2020/09/23 のログ
ご案内:「違法パブ「地獄の門」」に梦 叶さんが現れました。
■梦 叶 >
「~♪」
グラスを横に、端末を操作して資料をまとめている男が一人。
180cmほどの長身に黒い髪、緑の目のその青年は、落第街にいるには少々身綺麗な印象を受ける。
「鋼の両翼は…えーっと、自警団だっけか。
んー、ナシかな。心意気はいいけど今回の目的には合わないかなー。
裏切りの黒…ここも除外っと。裏世界の秩序はそんな興味ないし。
ロストサインはー…あー、もう壊滅してんだっけ。
トゥルーサイトも壊滅っと。
んー、良い所ってあんまし見つからないもんだなー…」
見ているのは、落第街で集めた違法組織の情報群。
目立つ違法組織の名称、その行動が細かく記載されているそれを見ながら、うーんと青年は頭を悩ませる素振りを見せる。
「となる、とー…うん、この辺かな。
”ディープブルー”
シスターの監禁に風紀委員との対立、薬物実験ext…
うん、いいじゃん。」
違法部活『ディープブルー』
最近名前が広まっている、言ってしまえば”話題の”組織だ。
『鉄火の支配者』含めた数名の名実ともに精鋭の風紀委員を負傷させ、一時この辺りの風紀に影響を与えていた。
その余波は未だに残っており、大小さまざまな組織が動きを見せている。
…うん、こういうトコがいいかな。
色々やってくれそうだし、そうすれば情報もよく入る。
やっぱり”入る”ならこういう活きのいい所でしょ。
■梦 叶 >
「入る違法部活は決まったとして、次はコンタクトの方法かなっと。
どーやって入れてもらお、う、か、な~…っと」
違法部活に加入するとして、その方法はまぁ、色々とある。
知人の伝手、自分からコンタクトをとる、名を挙げてスカウトされるのを待つ。
言ってしまえばヤクザやマフィアだ。兵隊を欲しがっていればわりとすんなりと入れる場合も多い。
逆に兵隊を求めていなかったら、いくらアピールしても加入できない、なんてこともある。
結局この辺は表の世界の仕事と同じだ。
需要と、供給のハナシ。
そこに引っかからなければ話にならない。
「俺はあんまし名前上げるみたいな事はしたくないしー……
仕方ない、この辺をブラブラして伝手を作っていくしかないかな。」
別に、悪さがしたい訳ではない。
最近であった女の子に協力を申し出て、それの為に少し情報が欲しいだけ。
裏の事ならこうした方が早いしね。
組織についたらちゃんと仕事もするつもりだし。
まぁ上の命令は守らなくちゃね。
■梦 叶 >
…まっ、楽しくいこうかな。
世の為にはならないけど人の為。自分も得しなくちゃ意味がない。
やるからにはせめて楽しさくらい見出さないと、人間長生きできないもんじゃないですか。
ご案内:「違法パブ「地獄の門」」から梦 叶さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
昨日、無事に退院の許可が下り一日は自宅療養。
休んでいる間の講義課題の確認や、退院の報告を風紀委員会へ送ったりして一日を過ごした。
流石に、退院明けから任務に当たる程体力が戻っていた訳でも無い、という事もあったのだが。
さりとて、一日空けた今日からは風紀委員としての職務にも戻らなければならない。
厳密には『戻らなければならない』という訳でも無いのだが――其処はまあ、ワーカーホリック極まれり、といったところだろうか。
とはいえ、いきなり違反組織の拠点襲撃だのといった戦闘行動を行うのは厳しい。
先ずは地道に警邏から。警邏部と打ち合わせの上、落第街の警邏を
請け負って12日ぶりに訪れた落第街。
最早己の庭といっても良い此の『街』を、まるで散歩するかの様な足取りで進む。
その背後には――己の『力』の象徴である、多脚の異形達が列を為して付き従っていた。
「久し振りに来ると、此処の匂いの酷さが鼻につく。
とはいえ、今迄燻っていた分も働かねばなるまいし、我儘を言っている場合ではあるまいな」
ふんふん、と鼻歌交じりに落第街を闊歩する少年。
付き従う異形の群れがその脚で大地を踏み締める度に、地鳴りの様な振動と不愉快な金属音が周囲に響き渡るだろう。
■神代理央 >
無数の砲身を周囲に向けて、落第街の住民を威圧する様に行進する異形達。
その群れを従えるのは、入院生活で幾分色素が落ちた様に白くなってしまった華奢な少年。
落第街のゴロツキですら一ひねり出来そうな貧弱な少年は――今此の場において、絶対的な力を誇示する存在となっていた。
「とはいえ、無秩序な発砲はしかねるしな。今宵はまあ、私が警邏に戻った事を連中に伝えられればそれで良いのだが…」
違反組織の摘発、と言っても、早々殲滅すべき違反組織が沸いて来る訳でも無し。
『ディープブルー』の一件以降、落第街やスラムで風紀委員会が動く様な案件があったとの報告は受けていない。
風紀委員会の圧力によるもの、とは限らないが――平和であれば、それに越したことはない。
闘争を好む性格ではあるが、無益な争いを好む訳でも無し。
ご案内:「落第街大通り」にクロロさんが現れました。
■クロロ >
『鉄火の支配者』とは、落第街に対して威圧感を与え
恐怖により悪を抑圧する存在らしい。
誰しもその背の圧倒的"力"に恐れ戦き、忌むように視線を送るだけ。
そう、本来ならばきっとそれで終わったかもしれない。
鉄の異形。行軍の先に、"明かり"が灯る。
紅蓮の炎が『篝火』のように灯り、青年の手によって握りつぶされて消えた。
「──────随分と、デケェ顔してンな?」
煌々とした金色が、戦闘の理央を睨みつけた。
忌むような瞳ではない。"気に入らない奴"を睨みつける敵対心の目だ。
■神代理央 >
行軍は停止する。
落第街へと帰還した風紀委員。その行く手を遮る様に灯る『篝火』。
握り潰された篝火の先に佇むのは、金色の瞳を以て此方を睨み付ける一人の青年。
動きを止めた異形の群れの戦闘で、青年に向ける此方の瞳は興味と怪訝さを混ぜ合わせた様なもの。
「おや、その様に見えたかね。私は唯、風紀委員として此の地区の警邏に当たっているだけなのだが。
"デカイ顔"をしていると思うのなら――それは単に、此の街の連中が、私にそんな顔をさせる様な意気地なしばかり、というだけだろう」
愉快そうに小さく笑みを零しながら、青年の言葉に応える少年。
背後の異形達は、今のところ彼に敵対する様子は見せていない。
■クロロ >
笑顔とは対照的な不機嫌そうなしかめっ面。
面倒くさそうに後頭部を掻けば指先がパチン、と鳴らされる。
「"ケイラァ"?ジョーダン、お前がやッてンのは
テメェの能力見せつけて威張り散らしてるだけだろーが。
"ケイラ"ッつーなら、それこそ慎ましくやッとけや」
「此処も此処で静かに暮らしてンだ。一々つッかかるマネしてくンなよ、ガキ」
表に事情があるように、裏にも裏の事情がある。
確かにここ犯罪者の温床だ。風紀委員のガサ入れが起きるのも珍しくはない。
だが、誰も彼もがそうではない。訳あって、此処にすまざるを得ない連中だっている。
ただ、暗がりに静かに暮らしていたいだけ。
それをこれ見よがしに、あんな"鉄クズ"歩かせてふんぞり返っている。
クロロにとって、許せることではない。
「"ケイラ"なら、"ソイツ"はいらねェだろ。消せ。
テメェの仕事を一々邪魔する気はねェが……」
クロロの周囲を取り囲む、三つの魔法陣。
六芒星を模した、三つの煌めき。
「────人様脅かしながらやるのが、"ケイラ"とは言わねェだろ?ソイツは、"スジ"が通らねェよな?」
■神代理央 >
「はてさて、可笑しな事を言うものだ。
何故我々風紀委員会が、君達の事情に慮らなければならないのか。
何故我々が、君達に気を遣って慎ましやかに動かなかなければならないのか」
しかめっ面を浮かべる青年に向けるのは、相も変わらず穏やかとも言える様な笑み。
しかし、その言葉の節々には傲慢さと尊大さが滲み始める。
『体制』に属する側の人間として、此の街の住民を睥睨する様な傲慢さが。
「――そして、何故私が。一々貴様達にスジ、とやらを通さねばならないのかね?
貴様達の存在自体が、学園への筋を通していない様なものだというのに」
そして、穏やかな笑みは掻き消えて。
己の顔に浮かぶのは、支配者としての傲慢さ。
青年の周囲に魔法陣が浮かび上がれば、それに呼応するかの様に多脚の異形が前進する。
己を庇う様に二体の異形が青年と対峙して――その背に生えた砲身を全て向ける。
「――無抵抗、無能力、非武装の相手には攻撃せぬ。
"風紀委員"に弓を引くという意味を理解しているのなら良し。
此方から手出しはせぬよ。好きにしたまえ」
異能と魔術。
その両方の発動を何時でも行える様に構えながら、小さく首を傾げてみせた。
■クロロ >
深いため息が漏れた。"傲慢"と言う言葉がよく似合う。
小さな体に不釣り合いな、尊大さ。
「お前の言う事もわからなくもねェ。だッたら
とッとと、この"日陰"にも太陽でもなンでも寄越せよ。
なるようになッちまッたンなら、しょうがねェだろ」
勿論、彼ら風紀委員が犯罪者と戦う事に異論はない。
それによって捕まるのも、負傷者が出るのも、それで死のうと
それは、必然性だ。そこにとやかく言う気は無い。
だが、こんな日陰は"自然と出来るものでは無い"。
特に、幾ら混沌とした世と言えど、これほどの規模と体制を持ち得ている島が
そもそもスラム一つ放置するのもおかしな話だ。
クロロは馬鹿ではあるが、阿呆ではない。
この島の歪さに、疑問を抱かない訳では無い。
「"ゴーに入ッてはゴーに従え"。オレ様達も、好きでこーしてるワケじゃねェ。
オレ様もフーキの奴を一人知ッてるけどな、お前みたいな奴がきッと珍しいぞ」
好き好んで、誰もが藪を突いたりするものか。
その傲慢さに対抗するように腕を組んで、軽くふんぞり返った。
「それがお前の役割なら、同情はするがな。
テメェの喧嘩に一々組織の名を出すなよ。ダセェぞ」
虎だろうと風紀だろうと、威光を振りかざすだけの男に屈するはずも無い。
そこを退く気は一切ない。そして、"ここから先を進ませる気もない"。
■神代理央 >
「陽光はとうに照らされている。
此の街の住民に対して、保護の手は常に伸ばされている。
風紀委員会でも生活委員会でも、二級学生の保護を求める者を、拒絶したりはしない」
太陽を照らせ、という言葉に返すのは詭弁だ。
確かに、二級学生への保護は行っている。それは事実。
しかし"積極的に行っているか"と問われれば疑問符を付けざるを得ない。
"落第街"に対して本気で処置を施そうとしていない。
つまり、滅ぼそうとしている訳でもなければ、救おうとしている訳でも無い。
己はそれを『必要悪』だからと認識してはいるのだが。
「郷に従うのは貴様らの方だ。
此の区域は、常世学園の行政区分に属する場所。
そのルールに従わず、犯罪者がのさばる様になってしまったのは、確かに我々の力不足、と詰ってくれても構わない。其処は、否定せぬ。
だからこうして、真面目に警邏に励んでいるのだろう?
別に此の街の住民に死ねと言っている訳でも無い。『おイタをするな』と、言って聞かせている様なものに過ぎぬ」
力の誇示。権威の象徴。
落第街と違反組織に対して、風紀委員会の『暴力』を誇示する事による犯罪行為の抑止。
意味があるかどうかはさておき。少なくとも風紀委員会の存在感を示すことは出来る。
違反組織なぞ何するものぞ、と言わんばかりの傲慢さも、その存在感を示す為のものであるかもしれない。
「…私は、個人の喧嘩等しているつもりはないよ。
私は揺ぎ無く風紀委員会に所属する者であり、その権威を以て此の場に立ち、貴様と対話している。
私の此の行動は、風紀委員会が命じたもの。
大仰に言えば『組織の代弁者』でもある。
即ち――私に喧嘩を売るという事は、風紀委員会に喧嘩を売るのと同義、ということだ」
威光を振り翳す事こそが己の役目。
であれば、その態度を崩す筈もない。
青年と対峙する二体の異形が、ゆっくりと前進を開始する。
軋む様な金属音と、脚を踏み締める度に周囲が微かに揺れる様な質量。
敵を焼き払う事だけに特化した二体の異形は、ゆっくりと。
しかし確実に、青年へと無機質に歩みを進めていく。
■クロロ >
うんざりしたように眉を顰めた。
「テキトー抜かすなよ。お前等が本腰入れてりゃ
落第街なンてありゃしねェンだ」
クロロは馬鹿ではあるが、阿呆ではない。
島一つとっても、此の在り方は国、都市と変わりはしない。
そう言う場所で生まれるスラムは、全て"成るべくして成った"結果に過ぎない。
だからこそ、そもそもこんな場所がある時点で、理央の言う言葉は詭弁だ。
勿論、学生主体で動く以上全てがそうだという気は無いが
"その上"が動かない以上、"成るべくして成った"のだ。
「アホ抜かせ。お前が言わなくても、普通の奴は"おイタ"なンてしねェよ」
好き好んで藪を突く者はいない。
同時に、好き好んで都を荒らすものもいない。
そうではない奴は、狂人か、或いは"せざるを得なかった"だけだ。
前者も後者もやってしまった事を裁かれるのは必然。そこに口を挟む道理はない。
勿論、日陰で"ちょっとした"事をする連中もいるだろうが
それは別に、落第街のせいではない。
人が人である以上生まれる、それこそ『必然的に生まれる悪』だ。
それを取り締まるのであれば、それは"スジ"が通っている。
だが、それはそれとして、少年の言葉には、思わず首を振った。
「その"ケンイ"ッつーのを、弱いもの虐めに使うだけなら
"ケンイ"を貶めてるのは他でもないお前だろ?
お前が何を以て仕事してるか知らねェけど
ナイフちらつかせておいてなーにが"風紀委員会に喧嘩売るのと同義"だ」
「お前のやッてる事は、立派に"スジ"が通らねェアホのやる事だ」
それこそまさに、圧制者の在り方。
民を虐げる様成れば、それを許容する気も無い。
一歩たりとも引く気は無い。クロロを取り囲む魔法陣が、一回転する。
「……もう一度言うぞ。"ソイツ"をしまえ。
そうでなけりゃ、此処から一歩も進めると思うな」
■神代理央 >
「まあ、それは否定せぬがね。
我々――もとい、常世学園が本気を出すという事は、何も救いに繋がる訳ではない。
この落第街と呼ばれる区域を全て更地にする事だって、きっと出来るのだろうさ。
寧ろ、我々が保護の手を伸ばしているにも拘らず、その手を取らないというのなら――それこそ、此方の知った事では無い」
同僚の委員達は、基本的に二級学生や落第街に寛容な者が多い。
二級学生の保護、というものは風紀委員会のお題目の一つでもある事も否定しない。
だからこそ。伸ばされた保護の手を取らない者にまで、リソースを割くべきではないというのは、己個人の考えでもあり――
――あの忌々しい小太りの上司にも、同意を得ている思想でもある。
「そう。"普通の奴"であればな。
では、此の区域の住民はどうだ?果たして、普通の奴という括りに入れてしまって良いものかな?
此の島には"普通"に暮らす為の設備も施設も場所もある。
にも拘らず、此の区域に好き好んで留まる者など。
『多数派』の生徒から見れば、普通ではない」
どの国にも、どんな場所にも。
此の落第街と似た様な場所は存在する。
では、そう言った場所に好き好んで暮らす者を、普通の人は自分達と同じ感性の持ち主だと判断するだろうか。
犯罪と暴力で満ちた此の『街』を、普通だと思う者が果たしてどれ程いるだろうか。
「此の街は、謂わば塵箱だ。
我々の生活圏にはみ出ない様に、偶に吐き出して掃除してやらねばならない。
そしてそれをどうこう思う者など――早々多くは無い」
人々の興味や関心など、所詮は"消耗品"でしかない。
風紀委員会の摘発により二級学生が死んだ、というニュースが流れたとして、それは暫くの間世間を賑わせるだろう。
風紀委員会を追及する動きもするだろう。
しかし――それは永続しない。
『必然的に生まれる悪』は確かに存在する。
しかし、それが集う場所の者に何かしら起こったところで、所詮『表』には関係の無い事なのだから。
「圧制者とは酷い言い草だな。
我々は別に支配していない。我々は『ルールを守る者』を守護するだけだ。
此の区域は、存在そのものが学園の秩序からはみ出している。
であればそもそも、守護するに値せぬものだ。
圧制ではない。此の区域はそもそも『統治』するに値しない。
先程も言っただろう?此処は塵箱、だと」
圧制するに値しない。
『被支配者の為に』此の街で権威を振り翳すのだと、笑う。
「進むとも。それが仕事なのでな。
止めたければ止めてみたまえ。魔術が行使出きるのなら――止める手段を、持っているのだろう?」
異形の歩みは止まらない。
その巨体を以てして、青年の脇をすり抜けようと脚を振り翳す。
――そうそう広くない通りだ。振り上げた脚の先には、何時崩れてもおかしくない様なバラックが存在するのだが。