2020/08/29 のログ
ヨキ > スライスされたバゲットにレバーペーストを付け、さくりと一口。
咀嚼しながら、美味い、の意を込めて頷く。

「それならいい。
人に言えない異能の副作用が重たくなれば、相談もしづらいだろうからね。

それで、ヨキに相談したいことというのは、新たな異能と付き合っていくという『不安』が大きいところかね?
せっかくの機会だ。ヨキに話せることならば、何でも言って欲しい。

異能と付き合っていかなくてはならないのは、他でもない君なのだ。
とことん話には乗るとも」

雨見風菜 > こちらはまずはシーザーサラダを食べる。
野菜を最初に食べる習慣だ。

「ええ、一番新しい異能を使ったあとのこと、どうにも不安でして。
 副作用とかはなくても、やっぱり『母として』責任が取れるのかどうか」

レバニラ炒めのニラやもやしをレバーで包んで食べる。
そしてご飯。

「ええ、よろしくおねがいします、ヨキ先生」

ヨキ > 「君の言う『責任』が、今聞いた話だけではどうにも判断が付かなくてね。
ヨキに明かせる話は、他にはないのかね?
情報が少ないと、ヨキも相談に乗りたくとも乗り切れなくてな」

眉を下げて笑う。
少しずつ食べ進めながら、時折グラスを傾けて喉を潤す。

「推測だけで断じることは、したくないんだ。
君にはどうか、少しでも晴れやかになってほしいからね」

雨見風菜 > 「そうなりますと……やっぱり全部明かしたほうが良さそうですね。
 『人間じゃない相手を、同意の上で人間として産み直す』ものなんだそうです。
 赤ん坊のままではなく、16歳くらいまで急激に成長もするんだとか」

こちらも少しずつ食べ進めながら。
喋るときに口の中に物があるようなはしたない真似はない。

「もしも、人間じゃないからこそ生活できている人に使って。
 その後に人間だからこそ生活が苦しくなるのならば……私は、その人を引き取ることができるのか、と」

ヨキ > フォークの手を止め、ほう、と口を噤む。

「人間として産み直す、か。
それはよほど、互いの信頼がなくば成り立たないものだな」

少し考える。

「だが……こうも考えられないか。
『産み直す』ほど君と信頼を培った相手ならば、その後の生活にも支障はないと。
二人で支え合って、生きて行けるのではないかね?

この島には、人間として生きてゆくための生活基盤と、支援のシステムが堅固に成り立っている。
人間であることを『選べる』ほど人間になる決意が強いのなら、慣れることも出来るだろう。

あとは君が、その異能を使いたいほど助けたい相手に出会うかどうか、だとヨキは思うよ」

雨見風菜 > ヨキ先生の言葉に、手が止まる。

「……確かに、そうかも知れませんね。
 ええ、やっぱり異能を使うことを甘く見ていたかも知れません」

オレンジジュースをひと口。

「助けられるならば助けたい。
 そのための信頼関係の構築を、甘く見ていたと思います」

ふふ、と自重めいた笑みを浮かべて。

「私は、私を悪用するような相手でなければ、そしてその方が人間になりたいというのならば。
 きっと、迷わずこの異能を使うと思うんですよ」

ヨキ > 「本当の『母』として子を産み育てることは、親子の関係はゼロから始まる。

しかし君の異能の場合は、『産み直す』前に信頼を築いておけるという点が、少なくとも救いではないかな。
まったくのゼロからのスタートではない。それは君の、ひいては相手の負担を減らす一助になり得る」

優しく微笑む。

「人間でない者は、身一つでこの世界に辿り着き、はじめに大きな孤独を味わった。
そこに君という支えを得て新しいスタートを切れるのならば、ヨキは君を、そして産まれ直そうとする者のことも応援したい。

『別の種族として産まれ直す』ことは、相手にも大きな負担と不安を強いるはずだ。
君は、それを支えるだけの気持ちを育ててゆかねばならない。

とても濫用出来る力ではない。
それでも、その力を迷わず使えるだけの気持ちを重ね合えるなら。
それはそれは、強力な異能となるだろうさ」

雨見風菜 > ヨキ先生の言葉に聞き入る。
やはり、自分の認識は、とんでもなく甘かったのだと再確認する。

「……私は、やっぱりまだまだ子供ですね。
 そういった、相手の負担はともかくとしても不安を考えていませんでした。
 やっぱり、ヨキ先生に相談して良かった」

ヨキ > 「何しろ、目覚めたばかりの異能だ。
使い方も、心掛けも。君はまだまだ、これから学んでゆく段階にあるのだろうさ。

もしも『人間になりたい』と悩む者があれば、一緒に悩み、考え抜くといい。
本当に産まれ直すことが幸福なのか、それとも他に心を解きほぐす道があるのか。
寄り添ってやりたいと思える相手なら、その思索も苦ではないだろうからね」

アヒージョのオイルに、バゲットを浸して食べる。
くたくたになった魚介ときのこを載せて、贅沢に。

「知らない力も、知らない世界も、支えなくして乗り越えることは出来ないから。
ヨキは君たちみんなの相談相手でありたいのさ」

雨見風菜 > 「一緒に悩み、考え抜く……」

ヨキ先生の言葉に、どんどんと自分の思慮の浅さが浮き彫りになる。
きっと、彼に相談していなければ、この思慮の浅さで突っ走っていただろう。

「そうですね。
 私の異能はゴールまでショートカットするようなもの。
 本当にそれを使わうべきなのか、きちんと悩み考える……」

果たして、自分は彼女と何を話すべきかと考えながら。

「はい、ありがとうございます、ヨキ先生」

ヨキ > 「どういたしまして。
君ならきっと、そう支え合うことが出来ると信じているよ。
もしも不安が大きく膨らんだときには、またいつでもおいで。

ヨキは男である以上、君の悩みすべてに応えることは出来ないやも知れんがね。
こうして美味しいものでも食べながら、一緒に話そう。
打ち明けるだけでも、いくらか気楽にはなるものだ」

料理の残りを綺麗に食べ終え、グラスを空にする。
ご馳走様でした、と行儀よく手を合わせて。

「――ふう、お腹いっぱいだ。
話し足りないことはないかね? 少し休んだら、そろそろ帰ろうか」

雨見風菜 > 「支え合うことができるかはわかりませんが。
 また、頼りたくなったら頼らせていただきます」

残り少しとなった食事を食べ進めていく。

「話足りないことはないですね。
 今のところは、これで全部です」

ヨキ先生に少し遅れて、完食。
こちらもまた、ごちそうさまでしたと手を合わせる。

「ええ、今日はありがとうございました」

ヨキ > 「君の学園生活は、まだまだ始まったばかりなのだ。
これからじっくり時間を掛けて、自分のやりたいことを見つけてゆこうではないかね。
ヨキが少しでも力になれていたらよかった」

笑って、頷く。
相手を労わる微笑みと眼差し。

「それでは、もう遅い時間だ。
君は寮住まいだったかな? よければ送ってゆこう。
この街を夜に独り歩きするのは、大層危ないからな」

荷物をまとめて、立ち上がる。
会計を済ませて店を出ると、一度伸びをして――
風菜が辞するタイミングまで、連れ立って歩いていくことだろう。
取り留めのない会話を交わしながら、和やかに。

ご案内:「落第街大通り」からヨキさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から雨見風菜さんが去りました。
ご案内:「落第街 廃ビル屋上」に虞淵さんが現れました。
虞淵 >  
「───……」

曇天
薄暗い、厚い雲の下

ビルの屋上で煙草を吹かす男の姿が、在った

「──随分と」

視線の先は、己がかつてのホーム、スラム街
ゴミと、ゴミのような人間で構築された街
それらを視界に納め、小さく声を漏らしていた

「キレイになったな」

──それは比喩ではない

違反部活の抗争や、異能者の戦闘…
風紀どもによる鎮圧を含む、揉め事の代償
己の拳も含む、あらゆる暴力の結果──

それらの傷痕が、癒やされていることに気付いたのが数日前だ

虞淵 >  
こんなゴミゴミとした街に重機が大挙してきたとも考え辛い
第一、先日交戦して鉄火の支配者とやらの戦闘痕はそう簡単に修繕できるものでもない
風紀委員や、生活委員がそういった行動を大規模に行ったならば、もっと目立っている

「奇特なヤツがいたもンだな」

ビルの屋上、その縁に腰掛け、白煙を吐く

あの日、あの時、大きく抉った大地の破壊痕こすらも消えていた
これ迄、己の破壊劇が行われた地点を完全に修繕する者など存在しなかった
いなかった

事実それを完全に、僅かな時間で修復・修繕し得る者が存在するというならば…

それは己の暴力と同等の力を持つ存在ということになる

虞淵 >  
破壊と創造は表裏一体
しかし、破壊されたものを再生し得る力はそうではない
再生、修復、それは時には破壊よりも大きな力が必要であることを男は知っている

「──ま、だからと言って…」

「変わったヤツが現れた、ってトコは、変わんねえか」

あんな街を直して何がどうなるか
せいぜい雨すら凌げない場所が戻ってくる、そんな程度のもの

──…まぁ、物好きの仕業には違いない

ご案内:「落第街 廃ビル屋上」に殺音さんが現れました。
殺音 > 屋上から見下ろす巨漢。
その背後、屋上への出口の扉に小さな影が立つ。

「おんや…こんなとこで誰かと思えば……
キングじゃん」

キング。彼の通称の一つ。
彼は知らないだろうが、彼にはたくさんの呼び名がある。
だが、その多くが彼を支配者たらしめるもので
キングというのもその一つ。

慎重派の便利屋コロネちゃん、危うきには近寄らない主義であるが…
彼の独り言が聞こえた。

「ちょりーっす、キング。どーも」

危なかったら逃げよう。それよりも今は売り込んでいけ。

虞淵 >  
仮に異能者だとして、絶大な力なことには変わりない
不思議なのはそんな力を、こんな場所を直すという無駄に使っているコトだ
つまりそこに損得勘定などはなく。一種の使命感…他者には理解されがたい行動理念を感じ取ることができる
ようするにやっているのは変なヤツ、ということだ

「クックッ、まぁこの街には変なヤツは多くても問題ねぇが…──」

煙草の灰をビルの端から落として、
…不意、かけられた言葉に視線も向けず、答える

「こんなトコで遊んでても駄賃も何もねェぞ、ガキ」

殺音 > 飛んでくる言葉はやはりどこか威圧的。
だが、ここでひいてはおゼゼはもらえない。
せめて駄賃くらいはもらって帰りたいところだ

「あーしも遊びでこんなとこ来てるわけじゃねっす。
あーしぃ、便利屋コロネっつーんだけど
その変わったやつの情報とかいりません?
駄賃程度くれるだけでいーんでさー」

ペースは崩さない。
別に喧嘩を売るわけではないのだし
断られたら素直に引けばいいだけのこと。
ようは不興さえかわなければいい。

虞淵 >  
「ほう…、便利屋ねえ。
 まァ別に変なヤツがいるなってだけの話ではあったンだがナ」

ようやく男は、視線だけをそちらに向ける
この落第街で年端も行かぬ少女が生きる難しさはよく知っている
そして自分が誰かを知りつつ臆せず商売を持ちかける逞しさは、好感が持てた

「来な。話くらいは聞いてやるヨ」

殺音 > 「ふへへぇ、あざーす」

来いと言われれば、とてとてとその巨体の傍らに。
正直、人間かどうか疑いたくなるほどでかい。
近くの瓦礫に座り込んで、ポケットから汚いメモ帳を取り出した。

「えーと、この辺を直して回ってる奴らっての…
なんか修繕特務部隊っつーせーかついいん?の一部の奴らみたいなんだけどー
こないだ倒壊したビルでなんやかんややってたのは大工…?って連中みたいっすねー」

足をプラプラさせながら
聞きかじった情報をキングに伝える。

虞淵 >  
「生活委員がここらの手入れにねェ…」

他に人をまわす仕事はいくらもあろうだろうに
どうやらその一部の連中の中に件の者が混ざっているのか

「今更こんな街の修繕に手を出す理由は。割れてんのか」

誰も使っていないような、あんなこ汚いビルを元通りにする理由
瓦礫の撤去くらいなら、邪魔になるだろうという意味で想像がつくが…

殺音 > 「まー、この辺投棄されてるはずなんだけど
風紀管理化でもあるし、内部事情まではどーも」

メモをペラペラするが
まぁ、そんなことは……
とは思っていたのだが気になる一文があった

「あー、なんか、その大工のなかの?
一人の異能者…えーと、名前…角鹿建悟…変なみょーじ…
が、なんかやたらと直したがるやつで強行したって噂が…」

これ写真ね?とキングの手元の煙草と写真を『入れ換える』

虞淵 >  
唐突、指先の煙草が消え失せ、男の写真が手元に
それが少女の仕業であるとわかれば、口の端を笑みに歪める

「オイオイ、俺の嗜好品を野郎のブロマイドと入れ替えるなんて面白え真似してんじゃねえよ。
 この写真にキスでもしろってのか」

言いつつ、ひらひらさせながら写真に映り込む男の顔は、覚えておく

「一人でアレを全部元通りにしたってンなら、大したヤツだナ」

殺音 > 「すぐ返すって。
気になるやつの名前だけ知って顔も知らないってんじゃ
逆に気になっちゃうっしょー?」

手にしたタバコを咥えて、更にメモをペラペラ

「なんかうちわでギャーギャーやってみたいだけど、内容は不明。
とりあえず、あのビルはそいつが直したって大勢から聞いてるんで
まぁ、間違いはないと思う」

白煙を吐き出してから、再び写真と煙草を入れ替えて

虞淵 >  
「ったくチビガキが吸うモンじゃねェよ。背ェ伸びなくなンぞ」

オラ返せ、と写真をぴらぴら、差し出しつつ…
──目にも留まらぬ早業、ということはあるまい
魔術の類を使った気配もなし、そういった力か、と納得する

「ま、面白ェやつのツラが割れただけで十分だ。
 …ンで?情報料は?」

手元に戻ってきた煙草を吹かしつつ、横目に

殺音 > 「スラムキングらしからぬ心配あざっす。
まぁ、ちっこいほうがあーしの場合は便利なんでー」

にっかり笑いながらメモに写真を挟んでまたポケットに仕舞う。
お駄賃分の情報ならこんなもんだろう。
しっかりとした報酬となれば、もう少しそこらをかけまわるが

「そっすねー。
駄賃をくれりゃそれで。
あと、あーしのことを今後もご贔屓にしてくれりゃ嬉しいっすねー」

瓦礫からひょいっと降りて
帝王へと歩み寄る。
顔を覚えてもらうことは大事だ。商売的に。

虞淵 >  
「キングだのなんだのは周りが言ってるだけで俺は知らねェよ。
 ──贔屓に、ねェ」

まァ生きてりゃ贔屓にしてやるよ、と言葉を続けて

「そら」

やたらと高級感のある革製の長財布から札を1枚取り出し、少女に差しむけた
今回の情報の対価としては十分すぎるほどに高額なものだろう

殺音 > 「周りが言うからキングなんじゃないっすかね
自称キングじゃカッコワリーし」

周囲が認め、畏れ、敬い、従う王。
だからこその数々の支配者たる異名。
暴力的ではあるがそれだけではない。
落第街の顔役となれる以上は、そういう素養があるということだ。

「えっへへ、さすがキング。太っ腹!
それじゃ今後もよろさっさーっす」

入れ替えは行わず、差し向けられた札を手にとった
それをさっとポケットにしまえばこれ以上の邪魔はしないとひらりと手を振り

「んじゃ、便利屋コロネちゃんっしたー、またつかってよね」

瞬間的に、屋上出入り口側の小石と入れ替わり、そのまま去っていく。

虞淵 >  
「あー、手付金も兼ねてると思いな」

ここ、スラムで生き残れるガキはそれだけで才能がある
主に生き残るための才能だ
そういった情報筋は、飼い慣らしておくほうが便利だろう

「『裏切りの黒』周りの情報は優先的に買ってやるから俺にまわしな」

去りゆく少女にそう声をかけ、瞬間移動のように出口へと移動した姿を見送った

「コロネねェ」

煙草を吐き捨て、苦辛い煙を吐き出しながら
たまには甘い菓子パンでも喰うか、と 曇天の先を眺めていた

ご案内:「落第街 廃ビル屋上」から殺音さんが去りました。
ご案内:「落第街 廃ビル屋上」から虞淵さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に葉山翔一さんが現れました。
葉山翔一 > 「毎度ありがとうな。またよろしく頼むな」

手っ取り早く稼ぐならスラムか落第街に行くのが早く、ただ危険度で言えばまだマシと言える落第街での商売。
久しぶりに会った二級生徒の知り合いに護身用のおもちゃをいくつか販売すれば見送りトランクケースを片手に大通りを歩く。

今日は普段は大体この辺りに来る時には居る用心棒も連れていなく出来るだけ一か所での商売は避け。
しかしこの辺りで店を出しているだけに顔は知れているのか時々に声をかけられては物を売り。
予想外に色々と売れた事につい笑みを浮かべ、儲けで何かを買って帰るかと自分と同じ違法露店を眺めて歩いて。

葉山翔一 > そうしてそのまま歩いて落第街を後にする。
ご案内:「落第街大通り」から葉山翔一さんが去りました。