2020/06/12 のログ
ご案内:「落第街大通り・廃ビル」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
現場に到着して、とりあえずの、小さな溜息
歓楽街で放課後の学生に落第街には行っちゃダメだよー、と注意喚起をする、いつもの風紀委員ワークの途中で連絡が入った
落第街のほうで黒蝕姫と追影切人が接触中、念の為出入り口を警邏、ついでに監視
「どっちも風紀委員にいればよく聞く名前だけど……──」
廃ビルの窓から、スラム街を見下ろす
ご案内:「落第街大通り・廃ビル」にフィーナさんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
窓縁に溜まった埃を払って、頬杖
手に双眼鏡…なんかは必要ない、遠目でも裸眼で十分…
活字を読む際に逆に眼鏡で矯正しないと眼が疲れてしまうくらいの視力の持ち主お姉ちゃん
一緒に行動していた風紀委員は落第街の入り口で立哨
遠くまで見渡せる凛霞が監視、といった分担である
「(見たところ単なる小競り合いにしか見えないけどなー…)」
大きな組織などが関わるものではなさそう、という印象を持つ
■フィーナ > 「…………」
足音もなく、騒ぎの見えやすいビルの窓際に座る。
裏方から騒ぎが大きくならないようにしろ、とは言われたけど…やることといえば人払いぐらいなもの。
決闘に手を出すほど無粋ではない。
■伊都波 凛霞 >
「!」
足音もなく現れた人影に一応の警戒
見たことのない顔、ではあるけれど──
「こんにちわ、此処の住人?」
廃ビルとはいえ落第街、住処にしている人もいるかもしれない
一応の警戒だけはしつつ、平常時と変わらぬ声色でそう声をかける
■フィーナ > 「見物」
そう言って下の喧騒に顔を向ける。目は、閉じたまま。
魔術を扱うものであれば、この者は常に魔力を発していることがわかる。
楽しそうにするでもなく、ただ覗いている。
■伊都波 凛霞 >
見物と言いつつ、目を閉じている
第一印象とはしては 変わった子だな といったところか
まぁスラムからはそれなりの距離があるビル
よほどの広域火力をもった異能者が暴れているわけでもなければ被害はないだろう、補導する必要もない
その身体から発せられている魔力を感じ取る素養こそはないものの、なんとなく雰囲気で普通の人間とは状態が違うことを感じ取る
「知り合い?」
見物に来たのなら、知っている人間なのかもしえない、と尋ねる
■フィーナ > 「知り合いの知り合い」
窓際に座りながら、喧騒に顔を向けている。杖を持っていることもあり、落ちそうに感じるかも知れない。
「貴女は?」
顔を向けるでもなく、問いかける
■伊都波 凛霞 >
「そうなんだ。止めなくていいの?」
どっちが知り合いかは知らないけれど、このままだと大怪我しちゃうかもしれないよ、と
「私?風紀委員」
言いつつ、胸元から腕章を取り出して見せる
あえて腕につけていなかったのは、風紀委員というだけで襲ってくるヤツもいるからである
故に単独で動くときには外しているのだ
■フィーナ > 「無粋」
戦いに生きていたからだろうか、そう言い切るのは。
「止めて納得する質じゃない」
かつて見たかのように、断言する。
「…巡回、お疲れ様です」
その言葉を聞いて、表から感じづらいように杖に魔力を回す。
■伊都波 凛霞 >
まるで武人のような返しに肩を竦める
「そっか。でもあんまり周囲に被害が出るような戦い方をされるなら、止めに行かざるを得ないんだけどね」
知り合いが止めてくれるなら楽にコトが済むのだけれど、そう簡単な話とはいかないようだった
「──うん、だから余計に疲れさせるようなことは起こさないでくれると助かるなぁ」
視線を送る
魔力を感じ取ることはできないが、なんとなくの気配で、フィーナの持つ杖へと
■フィーナ > 「お互い様。」
初めて、顔を向ける。
額と頬に紋様が描かれている。刺青だ。
■伊都波 凛霞 >
「私は何もする気ないよー?
ただほら、その杖からなんかヒシヒシ感じるからさぁ」
もっとも落第街に住む者なら風紀委員を警戒している人間は少ないないだろう
正義の名の下にやりたい放題していた者だってかつての風紀委員の中にはいたらしいし
「大丈夫、ほら」
そう言ってにっこり微笑みながら、右手を差し出す
手をとってもらえるかはわからないけど、何もなければ敵意は抱かないよ、という意思を込めて
■フィーナ > 「…私に構うのはいいけど。仕事、しなくていいの?」
こぽん、と。杖から水が生み出される。
軽く杖を振ると、その水の塊は、弧を描いて放られる。
その先は、野次馬と思われる戦いに近づく複数人。
■やから > 「うわっ!?」
突然降ってきた水に驚く野次馬。
「なんだよ、良いところで邪魔しやがって!」
そして見当違いの方向に、水をぶっかけた犯人を探しに言った。近くにはいない。
■伊都波 凛霞 >
「──さすがに野次馬は自己責任、かな。一応一般生徒は現場に近づかないように他の風紀委員が立哨しているはずだから」
とってもらえなかった手を苦笑しながら戻しつつ、そちらに目を向ける
「あー……」
水をぶっかけられた連中が騒いでいる、が結果的に救われたことに気づいていなさそうでなんとも渋い心持ちである
■フィーナ > 「…頑丈」
ここから戦場をつぶさにみているのだろうか。目は閉じている上に、距離も結構ある。遠視か望遠鏡でもなければ詳しく見るのは難しいはずなのに。
■伊都波 凛霞 >
再び頬杖をつきながら、視線だけをフィーナへと向けて…
「見えてるんだね」
確かに現場は…一般人なら重傷にあえぐような傷を片方が負っている
それでいて戦意を失った様子を見せていない、頑丈と評するのは正しい
■フィーナ > 「じゃなかったらこんなところにいない」
何を当たり前のことを、というように返す。
頑丈、と思っているのは確かに彼女の本心だ。身体に大穴開けてあれだけ動けるのは『人間』にしては頑丈だ。
楽しそうにしてる辺り、コンバットハイにでもなってそうだ。
■伊都波 凛霞 >
「──気になる?勝敗の行方」
彼女がどちらを知り合いの知り合いとして見ているのかはわからないが、なんとなしにそんなことを聞いてみる
様子を見るに…単純に戦いを観戦するのが好きなだけのような気もするが
■フィーナ > 「興味ない」
依頼で来ているだけだ。好き好んで来たわけではない。
「井の中の蛙」
そう、切り捨てた。
■伊都波 凛霞 >
「ふーん……」
興味はない、という
その割に知り合いの知り合い…という言葉
好き好んで観戦しているわけでもないのなら──…
「誰かに言われて、監視してる感じ?」
そうなれば、立場としては自分とそう変わらないのかもしれない
■フィーナ > 「面倒」
質問の答として、自分の感情を答える。
■伊都波 凛霞 >
「でも、言うとおりにしてるあたり律儀なんだねえ」
面倒を吐き捨てつつも此処で観戦を続けている様子を見れば、そうくすりと笑みを浮かべる
面倒だからやらない、はただの怠惰
面倒だけどやる、は意志力の賜物なのだ
「──とはいえ、そろそろ佳境かな」
視線を再びスラムの側へと戻せば、やや険しゲに眼を細める
小競り合いの喧嘩程度ならば見過ごすこともできるが、人死にがでかねない案件は介入の準備がある
ポケットから携帯端末を取り出して、ススっと指を滑らせ、操作──
現場近くにいる風紀委員に警戒のレベルを上げるように要請だけ、しておく
連絡役の自分の仕事は、ほとんどこんなものだ
風紀委員の殆どは彼女に戦力があることすら知らないだろうから
■フィーナ > 「終わってくれるなら、それで」
終わってくれるなら面倒もなくなる。ただ…
「…………」
周囲の動きが変わったことに感づき、顔が険しくなる
■伊都波 凛霞 >
「ただ?」
顔つきを険しくさせる少女に、視線を移す
■フィーナ > 「……変に介入されたら、面倒が増える」
そう言って、杖を構え、窓から身を乗り出す。
■伊都波 凛霞 >
「周辺に危険が及びかねない場合は介入の準備だけはしとかないといけないからね…。こんな場所でも普通に生きてる一般の人はたくさんいるから」
それらの、二級学生も含めて風紀委員にとっては保護の対象である
「──介入を悪し、とするなら、別の場所に誘導するとか、してみる?」
無理難題だろうけど、と
■フィーナ > 「あれだけで、完結するなら、楽」
油断なく。いつでも、飛び出せるように、窓枠の外に。
■伊都波 凛霞 >
「うーん…」
さて、どうしようかな、と悩む
この子を放置しておいて良いものか
さっきの水ぶっかけを見る限りイタズラに人に危害は加えないだろう…という気もする
「しょうがない。現場近くで待機しますか」
他の風紀委員を信頼しているわけでもないけれど、即座に動ける位置にいたほうが良さそうと判断
自分がいれば、どうにかできるだろうという自信の表れでもあるが
「じゃあ、あんまり危ないことしちゃダメだよ?」
一応少女へと警告の言葉を向けつつ、引き止めがなければビルの小部屋から外へ向かうだろう
■フィーナ > 「………」
気にすることなく、目の前の事象に集中する。
止めることはないだろう。
ご案内:「落第街大通り・廃ビル」から伊都波 凛霞さんが去りました。
■フィーナ > 「………」
終わったようだ。あとは、馬鹿が現れなければ、そのまま帰れる。
■フィーナ > 「………ふぅ」
仕事は終わった。もう用はない。
そのまま、窓から飛び降りた。
ご案内:「落第街大通り・廃ビル」からフィーナさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 学園都市の暗部を煮詰めて盛り付けた様な様相を誇る落第街。
その大通りともなれば、違反学生は平然と闊歩し、非合法な商品が並べられた露店が当然の様に連なる混沌の熱気で渦巻いている。
乱闘騒ぎは当たり前。法の秩序から解き放たれた此の街こそ楽園と豪語する者も数多くいるのだが――
「…偶には鞭を打ってやらねば、此処の連中は増長するばかりだと思うのだがな」
怪我も無事に完治し、与えられた任務は無難と言えば無難な落第街の巡回。
巨大な金属の異形を引き連れて大通りを闊歩する風紀委員の姿を見れば、露店はそそくさと店仕舞い。脛に傷しかない者達は苛立ちの視線を此方に向けながらも、今のところ何かしてくる気配はない。
奇妙な平穏と秩序が己の周囲にだけ保たれている様な風景が、己が足を進める度に露わになるのだろう。
■神代理央 > 引き連れる異形が一歩進む度、地面は僅かに揺らぎ、閉店した露店の屋根から埃が落ちる。普段は天空に向けられている針鼠の様な砲身は、その全てが周囲を威圧するかの様に大通りのそこかしこへと向けられていた。
「まあ、問題が起こらぬのは良い事ではあるしな。余計な仕事を増やされてもたまらん」
復帰の希望が叶ったのは良いが、相変わらず近接戦に長けた者をバディにはしてくれない。
幾ら召喚系の異能とはいえソロで色々とこなすのは面倒なんだがなあ、と小さく溜息を吐き出した。
というより、そもそも希望は前線では無く後方勤務の事務方なのだが。
ご案内:「落第街大通り」に幌川 最中さんが現れました。
■幌川 最中 > 「でもなあ理央ちゃん。
こういうパトロールも悪かねェけどなあ?
もっとこう、も~~~うちょい、こうさ。うまいことさ」
ろくろを回しながら、理央の横を風紀委員が歩く。
二人配備されているのに実質的にソロで仕事をさせられている原因張本人。
10年間の留年を繰り返す風紀委員10年目の無能力者、幌川最中。
「増長するもなにも、わざわざ乗り込むのは幌川さん好きじゃねえんだなあ。
……理央ちゃんは好き? こういう散歩。
『落第街(こっち)』はこっちで、『学生街(あっち)』はあっちでさ。
棲み分けがどうしてこう、ど~~~~~うしてうまくいかないもんかねえ」
ハー、と溜息をつきながら、どこぞの露天で買ったであろうアルコール瓶片手に。
どうよ、と神代の顔を20センチ上からいい体格の男が覗き込む。
■神代理央 > 「……先輩がもう少し"うまいこと"していれば、少なくともこんな場所の巡回に付き合う事にはならずにすんだんじゃないですか?」
そう。確かにソロでは無い。傷病明けの自分を気遣って、同行者をつけてくれてはいた。
問題は、同行する先輩は戦闘系の異能を保持していない事。嘘か誠か知らないが、上層部の御小言を頂いた挙句今夜は此方の巡回への同行になったという噂の存在。
流石に噂話を信じるつもりはない。真っ当な理由で彼が己の同行者となったのだと信じたい……信じたい。
「棲み分けが出来ていないのは彼等の方でしょう。彼等が学生街や一般生徒に手を出さず、蟲毒の如く此の街で勝手に屯って勝手に死んでいくのなら、風紀も公安も苦労せずにすむでしょうに。
それと、酒を飲むなとは言いませんけど余り大っぴらに飲み過ぎないで下さいよ。連中につけこまれるのは好みませんので。というか、勤務中に飲まれると報告書に添付するファイルの編集面倒なんですけど」
深々と吐き出した溜息と共に、己よりも随分と背の高い彼に視線を向ける。
その体格差故、必然的に見上げる様な形になれば正しく大人と子供、といった有様だろうか。
悪い人では無いんだけどな、と内心嘆息しつつ、向けられたジト目は酒瓶と彼の顔を行き来している事だろう。
■幌川 最中 > 「アハハハハハハ」
空笑いを落第街の大通りに響かせる。
視線が向いても、腰で赤い隊服をツナギのように結んだ男は気にしない。
そして、面白そうに目を細めながら神代へ真面目そうな声色で言うのだ。
「どっちだと思う?」
冗談交じりにそう言ってから、堪えきれなかった様子でまた笑う。
豪快に笑ってから、まあそうつんけんなさんな、と神代の肩に肘を置いた。
明らかに先輩から後輩に行われている完全なハラスメントの現場である。
それを見ている風紀委員は、落第街には1人もいない。事件現場なのに。
「大丈夫大丈夫。酔ってねえから。
心配なさんな理央ちゃん。ありがとうなあ。心配してくれて、ありがとう……。
でも俺は理央ちゃんが書類仕事までやってくれるって信じてるから……」
クソ下手な小芝居を一つ打ってから、困ったように溜息をつく。
瓶の中身はほとんど残っていない。ポイ捨てしちゃだめかな……と言いながら。
「理央ちゃんは落第街が嫌いだねえ。
二級学生の救出だって風紀委員会の仕事なんだぜ。
そんなデカいの持ち歩いてたら駆け込み寺したがる学生もビビっちゃうでしょ。
……それで俺たちがボコられても困るんだけどね。特に理央ちゃんが」
「調子はどんなもんよ、理央ちゃん」
■神代理央 > 「…一応、先輩の事を信じてはいますよ。信じているだけで信用はしてませんけど」
豪快に笑う彼に再度深々と。寧ろ見せつける様に溜息を吐き出せば、止まり木代わりにしないでくれと言わんばかりの視線を向ける。
あと20センチ。いや、あと10センチ身長が高ければ…と歯噛みしても、ランプの魔人が願いを叶えてくれる訳でも無く。そもそも魔法のランプは此の場に存在しない。
「勿論仕事は最後までしますよ。しますとも。先輩が酒瓶片手に絶賛巡回中の動画もきちんと提出しますからご安心を。勿論、ポイ捨ての場面も撮影させて頂きます」
言葉こそ堅苦しいものの、フフン、と生意気そうなその口調は少なくとも彼に対してある程度胸襟を開いている事の現れ。
新人への教育担当を務める彼には、己もそれなりに世話になった事がある。此の人本当に風紀委員なのかと思う場面は多々あったにせよ、彼に世話になった者達からの評判は決して悪くは無い。それどころか、概ね好評とも言える。
同じ生徒という立場故に、教師よりも相談しやすい事もあるんだろうなと思っていたり。
だが、次いで彼から投げかけられた言葉に、牧歌的な先輩後輩のやり取りは僅かに色を変える。
彼を見上げていた己の瞳は僅かに細められ、暫し考える様に視線を彷徨わせた後――
「……学籍の無い者を、何故救出する必要があるのです?彼等を救出し、更生させるリソースは、真面目に生きている一般生徒の為に利用されるべきでしょう。
先輩達が襲撃されるのは好ましくありませんが、もしそうなれば私だって命を懸けて先輩方をお守りしますよ。それが仕事ですから」
其処迄言い切ると、小さく肩を竦め――ようとしたが、肩に置かれた彼の肘でそれまままならず。
「……先日襲撃されて、賊を逃がしてしまった挙句負傷しました。失態です」
ギリ、と歯を食い縛る様に。苦々し気な口調で応えるだろう。
■幌川 最中 > 「ほらそういうこと言う!
華霧ちゃんもそういうこと言うんだよ。優しくないよこの世界は……。
こんなに信用できる先輩他にどこにいってんだよなあ」
慣れた調子でそう笑う。もしかしたら、魔法のランプはあるかもしれない。
ありとあらゆるものを仕入れるこの落第街だ。探せばありそう。あるかも。
恨みのややこもった視線に気づけば仕方ないな~と腕をどかす。
「嘘でしょそんな話ある?
えっちょっと待って薫子ちゃんとかに出したら俺また怒られるんだけどあの、
理央さん? 神代さ~~~~ん。もしもし。はい。幌川です。
今この瞬間から真面目にするので勘弁してもらっていいですか? いいかな?」
冗談2割、本気8割で後輩に対して懇願が行われる。
この懇願が通るかどうかは二者択一だ。マジで無視する風紀委員も結構いる。
その度に様々な人に迷惑を掛けて歩いているが、多少怒られる程度で済んでいる。
……というよりも、「そのライン」を見極めてわざとやっている節がある。
「そらあ、好きでこんなとこにいる子が全員じゃあねえからさ。
しゃーない事情があって、こんなとこにいるしかなくてここにいる子もいる。
理央ちゃんの同僚にも実は二級学生だったってコもいるんだぜ」
軽く笑ってから、空の酒瓶をまた傾ける。
一滴も舌を濡らすことはなく、困ったねえと言いながらまた片手に持ち。
「真面目に生きる一般生徒候補にリソース吐いてやるのは、
『持ってるやつ』の仕事でしょうよ。……なんてねえ~~~~~。
理央ちゃんが怪我するような賊のいる街に、真面目になれる生徒ほっとけるかあ?」
「俺ァ無理だな。ほら、理央ちゃんも今言ったろ?
命を賭けて先輩たちを守ってくれんなら、同じようなもんじゃねえかなァ」
どう? と気さくに顔を覗き込む。表情は相変わらずにやけたまま。
復帰明け早々仕事に駆り出されている後輩を気にする素振り。
■神代理央 > 「優しくされたいのなら普段の行いをもう少し鑑みて下さい。取り敢えず制服はちゃんと着ましょう。お酒はプライベートで嗜んで下さい。ギャンブルをするなとは言いませんが、風紀委員である自覚を持って下さい。というか園刃にもそう言われるなんてよっぽどですよ先輩もう少ししっかりして下さい」
先輩に対して小言の嵐。というか小言の機関銃。
ねちねち、では無いがくどくどと。己より二回りほど大きく、一回り年齢の離れた彼に言葉を続けるだろう。
「怒られれば良いんですよ。赤坂先輩みたいな美人に怒られるのは嫌いじゃないでしょう、先輩。
怒られて暫く本庁出入り禁止くらいがちょうど良いんじゃないですか?」
と言いつつも、彼に向ける表情は呆れた様な笑み。
結果としては、彼は見事に「そのライン」を見極めた事になる。
元より、己自身としても彼の事が特段嫌いでは無いし彼を慕う後輩の気持ちを無碍にするのも居たたまれない。
しっかりしてくださいよ、と再度念押しする様な視線で御小言は幕を閉じるのだろう。
「元二級でも、きちんと校則に基づいて学籍を得たのなら構いませんよ。そういう生徒は、保護の対象です。
此処にいるしかない事情はあるのでしょう。しかし、学園の保護を求めず此処に居座るというのなら、学園の組織である我々が保護する必要もありません」
頑なに。冷徹に。
落第街や二級学生への話題に対する答えは一貫しているのだろう。
人を守るのではなく、規律を守る。ルールを守る者を守り、守らない者は罰する。それが仕事だと、淀みなく彼に答える。
「真面目になれる生徒なら、そもそも落第街に居座る事自体が過ちです。そういう連中を受け入れる機関を否定はしませんが、それは風紀の仕事ではありません。
……同じではないですよ。少なくとも先輩は、学園が認めた生徒です。だから守ります。それが決まりで、それが仕事ですから。それを果たす為なら、命を懸けますよ」
にやけた笑みで此方を覗き込む彼に返すのは、小言を告げている時とは異なる感情の籠らない瞳。
己を気に掛けてくれているのは理解しているが、その思いやりへの理解はあくまで知識によるもの。
他者に厳しい己が、他者から気遣われる事も無いのだろうという諦観が其処には透けて見えるだろうか。