2020/06/10 のログ
ご案内:「落第街大通り」に月神 小夜さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に咲坂くるみさんが現れました。
月神 小夜 > 落第街の大通りを、一人の少女がスマホ片手に歩いている。
赤いエクステの入った灰色のショートヘアと金色の瞳、制服のブラウスの上からパーカーを羽織り、コードは付いているのにどこにも刺さっていないヘッドフォンが特徴的なその少女の名は月神 小夜。
周囲の舐めるような視線など気にも留めず、怪しげな露店を一瞥してはつまらなさそうにスマホに視線を戻す。

「(なーんか楽しい事ないかな~……)」

咲坂くるみ > 今日もカモを探している。
だってそうだ、父様は相応に喜んでくれたのはいいが、それは研究対象に関してだ。

……私に対してじゃない。
【よくやった】んじゃない、【やって当然】なのだから。

なら、誰かで憂さを晴らすなりなんなりしないと落ち着かない。

誰でもいいのだ。
そこにいる小娘でも。

「あー、こんなところでこんな時間に。よくないなあ?」
笑顔で、それほど咎めるでもないかのように。
後ろ暗い気持ちなんかまるでこれっぽっちもないかのように。

いかにも公安の外套で歩きながら、話しかけた

月神 小夜 > 「うげっ」

その"声"が自分に向けられたものだと気付き、顔を上げて第一声がそれだった。
こんな場所──という自覚は小夜にもある──で公安の服を着た人間と鉢合わせたのだから、苦い顔の一つもしたくなるというものだ。

「あ、あはは……♪ これはこれは公安サン、お勤めご苦労様で~す。
 これは散歩ってゆーか、気分転換? みたいな??」

引きつった笑み。目線は泳ぎ、無駄に上手い口笛を吹いている。
あなたとは対照的に、後ろめたさ満載なのが丸分かりの挙動不審っぷりであった。

咲坂くるみ > 「へえ……散歩ねえ? じゃあ、私の気分転換に付き合ってもらうなんてのでもいいかなぁ?」
そんな様子の少女を見つめつつ、笑みが溢れる。
……つまりは、職務質問するっていうことだ。

もしくは、その代わりになるもの。

「……ココで衆人環視の中と、どこか建物のなか、どっちがいい?」
顔を寄せ、そっとささやく、周りに聞こえないように。

月神 小夜 > 「え~っとぉ……目立つのは好きだけど、ゴシップになるのはちょっと……」

猛烈に嫌な予感。
囁き声を警戒するようにヘッドフォンに手を添えながら、自身の異能"静かなる妖婦"で周囲をソナーリングする。
人通りが少ないのは───あっちだ!

「あッ、アタシ急用を思い出したかも!」

それじゃ! と下手くそな敬礼をしてそちらへ駆け出す。
しかし、小夜の身体能力は一般的な十代女子のそれと大差ない。
地理に明るいわけでもないので、追いかけるのは容易だろう。
結果的に、自ら袋小路へと足を踏み入れることとなった。

咲坂くるみ > どうせむこうは袋小路だ。追いかけるまでもない、すぐに追い詰められる……ほら。
もっとも、このへんはカメラもたくさん配置してあるので、どっちにしろ逃げても無駄なんだけど。

「んー、逃げるのはいただけないなあ? 追いかけないといけなくなるからね」
友人に話すかのように、明るい調子で。
もっとも相手にどう聞こえるかは知ったことではないが。

「で、執行妨害になるのがいい? それとも……なにか言うことある?」
歩み寄りながら、なにを、とは言わない。

あくまでも、自発的に何かを差し出してくれるなり、やってくれるのが良い。
こっちが持ちかけるわけじゃないので。

月神 小夜 > 「……ちょっ、ここ行き止まり……!?」

異能でソナーリングできる範囲には限りがある。
だから、走り出した時点では、その先がどうなっているかまでは把握できていなかった。
振り向けば、そこには声をかけてきた公安の少女。
自分より少し小柄なのに妙な圧があり、笑顔なのに薄ら寒いものを感じる。

「い、いきなりビビって逃げたのはゴメンなさい!
 でもアタシ、別に悪いコトはしてないから! マジで!」

その"してない"には"まだ"という副詞が付くわけだが。
今、この場で潔白を証明する方法は一つしかない。

「……なんなら、ボディチェックとかしてもいーよ!
 アヤしい物とか何も持ってないし!」

両手を挙げ、自らホールドアップの姿勢を取る。
手荷物は肩から提げた学生鞄と、スマホが突っ込まれたパーカーのポケットくらいだ。

咲坂くるみ > つまりは……そうしていいということだろうか。
そうでなくてもまあかまわないけど。
さっきの言い方でわからないなら、どっちだっていいって相手でもあるし。

「ふぅん、まあ……それなら少し調べてみようか? 何もなければそれでいいし?」
ふふ、何もなければね。

こうして、こう触って、コレくらいの反応があるなら、こう撫でて。耐えきれなくなるくらい。
ヘッドホンも外させて。
スマホも取り上げて。

何もなければ。
本当に何もなければ。

「動いたり拒否したら……まあ、言わなくてもわかってるよね?」
親しみのある笑顔。

月神 小夜 > もしかして───
もしかしなくても、自分はとんでもない提案をしてしまったのでは?
などと後悔したところで時すでに遅し。

「お、お手柔らかにお願いしま~す……」

こうなってしまっては最早お手上げ。手を上げたのは自分からだが……
相手の気が済むまで、ひたすらに堪え忍ぶしかない。
まぁ同性だし、変な事はされないだろう───なんて括った腹と高が、ヘッドフォンを外された途端に崩れ去る。

「あっ……」

せめて無反応でいれば、見過ごしてもらえたかもしれないのに。

咲坂くるみ > 「ふふ……このヘッドホン、意味ありげ? いま明らかに動揺したよね、ん?」
ビンゴ。
まあ、何かある、あからさまに。
なら……かまわないよね?

「悪いようにはしないから、ね?」
やさしく、耳元でささやく。
それも、好意的に感じる声で。
ココからはもう、音も香りも視線誘導での催眠も誘ったほうが良いだろう。

……どうせ、気分だ。

「ね、名前は? それとも、学生証を覗いたほうが良い?」
指が、そっと反応が多そうなところに回り込む。

月神 小夜 > 「そ、そんなこと───くふぅッ」

覆うものの失くなった耳朶に響く甘い声。
常人にとって心地良いであろう蠱惑的な音色は、聴覚の異様に発達した小夜にとって媚薬に等しい。
触れてもいないのに背筋がゾクゾクと震え、悩ましい声が口から漏れ出した。

「せ、せれな……月神 小夜」

無意識の内に貴女の声に従ってしまう少女の両耳は、まるでよく熟れた果実のように真っ赤に染まっている。
その細い指で摘み取ってくれと言わんばかりに。

咲坂くるみ > 「そ……いい子ね。まだ、いろいろ隠してたり、するのかしら……」
面白い……何より可愛い。
耳周りへの刺激に対して、やたら反応する。
指だけでなく、声もそうなのかしら……そう思って、ささやきを繰り返す。

「ふふ……ココなら、誰もこないからもっと探ってあげられるけれど……どうする? もし望むなら、どこか望む場所でもいいわ?」
優しく言葉を繰り返す。
無理矢理も良いが、その気になっているのだ。もっと丁寧に嬲りたい。
ヘッドホンさえつけなければおそらく抗えないだろうことをわかっていて、指を滑らせながら、艷やかな声で囁いてやって。

望むなら、お姫様抱っこでそういう宿にでも運んでやろう。

月神 小夜 > 「それ、ささやくの……ダメだってぇ……」

耳に声が、息が、指が触れる度、弦楽器のように全身を震わせた。
口では制止の言葉を発しているが、体の方は既に抵抗力を失ってしまっている。
───否。むしろ今以上の快感を期待して、昂ってさえいた。
この胸の高鳴りは、少女が求めていた享楽そのものだ。

「…………ぅ」

くい、と抵抗にもならない弱さで貴女の服を引き、自分が時々"休憩"している宿の方角を指差した。
その後はされるがまま、抱えられていくのだろう……

ご案内:「落第街大通り」から月神 小夜さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から咲坂くるみさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
水無月 斬鬼丸 > ここは歓楽街のちょっとだけ奥まったところ。
いわゆる落第街大通り…と言われる場所の入口。
歓楽街と落第街の境目にあるちょうど曖昧なところ。
そこにあるゲームセンターはちょっとアウトローな空気を醸し出してはいるが
ここにしかない古いゲームとかがあって、わりと味わいのある店だ。
故にたまに足を運ぶのだが…
やはり、どうも…店の空気感は歓楽街のものとは少し違う。
怖くて対戦台は流石に座れない。

少し古い弾幕シューティングの筐体に座ってゲームに没頭する。
こういう場所では一人プレイのゲームがいい。
問題が起こりづらいから。
プライズ系?あれはだめだ。あの辺パリピが多いため。

水無月 斬鬼丸 > やはりガラの悪いところの入り口…くらいな立地だけあって
空気感は多少悪いものの
それほど大きな問題は起こらない。
こんなところで堂々とカツアゲとかするリスクを
本当にやばいやつというのはいちいち冒さない。
叩けばホコリがモッサモッサと出てくるやつは、ここよりもっと奥にいる。
そう信じたい。

それに今自分がやっているのはあまり人のいない一角の一人用の弾幕シューティング。
いちいち絡みに来るようなやつはいないだろう。
この間の幼女みたいなやつでもなければ。

「………」

がちゃがちゃがちゃ

別に独り言とかは言わない。集中しているため。

水無月 斬鬼丸 > しかしながら、この弾幕シューティングというやつ…
人間がクリアできるようにできているんだろうか?
いや、してるやつもいるんだろうが、絶対異能もちだって。
すこしずつ前にはすすんでいるものの、すでに500円飲まれている。
気分転換に音ゲーの方に行ってもいいかもしれない。
行ってもいいかもしれないが、あのへんもわりとパリピやらヤバそうなやつがたまにいたりする。
他になんかないだろうか?
対戦台は………かなり前に流行った4つのゲームから選べる筐体…
あれにはいってる古き良き名作対戦格闘ゲーム…。
あれをやりたくはあるが…

だれも、いないか?

水無月 斬鬼丸 > あの周辺、誰もいないようであれば…
ちょっと座って2~3戦、CPU戦やってこちらにもどるくらいの余裕はあるだろう。
フー、と一息ついて、少し周囲をチラチラ。
安全確認だ。

ヨシ!

なんでもないふりをして古の対戦台へ。
なにごともないようにスツールに座りコイン投入。
ゲーム選択!3つ目の…なんかすごいポニテのおっさんが刀ぶん回しているデモはいるゲームだ。
刀を持ったキャラクターたちのちゃんばら、そして、大味さが売りだ。

チュートリアルもすっとばし、キャラクター選択画面に入れば選ぶキャラクターは…
なんか赤いやつ。炎を使い、肌の浅黒い方のキャラクターだ。

水無月 斬鬼丸 > ピーキーで使いづらいキャラとして評判…
というか、キャラ性能としてはお世辞にも高くないというあれ。
でもなんか、連続コマンド技がきっちり決まれば超火力でワンチャンある的なあれ。
自分がそれをできるとは言わないが。

実際開始してからCPU相手に頑張っているが、コマンドミスによりすごい隙を晒しては一発食らっている。
まぁ、気分転換兼練習みたいなもんなので。
こういう古いゲームであっても、現代まで愛されているのがゲーセンのいいところ。
対戦で決めればかっこいいという理由で練習をしている。たまに。

自身の特殊能力、「無限の可能性《ブレイク・ザ・チェイン》」により
この練習期間が積み重なれば積み重なるほど上達してしまうため
楽しみを残すためにそこそこにしなければなのだが。

水無月 斬鬼丸 > 当然、こんなプレイをしていれば
CPUとはいえボコボコにされてしまうわけで。
っていうか…あれ?このCPUつよくね?
LEVELいくつだこの筐体。

2・3回チャンスはあるものの、取り逃すとなにもデキずに1ラウンドとられてるんだが?
いや、キャラの性能がクソなのもあるが…
1プレイ50円の優しい設定ではあるものの、これはよろしくない。

「…あっれぇ…」

やばい、何だお前ら、練習させろ。

ご案内:「落第街大通り」に九々端 栂さんが現れました。
九々端 栂 > 「クッソ!ぴくりとも動きゃしねえ!」

プライズ系…クレーンゲームのあたりから荒っぽい音が聞こえる。
殴ったか蹴ったか…そうしてゲーセンの奥のほうへやってくる気配。

「アームが弱すぎンだよ…
あれ、人がいンのか?」

人の気配を探すように、対戦ゲームの台のほうへ来るようだ。

水無月 斬鬼丸 > 誰かが近づいてきている。
だが、そのことに気づくことはできない。
なぜなら、そう…CPUが強いため。
思いの外、熱中してしまっている。もう一回五十円を投入。ワンモア!

それとともに、特殊能力の成果もあってか
連続コマンドの精度も上がってきている。
勝てるようになってきた気がする。

だが、一回勝っても次の敵はもっと強いのが格闘ゲームの常。

「……今の大斬りは反則だがぁ?」

思わず独り言も出ようというものだ。

九々端 栂 > さび…味わい深いこんな場所にいる相手を物珍しく思うか。
気づかれないのであれば難なくその姿を見て取ろう。

「…格ゲーまでひっどい調整してンな。
ありゃあネェよ。」

後ろから相手の様子をのぞき込み、独り言?に応じて返す。
うなずきつつ、あきれたように。

水無月 斬鬼丸 > 「ですよねぇー…」

謎の声に反射的に返事をするも
限界を超え常に成長する特殊能力、無限の可能性《ブレイク・ザ・チェイン》は
この筐体の難易度に追いつきつつある。

反則めいた判定の大斬りを紙一重でかわし
通常ならばその状況から出すことは不可能である必殺技を弾き
相手に高威力連続コマンド技を叩き込む。

やってやったぜ。
………ん?
いま、俺だれになんていった?

九々端 栂 > 「オォ、一発であれを見切りやがった。
やるなァ、おい。あ、センパイだったらわりいな。こんな口調でよ。」

目に見えるほどの様子で成長するプレイヤーに感心する。
筐体の画面を覗き込み、手元の動きに目をやり、そうして相手の顔つきから年齢を推測する。

「そこだ、あとちょっと!」

水無月 斬鬼丸 > いつの間にかギャラリーがついてる。
ギャラリーというか、一人ではあるが見物人が。
見物という割には結構野次を飛ばすスタイルのようだが。

女の子。けっこうかわいい。
キツめの印象だけど。
これは、あれだ。かっこいいところを見せなければならない。

だが、その意識とは裏腹に、次の敵はラスボス。
性能、AIともいかれてる。
だが、ここまでに鍛えられたコマンド速度と読み、反射はラスボスにも通用するようで・・・

「お、お、おお…」

あといっぽ、あともうちょっと!!

九々端 栂 > 「そこだ、イケるぜ!」

こんな場所のゲームをクリアする人物などそうそういまい。
己のやっていたクレーンゲームの調整もひどかったとなれば、応援にも熱が入ろうというもの。

そう、これはいわば代理を立てた弔い合戦なのだ。
この男なら、必ずやってくれる。

「もうちょっと―――!!」

あまりの難易度と、苦労と、そしてラスボスまでやってきたという状況にヒートアップ。
もしくはこれも場の空気といったものなのかもしれない。

水無月 斬鬼丸 > ギリギリのところ、ここでこちらも一撃喰らえばアウト。
そこで画面が暗転、そして輝くボス。
超必殺技による暗転無敵。
それを、ギリギリの反応で…かわす!
そこに叩き込む、連続コマンド!

「だーらっしゃーー!!」

この技は完成すれば大ダメージ必至、そして、この体力であれば…!

勝負あり!!

画面にデカデカと文字が浮かぶ。
勝った!やった!
思わず立ち上がる

九々端 栂 > いけるか…?いけ…耐えるな…ッ!
連続した動きに合わせて削れるゲージをかたずをのんで見守る。
ぎりぎりのぎりぎりで耐えてしまうゲームもあるから、余計に。

そして…

「おおお、ヤッたな!すげえ!
見入っちまった!!」

ばんばんと、立ち上がった相手の背中をたたいて
その調子のまま肩まで組もうとする。もちろんたたくあたりからかわすこともできるだろう。

「いやァ、やっぱこういうトコに来るようなヤツは一味違うぜ。
落第街のやつなのか?」

水無月 斬鬼丸 > 喜びをギャラリーと分かち合う。
なんか二昔前のゲーセン感があるが悪くはない。
むしろ、楽しみと喜びを共有できるって素敵やん?

「あっはっは、やってやりましたよぉ!」

背中を叩かれ肩を組む。
やや手荒い歓迎だが敢えて受けて。
なんだ、意外とこのあたりも悪くないじゃないか。
……あれ?なんかいい匂いと言うか、やわらかいというか…
そういやそうだ
この人女子だ。
言葉遣いと達成感で一瞬忘れてた。

「あ、あぁえーっと…そうじゃないっすけど…まぁ、なんつーか
たまにくるといいますか、はい」

意識してしまうとダメだ。女子だし。
緊張してしまう。かわいいし。

九々端 栂 > 画面に流れるエンディングロール。
それはやはり古いゲームで、一度くらいはちらりとみたこともある身飽きたもの。

しかしこの達成感とともに見るのであればまた別物といえよう。

「そうなのか?じゃあ普通の学生か。ちょっとオレより背も低いな…
タメくらいか?たまに、じゃあ運がよかったンだな!いいモンみれてスカッとしたぜ!」

気にせず気も付かず、ぐっと肩を引き寄せる。
あっはっは、と笑いて、しばしの達成感に浸ろうではないか。

水無月 斬鬼丸 > 肩を組んで見れば、背の高い女子だ。
身体はスレンダーなため、それほど意識が向くような部位が目立たない。
そこは良かったと言えるものの
モテナイ男子には刺激が強い。
目つきは鋭く、言葉も男らしく荒っぽいが、かわいいというかきれいというか。
そんな少女との密着は、いろいろとよろしくない。

「そーっすね…えーっと、一年で、16なんで…
恐縮っす、うっす」

引き寄せられるままうなずく。
たしかに女子との密着というドキドキシチュではあるが
ゲームクリアという達成感のおかげで、多少は別の高揚感で上書きされている。
挙動不審感は多少は緩和されているはず。

九々端 栂 > 「アッハー、はっきりしろよヒーロー。
手元もイイ動きしてたぜ。そうとうやってるか…異能か?」

学生…それもあの成長速度。わずかに違和感を感じていた。
動きを見ることはできたが、あんな正確性そうはない。
とはいえ。

「おっと、問い詰めようってンじゃあない。
なんにせよすごかったンだ、もうちょっと胸をはりなってコトさ!」

組んでいた腕を離し、再度背中をはたきながら気合を入れさせる。


「じゃあやっぱタメか。いや、これでウッカリセンパイだった、とかじゃなくてよかったぜ!
トガだ、一年の九々端 栂。名前を聞いてもいいか。忘れるかもしれないケドな!」

事実もしそうだったとしてもあまり気にはしない性格ではあるが。
興味のあるもの以外を気にするのはなかなか苦手であるのだった。

水無月 斬鬼丸 > 異能か…と言われれば難しい。
自分の成長速度と成長限界の突破は異能の副産物であるにせよ
異能が関わっているものなのは変わりない。
とはいえ、ゲーム攻略に異能を使ったと考えると…
なんかかっこ悪い。
じぶんはそのつもりはなかったとは言え、続ければ自然に身についてしまうのだからどうしようもないが
彼女に問われれば、少しばかりうつむいて

「あー、まぁ…なんつーか、似たようなもんっていうか…
そういうんでクリアしたってのは個人的にはよくないっていうか…」

ははは、と力無く笑って頬を掻く。

「タメ…っすか。あー、いや
水無月 斬鬼丸。えーと、よろしく?つか、ククバシさんもよくくるんっすか?」

タメだとわかれば少し砕けた口調に。
さすがに完全に気安くとはいかないが、初対面ではあるため多少の硬さは抜けない。
だが、身体も離れたし、彼女の性格もあってか、緊張自体はほぐれた。

九々端 栂 > 「ま、そういう気にし方もあらァな。」

ふーん、といった様子で、根の深そうな気配にとりあえずはそれ以上触れるのを止める。


「水無月だな、うん。そうだな、今後よろしく頼むな!
ウーン、しょっちゅうってわけじゃあネェけど…こういうとこじゃないとなかなか無いからナァ…。」

取れなかった景品を思い出し、少ししょんぼりとした気配を漂わせる。
いや、ものすごくがっくりとしている。
とはいえ、すぐさま背筋を正し。

「いやでも仇をとってもらった気分だからな。」

と、独り言のようにいって気を取り直す。

水無月 斬鬼丸 > 喋り方は荒いが、なんか気遣いのできるいい人っぽい。
そこで『なーんだ、異能でやったのかよつまんねー』とかいわれたら
流石にショックで3日くらい夜しか眠れなくなってしまう。
そういうこともなかったので、一安心。

「そっすか。俺は結構ゲーセンとか行く方なんで
このへんにもこういう、古いゲームおいてあるとこってこのへんくらいにしかないんで来るんだけど…
ククバシさん、このゲームで結構呑まれたとか…?」

仇?少し首を傾げつつも
少女もなかなかに遊ぶ方なようで…このあたりにはあまりこないようだが。
彼女もこの筐体…いや、このゲーセンに結構巻き上げられているのかと考えた。

「ククバシさんは今日何しに来たんっすか?」

九々端 栂 > やや緊張が解けたか、それとも安心を――ねてるやんけとは誰にもつっこめはせず。
そんな相手の様子を見て取る。

「ゲームが好きなんだな。
いや、それ自体は刀のゲームだしそんなには知らねえンだけど
ここのゲームってだいたいそんな難易度だろ?あっちのプライズでちょっと呑まれちまった。」

銃使いがいたら興味を持っていたかもしれない、が刀のゲーム。
あまりこう経験はないが、ひどい難易度だということは知っている。

「ちょっと通りがかったときにその景品を見ちまってなァ。
それでふらっと、ってトコなンだ。しかし普段奥に人がいるのをほとんど見ねェから、吃驚したぜ。」

自嘲するように少し笑った。

水無月 斬鬼丸 > 刀のゲームだし。
彼女の言い分を聞く限り、刀がそんな好きじゃないのか、それとも格ゲーに興味がないのか。
まぁ、彼女の言う通り、このあたりの筐体はだいたい最高レベルのようで
古いゲームなだけあって、やる人間はそれこそ昔からやり込んでる者がおおいだろう。
自分は特殊能力のおかげでここまで追いつけているが…。

「そっすね、ゲームはすきで…歓楽街の方のゲーセンにもよく通ってて…
まぁ、寮にはあんま置いてねーっすけど。金持ちってわけでもないし。
つか、プライズ系はこの辺だめっすよ。基本的にとれるようにできてねぇっつーか…」

確率調整、アームの強さ、その他諸々…ビデオゲーム基盤はいじりようがないが
プライズ系は確率を好き勝手に出来るし、機器の調整が不十分でも
アームそのものを客が直接触れないせいか、クレームも出にくいのだ。

「なんつーか…この辺おっかないじゃないっすか。
んで、あんま人がいないとこでゲームやってんスよ。
ここで俺がやりたいやつがだいたいこういう古いやつなんで、うまいことかみあってるっていうか…」

自嘲気味な彼女をフォローしつつ、気が緩みすぎたか
おっかないともいってしまう。彼女がこの辺の住人だったら気を悪くしてもおかしくはない。