2020/08/11 のログ
■神代理央 >
「…可愛いって、そういうの自分で言うか?別に否定はせぬが」
被害者の言葉を聞いていれば、また違った感想を抱いたのだろう。
というよりも、此の場に被害者がいて、彼女が現行犯だったなら。
また違った話になっていたのだろうが――
「…成程?血が必要なのは貴様ではなく、その刀の方なのか。
てっきり、吸血鬼か何かの類だと思っていたが…。ならば尚の事、交渉は刀の方とするべきではないかな?」
最後の言葉は、少し意地悪そうな笑みで。
少女より刀の方を交渉相手にしようかと、追い打ちをかけるのだろう。
「平たく言えば、違反組織の連中に恐怖を与えて欲しいのだ。
『人斬りに襲われたくなければ、素直に足を洗うか投降すべきだ』と思う様にな。報酬の金額については、貴様の働き次第で増やしても良い」
と、仕事の話は真面目な表情で。
裏社会に住む彼女ならば、風紀委員よりも『奥』に入りやすい。
そうして立場のある者が彼女に斬られ続けていれば、落第街には『乱れ』が生じる。そこを突けば良い話。
「……今のは聞かなかった事にしてやる。ついでに、風紀委員会への勧誘も無しだ」
流石に風紀委員を斬った、と聞いては深い溜息を吐き出すしかない。というか、あっさり自白されて思わず逮捕しようか迷ってしまった。
それでも、彼女を雇うことによる『これからの利益』の為にぐっと堪えて、疲れた様な表情で彼女に告げるのだろう。
■刀々斬 鈴音 > 危ない…否定されてたらもう斬るしかなくなっていた。
「うん、えーとちーちゃんを使って血を吸うでしょ?
そしたら、ちーちゃんは強くなって鈴音もいい気分になるの!ウィンウィンの関係ってやつ?」
…どちらかと言えば寄生生物と宿主の関係に近いかもしれない。
妖刀というぐらいだからまあ仕方ない。
『…金銭の価値については私はあまり分からん。50の代わりに全て輸血パックにしてもらってもいいと考えているくらいだ…。』
「流石にそれは困るよ!えーと…何に使うか思いつかないけど!」
正直な話刀々斬鈴音は今は特にお金を使う先がない。
食べ物も、住む場所も、望めば衣服も渡される。…確かに血だけで良いかもしれない。
「斬っただけでそう思うかな…でも、分かった。斬るね。」
納得はしていないようだが承認はする。
…素直ではある。
「あーやっぱりダメかあ…。
でも、最近は風紀委員にはいきなり斬りかからないようにしてるんだよ?
成長してない?」
そう、鈴音は成長している。
今日も実際刀を抜いたりはしていたけども、斬りかからなかったし…。
■神代理央 >
容姿の良さを否定しなかっただけで斬られずに済んでいたとは露知らず。でもまあ、容姿が良い事は、確かであるので問題ないだろう。
きっと。恐らく。多分。
「……何だか良く分からんが、その刀に血を吸わせれば問題ないのだろう?そして、その為に今迄人を斬っていた訳だ。まあ、証拠がない故に逮捕出来ぬが」
『証拠がない』という事にしておく。
現行犯ではないから逮捕出来ないという『形』にしておく。
「…意外と無欲なのだな。それとも、今の雇い主に良くされているということかね?」
金銭的な欲を見せない少女を、興味深そうに眺める。
そう言えば結局、彼女の雇い主は一体誰なのだろうか。
「思うさ。人は存外、明確に向けられる悪意や敵意には弱いものだ。『違反組織の幹部が狙われている』という噂話が立つだけでも、連中は十分に恐怖する」
何せ、自分自身がそうだったのだ。
『殺し屋』に狙われた時は、酷い醜態を晒してしまった。
だからこそ分かる。人は。特に、自分にはそんな恐怖が迫らないと慢心している者程。
――迫りくる恐怖には、耐えられない。
「…ああ、うん。そうだな。成長してる成長してる。偉い偉い」
確かに成長はしているのだろうが、その内容が如何せん。
とはいえ、彼女の努力を否定するのも可哀相なので、こくこくと頷いておく。棒読みで。
■刀々斬 鈴音 > 「証拠なくて良かった…。」
探せば無限に証言は出てくるだろうし映像も恐らく残っている。
でも、証拠がないのなかったのならうん!良かった!
「そう!フレ『ゴホン』様は本当にお金持ちだし優しいし!
本当にいい人だよ!…あなたも飼われてみたらフ『ゴホっすまない…風邪気味かもしれない』ヤ様の良さが分かると思うよ!」
まるで憧れのアイドルなんかを語るみたいに目をキラキラと輝かせて自らの主について語る。
…刀が咳をしたことによってその名前は上手く聞き取れないかもしれない。
「なるほど…じゃあ、斬ってついでにちょっと怖い思いさせておけばもっといいね。」
軽く斬るだけじゃなくて深く、しっかり、しつこく斬る。悪い相手であるならばまあそのくらい許されるだろう。
「鈴音がちゃんと成長してなかったらあなたも斬られちゃってたから鈴音の成長に感謝してね?」
胸をはって調子にのる。鈴音はすぐに調子に乗る。
■神代理央 >
「…『今』証拠が無いだけ、だからな。私以外の風紀委員は当然貴様を逮捕しようとするやも知れんぞ」
分かってはいるとは思うが、念の為に忠告めいた言葉を。
彼女を見逃しているのは、あくまで己だけであって、風紀委員会そのものが見逃した訳では無いと釘を刺しておくのだろう。
「フレ……ヤ……?組織ではなく個人なのか。しかも御金持で、優しい。良い主人に巡り合えた様だな。そういう話の分かる者であれば、私も会ってみたいとは思うが」
フから始まって優しくてお金持ちで『少女』を飼う様な人物。
ちょっと物好きだとは思うがきっと悪い奴では無いのだろうな、と主について語る彼女を微笑ましく見守る。
――思い当たる節は無い。無いったら無い。
「そう言う事だ。理解が早いじゃないか。
連中に『恐怖』を植え付けながら斬り捨てればいい。極論、証拠さえきちんと私に提出出来れば、殺さなくても構わん。
生きて恐怖を伝えて貰った方が、情報も伝わりやすい。まあ、難しい話故無理に生かせとは言わんがね」
此方の意図を正しく読み取った彼女に、うんうんと頷いてみせる。
彼女が刀を持っていなければ頭を撫でていたかもしれない。
「……ほう?この鉄火の支配者を斬る、と言うか。貴様と無益な戦いをするつもりはないが――斬られる、と簡単に認める程、私は耄碌した覚えは無いがね?」
名前を名乗る前に二つ名から告げてしまうのはどうかと思ったが。
調子に乗った様な、えへん、と言いたげな少女にニッコリと微笑むと同時に、全ての異形の砲身が軋んで動く。
大小違わず、全ての砲身が一斉に彼女に向けられるだろう。
向けられるだけで、別に撃つ事は無いが。
■刀々斬 鈴音 > 「……しばらくはあんまり目立たないようにする。」
無計画な人斬りはしばらく控えてしっかりと計画的に人を斬るようにしよ。
…確かに今まと同じようには見逃されていくとは限らない…。
「うん『あー!血に血に飢えている!』イヤ様。きっとあなたも気に入るよ!」
刀の無機質な声が必死に響く。無機質とは。
見事な刀の叫びでで完全に防ぎ切った…。
「えー私人斬るけどあんまり殺さないよ……生かしていたぶる方が得意だし…
証拠…耳とか斬ってくればいい?それとも写真とって送る?」
どこかの部族の敵を倒した人数数えるみたいな方法、耳は持ち運びやすいがあまり…。
「…流石にこれだけ近ければ鈴音の間合いだよ?斬って避けたらおしまいだと思うな?」
流石に自身も無事では済まないだろうがこの位置であれば。
一振りで届く。間に異形が挟まって防がれても…うーん…頑張れば届く…。
間違いなく…どちらも無事では済まない。
■神代理央 >
「そうするのが賢明だな。賢しく生きるのも、悪くはないと思うぞ」
此方の忠告を聞き入れる辺り、根は素直なんだろうなあ、と再度認識。
素直すぎるのが寧ろ玉に瑕なんだろうか。悪い大人に利用されていなければ良いが。
「………なあ。間違えてなければ。というか、間違えてて欲しいんだが。まさか、貴様の主の名は、フレイヤ、という少女か?」
思い当たる節は無い――と、自分を誤魔化すのも流石に限界だった。
まさか、まさかな。と思いながら、随分と神妙な顔つきで彼女に尋ねるだろうか。
「……そうか。であれば、写真で構わんよ。持ち運ぶのも面倒だろう?」
実際持ってこられても困る。
彼女の得意な事をちょっと呆れた様な表情で聞きながらも、問い掛けられた言葉には面倒事の起こらぬ方を取る様に、と彼女に答えるだろうか。
「貴様が私を斬る前に、私が何発貴様に浴びせられると思う?
この距離では、最早互いに一手仕掛ける事は自殺行為だ。
故に、安易な挑発をするものじゃない。正義感の強い風紀委員なら、死なば諸共で突っ込んでくるかもしれないんだからな」
溜息交じりに調子に乗っていた彼女を諫めつつ。
御互い怪我なんて無い方が良いだろう?と肩を竦めるのだろう。
■刀々斬 鈴音 > 「えっなんで知ってるの?そう、フレイヤ様だよ!フレイヤ・アースガルズ様!
あなたフレイヤ様の知り合いなの!?」
『なるほど…私の咳払いは無駄だったいうわけだ…。』
……フルネームで言い切った。
恐らく同姓同名の他人というわけではないだろう。
そんな落第街でペットを探すような人物が二人もいるのは想像したくない。
「分かった!写真送るね。」
そちらの方が確かに楽だ。…これから神代理央にはずたずたになった違反部活の幹部の写真が送られてくることになるのだ…。
まあ、耳が送られてくるよりずっとましだろう…。
「でも…鈴音は…うう…。まあ、そうかも…。」
納得していない様子であるが引き下がる。
おそらく主人の名前を知っていることが有効だったのだろう…。
■神代理央 >
深い溜息を吐き出した。
深い深い溜息を吐き出した。
もう一度、ぶはー、と言わんばかりの溜息を吐き出した。
「……フレイヤは、昔からの知り合いだ。そうだな、妹の様な存在、と言えば伝わりやすいだろうか。
しかしまさか……人斬りをペットにしている、とは…」
いやまあ、護衛とか盾として使う分には優秀だろう。
忠誠心の厚い護衛兼ペットを妹分が手に入れたのだと喜ぼう。
――……喜んでおこう。
「助かるよ。…と、それなら連絡先を交換しようか。携帯か通信端末は持っているか?」
と、『個人用の』携帯を取り出しながら、首を傾げて彼女に尋ねる。
「……ほんと、素直な奴だなお前。フレイヤが気に入ったのも分かるというか何というか…」
しょんぼり、といった様に引き下がる彼女に苦笑い。
きっと可愛がってもらっているのだろうな、と彼女の様子を見ながら思考を煙らせる。
■刀々斬 鈴音 > 「フレイヤ様が妹!!!じゃああなたは…お、お兄様!」
お兄様。何か違う気もする…いやあってるのかな?
飼い主の兄のような存在の正しい呼びかたなんておそらく存在しないのでまあ良い。
「はい!持ってるよお兄様!!」
素直に真新しい通信端末を取り出して連絡先の交換を行う。
おそらく、これも最近買ってもらったものなのだろう。
「フレイヤ様が鈴音をを気に入ってるだなんてて、照れる…。」
顔を少し赤くして恥ずかしがる。
その口元は喜びを全然隠しきれてない、もし犬のように尻尾など生えていたらブンブンと振っていたことだろう。
■神代理央 >
「誰がお兄様か誰が。お前の様な愚昧を持った覚えは無いぞ」
とことこと歩み寄り――べし、とチョップ。
素直な良い子ではあると思うし、フレイヤが気に入るのも分かるが。
此処でシメとかないと調子に乗りそうな気がした。
「……お兄様呼びはもう固定なのか。いや、もういいけど。
あと、急に態度が変わるのな…。おい刀。此れで良いのか。お前の主此れで良いのか?」
何か凄い勢いで態度が変化した少女を呆れた様に見つめつつ、差し出された端末を軽く触れ合わせて連絡先を交換。
そして、比較的理性と知性を持ち合わせているであろう少女の刀に問いかけてみるのだろう。
「……まあ、フレイヤに直接聞いた訳じゃないから私の予想ではあるがね。予想だからな?だから余り真に受けて舞い上がるな?」
此れは犬だ。犬っぽいとか猫っぽいとか人を例える事もあるが、彼女は間違いなく犬だ。
フレイヤの鞭打ちもさぞ捗っただろう…と。疲れた様に笑みを零した。
■刀々斬 鈴音 > 「あぅ…そんな、おに……えと…じゃあ何て呼べばいいの?」
チョップされたおでこを抑えながらたずねるそもそも名前を知らない。
名前が分からなければ呼びようがない…。
『……確かに元々あれな部分があったが……際限なく甘やかすお前の妹分が悪いみたいなところもある。
私は血が吸えればそれでいい…私は血が吸えれば…気にしない。』
無機質な声なのに諦めの感情がしっかり込められている。
楽な方に心地よい方に流れる快楽主義者を、慈愛の心と確かな経済力を持った金持ちが甘やかせばこうなる…。
路地裏の狂犬と呼ばれた姿はここにはない…。
「えっ…お気に入りじゃないの…鈴音。」
一気にしゅんとした。
分かりやすい…あまりにも分かりやすい。
■神代理央 >
「…神代。神代理央だ。私の名前だ。後は好きに呼べ。お兄様以外なら何でも構わん」
そう言えば名乗ってなかった。と思い出したかの様に。
己の名を彼女に告げて、先ずはお兄様呼びを封印しておく。
「……苦労しているんだな、お前も。私のモノになりたくなったら何時でも来い。輸血パックは常設してやろう」
苦労人じみた声を出す刀に、心底同情した様な声。
何時でも引き取ってやるぞ、という言葉は冗談半分本気半分。
「…あー、もう。大丈夫だよ。お前はきっと、フレイヤのお気に入りだ。気に入って貰えてるから、大事にされてるんだよ。
だからへこむな。フレイヤの犬なら、情けない姿を見せるんじゃない」
よしよし、と結局彼女の頭を撫でながら。
慰める様な言葉と鼓舞する様な言葉を、彼女に投げかけるだろうか。
■刀々斬 鈴音 > 「わかった!神代理央……理央…りお…オリー様…いや、りー様!!」
…どことなくニー様と語感が似ている。
途中のオリー様とかほとんど一緒だった。
『私が離れてしまうと鈴音は更に駄目になってしまう…それにこう見えてやるときはやるのだ…。』
駄目な男から離れられない彼女みたいな事を言う刀。
恐らく、良くない良くない関係だ…。
「分かったりー様!うん!鈴音ちゃんと頑張る!!」
撫でられながら顔を上げる感情の切り替えが早い。
…ペットであって犬ではないが特に否定はしない。
まあ、似たようなものなのかもしれない。
■神代理央 >
「……りー様…うん、まあ、好きに呼ぶと良い…」
まあ、呼び方で実害が出る訳でも無し。
と自分に言い聞かせながら、犬のような少女に溜息交じりの笑み。
「……そうか。なら、此れからも保護者として頑張ってくれ。応援はしているからさ」
小さく苦笑いを浮かべながら。
何だかんだと面倒見が良い刀に、苦笑い交じりの激励。
「うむ。……私の仕事もそうだが、フレイヤの事も宜しく頼むな。
可愛い妹分だが、付きっ切りで面倒を見られる訳じゃ無い。鈴音の様に強い者が傍に居れば、正直私も安心出来るからな」
此れは、偽りの無い本心。
まあ彼女は此方が今更言わずとも頑張ってはくれるのだろうが。
それでも、フレイヤを守って欲しい、と。優しく頭を撫でながら、彼女に穏やかな口調で頼むのだろう。
■刀々斬 鈴音 > 『応援か…それは血でたのむ…。』
…血さえあれば頑張れる。
血さえあれば刀は折れない…。
「分かった!りー様の分まで鈴音がしっかりフレイヤ様守るから!安心してね!」
今まで、ずっと自分の為に斬っていた。
その鈴音が人の為に刀を振るう…振るいたいと思うことがあるだなんて…。
…大きな変化だ、それも恐らく人間としては良い方の変化。
「今日はりー様に会えてよかった…お腹空いたから鈴音は帰るね!また斬ったら連絡するね!」
そう言って走り去っていく。
……この日から落第街の一部では鉄火の支配者が刀々斬鈴音を手なずけたそんな噂が流れたとか流れなかったとか。
■神代理央 >
「…輸血パック、なるべく多めに用意しておくからな」
と、しみじみ語りかける。
傍から見れば、少女が持つ刀にしんみりしてるヤバイ奴。
「……その意気だ。頼りにしているぞ?アイツの、フレイヤの傍に居てやってくれ」
フレイヤを守る、と告げられれば。
嬉しそうに、にこりと微笑むのだろう。
人斬りの噂名高い彼女の変化と、妹分を守る者を得た事。
それらは、己に取って何よりも得難い収穫。
「…ああ、引き留めて悪かったな。じゃあ、また。仕事の結果も、楽しみにしているよ」
走り去っていく少女を見送って、己も任務に戻ろうか。
先程までとは違い、随分と御機嫌な様子の己を見た住民達は不思議そうに首を傾げたのだとか。
――後日。落第街の一部に広まった噂は、噂を聞いた違反組織にそれなりの影響を与えるのだろう。
『鉄火の支配者』は『刀々斬鈴音』を手懐けた。風紀委員が、裏社会の手練れを使ってまで、此方を潰しに来る。
それは何より『恐怖』でしかないのだから。
ご案内:「落第街大通り」から刀々斬 鈴音さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から神代理央さんが去りました。