2019/05/04 のログ
ご案内:「落第街大通り」に近衛 昴さんが現れました。
■近衛 昴 > 健全とは言いにくい複数の店が並ぶ大通りの片隅で客引きでもなく、何かを探すでも人を待つでもなくただ立ち尽くして何かに意識を集中している。
数日前に見つけた糸の束を解析したところ複数種のアミノ酸の繰り返しから構成されるタンパク質、やはり予想していた通り蜘蛛の糸と同じ主成分ではあったが、なによりも驚かされたのはその強度。
普通の蜘蛛の糸でもロープに編み込めば40㎏のものを持ち上げられるそうだが、この糸はその日ではなく人一人を簡単に吊るすこともでき、なおかつ引き千切るには人間の力では到底不可能という代物。
そんなこともあってか、具体的な対策や装備が整うまでは路地裏へ無防備に入るのは最善とは言えず、こうして大通りから裏通りのドローンを操作して探ることにした。
距離があるため機数は1機のみだが、これで危険を侵さずに調査を進めることができる。
問題があるとすればナンパやらスカウトやら、そんな言葉で近寄る輩に集中を削がれることのほうが問題だ。
ご案内:「落第街大通り」に佐藤重斗さんが現れました。
■近衛 昴 > 探索を始めて数時間、初期調査で簡素なドローンを使っていたためにどこで蜘蛛糸を引っ掛けたのかも明確にはわからず、こうして通りの入り口から左右の路地裏を調べながら前進しているが、いかんせん進みがいいとは言えない。
借りに見つけたとしても今は手出しはしない、念のために付近に義体は待機させてはあるが、裏路地に潜む者のためというよりは場所が場所だけに面倒ごとになったときのための保険。
それにしても探せども痕跡の一つも見つからずに収穫がないまま時は過ぎ、もう少しポイントが絞れないかと聞き込みの方へとシフトしようと考え始めて。
善は急げと通りを進みながら目指すのは過去に情報屋代わりとして使用していた違法なバー、地下へと続く階段を下りてゆけばまだ昼間だというのにオープンの札が掲げられた扉の前に立って
■佐藤重斗 > 風紀委員はブラックかもしれない。
身体の数ヶ所に包帯を巻いた男が一人呟く。
「まぁ、その男って俺なんだけど。」
昨日、天才少女と模擬戦をしたあと、寮に帰って待っていたのは風紀委員の仕事だった。
曰く、裏路地に不審な物を発見。情報収集すべし。
その仕事の通り情報収集をすべく、目に付いたバーの中で周りの話に聞き耳を立てているのだ。
「にしても何もないな…。」
諦めて他をあたろうか…。そんなことを考えていると、また新しい客が入ってきた。
■近衛 昴 > 久しぶりとはいえこの素顔の姿でこの場所へと足を運ぶのは初めてだ、当然見覚えのある顔もない顔も、この場に不似合いな少女に視線を向けるだろうが、笑みと共に皮肉のような挨拶をすれば口調と声に気づく者も多くて。
「…相変わらず、昼間っからこんなとこに籠って、吸血鬼の集会所か何か?少しくらい外に出たらどうなの?」
あながち間違っていない皮肉を口にしながらカウンターに腰かければ注文するのは、ミントの味わいが特徴のブランデーベースのカクテル『スティンガー』
カクテルが意味するのは危険な香り、そしてカウンターに置くのは試験管に入った糸のサンプルを並べ、最近路地裏で妙な噂を聞いていないかと問いかければ、しばらくすればメモが底へと挟まれたカクテルグラスが目の前に用意されるだろうか。
■佐藤重斗 > え、何今の。かっこいい。
なんか周りの雰囲気も良くなってるし。
もしかしてここの常連さんなのだろうか?
この娘ならば路地裏のことについて何か知っているかもしれない。
「こんにちは。少し話に付き合って貰っていいか?」
少女を見ていた周りの人がざわつく。何だよ。別にナンパじゃないよ。
だからそんな命知らずを見る目で見るな!
顔面偏差値が釣り合ってないって?知ってる!
内心では戦々恐々としながらも彼女の隣に腰掛けて。
■近衛 昴 > 元情報屋として言うならば自身の情報を表立って聞くのは手の内を晒すようなもの、情報は価値のある商品あるので暗黙のルールとして直接聞き出そうとはしないものだ。
そんな前提がある中ストレートに話を聞き出そうとしてきた見慣れない顔に周りはざわつく、向けられる視線は無謀な挑戦者としてではなく予想外の行動に対する驚き、しかも相手が相手だけに同情の視線さえも向けられていて。
隣に腰かける彼に少女も視線を向けながらポカンと口を開けたまま、開いた口が塞がらないというありさま。
ガタリと椅子を勢いよく立ち上がれば彼の襟首を掴むようにして、そのまま奥の個室へと引きずっていこうとするもムードのあるものなどではなく、半分呆れ顔の様子で。
「なッ…はぁ、奥の個室借りるから、それも奥に運んできて」
個室へと入るなりソファーへと彼を突き放せば、そのまま後ろ手に扉を閉じて外と隔絶すれば大きくため息をつくだろうか。
■佐藤重斗 > 美少女に話しかけたら襟首掴まれて個室に連れ込まれました。
え、何?そんなに俺が話しかけた事が許せなかったの?
仕舞いにゃ泣くぞ、こらぁ…!
「いってぇ!何するんだ!
俺はただ風紀委員として情報収集を…。」
なんか凄い冷たい目で見られてますね。
情報収集の方法としては直接聞くのは間違いじゃないだろ。
ナンパに見えたかもだけど、話せばわかってくれる(願望)
だから通報しないで。
情けない姿のまま話を聞こうとする。
もしものために警戒しながらも、バカなことを考え睨みつけて。
■近衛 昴 > 「風紀、委員?…あのね、情報収集ってのはストレートに聞けばいいってものじゃないの。情報屋にとって情報は売り買いする商品なの、それをタダで教える情報屋なんていないでしょう?」
当然先ほどの情報もこの個室もただではない、通常のバーの数倍の値段と引き換えに守秘性を買っているのだから。
立て続けに説教じみた解説をしていると背後からノックの音が響き、カクテルとメモを受け取れば向かいのソファーへと腰かけて息を吐き出せば、声を張り上げたせいで乾いた喉を潤そうと飲むはずじゃなかったカクテルに口をつけるも、予想以上のアルコールの高さに悶えてしまうか。
ようやく落ち着けば改めて尋問じみた質問を口にしながら、目の前の不慣れな風紀委員さんがどうしてこんな場所に迷い込んだかを聞き出そうと。
その裏には風紀委員なら何かこちらが掴んでいない情報を得ているかもしれないという打算があっての行動。
「で?貴方は?どんな情報を探してたの?その様子じゃ、まともに取り合ってもらえなかったでしょう?」
こんなところで風紀委員、しかも見るからに現場慣れしているようには見えない。
これはある意味好機かもしれない、風紀委員とはスポンサーとの兼ね合いがあるので表だって敵対する意思はなく、だからと言って協力関係にあるわけでもない。
この機会に風紀委員内にパイプを作るのもいいかもしれない、表立った協力関係でもいいがどうせなら裏の繋がりの方が動きやすいかもしれない。
説得か取引か、それとも篭絡か…
■佐藤重斗 > 目の前の彼女の言葉にハッとする。
確かに情報は大事なものだ。戦争では情報の有無が勝敗をわけるとも言う。
少し軽薄だったかもしれない。反省。
「事実だから何も言い返せないな…。」
それでも要件を聞いてくれるとは、結構優しい人なのかもしれない。
それから俺は、
路地裏で蜘蛛の糸のような物が発見されたこと。
確実に普通の蜘蛛の物ではないこと。
この情報から現物を見ればわかるかもしれないと思って探していたこと。
こんなことを説明し、何か知らないか返答を待った。
■近衛 昴 > 糸の単語が出れば顔には期待の色が浮かぶも、状況が見えてくるにつれてその色にも陰りが出始めたのは彼が得ている情報はこちらと大差ため。
肩透かしだったことに落胆しながらも一応こちらからも知りえる情報を開示するのは礼儀、といっても違う点はサンプルの糸を所持しているくらい。
「…知っていることはほとんど同じ、か。ボクは近衛 昴、今回の事はスポンサーからの依頼で調査してるの。そういうキミは?」
彼の名を確かめるとテーブルに置かれたメモとサンプルを差し出し、メモにはここ最近裏路地で赤い怪物のようなものを見た証言が書かれているが、外見は蜘蛛だけではないようで、しかもそれと対峙した人間がいるとの未確認情報まである。
これ以上の情報が望めないのなら別の手段をとるしかないだろう、彼のソファーの隣に移動して触れるほどの位置に腰かければ彼の太腿に手を添えながらある提案を持ちかけるだろうか。
「…奇遇にも同じ目的を持った者同士が出会えたんだから協力しようじゃないか?もちろん、オフレコで…そのほうがいいだろう?表立つと色々と面倒だろう…例えば情報の見返りとか」
どこか甘い声の調子で誘うような言葉を口にしながら彼の反応を確かめ、このまま篭絡してこの件以外でも情報源として活用しようという腹で。
■佐藤重斗 > 残念ながら彼女もいい情報を持っているとは言えないようだ。
糸の感じからして相当大きい蜘蛛…。
タランチュラくらいしか思いつかん。多分違うだろう。
取り敢えず彼女に名乗られたので、自分も名乗り返す。
「佐藤重斗。2年。風紀委員見習いだ。」
差し出されたメモを見て考える。
赤い怪物。不気味なことこの上ない。
鬼、竜、炎。赤に纏わる伝承や怪物を思い出すが埒が明かない。
風紀委員のデータベースで調べてみるか、と顔を上げると…。
「っ!!」
近い近い近い!柔らかい温かい良い匂いがする!
協力…?オフレコ…?
言葉が頭に入ってこない。甘い声に脳を揺さぶられる。
や、やめろぉ!こちとら童貞なんだぞ!勘違いするわ!
■近衛 昴 > 「風紀の佐藤さん、ね。ん?どうしたの?ボクの顔に何かついてる?」
彼の瞳孔の動きを観察しながら明らかに動揺しているのが手に取るようにわかると、さらに追い打ちをかけるように顔を傾けるように覗き込もうと。
さすさすと太ももを撫でるようにしながらわざと濁した形で見返りの話をしていこうとし、体はより寄せるように距離を詰め始め、視線を上げれば吐息の熱さえ感じられる距離に顔があり、下へと反らせば強調するかのように露にされた胸元が間近に迫るか。
「もちろん、タダでとは言わない。協力報酬は望むものを。もちろん金銭以外にも、ね」
どうとるかは彼次第だが嘘は言っていない、スポンサーから金銭以外に機材や銃器という特殊な報酬まで調達できるのだから。
さてどうしたものか。このままうまい具合に誘導するべきか、それとも協力せざるを得ない状況にするか。
外の旧知達が同情の視線を向けたのもこのため、隙を見せて個人情報を含んだ機器に触れさせたが最後、根こそぎ情報を奪われた者を見てきたからこそ。
■佐藤重斗 > 勘違いするな勘違いするな。
彼女は別に俺を好きな訳ではない。
落ち着け、落ち着け。
「って、うあっ!」
さっきより近い。
色仕掛けだろ…!わかってんだよ!
そうは思いつつも俺も男の子な訳で…。
反応するなというには無理がある。
え?報酬?何でも…?
グヘへへ…。
は!いやいやいやいや。
いくら何でも彼女に悪いだろ!
「………っ!報酬はお金でいいかな。
それとあんまり色仕掛けとか使うなよ。
武器の一つだとは思うけど…もっと身体を大事にしろ。」
そう言って彼女から離れる。
あーあー。断っちゃった。
人生最大の童貞卒業チャンスをふいにしちゃった!
クソ。もうヤダ。このヘタレチキン野郎。
心の中で泣きながら、優し気に笑う。
目は、名残惜しそうに目の前の彼女に釘付けになりながら。
■近衛 昴 > 「…ふふ、なかなかガードが堅いね。まぁ、報酬の方はちゃんと用意するよ。でも、よかったね。あのままだったら端末から情報全部抜いてたところだよ」
それが自分の能力だと異能の力をチラつかせながら笑えない冗談を口にし、もちろんどこか悔やんでいるような視線には気づいていて、意地悪気に笑みを浮かべれば本気か冗談かある意味理にかなったことを口にして。
「交渉成立だね。まぁ、ボクとしてはこれからヤバそうな相手に仕事する仲だから信頼関係は強いほうがいいでしょう。…まさか、そこまでした相手を置いて逃げるような真似はしないだろう、男として」
最後の言葉はからかう様に耳元で囁くが、本音は恐らく今回立ち向かう相手は生易しい相手ではないだろう、だからこそ協力する以上出し惜しみはされたくないための策略だったがどうやら無駄だったようだ。
■佐藤重斗 > もうすこしで情報を全部抜かれていた。
そう聞いて冷たい汗が流れる。どうやら選択ミスではなかったようだ。
異能。異能か…。
そのことに少し羨ましがりながらも不敵に笑う。
「ああ。交渉成立だな。………………ひぅ!?」
耳元で囁かれ変な声を出してしまった…。
うるせぇ!童貞なんだよ!仕方ないだろ!
頭の中で誰にでもなく叫びながら思い至る。
相手が異能を教えてくれたのならこちらも、と。
「言い忘れてたけど俺、異能も魔術も戦力外だから。
この銃しか手札はないぞ?付け加えてほぼ素人だ。」
そう言ってコンテンダーを見せる。
奥の手はあるがそれは秘密。謎が多い男はモテるらしいし。
■近衛 昴 > なんとなく、なんとなくだが自問自答している様子から経験がないんだなと思うも敢えて口に出さず。
相手の異能にまさかここまで同じ状況だとは予想外だった、白状するように自身には魔法の才能がなく道具一辺倒、しかも自身を端末の様に扱い機械を操る能力だと告げ、機械がない状況ではないに等しく、義体なしでは同じく戦力にはならないと。
「これは…予想外だね。直接戦力がないのが2人揃うなんて、とりあえずどうにかなるでしょう。で、まずこれからどうする?相手の正確な姿も位置もわからないけど」
いつまで戦力の不足に悔やんでいる暇などなく、頭を切り替えてさっそく仕事の話へと移ると、まずこちらの調査結果を開示しようとするが生憎この部屋にはディスプレイもないのでどこか場所でも変えようかと。
とりあえず情報と部屋の伝票を授業料だと彼に差し出すも伝票に書かれた数字は0が一つずつ多く、ただの学生には到底払えるような金額ではない数字が羅列してあって。
■佐藤重斗 > どちらも戦力にならない奇妙な二人。
でも義体とやらがあれば強いらしいし大丈夫だろう。
そんな楽観的思考で打ち切り、提案する。
「蜘蛛の糸なら、態と引っ掛かっておびき出すか?」
蜘蛛は空気や糸の振動で周りを認識するらしい。
蜘蛛の巣が仕掛けてある所を見つければあるいは…。
とりあえず場所を変えるという言葉にうなずき立ち上がる。
しかし授業料があるらしい。
しょうがない。ここは払ってあげ、よ、う…。
…………。
「出世払いでお願いします。」
畜生!可愛い女の子に弄ばれるし、情けないところを見せるし、散々だ!
■近衛 昴 > 「囮か…相手の正体がわからない以上、危険かも…」
今回の相手は正体がわからない以上に姿がブレている情報も気になる、もしかしたら似たようなのが他にいるのかもしれない。
今の段階では危険を侵すのは最善ではないと考えていると、伝票を手に顔を青ざめている彼がいて、しばらく来ないうちに値上がりでもしたのかとひょいと伝票を取り上げるもいつもの値段で。
安全性と貴重な情報を提供してもらったのだから妥当と言えば妥当な額だろう。
本来使わなくてもよかった個室を使っているのだから、彼のために余計な出費が嵩んだのは予想外だったが、協力者も得られたので良しとしよう。
「しょうがないな、ここはボクが払うから…貸しだからね」
部屋を出れば会計を済ませようと取り出したのは黒色のカード、色の意味を知る者がいれば驚くだろうが、少女にとっては経費なので涼し気な顔で支払いを済ませると店を出ると彼を連れ立って進むのはホテル街、そして半ば強引に連れ込むのは高級ホテルの一室で。
ご案内:「落第街大通り」から近衛 昴さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から佐藤重斗さんが去りました。