2021/10/27 のログ
ご案内:「歓楽街」にクロロさんが現れました。
ご案内:「歓楽街」にアストロさんが現れました。
クロロ >  
眠らないネオンライトが宵闇を明るく照らし出す。
この町は、この島は相変わらず変わらない。
ざわめく人の波は、月が顔を出しても減る気配はない。
なんなら、朝日が出ている時よりも増えている気もする。

「…………」

そんな人込みから外れ、短い石階段に座り込むクロロ。
その風貌は"如何にも"な感じのヤンキーだった。
後ろは雑貨店だかなんだったか、よくわからない。
明かりがついてるから多分やっているが、興味は無い。

「……フワァ」

退屈の欠伸を一つ。生憎、構造上涙は出ない。
最近、落第街の方が煩いが興味が無い。
そもそも、頭が動いてないならあんまり動く気も無い。
退屈していたが、何となく胸騒ぎがする。
虫の知らせか。さて、なんなのか。

「退屈じゃなきゃ、なンでもいーけどなァ……」

アストロ >  
と、背後の雑貨店らしき店のドアが、内側から開けられる。
座っている位置によっては背中に当たるかもしれない。

「あぁ、ごめんなさ……お?」

聞き覚えのある声。
その声を放つは黒い髪の少女。
その顔には貴方には覚えのある眼鏡。

クロロ >  
「ア……?……ッ!?」

ゆるりと振り返った先には少女の姿。
なんて事はない、恐らくそこの店の客だ。
そう、ただの客だと思った。その姿を見た時思わず両眼を見開いた。

「おま……生きてたンか!?」

思わず張り上げた第一声。
あんな別れ方をした後だ。
もしや、とは思ったが思ったよりは元気そうだ。
まじまじと少女の姿を見つめる金色。

「……なンかイメチェンした?」

ちょっと驚きすぎて色々記憶も混乱している。

アストロ >  
「あー、えーと……」

とりあえずドアを閉めて、ひょいっと石階段を飛び降りて。
くるりと回ってそちらに向き直る。

「まーねぇ、いろいろあったけど。
 心配してくれたぁ?」

脱出してしばらく身を隠していた故に、当然の反応だろうと認識している。
しかし、そんな事は意に介して居ない、というような振る舞いで、
似合うかな?と言いたげに眼鏡に手を添えケラケラと笑った。

クロロ >  
「…………」

何といえばいいだろうか。
色々言いたいことがありすぎて言葉が出てこない。
何とも言えない感じでしかめっ面のまま、溜息。
後ろ髪を掻いて、ばつが悪そうだ。

「心配してたに決まッてンだろ。
 ……オレ様のヘマで死なれたら、マジで呪われても文句言えなかッたぜ」

此処迄何が在ったかは色々と憶測が付くが
ともかく、無事だった事は喜ばしい事だ。
同時に、申し訳なさが立ち込めて仕方ない。

「アァ?アー……まァ、似合ッてるかもな。
 それよりも、なンだ。ずッと面と向かッて言いたい事があンだよ」

一呼吸、おいて。

「……悪かッた」

一言。

アストロ >  
「ん~、調子狂うなぁ……。
 まぁ、殺されはしないよ。いまや貴重な実験材料だろーし」

こちらもばつが悪そうに横髪をくるくると指に絡める。
連絡を入れてもよかったのだが、方法がなかった。
自分の方はともかく、相手は平気だろうとそのままにしていたのだ。

「……別に怒ってないし、気にしないで?
 私も油断してた結果だしねぇ」

気持ちの整理のために必要そうだというのは分かった上で、流すように応える。

クロロ >  
「アァ?ウッセェ、コッチもこう、なンだ。
 チョーシでねーしお互い様だろーが」

実際、彼女が(恐らく)過酷な目にあったのは自分のせいだし
どう言う顔をしていいかわからないのも事実だ。
とは言え、視線を泳がせるのは良くない。
視線は合わせたまま、何とも言えない感じに自身の首を撫でた。

「実験材料ッてなァ。また捕まるとかねーだろうな?
 ……アァ?……、……アー……」

思わず生返事だ。
意図をくみ取った上で、とりあえず今はそう言う事にしておくべきなのか。
変に食い下がるのも、今は止しておこう。まぁ、気にはするが。

「……で、とりあえず無事なンはわかッたけどよ。
 お前今まで何してたンだ?マジメに生徒ゴッコか?」

アストロ >  
「えぇ~?クロロ君が気にしてるだけじゃーん」

こちらから視線を外し、意味もなくくるくるとその場で回る。

「捕まる気はないけど……まぁ、探してるんじゃない?
 たとえば…施設でリルムの名前を使ったら追われちゃうかもね。
 ……あれが此処にあるって知ってたらもうちょっと慎重に行ってたかも。
 これが私の油断」

ぴたっと止まり、眼鏡クイッ。

「ってことで、今は黒髪の女の子ライアちゃん。
 偽造の学生証なんとかするの大変だったよぉ」

また髪をくるくると弄る。
こんどは指の触れているところだけ朱い髪になり、黒い髪は偽装だと分かる。

クロロ >  
「……気にすンだろ。テメェに死なれたら寝覚めが悪ィンだ」

何よりも自分が死なせたようなものになる。
誰だって気にするし、まだそれに対する詫びが済んだとは思っていない。

「そう簡単に逃す気はねェッて?……少しぐれェなら匿ッて……
 ……、……いや、あンまりお前好みでもなさそーだな」

それに、こっちの都合で組織に迷惑をかける訳にもいかない。
とはいえ、一度話を通してみるのもいいかもしれない。
案外、あのチビッコならチビ同士で話が通じるかもしれない。

「まぁ、なンだ。達者ならそれでいーンだよ。
 つーか、お前今更だけど勉強とか出来ンのか?
 髪染めただけじゃ、マジメとは言わねーンだぞ」

アストロ >  
「そんな簡単に死ぬわけないでしょ。
 私を何だと思ってるのぉ?」

クソガキです。

「匿う……へぇ?
 クロロ君もそういう事できるようになったんだぁ」

何処かに根を下ろすような印象はなかったらしい。
意外そうな調子で続ける。

「勉強?ちょっとぐらいは?
 少なくともクロロ君よりは出来るよ?」

やっぱり煽る。ケラケラと笑う。

クロロ >  
「ア?ウルセェぞクソガキ!今にも死にそーだったくせによォ。……多分」

わからん。けど多分それなりの目にはあってた。
多分。煽られると反応するのは相変わらずだ。

「……まァ、オレ様がメンドーみてるよーなモンだ。
 お前みてーに、ほッとけねーガキとその仲間たちと面倒を見てンだよ」

とはいうものの、組織としてはまだまだ新参。
表立って活動している訳では無いが、使えそうなら迷惑が掛からない程度には頼る。
それ位には、今いる組織は居心地がいいのだ。

「ア?負けンが???
 なンだテメェ、オレ様に学力でも勝てると思ッてンのか???」

露骨に怒りにギリギリと歯を噛みしめてるぞ!

アストロ >  
「まぁ、なんにも出来なかったのはそうだねぇ……。」

それでも自力で逃げ出せたので、大したことはないと思っているらしい。

「へぇ……クロロ君やっぱりやさしーんだねぇ。
 そういうことなら、お世話にはなれないかなー。
 ご覧の通り、一人でもなんとかなってるし?」

両手を広げて、ケラケラと笑う。
"掛かる迷惑のほうが大きすぎる"とも思っているが、言わない。

「え?それじゃあ国の名前5つ言える?
 前に教えたインド以外で」

クロロ >  
「……だからまァ、埋め合わせとは違ェけど
 そーゆーのは返しとかねェと"スジ"が通ンねェ」

結局、自分が迂闊だったのは違いない訳だし。

「だから、別に必要なら必要ッて言えよ。
 テメェが必要ッてンなら、オレ様が話を付けてやる」

迷惑なンて、幾らでもかけろ。
勿論強制はしないけど、屋根位は在っても許されるだろう。
事情が事情なら、きっと向こうだって理解してくれる。
軽く髪の毛をぐしゃぐしゃにしてやろうと伸ばした手は、寸前で止まった。
魔術を使ってるとは言え、お互い唯で触れ合える訳じゃない。

「…………」

眉間にしわが寄って、固まる。

「……、……と、常世島」

それ国か???しかも一つだし。

アストロ >  
「うーん……じゃあ、一応考えとくね」

伸びてきた手を見て、わざとらしい考える仕草。
その返事は"行けたら行く"ぐらいのノリだ。
現状偽名で生活して困っていない故の余裕。

「常世島……は……まぁ……百歩譲って認めるけど。
 それだけかなぁ~?」

ニヤニヤとしながらも、見下す目。

クロロ >  
「おう」

それでいい。
別に今が困窮してないなら、返って迷惑だ。
久しぶりに調子も戻ってきたようだ。

「ア!?テメェ……久しぶりにあッたらあッたで舐めやがッて……!
 アス……ライアテメェ待てオラ!すぐ残り4つ思いつくから待ッてろ!」

その証拠によく吠える。
腕を組んでない記憶に思考を巡らせる。

「…………」

1秒。

「…………」

2秒…。

「…………」

3秒……首が90度傾いた。ダメっぽい。