2020/07/22 のログ
ご案内:「落第街大通り」に園刃 華霧さんが現れました。
園刃 華霧 >  
大通りに面した建物の屋上
立入禁止、とされているが大概誰もが無視しているその場に

今日はただ一人が佇んでいる

「おっけぇー、あかねちん。
 ひひひ、『待』ってたゼ、この『瞬間』をサ……」

げらげらげらげらげらげら

あかねからの一斉通達に、楽しそうに笑い声を上げる。

園刃 華霧 >  
「ひひ……じゃ、マ……コイツを押せば、と」

デバイスを取り出し、眺める
使い方は、あのマッド野郎に散々説明された
間違えるはずもない

「……ま、約束は、約束、カ。」

脳裏によぎる、なにか。
押しかけた指を止める。

「ごめンな、あかねちん。
 ホントは一緒に居たカったけド。
 こっちが邪魔にナっちまッタら洒落にナらん。
 あとハ……別々に、頑張ろウな」

期限は数日
まだ、余裕はある

園刃 華霧 >  
「さテ、と……」

デバイスをむしゃり、と口にする。
跡形もなく、それは飲み込まれた

「ひひ……
 『私達』が『私達』だから『私達』を行う話……」

へらへら
けらけらけら
げらげらげらげら

哄笑を続ける

園刃 華霧 >  
「あァ……くそったれナ、運命なんテ塗り変えチまおウぜ……!
 ついデだから、クソったレなヤツも踏み潰シてナ……!!」

目が細まる
獣の目付き

「どウせ世の中、イイコちゃんダらけ。
 馬鹿を止メる馬鹿なンざ居やシない。」

笑う

「そレでも来るッテんなラ、覚悟決めテこいヨ……?
 アタシから『問い』かけてやっかラな」

げらげらと
嗤う

園刃 華霧 >  
「あぁ……ああ、『楽しい』なァ……
 さいっっこうに……『楽しい』ゼ、あかねちん」

嗤って
笑って
哂って

「さーテ……行くカ……」

薄ら笑いを浮かべたまま
その場を去った。

ご案内:「落第街大通り」から園刃 華霧さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に園刃 華霧さんが現れました。
園刃 華霧 >  
ここは大通り
大通りといえば、人通りが多い、というのが定番だ
しかし、意外と落とし穴というものは有るもので……

意外に誰も居ないスポット、というものはある。
いまはそこをゆっくりと目指している。

「しっかシなー
 ……来るの待つッテーなルと、コレ、意外に面倒ダな?」

そもそもにして、いつどこで、と約束したわけでもない。
いつ来るかもわからない待ち人を待っているのだ。

「かトいって、こっちカら行くのマヌケすギん?
 カー、締まラないネー」

あーあ、とぼやく。
さあ、そろそろ目的地。
今日はそこでのんびりしながら、この先のことを考えよう

構成員 > 「……」
園刃 華霧 >  
「ん……」

いつもののんびりスポットに足を踏み入れた瞬間、人影に気づく
珍しいことだが、先客がまれにいることもなくはない
まあ、別にいいかな、と思った瞬間

「っとォ!?」

足を止める
慎重に相手との距離を見定める
5m……は、あるな。よし

「おいおいおい、マジかー……」

視線の先にいたのは――
いわば、同僚。

『トゥルーバイツ』の構成員。

構成員 > 「!」
園刃 華霧 >  

男は何事か口にして手を上げる。
その反対の手には、例のデバイス。
かすかに見える機械部分から、恐らく起動状態であることが予想できる

5mは、普通の声で会話するにはやや遠い
かといって、此処で大声で会話をするのも馬鹿馬鹿しい
仮に話せたとして、大声で辞世の句でもやりとりするのか?
それこそ馬鹿馬鹿しい

「ァー……邪魔しタな……ットっ?」

こちらも手を上げ、まあ退散、と思ったところ。
男が、何かの端末を投げつけてきた。
耳に当てるジェスチャー

「ァ―……トランシーバー……?」

旧式で、姉妹機と近距離でしか話せないシロモノ。
ああ、しかし。
この場には丁度いいのかもしれない。

しかし、なんだってのかね。
耳に当てる

構成員 > 「よぉ、カギリ嬢ちゃん。
 まさか此処で会うとは思わなかったな。
 その様子だと、デバイスの起動はまだなんだろ?
 俺はもうあと少しで『真理』と会話できるからよ。
 まあ、見てってくれよ。」

園刃 華霧 >  
「ァー……まあ、暇、だケドさ」

こいつは、確か……出村 秀敏とかいったっけ?
なンか妹だかと一緒に事故にあって、自分だけ生き残ったんだとか。

割とド真面目だったりド根暗だったりするメンバーがそれなりにいる中、
妙に軽いノリだったからよく覚えている。

「見てドーすンのさ?」

当然の疑問を口にする。

秀敏 > 「はは、いやまあ、そりゃ。
 俺が華麗に『真理』を得て、ハッピーエンドを迎えるところを見てもらうためだろ?
 嬢ちゃんがまだってんなら、ほら。
 決心のきっかけにも出来るってもんだ」

園刃 華霧 > ……やたら無駄に爽やかに笑いやがるな、コイツ
 
「……ァー、まあ、いいケどさ。」

呆れたように答える。
ほんとコイツ、緊張感がないっていうか……
異質に見えたけどマジでなあ
こんなときまで爽やかに笑ってやがる

秀敏 > 「おっと、時間だ。
 そんじゃ、お先!
 ボン・ヴォヤージュ!なんてな」

男は敬礼をしてみせた

「さあ、『真理』! 俺に、妹を取り戻す方法を教えてくれ!」

デバイスが、怪しく光った

ご案内:「落第街大通り」に羽月 柊さんが現れました。
秀敏 > 「……は、はは、そう、そう、か……は……
 ぁ……?
 が……が、ががが、ぐ、が、が、あ、ぁ、あが…
 ぐ、が、あ、ぐ、あぐ、ぎ、あ、がが
 うぐ、あ、ぎあ、ぐげ、が、げ……

 が、ぎ、げ、ぐご、あ、が、ぐぐ、ぎ、が

 ががががががががががががががががががが
 ががががががががががががががががががががががが!?」

園刃 華霧 >  
ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶる
ぶるぶるぶるぶるぶるぶる
ぶるぶるぶるぶるぶる

男の体が震え――
その場に崩れ落ちた

羽月 柊 >  

――なんにでも、タイミングというのはある。

敬礼をした男の奥の通路から、カツン、と三人目を告げる音が鳴った。


しかしだ、最早デバイスは起動していた。

男の断末魔にも似た叫びに、その音の主は姿を現す。


「……何が、起きている?」


小さい鳥のような何かを2匹連れた、仮面の男が居た。

秀敏 > 「い” た”…… た”………
 ま”   ろ”……
 み”…………」

園刃 華霧 >  
「……
 くタばっチめぇやンの……」

何の感情もない眼で、一部始終を見ていた
そして、ぼそり、と小さく吐き捨てる

「……さて、ネ?」

音に気づく。
やってきた男に振り向いて……
肩をすくめてみせる

羽月 柊 >  
「…………、……。」

崩れる男と、近くの少女を仮面の奥の桃眼が見る。
顔の大半を隠しているせいで男の表情は読みづらい。

だが。


――二人の制服の腕章に、男は見覚えがあった。

林檎を喰らう蛇。知識の禁断の果実。
長ったらしい名前は忘れたが、公園で逢った女性が言っていた。

「……君たちは仲間ではないのか。――『トゥルーバイツ』。』

声掛けが基本と言っていた。

なら目の前で倒れる男はいったい、なんだ。

園刃 華霧 >  
「ナ―んだ、知ってタのね人が悪イ」

あっさりと前言をひっくり返す。

「デ、なンだっけ? ああ。
『何が起きている?』ダッけ。
 見ての通りサ。
 アンタには『何』に見える?」

なんでも無いように、逆に問いかけた
顔に、表情の変化はない

羽月 柊 >  
「どうもこうも。」

仮面の男は事の全容は知らない。
ただの一度、日ノ岡 あかねに出逢った。それだけ。

正解を導くには道のりが遠い。

情報が圧倒的に不足している。


「ヒトが1人倒れて、仲間と思しきモノが何もしないで立っている。」

可能なら、倒れた男に近寄ろうとして華霧を横切るだろう。

「仲間割れにしては、あっさりし過ぎてる。」


まだ、デバイスは光っているのか。

園刃 華霧 >  
「まあ、そラ。
 アタシらが仲間割れシても、今更無意味ダしね。」

動き出した運命の車輪はもう止まらない。
あとは転げていくだけだ。

で、あれば。
今更仲間割れをしたところで何も変わることもない

デバイスも、今更調べても意味がない
汎用性も何もかなぐり捨てて、
今、この瞬間のためだけに生み出されたモノ。

特に止めるまでもない
男は、ただ、死んだのだ

「デ。
 あンま事情は知らナい割に、キョーミはあるワけ?」

わざわざ道を開けて問う

羽月 柊 >  
「……今更無意味とは?」

倒れたそれに近寄って脈を確かめる。
脈は無い。死因すら簡単には分からない。
表情はこの世の毒物を全て混ぜこんで飲ませたような壮絶さをしている。

眼球すら飛び出そうな表情に眉を寄せ、瞼を閉じさせる。

……仮面の男は、華霧の言葉の真意を探ろうとしていた。

――聞こえていた『真理』という言葉を口から出さないように噛む。


デバイスは恐らく柊という他人が入り込んだ故に、最早何の反応も示さない。


「ヒト1人が死ぬような事柄だ、多少はな。」

園刃 華霧 >  
「ふ、ン……」

何も知らない部外者
それにどれだけのことを教えるべきか
今更、だ

「ンー。もう、計画は転がり始めてる。
 全員が全員仲良しコよしってワケでも無かっタ。
 でモ。計画を成功サせるって気持ちダけは全員同じダった。
 だカラ、動き初めタ今。仲間割れすル意味は、ナいんダ。」

あるとすれば、それ以前。
計画を無理にでも進めるか
計画を出来るだけ慎重に進めるか
そこしかなかった

「オやおヤ。こンな物騒な街でソれはおやサしい。
 人一人、死ヌなンて……ひょっとスれば、
 殺さレるなンて、日常だロ?
 へたスりゃ、中のやつドころか、外の奴に殺さレる」

へらへらと笑いながら、語る
それが我が愛しき故郷

羽月 柊 >  
「まぁ確かに、この辺でヒトが死ぬのは茶飯事ではある。
 だが死に方に疑問を持ったから聞いた。」

死体を背に華霧の方へ向き直る。
疑問を知りたいのは学者の性、それは表でも裏でも変わらない。

「計画、仲間割れする必要はない。」

桃眼の視線が思考を転がして彷徨う。
隻手が己の唇を撫でた。

「では、日ノ岡あかねや君たち全員がこの計画を知っていると。」

男はそう口にする。


 まさか、彼女が主犯だとは知りもせずに。

園刃 華霧 >  
「……」

毛色は違うが、マッド野郎と似た匂いがする。
こりゃ学者ってやつだな。
 ……ちょうどいい。自分の復習も兼ねて、少しおしゃべりしてやってもいいか。

「そりゃマあ、当然。
 むシろ、みンな同じ目的で集マッたンだかンね。
 計画を知ラない、ナんてモグリは一人もいなイよ」

あかねちんが一人ひとり、丁寧に選別して選んだある意味の精鋭。
全員覚悟を持って此処まで来た。
そこに外れがいるはずもなく

「マ、挑むモンがデカすぎっかラね。
 こうシて死ぬコトも折りこみ済ミってわけサ。
 それダけの話」

それだけ、とはとても言えないようなことをこともなげに答える

羽月 柊 >  
「同じ目的。」

少女の言葉をそのまま反復する。

――では、自分が公園で出逢ったあかねは、既に計画を知っていたことになる。
『またどこかで』と言っていた彼女の言葉を思い出す。

どこかとは、あの世だとでも?

「…"子供"が大層な口を利く。
 死ぬことが、こうなることが分かっていても目的の為に尽くすと?」

少なくとも後ろで死んでいる男はその死の一つ。
目の前の華霧も、同じように死ぬ可能性はあるというのに。

「君は自分の命が惜しいとは思わないのか。」

きっと無遠慮な言葉だ。だがしかし、問わずにはいられない。

園刃 華霧 >  
「はァん。お優シーとは思ったケど。
 やッパそっチの手合かァ……」

やれやれ、とため息一つ
いい加減、この手の説教は聞き飽きたんだけどな

「ソ―だよ、命惜しカったラこンな馬鹿すルわけ無イじゃん。
 もうこノ問答ヤり飽きてンだけドさ。」

最初からずっとやってるあかねちんなんて、耳タコどころじゃないだろうな。
そう考えると苦労が忍ばれるってもんだ
大げさに面倒くさい、といいたげにお手上げポーズを取る

「アンタさァ……
 人が命かけテでも、したイことアるって想像、でキる?
 そうイう、『願い』もったコト、ある?」

そうでなければ、こっちに関わるな
ろくなことはない

羽月 柊 >  
「さぁな。どちらかといえば無難に生きたい質でね。
 そういう『願い』に"振り回された"ことはあっても抱くことは無い。

 だからどんなに聞き飽きた質問だろうと聞いている。」

説教? 説教のつもりは無かった。
疑問の言葉を選んだ結果だった。

己の存在をかなぐり捨ててでも、それを選ぶ価値があるのか?

自分が居なくなったとしても、それを叶える理由があるのか?


「何故そう思えるのか、俺は知りたい。」

……かつての幼馴染に問えなかった問いを、華霧に問う。

園刃 華霧 >  
「ァ―、もー……」

この手の奴らの頑固なことと来たら
全く面倒くさい

「マ、でも……"振り回された"ダけ、マシか。
 その上、聞きタい、とキた。」

わざわざそれを問う意味

「簡単。
 『他にすることがない』かラさ?」

端的に、答える
それは自分で出した結論だが、他も多かれ少なかれ似たニュアンスのことを言っていた。

「そレより他に、道がなイかラさ。
 『空っぽ』で生きルくラいなら、僅かな可能性にカけて『選んだ』ンだヨ。
 みんな、ネ。」

そもそもにして、それがなければ人生に価値など無い
そもそもにして、それを叶えなければ自分がいる意味がない
そういう、連中だった

「アンタ、"振り回された"と言っタな?
 そイツは、諦メていい、どうでモいいコト、だっタのかい?
 それトも、アンタの知り合いの『誰か』が『願い』に溺レたクチかナ?
 なに、ソんな気にしてンだい?」

けけけ、と笑う

羽月 柊 >  
金色のピアスが、揺れる。

「…"選択肢が無い"から"選ぶ"のか。」

自分の中に、答えが無かった訳じゃない。
だが、言葉の一つ一つが、言われるほどに当てはまる。

――分かっていることだろう、柊。

自分が自分にそう囁くのを、片手を拳にした。

「ああそうだとも、知り合いはそうして『溺れて』行った。
 だがそんなにも生きることが、死より恐ろしいと思う心理が、俺には分からない。」

どんなに歪でも、どんなに空虚でも、
どれほどの悲哀を抱えてでも、生きる。

灰色の世界を、歩く。

ある意味近く、ある意味最も遠い。

「選べば"終わり"だというのに。」

園刃 華霧 >  
「ダが、"終わり"じゃナいかモしれナい。」

被せるように答える。
わかりきった反応だから答えの準備は出来ている

「アンタの知り合いも、大方、ソーなンだろーサ。
 『願い』ヲ叶えナいことニは、もう一歩も進めナい。
 『願い』の叶ってなイ人生ナんて、『死』より気持ち悪イ。」

淡々と、おそらくは事実を述べてやる
おそらくは永遠に平行線だろうけれど

「ハは、ひょっとシて、アンタ。
 そーヤって理解できない―ッテ、別れたクチだったリする?
 もしクは、関わるのヤめたり。
 ひょっとシて、どうしヨうってナってる間に台無しにナったリ?」

まあ、理解なんてされないだろうな。
そっちが正常なんだろうけれど。

「こっちコそ、わっかンねーナ。
 アタシたちは『全力』で『人生を生きてる』ンだゼ?
 『空っぽ』で『生きた死人』スるより、よっぽド『生き』てるト思うけどナ。」

勿論、『選ぶ』のは自由だけど。

「アタシらは『情熱』を持って生きテるンだぜ?
 アンタには、あるの?『情熱』」

羽月 柊 >  
華霧が出した例にはどれも食指を動かさなかった。

「自分が納得した形で"君たち"に別れられれば、こんな風に問うて無い。」

理解出来なかったから別れた? 違う
自分から関わるのを辞めた?  違う
全てが台無しになった?    違う

「骸の一つでもあればまだ納得出来たかもしれん。
 満足げに死んだなら、まだ君たちのことも理屈として理解が出来る。」

背後の男のように苦しみ足掻いて死んだなら、
それはそれでまた別の理解があった。
 
「…文字通り何もかも消えたとして、
 それでも、『情熱』は残っているのか?

 "俺には無い"『情熱』が。」 

己の胸元を掴む。