2021/01/04 のログ
ご案内:「歓楽街」にオスカーさんが現れました。
オスカー > 「どうよ、ウチも中々いい仕事してるっしょ?」

薄暗い部屋に6人。顧客側と事業者側とで3対3で分れている。互に代表者一名ずつと護衛二名ずつの割り当てでテーブルを挟んで行われていた。取引の現場である事が一目で分かり、売る側と買う側であるものの取引現場に同じだけの頭数を揃えているのは対等な立場で取引をしようとする表れだ。そうあくまで表向きは
テーブルの上には細長いケース、大きなケースと複数個あるがそれは見た目よりも重い品物であるだろう。ゴトリと重い音と共に買う側が商品を確認した。売る側の代表者であるオスカーは座り心地の良い椅子に深く腰を掛けてニコニコとほほ笑んでいた。

「お代これに書かれている奴ね。ああ、あとしっかりと現金で払ってくれよ。臓器で払おうとしても駄目だからさ」

代をテーブルの上に置く。まだ少年と言えるこの男は15歳の外見と思えぬほどの貫禄を放っていた。
深く椅子に掛けながらも注意を怠らない。この場にいる者らとそして外からの乱入者という線も気を配っている

オスカー > 此方の武装は日本刀。仕事場では斧を持ち出したい所なのだが、この歓楽街は"やや浅い部分"にあり、治安は良くは言い切れないもののまだまだカタギの人間が出入りする区域。日本刀よりもあからさまに凶悪な武器は出したくない。
万一にでも交渉が決裂もしくは何者かの妨害に備え、いつでも抜刀できる心構えだったが交渉は恙なく進み、無事契約成立。

「………お買い上げあげありがとうゴザイマス。ああ、勿論お支払いは確認した。1円たりとも間違いはない…と言っても万札ばかりなのだが。ともあれ、今後ともいい関係でいられるように頼むぜ。」

交渉は成立と言ったところだろう。満面の笑みで互いの代表者が立ち上がり互いに握手をする。
片方は武器という名の武力を売り、片方は店の用心棒に装備させる武器を調達する。
その額は札束で取引されるほど高価なもので、逆説異世界の技術を駆使した高性能の武装とも言える。店側はボディーガードに装備させる武装を強化させることでセキュリティを上げ、こちらは料金を頂く。互いが得をする理想的な取引だ。鼻歌交じりにこの場を後にして外に出る。

「この街は寒いねえ。」

空を見上げれば日は完全に落ち、夜空と雪が見える。吐く息も白くなっている。

オスカー > 「この街に来てまだそこまで時間が経っているわけじゃないけど。まあ、大体は理解できた。この街が今こうしている間にもどこかで争いが起きているのなら我々、武器商人の出番という訳だ。」

白い冷たい息を吐きながら連れてきた部下二人に向かって語り出した。
護衛という名目で連れてきたが正直力不足。むしろオスカー単体で行った方が早い完全なお荷物状態なのだが交渉や商談には色々と面倒な暗黙の了解があったりする。

「魔術や魔法だなんて理解不能なモノを使う連中もいるがそれはそれ。頑張ってこちらの技術の有用性を伝えていく他ない。そう、休んでいる暇はないのだ。積極的に売り込んで稼ぐんだ。そして願わくは誰もが武装して街を出歩く素敵な光景にならんことを」

そんな光景は地獄でしかないのだが極端な話、売り込めばそういう未来も無しに在らずというのが皮肉だろう。両手を空に掲げて、空を仰ぎ。
そしてつまらなく「はっ」と息を吐き、夜の街へと消えていくのだった。

ご案内:「歓楽街」からオスカーさんが去りました。