2021/10/02 のログ
ご案内:「夜の歓楽街」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
「お疲れ様。じゃあ今日はここで解散、ってことで!」

落第街、その入口付近の見回りを終え、
3人の同僚の風紀委員といくつか言葉を交わし、別れを告げる
本日は異常なし、このまま帰路につこうといったところ──

夜になっても尚明るい歓楽街
ハロウィンを控えた町並みは、少しずつ大きな催し物を感じさせる装飾が見えはじめていた

「…ただの悪戯だとは思うんだけどなー…」

小さく頬を掻く
その『予告』があったのはほんの数日前のこと
同時に、いわゆる『幽霊』の目撃情報がちらりほらり、と風紀委員会にも届いていた
現状、実害はナシ

ああいった噂は、SNS等で拡散され虚偽を含む報告もたくさん挙がってくるもの
───とはいえ、まったく無視することも出来ないわけで

「…のんびり歩いて帰りますか」

一応の、見回りも兼ねて

伊都波 凛霞 >  
色とりどりの明かり、ネオン
賑やかな人の声に交じる客引きの声
常世の島の中でも夜が此処まで喧騒に包まれる場所は此処くらいだろう

私用で来ることはそんなにないけれど、風紀委員という立場と
落第街との境界に在るという関係上、歓楽街を訪れることは多かった

こんな時間までこの辺りを歩いている学生がいたら、一応注意喚起とかはしなければ

そんなことを思いつつ、歩きながら視線を巡らせていると…
まぁ場所が場所なのだ
色々と目に入ってくるヒトは、大凡が男女のペア…

カップルである
斜に構えた人からは、リア充と呼ばれる人々だ

もちろん、凛霞はそんなことを思ったりはしない
当人達はこれでもかというくらいに幸せそうなのだ

まぁ?ほんの?すこしだけ?
アルティメットに奥手な?自分の幼馴染のことを?考えたりは?するけど?
程度で

伊都波 凛霞 >  
おっと、雑念、雑念
見回りのためにわざわざのんびり徒歩で歩いているのだ
ちゃんとしなければ
そもそも幼馴染との関係がなかなか進展しないのは、
彼の実家の復興であるとかそういうのが忙しいからなのだ
おっと、雑念、雑念

「にしても、なあ…」

幽霊、と言われてもピンとこない
青垣山で生まれ育ったので怪異の類は慣れているものの…

実際に目に見えないモノとか、どうするんだろうといった感じである
こればっかりは如何に自分の眼が良くとも(7.0)どうしようもない気がする

伊都波 凛霞 >  
「(…あれ、あの人)」

そんなリア充の筵を歩いていると、一人立ち尽くす女性を見つけた

どこか寂しげな後ろ姿
往来の中で立ち尽くしているというのも…言い方を選ばなければ、不審だった

「………」

注視し、歩みを進める

──と。

ぞく、と背筋に悪寒が走る
何かを予感したというわけでもなく
直接、カラダが反応したかのような───

「あの、大丈…」

距離は数メートル程度
おずおずと声をかけた矢先…

目の前を横切った通行人に隠れたほんの一瞬
目に見えていたはずの女性の姿は、音もなく消え去っていた

「…あれ?」

ご案内:「夜の歓楽街」にシャンティ・シンさんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
辺りを見回しても、それらしき人影は見当たらない
背筋に冷たいものが伝うのを感じながら、忘れていた呼吸を再開する

「……えー、と…」

とりあえず外側は平静を装いつつ内心は

「(うわーぁ……)」

である

見間違い、ということにしてもいい気がする
ああいった予告があった直後であるし、過敏になってきただけかもしれない

と、言い訳をしてみたところで…

「そんなステレオタイプな……」

という小さなツッコミを思わず漏らしつつ、歓楽街の往来に立ち尽くしていた

シャンティ・シン > 誰かは知らないが世間を騒がせる面白い噂がある

「幽霊」

それは今の時期的なものだろうか。それとも全く関係ないただの思いつきなのか。それは自分には関係がないことだ。なぜなら――

「おも、しろ……そう、だ、わぁ……」

くすくす、と薄ら笑う。
だから、此処にきた。この境界の地。言い換えれば、この世とあの世の境としても機能する。其処に『種』を撒けば……あぁ、きっと……世の中は楽しいことになる。それは、噂の張本人の思惑を助けるのか邪魔するのか……ただ、おそらく『場』を整えることはできるだろう。それは本懐だ。


「……あ、らぁ……?」


ふと、片隅に面白い記述が『見え』た。


『その女の背筋に悪寒が走る――目の前に見えていたはずの女が姿を消したのだ』
謳うように読み上げ……


「……そう、ねぇ……それ、は……あと、でも……いい、かし、ら……ね、ぇ……?」


くすくすと笑いながら、幽鬼のような女は姿を消した女の向こうから静かに静かに歩み寄っていく。

伊都波 凛霞 >  
これはどう報告に書いたらいいものやら…
レイチェルさん怖がりだしなあ、なんてことを思いながら、
立ち尽くしても仕方なし、歩みを進めようと踵を返す
───と

「…?」

こちらを視る、気配
再び足を止めて、感じた視線を探るようにめぐらせれば、その少女に目が止まる

先程、見間違えであったかもしれない女性のいた場所のその先に…
こちらに向かってくる、少女の姿を見つけた

さすがに、僅かに身体を強張らせ…視線を外すことができなかった

シャンティ・シン > 『少女は体を強張らせ、現れた女に向けた視線が外せずにいた。』

謳うように女は語る。


「こん、ばん、はぁ……ふふ。良い……夜、なの……か、しらぁ……?」


打って変わって気怠げになった声で、ゆるりと声をかける。まるで長年の知己であるかのように自然に淀みなく。


「んー……ふふ。どう、した、のぉ……? まる、でぇ……なに、か……こわ、ぁ、い……もの、に……でも、あった、みた、い……にぃ……」


くすくすと、女は笑う。

伊都波 凛霞 >  
まるで情景を謳い語るように紡がれる言葉
そしてそれとは裏腹に、跡切れ跡切れの気怠さを感じさせる言葉…

賑やかな歓楽街の中において、まるで切り取られた空間にいるような錯覚に囚われる

「…あ、っ……こ、こんばん、わ…」

声をかけられ、はっとしたように挨拶を返した…は、良いものの
この場に似つかわしくない雰囲気の少女の登場に、その戸惑いを隠せないでいた
くすりくすりと笑う少女に、僅かながらの警戒心を懐きつつ…

「ど、どうもしないよ。えっと…君こそ、一人…?」

夜の歓楽街に少女一人…怪しい、というよりも危険だろうという気持ちが先に立つ
少しずつ、少女と距離が狭まればその姿もより、よく見える

くすりくすりと笑う少女の視線は、どこかこちらを見据えているようで、そうでないような…不思議さを感じさせた

シャンティ・シン > 『「――」少女は気づいたかのように返事を返す。戸惑いを隠せないまま、「――」言葉を紡いだ。』

再び情景を読むような謳うような言葉。


「ふふ――えぇ、えぇ……一人、よぉ……? もし、かし、てぇ……二人、に……見え、たり……し、たぁ……? あ、は……私、には、ぁ……『見えない』……けれ、どぉ……?」


くすくすと笑って答える。


「そう、いえ……ば、ぁ……そんな……『噂』――あった、わ、ねぇ……? 『出る』……の、だった、かし、らぁ……?」


なにが、とは言わない。しかし、そのなに、がなんのことかは決まっている、とでもいうような言い方。



「……たい、へん……ねぇ……そんな、のも……探す、の……かし、らぁ……?」

伊都波 凛霞 >  
「………」

謎めいた感覚
まるで俯瞰してこの場を眺めるような口ぶり
変わった少女だな、といった最初の印象は少しずつ、不思議な少女へと変わってゆく

「…なんだか見透かされてるみたい。
 私にも『見えた』のかどうかわかんないけどね」

噂からの先入観もあったのかもしれないし、と誤魔化すように笑って
例の噂は、生徒にもそれなりに知っている人間はいるのだろう

「『出る』かもしれないのも危ないけど、
 ほら、夜の歓楽街は治安も良い…とは言えないから。
 あんまり一人で彷徨かないほうがいいよ?幽霊探しは…おまけかな」

妙な被害に合わないように、不必要に出歩く人を探して注意を促す…といったほうが意味合いとしては強いのだろう

「えっと…学園の生徒、…だよね?」

シャンティ・シン > 『探るような確かめるような視線。しかし「――」笑って誤魔化しながら少女は口にした』


「……ふふ。ふみ、こみ……すぎ、ないの、ねぇ……慎重、で、いいこ、と……だ、わぁ……」


くすくすと笑う。記憶が確かなら、彼女は……いや、今は過去の話はいい。今の話だけでいい。
ただ、古い人、であるのは好みだ。


「ふふ、ふふ……自分、の……恐怖、とか……不審、を……置いて……私、の……心配、を……して、くれ、るの、ねぇ……あぁ、あぁ……いい、わぁ……本当、に……模範、だわ、ぁ……?」


最強に近い戦闘力を持ちながら、どちらかというと穏健派に属する彼女。強い心と脆い精神のどちらも持ち合わせる彼女。実に、舞台に立つには相応しい役者だ。


「……ん。いまさら、ねぇ……えぇ、一応、は……学生、よぉ……? 先生、に……見え、たり……した、ぁ……? まぁ……ここ、の……先生ってぇ……見た目、とか、じゃ……あまり、区別……つか、ない、し……心外、とは……いえな、い……かし、らぁ……」


少女の問いかけに、唇に人差し指を当てて少し考えてから答える。それから――


「あぁ、それ、ともぉ……もぉっと……い、け、な、い……ヒト、に……見え、た……と、かぁ……?」


くすくす、と薄ら笑いを浮かべる

伊都波 凛霞 >  
過去に痛い目を見たものだから
不必要に踏み込まないことを覚えた
なんだかそれすらも見透かされたような言葉と、少女の笑みに
先程感じた寒気とはまた別種の薄ら寒さを感じ──

「──この学園都市のことだから、いらない心配かもしれないけどね」

自分を見る目が普通とは違う、ことは薄っすらと感じつつ…
先程からのやりとりで、なんとなし…少女の見ているモノを予測しながら、言葉を続ける

「んーん、"見て"わからなかったから確認しただけ…。
 会っていきなり色々踏み込んで聞くのも失礼だしね。
 …でも」

くすくすとした笑いを浮かべる少女の顔を、まっすぐに見据える

「キミは、私を"見て"色々わかるみたいだね」

異能の力か、魔術かまではわからないけれど
はっきりとしたことは言えないまでも、雰囲気から推察したことを口にし…

「まあ、それはそれとして『はじめまして』
 伊都波凛霞、一応風紀委員もやってるよ。貴女は?」

にこやかな笑みを作り、そう自己紹介するのだった

シャンティ・シン > 『薄ら寒いものを感じながらも少女は真剣に探り、推察する。少女はまっすぐに女を見据え「――」』

謳うように語るように大仰な姿勢をとって語り――


「……あ、は……あは、はは、ふふ……ふふ、ふふ、ふ……あ、は、ははは……」


くすくすと薄ら笑っていたのが大きく狂ったように……しかし、気怠さは抜けぬままに奇妙な哄笑をあげる。



「わた、し……あなた、みたい、な……子……好き、よぉ……あは……」


ひとしきり笑ってから、言葉を口にする。



「ええ、『はじめまして』……私、はぁ……シャンティ。シャンティ・シン。今、は……ただの、学生、よぉ……休学、みたい、な……状態、だ、けどぉ……?」


どうせ調べればすぐに分かることだが、だからこそ、あえて口にする。彼女のような『勘のいい』人物は好きだ。だから、余計な手間はかけさせない。それでも調べるなら彼女の自由だ。


「ふふ……これ、よ……これ――やっぱ、り……いい、わぁ……いぃ……あ、は……ねぇ、凛霞ちゃん……あな、たは……幽霊って、信じ、る? ええ、ええ……こんな、世界、だ、もの……それ、らしき、ものは……いる、の、でしょう、けれ、どぉ……そういう、こと、では……ない、わ?」


じっと見据えるように……しているようだが、視線はどこか奇妙に泳いでいる。言葉はどこか熱に浮かされているようで、どこか生真面目に。何もかもが奇妙に入り混じった様子で、問いかけた。

伊都波 凛霞 >  
少女は俯瞰じみた言葉を続ける
その流暢な語り口は、他の言葉との差異を多く感じさせ
まるで別人がその口を借りて語っているようにも聞こえた

「まるで舞台の上の登場人物を見ているようなコト言うんだね。
 でも、どうして笑うの?シャンティさん」

高らかに、気怠げに笑う少女に、往来の人々もまた視線を送る
その真意は目には見えない
あるいは、少女に触れてみれば『自分には』わかるのだろうか──

「……どうかな。
 いないことを証明するのは難しいけど、聞きたいのって、そういうことでもないんでしょ?」

含みのある言葉に小さく肩を上げ、言葉を返す
どういった感情をもっているのかは伝わりにくい、が…此方に興味を持っている…それだけはよく伝わっていた

シャンティ・シン > 「なん、で……笑う……? あ、は……もう……あな、た……笑い、死な、す……つも、りぃ……あは……あぁ……その、死に方、は……考え、た……こと、なかった、わぁ……」


どうして、と問われて再び笑う。わかっている。別に冗談でもなんでもなく、彼女が本気で聞いていることを。それが、おかしくてたまらない。


「……貴女、が……思った、とお、りに……いい、ぇえ……其れ、以上、に……素敵、だった、から、よぉ……? だか、ら……楽し、い……の、よ」


普段なら、そんなことは口にしない。思ったことなど伝えない。けれど、今日は口にする。今日の出会いもそうだが。思えば、彼との出会いから少し自分は変わった気がする。


「そう、ねぇ……これ、は……信仰、の……問題、と……いえば、いい、かし……らぁ? そう、ねぇ……」



唇に人差し指をまた当てて……考えるようにして


「なにか、の……悪意……敵意……害意……そん、な……形、ない、もの、が……人を、害する……そんな、現象、を……信じ、る? 形の、ない……はずの、ソレ、が……形を、持って……動き、だす……そんな、こと……を、認め、る……?」


謎掛けのような問いかけ。其れに意味があるのかないのか。それは曖昧なままに。

伊都波 凛霞 >  
「素敵、ね…」

あんまり褒められてるようには感じられないなあ、と
小さく頬を掻きながら、再び笑う少女を見つめる

思ったとおり…それ以上──
何を指しての言葉かまでは推し量れないが
彼女の見ているモノが普通…一般的な視野で捉えられないモノであればこそ…なのだろう
出会って間もない、短い遣り取りの中でもそれくらいは感じ取ることが出来る

「信仰…? そうだね…信じる、と認める、はまた違うかもしれないけど」

不可思議で、どこか不気味にも感じる少女との会話
怪しむのが自然…果たして、正面から対話をすることが正しいのかどうかは解らない
ただ、この凛霞と少女はとても律儀だった

「逆説的にもなるけど、形のないものが人を害したとして、
 それらが悪意や害意から出てきてるのかどうかを証明するのは難しい」

「ただ、そういった堅苦しい話はおいといて──」

目を閉じて、厭なものを払うような手振りをしながら

「私はそういう悪意とか誰かを傷つけてやろう、なんていうコト自体が、キライ。…だから答えは認めない…で、どう?」

シャンティ・シン > 「あぁ……」


陶酔するような蕩けるような声をあげる。ああ、本当に……理想だ。理想的すぎるほどに。


「いい……いい、わぁ……さい、こう……よぉ……」


くすくす、と先程の哄笑はせず、小さく小さく笑う。


「凛霞ちゃん……貴女、は……あぁ……いえ……これ、は……野暮、かし、ら……ねぇ……ふふ。でも……えぇ、えぇ……幽霊……亡霊……色々、な……言い方、は……ある、けれ、どぉ……それ、は……人、の……悪意、の象徴、の、こと、も……ある、わぁ……あは。古い……悪意、の……亡霊、が……ひょんな、こと、で……闇の、中、から……顔を、出す……こと、も……ある、かも……ね?」


予言のような、そうでないような、まるで意味の内容にも聞こえることを口にする。


「ええ、ええ……そんな、悪を……ゆるさ、ない……なんて……あぁ、本当に……頼も、しい……わぁ……そんな、子が……風紀、委員……に、いる、ことは……喜ば、しい……こと、だわ。嬉し、い……わ」


笑いを潜めて、相変わらず焦点の定まらない目で、ただそちらを見る


「凛霞ちゃん……仲良、く……でき、る……かし、ら……ね?」

伊都波 凛霞 >  
「…だ、大丈夫…?」

急に蕩けるような声を発した少女に思わず声をかける
元々様子は普通じゃなかった気がしたけれど、それでもそのちょっとした急変は驚く

…が、特に心配することもなかったようで
予言めいた言葉をつらつらと続ける少女は再び小さく笑いを零していた

「…悪を許さないんじゃなくて、私が単純に、嫌なだけ…」

人を害する、には色々な理由が存在する
人が人を、という場合には必ずそこに良心が存在し…理由がそれを上回った場合に、それは発動する
けれど稀に、純粋に何かを満たすだめだけの悪意、邪気、害意というモノが素通りするコトがある
事情も、理由も関係なく──ただ人を傷つけるだけのモノ
それが、ただただ嫌いだった

「仲良く?…勿論!」

彼女が野暮だと言いかけたことを少しだけ気にしつつ
彼女自身が仲良く、ということを求めるのであれば当然それに応えたいという気持ちはあるのだった
良い関係はいくらだって増えて構わないのだから

シャンティ・シン > 「許さない、も……嫌い、も……本質、的に、は……同じ、もの……よぉ…… ただ、それを……どう、思い……どう、扱う、か……そこ、だけ。えぇ、えぇ……下人は、あらゆる、悪に、反感を、いだき、ながら……小さ、な……悪を、平凡、と……断じ…… 失望、した、わ。そし、て……自ら、を……悪に、堕とし、た…… 悪、と……正義、は……表裏、一体……よ。正義、は……悪意に、なり、得る……」


くすくすと笑って講釈する。楽しそうに。悲しそうに。


「でも……ええ。貴女、は……きっと……そう、簡単、に……『夜の底』、へ……『かけ下り』は、しない……でしょう。これ、は……そう、いう……おはなし」


相変わらず奇妙な視線で見据えてくる



「……だか、ら……ふふ。仲良、く……ね。ええ、ええ……でも、本当、に……ふふ。貴女、とて、も……わかり、やすい、わ……でも……」


ふと、考えるように


「貴女が、真に望むものは、なぁに? なんて」


くすっといたずらっぽく微笑んで問いかけた

伊都波 凛霞 >  
「……」

つらつらと、気怠げに紡がれる講釈
感じられる感情はゆらゆらと不安定に揺らめき、余計に少女の…異質さを演出する
しかしその内容は、良いと悪いを議論にはつきものとも言うべき表裏の論
無論、凛霞もそういったことを考えたことがないわけは、ない

「期待されてるのか、信頼されてるのか、よくわからないけど」

小さな苦笑を返す
自身の正義は誰かにとっての悪になり得る
それくらいは理解っている
だからこそ悪事に潜む事情や、立場も可能な限り、拾おうとする
甘いと後輩に言われたこともあるけれど、それを変えるつもりはなかった

「真に望むもの、なんて言われてもなー…そんなの、きっと平凡で、みんなと同じものだと思うけど」

「…私自身の幸福、じゃない?」

微笑みに返すように、小さな笑みを浮かべ、そう答えた
明らかな、嘘もなにも混ぜようのないシンプルな答え──

シャンティ・シン > 「いい、のよ、ぉ……こぉん、なの……どう、せ……解釈、次第……だ、ものぉ……解釈違い、同担拒否、地雷お断り……なん、でも、あり……よ?」


くすくすと笑いながら少女の言葉に返す。まるで混ぜっ返すように。
けれど――


「……………」


ぴたり、と言葉も笑いも止める



「……そう。それは……とても、とても……素敵な、望み、ねぇ……」


それだけを口にした。

伊都波 凛霞 >  
「人の望むことなんて、あれこれ混ざったモノだもん。
 たくさんたくさんあるけど、最終的には自分のそこに繋がるかなーってだけ」

言葉と、そしてくすくすとした笑いをも止めた少女に笑顔でそう答える

「周りの人の幸せも、自分の幸せって考えるとまぁそう答えるのが妥当かなって思ったんだけど…」

「お気に召さなかった?」

笑うのをやめてしまった少女に、問いかける
少女の瞳は自分を見ているのかどうか、よくわからない
もしかしたらもっと別のものを見ているのかもしれないが…

「じゃあ、聞き返すのもなんだけど、シャンティさんは?」

真の望み、なんて言い方は少し大仰だけど、望んでいることくらいはきっとあるのだろう、と