2020/09/22 のログ
■ニコラス >
「狩りでもよくやる手段だよ。逃げる方向誘導して有利な方に追い込んでくやつ」
なにかを投げたり特定の方向に寄って追いかけたり。
あれを「狩り」と呼びたくはないが、しかしそれは間違いなく「狩り」なのだろう。
「あぁ、あの骨ネズミ。あれ魔術なのか?」
あのとき足元を走って行った骨ネズミ。
骨、と言うことにも驚いたが、野生にしてはタイミングが良かった。
彼女の言葉から使役魔術か何かなのだろう。
「――そうだ、俺ニコラス、ニコラス・アルヴィン」
まだ名前を名乗っていなかった。
右手と共に名前を告げよう。
■小南 美奈子 > 「なにそれ最低……」
倫理的に間違ってはいるが、この上なく合理的ではある。
落胆しながら半分ほどスポーツドリンクを飲み干し、ため息をつく。
「私の魔術。ああやって生き物の骨を操る……ネクロマンシーとかそういう」
雑然とした説明を挟み、彼の自己紹介を聞けば、差し出された右手におずおずと返して手を握る。
「小南 美奈子(コナミ ミナコ)、生活委員の三年……よろしく」
■ニコラス >
「まぁ、最低だよな」
狩りの技術をそんなことに使うのは、本当に。
そもそもそう言うことをするのが最低だろう。
「生き物の骨……それってどんな状態でもよかったりする?」
そう言う使い方もするのか。
狩人としては肉がメイン、たまに内臓も使うが、骨はあまり使わない。
たまに道具で使うことはあるけれど。
「ミナコな、よろしく」
おずおずと握られた右手をガッシと掴み、上下に振って。
■小南 美奈子 > 「あ、うん。多少腐っててもヒビアリでも折れてても良い。私は復元するのも得意だから。
なるべくなら綺麗なものとか状態の良いものだとめんどくな……やりやすいんだけど」
ネクロマンシーの中でも様々な派閥はある。生物を介さないものや、生贄を得意とする者。
大人子ども雌雄の違い、死体そのもの、臓物の一部etc
その中でも骨に特化しているのが己の魔術である。
骨と言えば加工して入れ物にしたり丈夫な素材としては有用そうではあるが、その手の加工を苦手とするものもいるのだろう。
ぶんぶんと手を上下に振り、キリの良いタイミングで手を離す。
人と触れ合うのは苦手なのか、おどついた雰囲気だった。
「……ニコラスはどうしてここに?」
■ニコラス >
「ふうん。俺結構森で狩りとかしてるからさ、言ってくれれば骨取っとくよ」
流石に大型の獣の骨を丸々、と言うのは無理だが、小型の獣の骨ならば丸々持ってこれる。
大型獣のものも一部なら持ってこれるだろう。
「あー、いや……」
どうしようかな、と迷う。
相手が風紀委員じゃないならば言っても大丈夫だろうか。
「こう、個人的に見回り、と言うか。あっ、風紀委員には内緒にしといて欲しい」
とは言え噂にでもなればすぐに耳に入ってしまうだろうけれど。
■小南 美奈子 > 「え、本当に? 狐とか狸とか、あれば嬉しいんだけど。
森の動物は組み立てるパーツが希少だから、あればあるだけ嬉しい」
それこそイノシシなんかの大型の生命体がいればそれだけでも良いのだが、流石に口には出さなかった。
それでも牙や角さえあればそれはそれで良いのだけど。
「……?」
云い淀む彼にも、何かあるのだろう。人に言えない事情とか、そういうもの。
己は一般の範疇を越えないし人は苦手だが、多少なりとも機微は理解する。
だから内緒に、という声に対しては即座に頷いて答えることが出来た。
「助けてくれたから喋らないようにする。私、口は堅い方だから」
とはいえ、先ほどの輩が噂を広める可能性もあるだろうが。
「……そろそろ、落ち着いてきた。
ゴミ回収に向かうから行かないと……」
■ニコラス >
「キツネとか、タヌキな。おっけ、それぐらいなら丸ごと持ってこれる。あ、連絡先交換しといた方がいいよな」
そう言ってスマホを取り出す。
その程度ならすぐ狩れる。
連絡先を知っていれば、割と珍しめの動物を狩った時にもすぐ聞けるだろう。
「サンキュ、助かる」
風紀じゃない一般生徒が風紀の真似事をしている、となればそりゃもう怒られるだろう。
バレてしまえばそれまでだけど。
ぶっちゃけバレても辞めるつもりもなかったりする。
「んじゃあ歓楽街まで送るよ」
さっきみたいなことがまたあったら困るだろうから。
■小南 美奈子 > 「……うん、ありがとう。
大切……にするのは難しいけど、有効活用する」
自分のスマホを取り出し、連絡先を交換する。メッセージアプリでもメアドでも。
特にこの周辺の生態系は把握しきれていないから、彼のような狩人の知恵を得られるならよりネクロマンシーとしての発展を受ける子おtが出来る。
彼にとってその自警的行為がどれほどのウエイトを占めているのかは分からない。
厳罰で怒られるにせよ、それを咎めるには己は色々足りないし、何より恩義もある。
多少の事は黙認するとして、今日の報告書は彼の事を書かないというささやかな抵抗だけは出来る。
存在を隠せば明るみにも出づらくなる。そう信じて。
「だいじょ……いや、ありがとう」
ここから抜け出す時に同じような事があっては困る。
ボディーガード代わりに使うのは忍びないが、彼に甘えるのが今は得策だろう。
なるべく安全な道を通り、歓楽街の指定した場所まで送って貰えれば、そのままゴミ袋を両手に悠々と焼却場へと向かったことだろう。
ご案内:「落第街大通り」から小南 美奈子さんが去りました。
■ニコラス >
「俺は骨使わねーしさ、獲物無駄にならないならその方がいいし」
に、と笑って連絡先を交換。
どうせ獲物は狩るのだ。
何事も無駄にしないのが狩人と言うもの。
「おっけ、じゃあ行くか」
そうして指定された場所まで彼女をエスコート。
安全なところまできたら、彼女と別れてもう一度落第街へ向かおう。
出来るだけ高いところからドローンを飛ばし、「鷹の目」の二つ名に相応しい狙撃を行っていくだろう――
ご案内:「落第街大通り」からニコラスさんが去りました。
ご案内:「違法パブ「地獄の門」」にレクターさんが現れました。
■レクター > 今日もここのパブは盛況のようで、店内のあちらこちらから喧しいくらいの声が聞こえる。
一角では酔っ払い同士が殴り合いの喧嘩をしており、周りの野次馬はそれを見て賭け事に興じている。
「…ビールを。」
そちらを遠くから眺めるように、バーカウンターの端の席に座って店員に注文する。
店員からビールを注がれたビールを受け取れば、その場で支払いをしてから一口飲む。
酒を飲みながら、店内にいる客を一人一人観察するかのように眺めていた。
■レクター > ここには様々な人間が集まる。落第街の情報を集めるのには適した場所。
そして、自分のこのような恰好を珍しく思う者も少なくない。
無遠慮に隣の席に座り込んだ男が話しかけてくると、お世辞にも良いとは言えない目付きで見返して。
「神父服を着ているからといって、酒を飲みに来てはいけないわけではないでしょう。
…どちらが勝つと思いますか?あれ。私はあの太った方に賭けます。」
けらけらと笑う男を横目にまだ続いている喧嘩を指差して聞いてみる。
男は反対側の痩せた男に賭けると答え、上機嫌に酒を煽っていた。
「ところで、何か面白い話でもないです?」
■レクター > 「…そうですか。まぁ、そう面白い話があるものでもないですね。」
酒が回り始めた男は上機嫌なままで記憶から思い出そうとしているが、特に何もないと笑いながら答える。
それを聞いても特に目立った反応をするわけでもなく、酒を一口飲んで言葉を返した。
そうやっている内に喧嘩の方は終わったらしく太った男の方が、床に倒れているのだろう相手へと追い打ちの蹴りをしているのが見える。
「おや、私の予想が当たったようですね。では、一杯奢ってもらいましょうか。」
そう男へと告げながら店員へとビールを頼む。男の方も悔し気にもう一杯頼んだようで、少しするとグラスが二つ運ばれてきた。
■レクター > 「………おや。」
男が支払いをするのを見てから運ばれてきたグラスを手に取った時、喧嘩をし終えたばかりの太った男が自分を指差しているのが見える。
周りの野次馬をかき分けて怒鳴りながら近づいてくるのを眺めている間に、隣にいた男はさっさと逃げてしまっていた。
よくあることだと慌てることもなく、間近へと迫った別の男を見上げる。
「何か?勝利の美酒でも奢ってほしいのですか?」
手持ちは少ないのですが、と続けようとしたところで何かを喚き散らしながら拳を振り上げる男。
振り下ろされる拳をグラスで受け止めると、同時に足を上げて男の股間を蹴り上げる。
「勿体ないですが、私の金ではないですので。遠慮なくどうぞ?」
悶絶してうずくまる男の頭へとビールをかけてから、空になったグラスを思い切り叩きつけた。
■レクター > 叩きつけたグラスは割れて破片が床へと散らばる。
頭部に強打を受けた男は股間を押さえたままうつ伏せに倒れ込んだ。
「…弁償代はこの人にお願いします。所謂、ファイトマネーということで。」
手の中に残ったグラスの破片を倒れた男へと放り投げ、黙っている店員へと話すと席から立ち上がる。
「では、私はこれで。ご馳走様でした。」
淡々と告げると、そのままパブの入り口へと向かう。
あっけにとられて静かになっていた店内が店を後にしたと同時に騒がしくなるが、
そんなことは自分が気に掛けることではないのだった。
ご案内:「違法パブ「地獄の門」」からレクターさんが去りました。