2020/09/13 のログ
ご案内:「落第街 違法部活拠点」にレオさんが現れました。
レオ > その日、落第街は荒れていた――――

風紀主力の多数が不在であるという状況。
ここ最近既に風紀委員が多忙である中に起きたこの状況は、落第街の無法者達にとっては行幸であった。


何より、落第街に一種の恐怖を与えていた過激派―――

”「鉄火の支配者」の不在。”

その噂は、瞬く間に広まった…

レオ > 言い渡されたのは、違法部活の検挙、場合によっては、鎮圧。

理由は様々だ。
短い期間であれ、脅威の不在に浮足立つ無法者への牽制であったり…
それ以前から、看過できぬ組織になってきていた違法部活が存在したから、でもあったり……
様々な事情。



だが上層の一番の目的は…
新たな戦力の実力の確認。

公安の問題児、四方阿頼耶から寄越された、レオ・スプリッグス・ウイットフォードを品定めする為。

その為に使われたその仕事は―――
普通の風紀委員ならありえない、過激なものだった。











”場合によっては殺しても構わない”

レオ > 薄汚れたビルの扉を、静かに開ける音。

中にいる人間が扉の方を向く。
皆一様に、見るからに荒くれものといった風体。
何時ものように”仕事”をしている。


床に倒れ伏した動かない人間の成れの果て。
指がなくなって、拷問をした痕跡がある。
おなじように散らばる注射器。
使われたのが、倒れているそれであるのは一目でわかる。

そんな場所に、一人で、普通に扉を開けて入ってきたのは。
15,6程に見える、成長期の過程といった風体の。
無造作に伸びたベージュの髪を小さく結った、鈍い金色の目の、青年とも、少年ともつかぬ、子供。

「―――風紀委員会です。
 違法部活。×××××―――――ですね。
 貴方たちのやってる事は犯罪です。
 大人しく署までの動向を―――――」

ご案内:「落第街 違法部活拠点」に持流 童男さんが現れました。
持流 童男 > 「うーーんしかしここら辺を、いつも通りに。
散歩してるは良いでござるが、今日もすっげぇでござるな」

そう言いながらも、汚れたビルの近くを横切ろうとしている。

今日はオフだ。オフなのだ。まさかここで何か起こるわけが割とあるな多分。メイビー

だが、まぁ大丈夫だろう。人それをフラグという。

レオ > 場所に見合わない、柔和な声。
声は最後まで言い切らされずに、かき消される。


―――ブォンッ

巨大な何かが、入ってきた青年に振り落とされた。

コンクリの柱の一つ。
青年が来る前から既に折れて、放置されていたのだろう。
筋肉質の男がそれを片手で掴み、そのまま、青年の脳天めがけ振り下ろした。

コンクリの塊。
100、200kgは余裕で超える重量のそれは、そのまま振り下ろされた場所の床を砕いて、轟音を響かせながら大小さまざまな破片を飛び散らせた。

―――潰れた。あっけなく。
と、皆一様に思った。

持流 童男 > なにか固いものが振り下ろされた音が聞こえた。
この汚れたビルの中からだ。今日はオフだ。オフなのだが。

ため息をつく。

本当に自分の性分を呪いたくなる。

だけど、何かあっては遅いよな。もしも何かあったら?
誰かが襲われてるんじゃないか?
そう思いながらも。

汚れたビルに走って向かおうとする。
足が向いていた。

レオ > 「―――――すみません
 今、先輩達が不在らしいので。
 あまり情けない仕事できないんですよ」

潰れた場所とは別の所から、声がした。
確実に侵入者を潰したと思っていた大男は、周囲を見ながらコンクリの柱を振り回す。
周りにいた男たちは振り回されたコンクリが当たらぬように、そっと距離を置いて周囲を警戒した。


した、直後だった。

レオ > 『あぁぇ…?』

大男から、情けない声。
頭からぴゅう、と血を吹き出して、大男が体制を崩して、倒れた。




「――――問答無用での殺傷目的の攻撃。
 こちらの話を聞く気は、ないって事で…いいですよね?」

どしんと音を立て、砂ぼこりを立てて床に伏した男の上に、そのまま立つ、さっきコンクリで潰されたはずの青年が、そこにいた。

手には一本の両刃剣。
奇妙な握りをしており、人差し指と中指で挟むようにして握られたその剣の先端には
脳漿と血がべっとりとついていた。

「続けますか?」

その後の事は―――…

持流 童男 > 建物の外には数人の男が倒れていた
どれも、死んでいるものもいれば、生きている人もいる。

多分だけど、彼らは違反部活部の人たちだろう。じゃなきゃ
こんな倒れ方や、死に方はしない。

なんだか嫌な予感がする。

そう思いながらも、ドアを開けようとするときに
中からどしんという音が聞こえてきた。

意を決してドアノブに手をかけてドアを開けようとする。
血の匂いがする。胸騒ぎが強くなる。

レオ > 扉の前で立ち往生をしている男が来た頃には、扉の先は、既に静寂が包まれていた。
何も聞こえない。
ただ、立ち込める異臭。血の匂いだけがむせ返るように充満していた。

レオ > ―――貴方は扉を開ける事も出来るし、このまま立ち去る事も出来る。
立ち去ればこの先は見る事はない。そもそもが落第街、日常茶飯事とまでは言わないが、殺傷沙汰は見えないだけで”珍しい事ではない”
変に首を突っ込む必要は何もないのだ。



それでも開けますか?

持流 童男 > ーーー開ける。きっと彼は、それでも開けるだろう。
それでも背負うだろう。

レオ > ――――――――――――――
レオ > 扉の先にあったのは、水浸しになった床
暗くて良く見えないが、吐き気がするほどの血の匂いは、さらに強く鼻孔をつんざく。
水じゃない、血だと察するのには、時間はかからなかった。

辺りには人、人、人、の、遺体。

動かない、人の遺体。
全員急所を斬る、または貫かれている。
争った、と言えるほどの傷はない。
唯一あるのは、先ほど耳にしたものだろう。太く巨大なコンクリートの柱をそのまま引っこ抜いたような代物と、それが作ったのだろう、部屋に大きくできたクレーターのような跡だけ。

その中に一人だけ、人がいる。
血まみれの青年がいた。



貴方の知っている人物だった。

持流 童男 > 拳を強く握る。 死んでしまっている遺体の山。

彼らは、おそらくそうされても文句はなかったんだろう。

だけども

やりきれない思いで逃げたくなる。だけども、逃げない。
向き合うと決めたから

辺りには大きくできたクレーターを見て

その中に一人だけの見知った後輩を見て

「レオ殿・・・・何やってるんでござるか。
なんで、お主がこんなことをやってるんでござるか。
教えてくれ。」

思わずそう言っていた。

レオ > 足音には気づいていた。
けど、その足音の主から自分に向かう「死の気配」がしなかったから、気にしなかった。

声をかけられた。その声は、聴いた事のある声。
あぁ…まずったな。
いや……仕事だから、仕方ない。

「……違法部活の摘発の仕事が入っちゃって。
 穏便に済ませたかったんですけれど、話を聞いてくれなかったんです。
 
 …今日は、ちょっと先輩が留守にしていたそうで。
 今違法部活が活性化したら、表通りにも影響が発生しかねないらしくて。
 
 必要なら、殺傷も許可するとの事で」

先輩に説明をしなくちゃならない。
流石にこんな状況、普通ならあっちゃいけない事位分かる。
僕だって許可が無ければやらない。

「大丈夫です、持流先輩。
 心配になって見に来てくれたんですね。すみません、騒がしくしたようで」

目の前の青年は振り返って、笑顔を作って持流にいった。
普段通り、最初に会った時と同じ笑顔で。

持流 童男 > 「ざ・・・・・けるな・・・」

そう思わず口から出る。

持流 童男 > 「ふざけるな。何で・・・何でそんな作り笑いをしてんだよ!!!!」

そう思わず言っていた

持流 童男 > 「・・・違反部活の仕事で人を殺すのも、きっと上からの命令何でござろう。お主がそれをするのは命令があったときでござるからな。おそらく。」

だけど・・だけど気に入らない。
何でそんな仮面をつけてるのか

「だけどな。人を殺すにはなれるな。慣れちゃいけないんだ。
それをしちまうとお主は、戻れなくなっちまう。化け物になっちまう、だから聞きたい。
お主の剣は、何を守るためにあるでござるか。」

なんで人を殺した後に、そんな笑顔が作れるのか。

レオ > ――――……
怒らせてしまった。
心配かけまいとしたことが裏目にでた。
参ったな…

「…すみません、心配…かけるかと思って。
 あ、でもえっと……大丈夫なのは本当です。
 傷もないですし…服は……上着は流石に、もう使えないけど」

青年の体は血まみれで、上着は吸った血が滴っている。
そんな自分の姿を見て、少し苦笑をした。

「……」

その次に投げられた言葉は、笑って聞くことはできなかった。

レオ > 「なら僕は化物でいいです」

一言だけ返した。

持流 童男 > 「そうか・・・・」

その一言に、憐憫の目を向けて

「‥‥お主は辛かったんだな。」

そう言いきった。

「お主が過去にどんなことがあったか分からない。だけど、化け物に堕ちてしまえば、人を殺した時の罪悪感も、人を殺したときの感触にも慣れてしまう。・・某もあったでござるからな」

多分だけどきっと彼は

「・・・だから心を閉ざして化け物のふりをしている、某にはそうとしか見えないでござるよ。レオ殿。」

レオ > つい、頭より先に喋っていた。

参ったな。
なんて言おうか。


「…嫌な訳じゃないですよ。
 今回の仕事も、気が重かったですから」

ほんとのことだ。
気が重かった。
出来れば静かに過ごしたかった。

「……参ったな」

少し困ったように自分の首に手を回して目を伏せた。
なんて切り抜けようか。

持流 童男 > 「・・・先ほどああは言ったが、
お主は、化け物ではない。そのセリフを言えるならば。
自分のことを、化け物でいいなんて言う化け物は化け物ではないから。
気が重いというのならば。お主はまだ戻れる。」

しっかりとレオさんに言う。
その眼をそらさずに

「だから、だから、無理はしないでくれ。
お主の心をすり減らさないでくれ。多分だがな。
後輩が、苦しむのは嫌なんでござる。
だから先輩を頼ってくれでござる。」

そう死体の山を歩きながらも
レオさんの血に濡れた手をつかもうとする。
心がずきっとした。

レオ > 「……」

困ったような苦笑を浮かべる。


「……すみません、その…色々、すみません」

何が、とは言えない。
心配されてるのが、ただただ申し訳なかった。



手は血で汚れてるので、やんわりと断った。

持流 童男 > 手を握ろうとするが断られたけども
そっと下がる。

「・・・某は、今は一般人でござるから、
今は何もしないでござるよ」

そうしっかりとレオさんに言う。
・・・そして

「・・だから今度お主の話を聞かせてくれでござる。
多分、分かり合うには話し合うのが大事でござるから」

そう言いながらもふと気になったので、レオさんに問いかける

「なぁレオ殿、お主には、守るべきものはあるでござるか?」

レオ > …あぁ、だめだ。
これ以上は駄目だ。

「―――すみません」

もうこうするしかない。

レオ > 深く頭を下げた。

「気遣ってくれて…ありがとうございます。
 ただ

 これ以上は何も、聞かないでください。」


深く頭を下げて、はっきりと”拒絶”の言葉を。
この人はマトモを自分に求めているのだろうけれど。
その為にどうにかしようとしてくれているのだろうけれど。

僕には重荷だ。

持流 童男 > 「・・・わかったでござる。」

そう言って何も聞かない。
それを組むのも男だ。

頭を下げたのだ男が、それをくみ取れないほど耄碌していない

そう言いながらも、扉に向かう。

「----済まぬ。」

そう一言言い残してその場を去ろうとする。

レオ > 去るのをそのまま見送る。

立ち去る先輩に、申し訳なさを感じながら。

先輩が去った、死体だらけの違法部活の跡に一人、ぽつりと残って。


「―――後片付け、しないとな」

ご案内:「落第街 違法部活拠点」からレオさんが去りました。
ご案内:「落第街 違法部活拠点」から持流 童男さんが去りました。