2021/06/08 のログ
■神代理央 >
彼女の言葉と反応を、じっと、静かに見つめていた。
やがて此方への要望。彼女の手伝いをしている者の保護まで聞き届ければ、深くソファに身を預ける。
「情報収集の方法については、配慮が無かった事を謝罪しよう。
まあ、方法は問わない、というだけだ。別にそうしろとは言わない。
しかし……」
そこで言葉を切り、浮かべるのは少しの驚きを交えた様な笑み。
「張り倒されるくらいは覚悟していたのだがな。存外肝の据わった女だ。
確かに、君に断られれば違う誰かに話を持っていく。
今回は偶々、風紀委員と面識のある何でも屋だから、私も依頼するに過ぎない。
だから、情報収集の範囲や方法については一任する。
どちらにせよ成功報酬だ。ノルマは課さぬよ」
そこで自分の懐に手を伸ばし、取り出したのは二枚のカード。
一つは、彼女も良く目にするであろう学園内の金融機関のカード。
名前欄には『雑費A』の文字が刻まれている。
もう一つは、無記名のIDカード。
「集めた情報は、此のIDカード経由で私に送信しろ。
内容確認次第、此のカードの口座に報酬を振り込む」
つい、と2枚のカードを滑らせて彼女の元へ。
それを確認すれば、静かに立ち上がる。
「支度金として或る程度の金額は既に入っている。当座の生活費にするもよし。調査費用に使うも良し。世話をしてくれる者に、何か買ってやってもいい。好きに使え。
……ああ、それと。君にもしもの事があった場合に保護して欲しい者の情報も、そのIDカードから送ると良い。
風紀委員として、務めは果たそう」
と、一方的に話し終えると制服を翻して事務所の出口へ。
扉を開いて外に出ようとして…一度、立ち止まる。
「改めて、期待している。私から告げられた言葉を聞いて尚、仕事を受けようとするその気概にはな。
また会った時は、お茶の一杯でも御馳走しよう。今日頂いた茶の礼だ」
と、穏やかに微笑んで。
返事を待つ事無く、ぱたりと扉を閉めて事務所から去っていくのだった。
■柏木凛 > 「あのな…殴られる覚悟をしてるなら最初っから言うなよな。
昔の私なら迷わずに殴り倒してたってーの。
風紀からの正式な依頼なら舞い上がって無茶する馬鹿も多いんだぞ……無駄な被害が出るだけだろーが。
誰かは教えねーけどあっちに出入りしてる知り合いが何人かいるしその辺に頼んどくよ。
ノルマがないなら気楽でいいな」
ノルマなしの成功報酬なら無理をせずに集めればいい。
そんな事を考えていれば二枚のカードが手元へと。
確認をすると学園内の金融機関のカードと無記名のIDカード。
「いいのかよ?それならありがたく何かに使わせてもらうな。
あいつの情報は早い間に送るよ。情報もとりあえずは手に入った分は送るから裏取りは任せるな」
流石に裏取りまでは不可能なのでそこは任せると告げ、立ち上がった少年を見送るために立ち上がるのだが、
告げられた言葉に返事をする前に去っていくのを黙って見送るしかなく。
「この仕事は本当に気を付けねーとな…」
自分だけではなく周囲まで危険にさらすかもしれないと思えば気持ちを切り替え、早速知り合いにメールを送り始めて…。
ご案内:「歓楽街」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から柏木凛さんが去りました。