2021/01/01 のログ
ご案内:「酒場「崑崙」」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
新年を迎えた歓楽街は、大賑わい――と、言う程でも無い。
まあ、帰省したり元旦くらいは家でのんびりしている生徒も多いのだろう。正月休みを取っている店舗も多い。
落第街とは違い、一応は風紀委員会の目が行き届いている(はず)の歓楽街は、意外と健全な元日を迎えている様子。

まあ、年越しのイベントは各所でお祭り騒ぎだったらしいが。それも、常世渋谷程では無かったとのこと。

「……ああ。正月早々すまないな。いや、此れくらいの情報を委員会でもスムーズに集められれば、私も気が楽なんだがな」

そんな歓楽街のダイニングバーの奥で、言葉を交わす少年と、フードを被った客。
フードの客から差し出された小さな封筒を受け取り、懐に仕舞いこめば、代わりに取り出したのは一枚のカード。

「……何時もの場所に、何時もの量だ。ああ、此処の勘定くらいは持つから、もう少し飲んで言行っても――」

少年からカードを受け取った客は、一言も発する事無く席を立ち、その場を後にする。
まあ"そういう"役割の者なのだから仕方ない事ではある。
特に気を悪くする事もなく、黙って見送るのだろう。

「……忙しない奴だな」

ふう、と目の前に置かれたグラスをゆらゆらと揺らしながら。
小さな苦笑いと共に、中身を一口。

ご案内:「酒場「崑崙」」に雪城涼子さんが現れました。
雪城涼子 >  
雪城涼子は成人である
もう、30とゴニョゴニョ歳なのだ
つまり、たまにはお酒を少しは嗜みたくなるときもある

とはいえ、
生来の童顔だったり、娘の手前だったりで
あまり堂々と飲むのも気が引けたりする

そんなわけで、ちょっと人目を避けて
こういう場を訪れたりするのである

普段と違い、シックなドレスを纏い
普段と違い、化粧を少し厚めにして
少しでも、大人の女を演出して

……実際大人なんだからね!!


「……流石に新年だと、人もあまりいないかしらね」


ある意味好都合ではある
静かに、のんびりと飲むにはいい

そんなわけで、目立たない奥の方へと足を進めていく

神代理央 >  
一方で、神代理央はぴちぴち(死語)の16歳。
本来であれば、飲酒が許される年齢では無い。
まあ、懇親会や温泉旅行では度々嗜んではいるが…それはまあ、ご愛敬というもの。

つまり、幾ら制服姿でなくても流石に公共の場で酒を嗜むのはちょっと憚られる。
よって、かっこつけて傾けるグラスの中身はノンアルコールカクテル。
甘くて美味しいが、決して酒精に溺れる事は無い。

さて、そんな独りぼっちの晩酌未満を続けていれば、店内の奥――即ち、己が腰掛ける店内エリアへと足を進める少女の姿があった。
傍から見れば、補導待ったなしの背格好。
しかして、その立ち振る舞いや風貌は、大人の女性……に、見えなくもない。
兎も角、普段と異なる装いの知人を、発見してしまった。

「……雪城…?こんなところで会うとは、色々と奇遇だな」

今回は、身を隠したりちょっと縮こまる事も無い。
彼女に怒られる理由や出来事は――まあ、色々と心当たりは山ほどあるが、兎に角、今は取り敢えず、無い。

「あけましておめでとう。今夜は、雪城は一人なのか?」

椅子から立ち上がって、保護者とかいないのかな、なんて視線を巡らせた後。
小さく彼女に手を振って、声をかけるのだろうか。

雪城涼子 >  
「え」

思いがけず掛けられた声に思わずぎょっとする。
此処で会うような人物に心当たりがなかったからなのだが……

確かに、其処には見知った顔が居た


「え。理央くん……?
 なんで……」

彼は間違いなく未成年で、この場には似つかわしくない……
というか、はっきり此処に居ていいのか、というような相手である
思わずそんな言葉が漏れてしまったのもしょうがないと思う


「え、あー……うん、奇遇、だね……
 え、でも、なんで……」

風紀委員のオシゴトとかだろうか
ひょっとして取締とか?

あ、これひょっとして実年齢さらさないとイケナイ流れとか?
嫌じゃないけれど、その、やっぱり微妙な乙女心が……この、こう……

(うう、どうしよう……)

などと心に思いつつもとりあえず平静を保とうと努力はする

いずれにしても、ここで不自然なことをすれば逆に疑われたりするだろうし
観念して側に寄ることにはした

神代理央 >  
何だか、予想外に驚かれた気がする。
茫然自失、という程では無いにせよ、驚愕の色が強い言葉と表情が此方に投げかけられる。

「なんで…と言われれば、偶にはこういう店で静かに過ごしたくなる時だって、私にもあるからな。別に此の店は、未成年NGではないし。
年越しも本庁で迎えているからな。息抜きくらい、したくなるさ」

なんで、と繰り返される質問に苦笑いと共に答えを返す。
というよりも寧ろ――

「……何方かと言えば、此方が聞きたいくらいだぞ。
どうして雪城とこんな場所で会う事に成ったのか、な。
まさか、酒を飲みに来た…なんて、不良みたいな事は言わないよな?」

彼女を完全に未成年だと思い込むが故に、向ける視線は若干のジト目を含んだ幾分厳しめなもの。
彼女の装いが、或る意味此の店に"相応しい"ものであることも、己の疑念を加速させる要因になっているだろうか。

――まさか、宜しくない連中に何か吹き込まれたり、そそのかされたりしたのではないだろうか…!――と。

「……まあ、座ると良い。私も一人で飲んでいたところだし、この席は空いているよ。此方側に来た、ということは、余り目立った場所で飲みたくはないんだろう?」

己だって、目立ちたくないから店の奥のこの席で飲んでいたのだ。
客入りの少ない今日、態々此方にやって来たという事は、そう言う事なのだろうと首を傾げる。
彼女の方に歩み寄れば、空いている椅子を引いて、どうぞ?と言わんばかりに視線で促してみせるだろうか。

雪城涼子 >  
「え、あ……う、うん。
 ありがとう」

とりあえず、おとなしく示された席につく

ああ、これは完全に勘違いされている
いきなり補導、とかいう流れにならなかっただけマシだろうか

うーん、どうしようこれ……

別に年齢は今更だけれど、顔見知りになった子に改めて話すのは、
こう、その、やっぱりなんというか……気が引ける……

ああ、もう今日はお酒諦めるしかないかなあ……
うわあん


「えーと、まあ……その、気分転換、なんだけど……
 むす……こほん。そうね、一人で静かに、っていうのは同じかな。
 そう思ったから、此処にしたんだけれど……
 そんなだから、顔見知りに会うと思わなくって」

うん、嘘はない
多分一応それなりに筋も通っているはず

……別に悪いことしてないんだから、気を遣わなくたっていいんだけど

「それより……理央くん。
 お仕事、忙しい?」

話題も逸しにかかって……いやいや、気にはしていたんだから間違ってないよね、これ

神代理央 >  
彼女が席に着けば、此方も彼女の対面の席へ。
向かい合う二人の少年少女。
着飾った彼女に比べれば、此方はシンプルな出で立ち。
普段の崑崙であれば多少は注目を集めただろうが――人入りの少ない今宵は、向けられる好奇の視線はごくわずか。

「…成程。訪れた理由は、大体私と同じというわけか。
それにしては何というか、随分とこう…気合が入っているな」

普段の彼女とは違い、此の店に相応しい装いの彼女。
そんな彼女を眺めながら、クスリと小さく笑う。

「いやまあ、似合っているから別に構わないんだがね。
さて、此処で再会したのも何かの縁だ。好きなものを頼むと良い」

と、彼女にメニューを差し出す。
アルコールメニューも含まれたものだが、特段気にした様子も無く彼女の方へ差し出すだろう。
そして、此方は再びグラスを傾けようとして――

「…忙しくなりそう、といったところかな。
先日、違反部活同士の抗争が起こっている。今は大人しいが、年明けの喧騒が収まれば騒ぎ出す連中もいるだろうし」

逆を言えば、今はそれほど忙しくは無い、ということ。
強いて言えば、先日監視対象の少女を保護したくらいだが…それは、色々と誤解を招きそうなので口を噤む事にする。