裏を荒らす。
表で何があっても、裏の奴らは出てきやしない。

「最初からそう言ってるじゃない、私。
 いざとなったら何時でも逃げれるしねぇ?」

少女はにやりと笑う。

クロロ >  
「…………」

別にアストロの事は嫌いじゃない。
寧ろ、人間的には気に入ってる方だった。
以前としては、適当に付き合って終わりだとは思っていた。
舐め腐った表情とは対照的に、クロロは真剣だった。

「"出来るものなら"、な。テメェの生き方一つに、ケチを付ける気はねェが
 そう言う言い方はどッかヤケッパチにも聞こえるぜ?お前」

生き方なんて自分自身で決めるものだと思っている。
一つに固執することなく、好きに生きればいい。
少女の真意を、クロロは知らない。
此処に来た目的さえ、知らない。

「……それが、"道具"としての生き方ッて奴か?お前、本当は一体何しにきたンだ?」

適当に終わりだと思っていたが、我ながら随分と入れ込んでしまった。
彼女の事を、もっと知りたい、知る必要がある、と。
腹の探り合い何て得意じゃない。
だからこそ、ストレートに、一直線に、踏み込む。

アストロ >  
アストロは表情を崩さない。
にやにやと何かを企んでいるかのような笑みのままだ。
ただ、踏み込んでくる人間は珍しい。だから、少し話してもいいかと思いつつもある。

「やけっぱち。普通の人ならそう見えてもおかしくないねぇ。
 実際やったことを話せばみーんな似たような反応をしてくるし。
 クロロ君もそいつらといっしょ?」

別に変わった反応を期待しているわけではない。
自分がやってることなど、常識はずれなことはわかりきっている。
この島の表の仕組みを知った上で、わざわざ不法入島までしているのだ。

「道具は関係ないよ。捨てられたゴミはもはや道具じゃないから」

「今の私は自由だから、好きなことをするの。
 だから、クロロ君といつか遊べるのも楽しみにしてるんだよぉ?」

秩序で縛れるものなら縛ってみろ。"出来るものなら"。

クロロ >  
「アァ?何言ッてンだお前……オレ様は知らンぞ。
 少なくとも、聞いてみるまではわからン。オレ様はエスパーじゃねェ。
 人の心の隅々まで覗くなンて、趣味の悪ィ事はしねェンだよ」

相手の事情を知らない以上は何とも言えない。
少なくとも、彼女なりの事情が在る事は理解している。
そんなものは聞いてみないと分からない。それに尽きる。
力づくがお好みならそうするが、今はそんな気分でもない。
それに、この話は彼女の口から、こうして聞いた方が良いと思った。

「……お前が好きな事したきゃすりゃァいい。
 別にオレ様は、"スジ"が通ッてンなら邪魔する気はねェ。だが……」

「一つだけ訂正しろ」

確かに怒気を含んだ一言だ。

「お前は"ゴミ"じゃねェ、"道具"でもねェ。
 オレ様が認めた女だ。お前自身でも、滅多な事言うのは許さねェぞ」

まずはそれだけは、許せなかった。
彼女を物の様に扱うそれだけは何としても、訂正せねばならなかった。
ずいっと顔を寄せ、その瞳を覗き込むように睨みつけた。

アストロ >  
「最近してるのはそうだねぇ、潰してもよさそうな違反部活探しかなぁ?
 風紀も裏の人達も気にしてくれるようになるでしょ?
 どんな人がいるかは知らないけど……きっと楽しく遊べるよ」

まぁ、まだ未遂なのだが。
誘拐犯を殺してやろうとしたら、一風紀に邪魔をされてしまった。
全ては存在を知らしめるため。マークしてもらって、自分を狙ってもらうため。
相変わらずアストロは自分からは手を出さない。


「だから最初から言ってるじゃない。遊ぶためって。
 邪魔してくれなきゃつまんな……?」

怒気を帯びた掴みかかるような勢いにも怖じることなく、目を見つめる。

「そう。今は道具でもなければゴミでもない。私は私、
 でもね、過去は消せないの。私が今こうして自由であるのは、
 道具でゴミだった過去が有ったからなの」

「それだけは、誰にも否定出来ないよ」

そして、表情から笑みが消える。金の瞳同士がにらみ合った。

クロロ >  
「……で?随分と"つまンねェ"喧嘩の売り方してるッつーのは……」

「そりゃ、ただの"八つ当たり"ッて事か?
 だッたら随分と"子どもらしい"理屈だな」

睨み合う金同士。
交差する視界の中、シンプルな問いかけだ。
同時に、鼻で笑い飛ばしてやった。つまらない事だ、と。

アストロ >  
「八つ当たりならもっと暴れるよ? 
 まぁ、研究所の場所分かったから、それも予定はしてるけど……」

笑みを失った無表情のまま、言葉を続ける。

「とにかく……私は楽しいから遊んでるの。
 負ける気はないけど、負けるのも悪くはないと思ってる。
 楽しむために出来ることは惜しまない」

目を閉じる。一歩後ろに下がる。

「まぁ、いいや。別に分かってもらう気もないし。
 クロロ君がやりたいように邪魔してくれればそれでいいよ」

そう言って、路地裏の暗がりに視線を向けた。

クロロ >  
「"研究所"、な。それがお前を道具扱いした連中か」

それだけでろくでもない連中と言うのはひしひし伝わる。
彼女が、アストロがそうなってしまった連中か。
彼女が一歩下がれば、後頭部を掻いて溜息を吐いた。

「随分とまァ、火遊び好きに育ちやがッて……
 喧嘩してェなら、少しは作法守れ作法を。
 マジで火遊びしてると、後でどうなッても知らねェぞ」

少なくとも言った通りだ。
下手に"ルール"を破り続けなければクロロはそれでいい。
元より、彼女は何時か決着を付ける気だ。
それはそれとして、それ以上止める気は無かった。
路地裏の暗がりに視線を向けるアストロをしり目に、軽くそのわき腹を小突くように肘を出した。

「オレ様は喧嘩好きだが、お前のやり方はどーも気に入らン。
 ソイツに関しては"理解"しても"許容"する気はねェ。
 だが、それはそれだ。お前がその、"研究所"の連中とドンパチやろうッてンなら」

「一つくらい噛ませろよ。抜け駆けはナシだぜ?」

そのやり方を許容する気は無い。
だからこそ、一悶着覚悟だ。
だが、それはそれ。自分の気に入った女の敵は、己の敵。
せっかくデカい祭りがありそうなら、それに乗らない手はなかった。
ニィ、と楽しげに口角を吊り上げる。
結局、根っこの所は似ているのかもしれない。

「オラ、どッち見てンだ?ホラ、行くぞ。
 どーせ今日も泊まる場所ねェンだろ?
 今日くらい、素直にベッド別けてやるよ」

アストロ >  
「……」

肯定はしないが、否定もしない。
あまり深入りさせたくないというのもある。

「きゃあっ……セクハラだよぉそれぇ……まぁ、私は許してあげるけど」

小突かれれば、間の抜けた声。普通に油断していたらしい。

「……私は本気で来てもらいたいから、使えるものは何でも使って、
 そうしないといけなくなるように場を整えているだけだよ」

ただの火遊びではない。
例えるならば、よく燃えるようにとガソリンをばらまいているのだ。
全力で楽しめるのなら、NGワードだろうと平気で踏んでいくだろう。
場を整えるのを第一に置くのは魔術使いらしい考え方とも言えなくもない。

「で……私がやる分には復讐扱いされて終わると思うけど……
 クロロ君が噛むのは沢山の敵を作ることになるよ?いいの?」

素で心配の声を出す。

無条件に破壊していい研究所など、早々無いだろう。
ましてや、秘匿されるような研究を行っている機関だ。
目前の施設を潰したところで全てが終わるとは思えない。
自分は大組織を敵に回すのは慣れているが、クロロはどうだろうか。

「あ、ベッドは嬉しいー」

泊まる金はあるが、それはそれとして出さなくていいのは嬉しい。

クロロ >  
今敢えて、深くは聞かない。
きっと然るべきときが来ると、直感的に思っている。
だから、聞かない。間の抜けた声にはくつくつと楽しげに喉を鳴らして笑った。

「ウルセー、この程度でセクハラになるか。
 テメェの体見てからもの言えや」

彼女と関わらない間に、それなりに自分で知識は蓄えている。
こういう物言いも、彼女の言うセクハラに入るのだろうが
それを言って許される相手だと、勝手に思っている。

「なりふり構わず、ね……後でどうなッてもしらねェぞ。
 言ッとくが、マジでつまンねェ死に方したら、殺すからな?
 どーせ、やられンなら、オレ様の手で決着付けないと気がすまねェからな」

「つーか、その姿勢をもーちょい別にことに向けろや。
 オレ様でももうちょッと考えるぞ、多分」

ともあれ、やり方は理解するにしろ、それを許容する気にはなれない。
喧嘩したくもない連中が、場合によっては場に引きずり出されるのは"スジ"が通らないからだ。
呆れ気味に放った言葉だが、ある種奇妙な信頼関係と言えるかもしれない。
ひょんなことから始まった因縁は、己の手で終わらせる。
そんな我儘くらい口にしても、許されるだろう。

「知るか、そンな事。オレ様の邪魔するなら全員潰すだけだ」

それこそ、要らない心配だ。
どんな立場の連中だろうと、自らの"矜持"の範囲で叩きつぶす。
元より無法者、暗がりに住む住民。
今更敵が増えようが、関係ない。

「ま、お前と一緒なら悪い話じゃねェ。
 ……それにな、お前がどうかは知らンが、どーせ暗がりなンか見ててもつまンねェよ。
 そこに居心地の良さを覚えてねェなら、大人しく日の当たる所に出るンだな」

暗がりに住むからこそ、言える事だ。
裏路地の方向を一瞥すれば、フ、と鼻をは鳴らした。

「特別サービスだ。ありがたく思えよ?
 今ン所大事ないから、そう言うサービスだ。ホラ、行くぞ」

何時もの様に、手を差し伸べた。

アストロ >  
「なにそれひどーい……あはは」

もちろん、アストロは許す。
というかクロロ相手に限らず、本気でセクハラだと嫌がったことは……あまり無い。
そちらの笑う様子につられて笑った。……悪いものじゃない。

「だからぁ、私に殺すって脅しは効かないってぇ。
 まぁ、ちゃんと覚えてるから安心してねぇ?」

「それに、考えた上でこうしてるんだよ~」

ついさっきまでのなんとなく重かった雰囲気は何処かへ行って、
いつものケラケラと笑うアストロが戻ってきていた。

「クロロ君がいいなら別にいいけど」

なんらかの組織とかに入っていないなら、本人がそれでよければ何の心配もない。
少なくとも、アストロの認識上では、クロロは組織所属ではないから。

「やーだ。暗がりでも明るい所でも、私は好きに動くんだから」

くるりと回って両手を広げた。
仮に指名手配されようが、アストロは表に出たいと思えば表に出る。
欲しい物が裏にあるなら、裏を走り回る。

「珍しいこともあるもんだね」

いつものように、魔術を調整してから手を取った。

クロロ >  
「脅しじゃねェよ、一種の"センセー"ッて奴だ。
 早い者勝ちッつーとそうだが、どうせテメェを仕留めンならオレ様の手で終わらせてやるッてだけだ」

それ位の思い入れがある。裏側の人間流の信頼表現。
勿論本音を言えば、今はそうなってほしくないと思うが
そうでもしなきゃ"止まらない"時がくるかもしれない。
そうならば、いっそ……。
互いに楽しげに笑う一方で、平然とそう言う気持ちの切り替えが出来るのは
クロロが裏の住民だからこそかもしれない。

「どーだかな。考えた上でガキ程度の嗜好で終わらなきゃいいが……ア?」

「良く吠えるクソガキだな。気遣ッてやッたのに…まァ、いいけどよ」

それ位自由に動きたければ動けばいい。
人を束縛する権利は、ましてや自分にすらあるはずも無い。
握った手を優しく包み込む炎の手。
アストロの方を一瞥する金の瞳。

「ウルセェな。行くぞ」

楽しげに口元に笑みを浮かべたまま、また何時ものホテルへと向かっていった。
今夜だけは変に争う事も無く、静かに二人で、夢の中だ。

ご案内:「歓楽街」からクロロさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」からアストロさんが去りました。