2022/11/13 のログ
ご案内:「歓楽街」に神樹椎苗さんが現れました。
■神樹椎苗 >
――日の沈んだ後の歓楽街。
ヒトの通りが多くなり、これからと言わんばかりに街が活気づく時間。
晴れた夜空は月が輝いているが。
それ以上に街の灯りが眩しく、月明かりは地上まで届かない。
「ふ、う――やっと陽が落ちましたか」
通りの横に無造作に設置された長椅子。
街灯が照らすそこに、浮き上がるような白い色。
人形のような幼子が、一人で座っていた。
「今日の、仕事は――妙に、疲れました、ね――」
うつらうつら、という様子で船を漕ぐ。
そのうちに、いつの間にかふらりと体が揺らぐ。
(ん――あれ――)
長椅子の上に、ずるずると倒れ込んだ。
意識が朦朧とし、世界が明滅する。
奇妙な事に体に力も入らず、強い眠気が思考を霞ませていた。
ご案内:「歓楽街」にカルディアさんが現れました。
■カルディア >
「あらあら、あらあらあら」
ご機嫌なお買い物の帰り道。
踊る様に歩いていた魔女はふと通りの片隅にあるベンチへと視線を向けそれに気が付いた。
「あんなところに道に落ちているタイプの幼女」
なんだか道端に白いものが”おちて”いる。
俄然興味をひかれた魔女はコートの裾を翻し、浮かぶような足取りで音もなく近づいていく。
十分観察できる距離まで近づくと好奇に満ちた視線が虚ろな表情を浮かべる幼げな姿へ。
ついでに袋から一つ肉まんを取り出してパクリ。
「うん、おいし」
にこーと無邪気な笑みを一つ。
煮たブロック肉を包み込む甘さ強めの生地が口の中でたれと絡み合い、
ほろほろになった肉の触感と香辛料の香りがそこにアクセントを加える。
蒸したてのそれは最近激はまりのヘビロテ商品で、なんとお値段たったの640円!
……それはおいといて。
「ねーぇ、お嬢さん、どぉしたの?
迷子?こんなところで寝ていると風邪と怪しいお姉さんお兄さんが近づいてきちゃいますよ?ぃひ。」
■神樹椎苗 >
ぼんやりとした視界に、いかにも、と言った風体の女が映る。
ハロウィンはとっくに終わったというのに――と思いつつも、頭はずっしりと重く。
肉まんの匂いだけは、霞がかった思考に入り込んできた。
「――ん、あぁ」
とろり、と力の入らない瞼を支えても、眠そうな目が魔女を捉えた。
かけられた声に反応して、わずかに身じろぎをする。
「まいご――では、ないです」
眠そうに、力の抜けた声。
ふう、と言葉の合間に抜ける細い吐息。
「なんて、いいますか――あぁー、疲れて、うごけない、みてーなやつ、ですか、ね」
話しながらも、うつらうつらと、途切れかける意識で、途切れ途切れに言葉を返す。
よく見れば、外傷が至る所にあるらしい事は見てわかるが、少女の様子はそれが原因ではないだろうとは推測できるはずだ。
見るからに、疲労困憊、という様子だろうか。
■カルディア >
「あら駄目よ。そういう時は家に帰って寝ないと。
こんなところで寝てると本当に誘拐しちゃうわ。
魔女って幼女大好きなんだから。あ、あれは鬼か
どっちでもいいけど私は幼女好きよ?」
体温高くて暖かいし良いわよねー。と言いながらベンチの空いたスペースに座り込む。
荷物は真横によっこいしょ。いや、年とかじゃなくて意外と重いんですよこれと何かに言い訳しつつ
紙袋の中を覗き込んで首を傾げた。
「あれー、どこかしらねぇ」
お目当てのものが見当たらないのでまぁ後でいっかと諦めて幼女っぽい何かを再観察。
見るからに疲労困憊といったところ。全くこの島ときたら。
はぁ、とため息をつくとこきこきと肩を鳴らした後腕をぐるぐるとまわす。
「ちょっと失礼するわねぇ」
準備運動を終え、これはちょっと全身の怪我具合を見分しなければ。
と抱きかかえるように持ち上げようとしてみたり。
■神樹椎苗 >
「んー、あー、ろりこんですか――」
横たわる体の下に腕を回せば、その重さはあまりにも軽く、簡単に持ち上がる。
しかし、自力で体を支えようという力も無いようで、回された腕を支点に体がしなった。
抵抗のない体は、簡単に腕の中に納まるだろう。
身長差もあって、胸にうずまるという事もないが、されるがままに抱き支えられる。
「ぁ――なん、――あったけえ、です」
ほんの少し抵抗する意思はあったのだが、触れた体温に敗北。
力の入らない腕で、胸にしがみつこうとするものの。
上手くいかず、ぷらんと垂れさがった。
この調子なら、なにをされても抵抗する事はないだろう。
それこそ家に持ち帰る事も簡単そうだ。
■カルディア >
「コンプレックスは無いわぁ。
ただ好物なの~♪
だって美味しいもの。肉がやわこくて」
トンデモ発言しつつくるくるとまわして見分。
重篤な怪我はなし。小さな怪我程度ならまぁ日常でも多いでしょう多分。
それにしてもこんなに疲れるなんてねぇ。と再度嘆息。
「あ、そういえば」
あれ、ポケットに入れたんだった。と思い出す。
ポケットを探り目当てのソレを片手で取り出すとふりふり。
少し甘い香水の香りと共に広がったのは大きめのハンカチ。
「よっこいしょ」
そのまま子供が後ろから人形を抱えるように脇に腕を通しながら膝の上へ。
座るときに広がったコートの裾で膝の上の幼女を首だけ出して包み込む。
「風邪はこれで近づかないわねー。
あー、ぬくぬく」
傍目から見れば完全に知り合いのテンションで事を成しながらにっこにこの魔女。