2020/09/20 のログ
ご案内:「落第街-地下:廃棄線路」に武楽夢 十架さんが現れました。
武楽夢 十架 >  
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落第街地下にはかつて存在した地下鉄のための――廃線となった――空間がある。

地下闘技場にも続く地下空間。
崩落している区間もあるとか未整備区画も存在する。
一部が常世渋谷に続いているとも噂されている。
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武楽夢 十架 >  
スラムにある地下鉄という奈落へ堕ちる階段。
かつて"落第街"と蔑称のように呼ばれる前に作られたその施設は放置され朽ちゆくが定命。

その地下は一部地下闘技場に利用されているが、廃棄された地下鉄の一部でしかない。
暗闇が支配するその場所は、普通の人が入るには危険な場所である。
一部では下手に怪異に遭遇するよりも恐ろしい場所。

正規線路への道は完全封鎖されているらしいが―――、
そんな場所の確認までは青年も探索出来ていない。
風紀委員会のメンバーすら、把握し切れているか怪しい黄泉の穴よりも昏い。

武楽夢 十架 >  
とある廃施設、元々は教会だったと思われた場所の近くにある、その地獄の門。

「……へぇ、ここは二年前から誰も触ってなかったんだ」

夕暮れを背にその穴に堕ちたのは一人の青年―――落第街のこの辺りでの通り名は《ヤサイノヒト》。
ちょっとした有名人のはずであったが、人の視線の隙間を縫うように避けて【彼】はそこへ至る。

暗闇へと続く螺旋階段の果てに、そこに誰も、青年すら知らないはずの『彼女の記憶』がそこにある。
・・・・
緑色の髪が煌めいて、朱い瞳が細められた。
―――懐かしい。

 ・・・・・
「十架君じゃ、優しすぎるんだよね」

だから。

武楽夢 十架 >  
……目が、覚めた。
今日は炊き出しをした後、廃施設の中で軽く休憩をしようとしただけだったが、
寝てしまっていたようだ。

「よくないな……」

休める時に休むのは必要だが、こういう風に警戒もせずに休むのは良くはない。

直視せずとも部屋内に存在する赤いモノを感じ、どう動いているかミエている。
支配するために領域内を把握するように、感覚が日々拡大している。
故に、起きても瞬時に周囲を知覚出来る。

―――すべての《赤》を支配しろ。

異能が叫ぶようだ。

ご案内:「落第街-地下:廃棄線路」から武楽夢 十架さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にロベリアさんが現れました。
ロベリア >  
夜といえば、そう。悪魔の時間だ。(※そんな決まりはない)
悪魔の少女・ロベリアは落第街の薄暗い大通りを堂々と闊歩していた。

「ククク……聞けば、かの"テッカのシハイシャ"がたおれたそうではないか。
 ヤツめ、ワレのリョウチでさんざんあばれてくれたようだが、いないなら好ツゴウというものだ」

この落第街を己の領地と言って憚らない彼女だが、住居は異邦人街である。
ただ、いずれ魔界を統べる大悪魔として、覇道の第一歩に選んだ場所がここなのだ。
実際のところ、小さな少女の与える影響など微々たるものだが……

ロベリア >  
「さて、今日はどんな悪事をはたらいてやろうか。
 くい逃げ、ひったくり……ククク、よりどりみどりだな」

ロベリアの異能は行使に"悪"のエネルギーを消費する。
夏休みが明けたことで無断欠席が可能となり、エネルギーも安定供給されるようになった。
しかし、それで満足していては真の悪たり得ない。真の悪とは、理由がなくとも動いてこそなのだ。

「…………む?」

ロベリア >  
ふと気付くと、前方が何やら騒がしい。
様子を見に行ってみれば、ガラの悪い連中が集まって通り沿いの屋台を荒らし回っていた。
鳴り響く怒号と悲鳴。武器を持っている者もおり、店主は脅されて売り上げを要求されている。
風紀の乱れに乗じて事を起こそうという輩はロベリアだけではなかったのだ。

「な……な……」

とはいえ、風紀委員は一人や二人倒れたところで弱体化する組織ではない。
放っておいてもすぐに駆けつけて沈静化に動き出すだろう。
しかし、それを見たロベリアの反応はというと───

ロベリア >  
「ワレより目立つ悪事をはたらくなぁ~ッ!!」

ロベリア >  
自分より悪そうな事をしている輩がいることに我慢ならず、渦中へと飛び込んでいく。
これには暴漢たちも店主も驚愕せざるを得なかった。
風紀委員が来たのかと思えば、現れたのは小さな少女だ。無理もない。

「やいキサマら! ワレのリョウチでこれ以上のロウゼキはゆるさんぞっ!」

怒鳴りつけるロベリアだが、それで怯むような連中ではない。
完全に嘗め腐った態度と下卑た視線が少女に向けられる。

暴漢 >  
「なんだ、随分と威勢のいいガキが来たじゃねぇか。
 ナリは小せぇが、締まりの悪いメスどもよりは楽しめそうだな」

暴漢たちのリーダーらしき男がロベリアの前に進み出てきた。
全体的に悪人面な連中の中でも特に強面で体格も大きく、威圧感を放っている。

ご案内:「落第街大通り」に東雲 七生さんが現れました。
東雲 七生 > 落第街が騒がしいという話は隣接する異邦人街にも届いていた。
その中でも落第街との境界間際に住む辺りでは特に治安が徐々に悪くなっているのは顕著であった。
ギリギリ異邦人街に居を構える東雲七生も平穏に過ごしたい重いと裏腹に、日増しにキナ臭くなるご近所事情に頭を抱えるひとりである。

──主に、同居人のストレス的な意味で。

「……というわけで、何かやらかす前に火種は潰そうと思って見て回ってる訳だけど。」

案の定、こうした諍いが発生している。
建物の影から静かに騒動を見守り、いざとなれば鎮圧に動こうかと思っていたのだが、
少女の闖入によって事態は変な風に動き出していた。

「……いやいやいやいや!ツッコミが追い付かなくなる!」

思わず少女を止めに走ってしまう七生であった。

ロベリア >  
「ふん、あまく見ていられるのも今のうち……むっ?」

これから実力の差というものを分からせてやろうと身構えたところに制止の声。
暴漢たちとロベリアが一斉に声のした方を見る。

「なんだキサマは。ここからがいいところだというのに」

特に出鼻を挫かれたロベリアは不機嫌そうに赤髪の少年を睨みつけた。
ちなみに、勘のいい七生なら声をかける直前に彼女から一瞬だけ強い力を感じ取ったかもしれない。

東雲 七生 > 「ここからがいいところって……!
 ……じゃあ、そっちのデカブツは任せたから!」

少女を止めようと走り出した刹那、その少女から何やら強い力を感じ取る。
それならば、と少女を止める事はやめにして、残りの暴漢と店主の救出へと切り替える。

「さーて、と。風紀が来る前に片しちゃおう……か!」

駆ける勢いのまま跳躍、走り幅跳びの要領で大きく暴漢たちと間合いを詰めるとそのうちの一人に勢いよく飛び蹴りを放つ。

暴漢 >  
突然の闖入者に気勢を削がれかけていた暴漢の一人に飛び蹴りが炸裂。

「ぶべらっ!?」

身構えるのも間に合わず、蹴られた暴漢はその勢いのまま吹き飛ばされる。
暴漢たちの間にどよめきが走り、店員はようやく助けが来たと俯いていた顔を上げた。

「テメェ……!」

リーダーらしき男も七生のことを敵と認識し、怒りを露わにする。
そして目の前にいるロベリアに再び視線を向けた。

「ガキ、こっちに来い! まずは人質として使ってやる!」

卑劣な男の悪手が伸びる、が───

ロベリア >  
「けがらわしい手でワレにふれるな!」

ロベリアはその小柄な体躯を活かして男の手を掻い潜る。
そして強く地を蹴って跳躍し、闇の魔力を乗せた回し蹴りを繰り出した。
スカートが翻り、タイツ越しに下着が丸見えなのもお構いなしだ!

ダァン!
見た目よりずっと重い、魔力の込められた一撃が暴漢の頭部を横殴りに蹴り飛ばす。

東雲 七生 > 「おぉー、やっるー。」

横目で少女の回し蹴りを見つつ、動きの怯んだ暴漢たちを近い順に打倒さんと跳び回る。
揺らめく赤髪が残光の様に靡き、振り抜かれる足技は暴漢たちの顎、鳩尾、首を的確に貫いていく。
洗練された格闘技というよりは、単純に実戦だけを積んできたような喧嘩殺法。

「久々だから加減できなかったかもだけど、死にはしないっしょ、ごめんね!」

急所を蹴りぬかれて悶絶する男たちへと、ウインク混じりに謝る余裕まである。

暴漢 >  
徒党を組んだと言っても所詮は烏合の衆。
最初の不意打ちの時点で乱れに乱れた暴漢たちは次々と倒れていく。
何人かは反撃を試みたが、経験の差は圧倒的であった。

「こ、こいつら……!」

ただ一人、リーダー格の男だけはロベリアの一撃を受けても倒れていない。
股間を抑えて蹲る男たちを使えない奴らだと吐き捨てつつ、少年少女を睨み付ける。

ロベリア >  
「しぶといヤツめ……だが、こいつはたえられるか?」

闇の魔力が膨れ上がり、ロベリアの両手に集まっていく。
先程感じた予感。強い力の片鱗を今まさに繰り出そうとしていた。

「"大悪魔・限定解除"簡易版───キサマの如き人間にはこれで十分だッ!」

少女の顔つきと口調がやや大人びたものになり、吼える。
濃縮された魔力が彼女の腕から放たれ、闇色の波動が男を飲み込んだ。
襲い来るのは地獄の業火にその身を焼かれるような痛み。
男は断末魔の叫びを上げて倒れ伏した。

「命までは取らん。が、これに懲りたら我が領地で勝手な真似はしないことだ」

腕を組み、鼻を鳴らして男を見下ろすロベリア。
他の暴漢たちは七生によって既に鎮圧され、大通りに静寂が訪れた。

東雲 七生 > 「一撃で仕留めないと増員呼ばれたりとか面倒なんだからねー。」

まったくもう、と口を尖らせながらもさっきの一撃を耐えたタフネスはきっと少女にとっても想定外だったのだろうと予想して。
その後少女の手元に集まる力の流れに肌が粟立つのを感じて息を吐いた。
最初からやれば良いのに、と内心思ったりもしたが、ケリが着くのならそれで構わない。

「よっ、と。
 だいじょーぶだった?これに懲りたらもうちょっとマシな場所でお店やった方が良いよ。」

這いずってその場から逃げようとしていた暴漢へと容赦なく踵を振り下ろして気絶させつつ、
店主へとにこやかに声を掛ける。半分自業自得だろうとは思っているが、それを指摘しても詮無い事なので。

ロベリア >  
「ふん、なん人こようがワレのテキではない」

彼女にとっては増援が呼ばれようと知ったことではない。
最初から全力を出さなかったのはリソース節約のためだが、存外しぶとかったので異能を使ったのだった。

「それよりキサマ、ナニモノだ?」

店員は七生の言葉に引きつった笑みを浮かべながらこくこくと頷いた。
暴漢たちが沈黙したことで、ロベリアの興味も七生に向く。

東雲 七生 > 「何者って……えっと……見ての通り、通りすがりの一般生徒Aだけど……」

さすがに暴漢をそこらに転がしておくのは見てくれが悪いと思ったのか、
どこからともなく真っ赤なロープを取り出して暴漢たちを縛り上げていく。
これで風紀が来るまでの間に逃げ出す輩も出ない筈だ。

「あ、名前とかの話?
 それなら東雲七生。これでもこの島で5年くらい学生やってるよ。」

荒事に関して慣れてる件とか明らかに一般生徒で片付かない気もするが、平然と言ってのける。
風紀でも公安でも生活でも、どの委員会にも属していないのでれっきとした一般生徒だから嘘ではない。えへん。

ロベリア >  
「通りすがり? フーキでもないのにつっ込んできたのか。
 キサマ、かわったヤツだな」

他に引っかかるところは多々あるはずだが、生憎この状態のロベリアはあまり頭がよろしくない。
言葉通り「変わった奴」くらいにしか思っていないようだ。
暴漢たちが縛られていくのを眺めつつ、名前を聞けばこちらも名乗り返そうと。

「ワレはロベリア! いずれ魔界をすべる大悪魔だっ」

ふふん、とドヤ顔で無い胸を張る。どう見ても良くて小悪魔だ。

東雲 七生 > 「まあ、そこはその慣れというか何と言うか……。
 っとと、そうだよこのままここに居たら風紀来ちゃうし。」

聴取とか面倒だからさっさとこの場から逃げおおせたい。
店主には同士討ちで事が済んだようにして貰いたいと、頼み込みつつ。

「ロベリアっていうんだ、なるほど。大悪魔……」

悪魔?と首を傾げる。
見た目は確かに悪魔の特徴もあるが、悪魔と言われて浮かぶイメージは、まだ同居人の方が近い気がした。
しかし、先に見た力の一端は、確かに魔の者と言われれば納得のそれである。

ロベリア >  
「なんだ、見てわからんのか? ほら、ハネもシッポもあるぞ」

首を傾げるのを見て、背中を向けて小さな羽と尻尾を揺らした。
背中の大きく開いた服なので羽は問題ないが、スカートの方は尻尾に持ち上げられて大変きわどい。
先刻の様子から見ても本人は無自覚で、指摘されなければ気付くこともなさそうだが。

「む……フーキに来られるのはたしかにメンドウだな。
 こいつらのせいで悪事をはたらきそこねたが、まぁいい。バショをかえればすむことだ」

暴漢たちを一瞥し、鼻を鳴らしてその場を立ち去ろうと。