2022/11/24 のログ
ご案内:「歓楽街」にジョン・ドゥさんが現れました。
ジョン・ドゥ >  
 ……―― 兄さん ――……

 懐かしい声がする。ああそうだ、脚をマッサージしてやらないと。風呂にも入れてやりたいけど、恥ずかしがるんだよな。
 今日は   と、    も頑張ったんだぜ。おかげで、先生が、いい飯を食わせてくれるんだ。
 きっと良くなるから、誕生日はお祝いしような。だから   、楽しみにして――、

「……夢か」

 喧騒に目を覚ますと、そこは街のど真ん中。寝癖見たいな頭で、寝起きでなおさら悪い目つきで周りを見ると、何人かがぎょっとした顔をした。

「はは、挟道のおセンチが遷ったか?」

 もういない人間の夢を見る。それ自体は、それほど珍しいわけでもないが、   の夢は久しぶりかもしれない。

 放課後の歓楽街に出て来たはいいけど、面倒になってサボってたら、寝ちまったのか。あーあー、腕章つけたままだよ。タレコミされてないといいな。サボってたってバレると怒られるしなあ。

「……冷てっ」

 背中とケツがひんやりと冷え切ってた。まあそりゃあ、地べたに座って適当な壁に寄っかかってたらそうもなるだろ。
 ゆっくりと立ち上がってみたら、体のあちこちから、コキコキと音がする。思ったよりも長く寝てたのか……。ちょっとサボり過ぎたな。
 

ジョン・ドゥ >  
「ふあ……はぁ……」

 欠伸も出るってもんだ。いや。別に暇ってわけじゃないんだが。
 仕事はある。わざわざここの支社に連絡して、いくつか溜まってる仕事のリストも貰ってる。

「あー……失せ者探しに、盗難車、酔っ払いの器物損壊、ねえ……」

 なんと言うか、実に平和な内容だ。テロリストが活動してるって話なのに、関係ないところじゃこんなもんか。

「何からやるかねえ……」

 頭を掻きながら、なんとなくリストを眺めてみる。大きな事故や事件ってなれば、チームを組んでるなんちゃら課やらなんちゃら部が動くだろ?
 俺みたいな完全個人プレーに回ってくる仕事って言うのはこういうもん、なんだろう、多分。もちろん、嫌じゃない。こういう仕事で飯が食えるなら、それは悪くないと思う。
 まあ、目の前で喧嘩の一つでも起きた方が面白いな、とは思うけどな。