2021/04/13 のログ
ご案内:「歓楽街」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
新入生の歓迎会や、商業系部活のイベントが続く春先。
常世渋谷と歓楽街は、夜の帳が下りても多くの生徒で賑わっていた。
不夜城と呼称される程の歓楽街は、深夜に近い時間になっても多くの人で賑わっている――
「……だからといって、貴様達の勧誘活動を許可した覚えはないのだがね?」
そんな歓楽街の路地裏。
硝煙棚引く拳銃を構えた儘、小さな溜息を零す少年。
銃口の先には、倒れ伏した男。アスファルトに流れる血だまり。
出来れば、新入生には見られたくない現場だなと肩を落としながら、構えた拳銃を腰のホルスターへとしまう。
■神代理央 >
違反生徒は学園都市の暗部であり――それを排除する自分達もまた、暗部の一つ。
間違った事をしているとは決して思わない。
しかし"受け"が悪いことも重々承知している。
夢と希望を持って学園都市に足を踏み入れた者達に見せるのは…些か、早過ぎる光景だろう。
「…だから、早い所死体の処理に来てくれると助かるのだがな」
と、通信機に短く言葉を告げた後。
間違えて此処に足を踏み入れる者を"表"へ帰す為に、壁に凭れ掛かってぼんやりと虚空を見上げる。
夜の星空すら、此の街ではネオンに掻き消えて消えてしまっていた。
ご案内:「歓楽街」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
少年が連絡を入れてから十数分
早足の足音と共に、3人の風紀委員が現場に現れる
その中の一人は、見知った顔
やってきた方向から、おそらくはスリーマンセルで落第街方面を見回っていのだろう
落ち着いた様子で他の二人に指示をし、遺骸にシートを被せる、程々の長身の少女は少年…理央を少しだけ見下ろして
「──お疲れ様。…あとで報告は上がるだろうけど…」
痕跡は丁寧にシートで覆われ、遺骸は二人の委員によって風紀委員の特殊車両へと運ばれてゆく
「…何があったの?」
それらを視線で追いながら、問いかける
簡単な報告は通信機越しにあったのかもしれないが
■神代理央 >
"処理"に駆け付けた同僚は、意外といえば意外であるし、納得のいく風紀委員だった。
年度末まで入院していた先輩委員。伊都波凛霞。
退院した、とは聞いていたがもう現場復帰していたとは――
「御疲れ様です。…まだ退院して日も浅いでしょうに、そんなに駆け回って大丈夫ですか?
事務仕事だって、立派な風紀委員の仕事でしょうに」
呆れと気遣いの入り混じった様な声色。
スリーマンセルでの行動であるし、彼女程の戦闘力なら早々歓楽街の違反生に後れを取る事は無い。
それを分かってはいても、やはり心配なものは心配なのだ。
「大した事ではありませんよ。右も左も分からぬ新入生に、違反薬物を提供する飲食店を案内しようとしていた。
止めに入ったところ逃走。此処の路地裏で抵抗の意志を見せたので射殺。それだけです」
小さく肩を竦めつつ、運ばれていく遺骸に視線を向ける。
先程まで遺骸が倒れていた場所には、血に濡れた角材が一本。
『抵抗の意志』とやらが、むなしく転がっているのだろうか。
■伊都波 凛霞 >
現場で顔を合わせるのも久しぶり
早々に心配するような言葉をかけられれば小さく苦笑する
「随分長い時間迷惑かけちゃったからね。
すぐに復帰できるよう、入院中に頑張って万全まで治したから」
力強く、そう返答を返す
あえて早期退院などはせず、じっくりと治せる環境で完璧な状態にまで治しきったらしい
心配無用、と言わんばかりに目立つ胸を張ってみせていた
そして自らの問いかけへの返答が返ってくれば…やや難しい表情
視線を転がる血塗れの角材に落とせば、少しだけ、悲しそうな色をその眼に宿した
きっとこの少女ならば体術で拿捕するか、銃を使うにしろ足を撃ち抜くなどして無力化を前提に考えるのだろう
「──相変わらず極端、だとは思うけど」
「…もしかしたら異能者で、危険人物の可能性だってあったもんね」
言いつつ、遺骸を収納し運び込む車両へと視線を移す
判断の速さが重要な局面もある、それは重々承知していた
少女と共に来た二人は同行するらしく、小さく頭を下げ、車に乗り込み走り去ってゆく
■神代理央 >
「……まあ、先輩のことだから万全と言えば万全なんでしょうけど…。
けれど、余り無理はしないで下さいね。此処は兎も角、落第街は未だ私達の手の及ばぬ場所ですし。
……先輩に言っても、釈迦の耳に念仏かもしれませんけどね」
危機管理能力や、極めた武術による殺気や気配の察知。
己が持たないものを持つ彼女に、危ないから気を付けてなどとは些か傲慢が過ぎるかも知れない。
というか、異能や魔術無しだと多分徒競走でも彼女には勝てない。
……もう少し自分のスタイルに気を付けてくれれば、同僚諸氏が視線のやり場に困ることも無いだろうに。
と、そこで。難しい表情を浮かべながら言葉を紡ぐ彼女に視線を移す。
批判の色を含んだ言葉ではない。しかし、諸手を上げて賛同の意を示す事も、心優しい彼女には引っ掛かるものがあるのだろうか。
「未来ある後輩を裏社会へ引きずり込もうとしただけでも、十分に危険人物であり、危険思想の持主です。
本人は其処まで考えていないのかも知れませんが、此処で堕とされた生徒が社会復帰するには、相当の努力が必要です。
であれば、抵抗の意志を示した時点で…『雑草』は引き抜かなくてはならないでしょう」
車で立ち去る二人を見送りながら、ばっさりと切り捨てる。
銃弾に倒れた男を。その人生を。抱えた過去や想いを。
『雑草』と切り捨て、刈り取った少年は、溜息交じりに少女の顔を見上げるのだろうか。
■伊都波 凛霞 >
「無理はしないよお。…って行ってもこういうお仕事じゃ、絶対危険を侵さないなんていうのもね」
小さく頬を掻く
むしろ危険には、対処能力のある者が率先して行くべきでもある
そのほうが結果的に被害が少なく済むことは明白であるのだ
尚、スタイルに関しては同僚が視線のやり場に困っている?などということにはまったく頓着がなさそうだった
風紀委員ならそんなふしだらな視線を向けないという一種の信頼でもあるのだろうか?
否、この凛霞という鋭い少女が時折見せる妙な鈍さの一部である
「うん。今更、理央くんの考え方に横槍を入れるつもりもないよ」
そう言って、笑みを作る
「私がただ、その『雑草』を大事にしてた人もいたのかもしれないな、とか…余計なことを考えちゃうだけ」
もし犯罪まがいの方法で、とはいえ
命を断たれた男が身寄りのない誰かを養っていたら…
──そういう存在を可能な限りなくしていくのが、自分達の役目でもあることを噛み締めつつ
以前は反目していた、少年の言葉を受け入れるようになっていた
「でもそれはそれとして、相手を無力化…取り押さえられる体術なんかは
理央くんも、もっと使っても良いと思うよ?」
「体格に不安があるなら、女の子でも使えるような技を私がいくらでも教えてあげられるし」
どう?今度習ってみない?なんて、妙に頼りがいのある微笑みを向けていた