2020/10/10 のログ
ご案内:「落第街大通り」に綿津見くらげさんが現れました。
綿津見くらげ > 落第街の大通りを、ふわふわ浮かんで漂う少女が一人、
彼女の名前は綿津見くらげ、1年生だ。

今日はせっかくの休日。
とは言え何か予定がある訳でも無い。
明日も休日だが病院への定期受診日であり、一日潰れてしまうだろう。

何か暇つぶしに、と、街の方へ繰り出してみたは良いものの。

「どこだ。
 ここは。」
知らない内に、見知らぬ街へと迷い込んでしまった様だ。
何処となく尋常では無い街並み。
立ち並ぶ怪しい店。
そして、屯するガラの悪い者共。
もしやここは、噂に聞く落第街では無いだろうか。

(まぁ良い。
 物見だけならタダだ。)
危険な空気をひしひしと感じつつも、
これも一種の経験とばかりにふわふわと浮かんで先へと進むのであった。

ご案内:「落第街大通り」に梦 叶さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」から梦 叶さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に梦 叶さんが現れました。
梦 叶 >  
落第街。
常世島の中で、存在が”認められていない”地域。
裏の住人、表通りでの生活が望めないもの、望まないものの集まる街は、知っている者なら好んでうろつく者はいない。

特に、身ぎれいな者程、この辺りには近づかない。
一目でここの住人ではないと、気づかれるから。
そうなれば…‥‥目をつけられるのは間違いないから。

「~♪ …ん?

 おや、こんな所で何やってんだい?
 迷子かな?」

咥え煙草をしながら、少女に声をかける長身の男性が一人。
ラフながらそれなりに身綺麗な青年で、整った顔と緑の目は温和そうな笑みを浮かべている。
やもすればその青年も、この落第街には不似合いな印象を抱かせる姿だろう。

綿津見くらげ > 「………。」
あても無く漂っていると、
こちらに声をかけてくる青年が一人。
この街の住人……の様には見えない。
浮かべた柔和な表情もまた、この街には不釣り合い。
……それがむしろ怪しさを助長しており、少女が身構えるのも無理は無かろう。

「散歩だ。
 迷子では無い。」
短く答える少女。
……実際にはほぼ迷子みたいなものであるが。

梦 叶 >  
「あっと、警戒されてる。
 困ったな……俺、そんなにコワモテなつもりないんだけどなー」

肩をすくめ、少し悲しそうな顔をする。
まぁ、落第街だし仕方ないか。
とはいえ女の子に警戒されるのは傷つくかなー。
残念。

「散歩? ふーん…でもこの辺来るのは危ないんじゃないかな?
 ほら、見ての通り…女の子が歩くにはちょーっと治安悪い所だから。

そう言いながら、ちら、と周りを見る。
いつも通りというかなんというか、偶に来るこの街の部外者に、皆様々な視線を向けている。
大体、警戒と、好機、あと……ま、悪い顔。

「…っと、しっし。こんなトコで女の子に手出したら流石に風紀委員に目付けられちゃうぜ。」

それを見て、青年ははいはい、と視線を向ける者たちの方へ手を払うようにしするだろう。

「心配しなくても、まだこの辺は大通りだから表立って悪さする奴はそんないないよ。
 ただ路地裏周りには入らない方がいいかなー。そっち行くと何されるか分かんないし。

 …っとぉ、俺は梦叶(ゆめ かなえ)
 君は?」

にこっ、と笑って少女に挨拶する。
「何もしないから、安心して」と言いつつ、手をひらっとするだろう。

綿津見くらげ > 「胡散臭し。
 故に警戒。」
笑顔を浮かべた青年の顔を、
青い瞳でじっと見つめながら言う。
警戒、という割には逃げる様子も無く、そのまま会話を続ける。

「危険は承知。
 自分で守る。
 自分の身は。」
などと言っているが、
小柄で貧弱そうな少女など、
複数人に囲まれれば抵抗する術も無いだろう。

「………。
 綿津見くらげ。」
叶が名乗ると、
少女も名乗り返した。

梦 叶 >  
「胡散臭い…えぇ?そうかな……
 いや、まぁこんなとこで女の子に急に声かけたらそりゃそうか。

 でもこの辺で手出したら流石に無法地帯でも風紀に目つけられるのはホントかな。
 だから安心しなよ。ここにいる奴も、まして俺も、何もしなけりゃ手は出してこないから。
 そこは信用してくれていいんじゃない?」

落第街といえどもルールはある。
それは半ば黙認されているこの街が存続する為に、表の世界と深く関わらない事だ。
特に落第街の大通りでは顕著にそのルールが重視される。
表の住人を下手に扱い、常世島側にいらぬ危険視をされる事は…落第街としても望む事ではない。

「だからといって一人は流石に危険だけどね。
 見物なら人と来た方がいいかな、”慣れてる”人とさ。
 
 こっから歩いてくと大通りから出ずに歓楽街に出れる道があるから、そこまで案内しよっか?
 大丈夫、裏路地とかに連れてきゃしないさ。
 聞きたいならこの辺の話も、雑談代わりに話すよ?」

そういって距離は近づけずに、道案内を提案する。
言葉に嘘の色はない。無論、胡散臭い…と言われれば、それは事実ではあるが。
ともあれ今から彼女を手出しする、というような魂胆は、見た限りではないようにも見えるだろう。

綿津見くらげ > 「………。
 慣れてる人……。
 心当たりは無い。」
この街に精通していそうな知人など居ない。
そもそも、知り合い自体まだそれほど居ないのであった。

「良いだろう。
 するがいい。
 案内。」
叶が道案内を買って出ると、快諾。
万が一、怪し気な場所に連れ込まれても……
……それもまた人生経験か、などと気楽な考えの少女であった。

「よく来るのか?
 叶は。
 ここに。」
道を往きがてら、取り留めも無く質問を。

梦 叶 >  
「よしきた。
 ふーん……心当たりない、か…
 じゃ、慣れてる友達一号、って事かな?俺」

ははは、と笑い冗談めかしながら言いつつ。
じゃあついてきて、と先導するだろう。
道中、簡単に街の案内をしつつ…

「あぁ、この先の路地進むとヤクザ組織のナワバリだから、入らないようにね。
 こっちはちょっと面白い道具とか売ってる店あるし、治安そこそこイイよ。
 こっちはオカマのママがやってるバーがあるかな。気のいい人たちが経営してて基本店内での犯罪行為NGだから困ったら隠れ宿にするといいよ。
 まぁ、酔ったら外は歩かない方がいいけど。

 …ん、俺?
 よく来るっていうか、この辺に住んでるかなー。
 不法入島者、って奴だよ。色んな人がいて面白い場所だって言われたからツテつかって入れてもらった感じ。」

勿論、それは犯罪と言われる行為なのだが。
この辺りで生活をする者は皆そんなものだ。
ここにいる限りは、そんな話を大っぴらにしたところでそれを咎める者もいない。

「この辺はいいよ。治安はまー…最悪だけど。
 でも人間観察にはもってこいかなー。
 色んな奴がいるし、法が緩い分人の色んな面が見えるからさ。
 そういう意味では表の方よりも面白いと思うぜ?」

歩き煙草も咎められないしね、と咥えた煙草を手にとって、紫煙を吐きながら。
香辛料と紅茶の香りが仄かに混じる、不思議な煙の香りが周囲に漂う。

綿津見くらげ > 「友……では無し。」
と、にべも無く否定する少女であった。

「………。」
叶の説明を聞きながら、
後を着いていく少女。

彼の説明を聞いていれば、
別にこの街も危なくないのでは、などと思えてしまう。
オカマバーなどは、是非とも一度覗いてみたいものである。
……酒は飲んだ事は無いが。

「不法入島。
 なるほど。」
不法入島者は初めて出会った。
事情は様々だろうが、そういう者もこの島には少なからずいるという噂だ。
そういった者がこの島で暮らすには、やはりここの様な場所しか無いのであろう。

話を聞くに、叶は人間観察が目的なのだろうか?
それだけのために、法を犯してまで侵入してくるとは考え難いが……。

「……けほっ。
 煙たし。」
叶の吐く紫煙に咽込む少女。
煙草はあんまり好きではない……
が、叶の吸うこれは、一般的な物とは違う、
不思議な香りが混じっている様であった。

梦 叶 >  
「えぇ、酷いなー
 袖触れ合うも他生の縁って言うし…あっと、ごめんごめん。」

おっと、と煙草の火を消そうとする。
女の子に嫌な顔されたくないしね。まぁ、煙草をやめる気はないけど。

「俺は人のいろーんな顔を見るのが好きでね。
 あとはまー…昔付き合ってた奴がこっちの方いるって聞いたからさ。
 それが理由ってとこかな。

 くらげちゃんは何で常世島に来たわけ?
 裏の人間も表の人間も、この島に来る奴って結構色々”持ってる”奴ばっかりだと思ってるけど。」

学園都市、常世島。
大変容によって変化した世界に対応するべく作られた、一つのこの世界の在り方として存在する”モデル都市”
異能者が集まり、異能者による生活を営われるこの島は…往々にして異能、ないしそれに準ずる力を持つ者や、訳のある人間が集まる事となった。
だからこそ、この街は色々な意味で寛容だ。
人間という枠組みから外れた者すら、この島では数多に存在する1つの”住人”でしかない。

目の前の女の子は、どうなんだろう。
単純な疑問だった。

綿津見くらげ > 「構わぬ。
 吸うが良い。」
火を消そうとする叶を止めて。
苦手ではあるが、人の楽しみを奪う気も無い。

「恋人を追って、か。
 浪漫チック。
 意外と。」
一体、どんな恋愛だったのだろう。
どんな別れがあり、何を思って追ってきたのか……。
少し興味が沸いてくる。


「何故……。」
不意に、叶から質問を返される。

何故、この島に来たのか。
それは当然……
当然……?


「………?」
当然、何だっただろうか。
私は、何故この島に、何時……

頭が痛い。
眩暈がする。
一瞬、目の前が砂嵐の様に霞む。



「………。
 あ……そうだ。
 ……祖母に……勧められて。
 異能者だったから。」
急に、記憶が戻る。
何のことは無い。
異能者だった自分の才能を伸ばすため、祖母が勧めてくれたのだった。
なんですぐに出てこなかったのか、不思議なものだ。

梦 叶 >  
「お、そう?
 じゃあ遠慮なく。

 ははは、まぁ、割と未練あってね。
 ワンチャンだけどよりを戻せたらいいなとは思ってるかなー
 結構美人だよ、俺がいうのも何だけど。
 口は悪かったけどま…そこも愛嬌って奴さ。」

構わないと言われれば、消そうとするのをやめ。
付き合ってた相手の事を楽しそうに話す。
ロマンチックでしょ、なんて言いつつ……

そうして彼女の方が少し、表情を歪めるのを見ると。
おや‥とその様子を眺め足を止める。

…何か”地雷”でもふんじゃったかな?

「…ふーん、お祖母ちゃんに。
 異能者だったから、ね……」

どうにも”それ以外の理由”があるような気がしたが。

…聞けたら、面白そうだ。

「……何か一瞬変な感じだったけど、大丈夫かな?

 しっかし異能か…この島じゃほんと色んな異能者がいるなぁ。
 外じゃそんなに見る事なかったのに。」

綿津見くらげ > 「煙い。」
吸っても良いが、
文句はいちいち言う。

「イイ女。
 よっぽど。
 何処で出会った?
 どんな関係?」
人の色恋沙汰と言うのは
どうしてこうも面白いのだろう。
色々と根掘り葉掘り聞いてくる少女であった。


「変では無い。
 何も。
 問題ない。」
明らかに一瞬様子がおかしかったが、
そっけなく呟いて問題ないと答える。
頭痛も眩暈も砂嵐も、もうすっかり感じない。
祖母に勧められてこの春学園に入学したのだ。
祖母に勧められてこの春学園に入学したのだ。


「ん、そうだな。
 叶は、何か使えるのか?
 異能を。」

梦 叶 >  
文句を笑って受け流しつつ、話を続けた。

「女じゃないけどねー。
 女みたいに綺麗ではあるよ。一見で男だって気が付く奴、そうはいないんじゃない?
 髪も長いし、目も大きいし。

 どんな関係?んー……ここみたいな治安悪いとこで、俺が一目惚れ。
 最初は男って知ってびっくりしたけど、ま……そこも含めて普通の女の子より魅力的に感じて、そのままアタックしてって感じかな。
 それなりにいい関係築けてたんじゃないかな? アイツの方がどう思ってるかは兎も角として。
 直接言うと、絶対否定するから。」

からから、と笑いながら懐かしむように話す。
あの頃は楽しかったなぁ。今もまぁ、楽しいけど。

「色々あってね、別れ話もなしに向こうが気が付いたらどっかいっちゃってた訳。
 で…まぁ追っかけて、今に至ると。
 それまでそんなに悪い感じでもなかったと思ってるから、脈はまだあるんじゃないかなー。」

この言葉だけ、ほんの少し”嘘”が混じってるように、勘のいい相手なら気づくかもしれない。
いや、嘘と言うほど……明確なものではない。
でも、言ってしまえば…”理由を知らない訳じゃない”というような、そんな……ぼかし方。

「ふーん…そう?
 それならいいけど、疲れたんなら外出た後休憩できそうな場所までは案内したげるからさ。

 ん…俺の異能? んー…」

すこし分かりやすく悩むようにしてから、大分短くなってきた煙草を彼女に見せるように手に取る。







そう言いながら、火のついたそれを、手で包み込むように隠す。
そして、開いて見せる。

すると、火がついて、既に短くなっていた煙草が……火もついていない、吸う前の状態に戻っているだろう。

「種も仕掛けもありません…って感じかな?」

綿津見くらげ > 「お、男……??
 ……ふわわ。」
なんと、相手は男だったとは。
普通の恋愛経験すら皆無のくらげには、刺激が強い話であった。

「そうなのか。
 会えるといいな、また。
 でも、なんで急に消えた?」
並々ならぬ関係であった二人、
急に自然消滅してしまうのは不自然に思える。

「疲れてな……
 ……いや……少し、疲れた、かも……?」
見知らぬ危険な街に迷い込んだからだろうか?
なんだか頭がぼーっとする。

「……おぉ。
 再生能力?
 それとも、タイム風呂敷……?」
すっかり綺麗に元通りの煙草に、目を輝かせる。
昔の漫画の大人気キャラクターが使う、夢の道具。
叶の能力は、それと同じものの様に見えた。

梦 叶 >  
「ははは、まぁ普通はそんな反応か。
 言っとくけどそういう”シュミ”ではないかな。
 相手が特別だっただけ…っていうのは流石にキザが過ぎるか」

ははは、と笑いながら「くらげちゃんにはそういう相手いない訳?」と振りつつ。
好きな相手の話をするのは嫌いじゃない。
いくらでも話せてしまう気がするし、まぁ……犬も食わないとも言われるが。
でも聞いてていい反応をしてくれるなら、いくらでも出来てしまう。

「んー、まぁ、治安悪かったからなー。
 色々あったんだよ、多分ね。
 ま…過ぎた事はしょうがないって考える方が、良い時もあるもんさ」

居なくなった時はそれなりに思う所も無かった訳ではないけど、でも大事なのは今だ。
今を楽しめなきゃ意味がない。
それにアイツも元気にしてるらしいし。

「おやおや……
 んじゃ、さっさとこんなとこは抜けちゃおっか。

 あぁ、今の?んー…‥どっちかというとタイム風呂敷の方かな。
 情報を持ってれば、引き出せるんだよ。
 さっきのなら”煙草を吸う前の状態”を引き出したって感じかな。
 俺はこの煙草を吸う前の状態を知ってたから、その状態に戻した、って感じ。
 
 便利でしょ?」

くるくる、と指先で器用に煙草を回しながら、彼女に言う。
異能を話すのはあまりしないけど…まぁ、いいか。
話した方が、面白い事になりそうだし。


「例えば…さっきくらげちゃんが変な感じになった状態に、戻してあげよっか?
 記憶とか脳の状態にも作用するんだよね、コイツ。
 
 忘れてる気がする事なんかも、情報が揃ってれば思い出させれるぜ?」

にこっ、と笑う。

綿津見くらげ > 「ふわ……
 よっぽど……
 魅力的な……男だったのだな……。」
性別を超えて愛する人……
よほど惹かれる何かがあったのだろうか。

「………。
 おらぬ。
 残念ながら。」
こちらも何か話を提供できればいいのだが、
残念ながら恋愛経験は無い。
今はもちろん、過去にも誰も居ないのだ。

「……色々、か。
 ま、会えると良いな。早く。」


「タイム風呂敷。
 便利。
 すごく。」
ド〇え〇〇の道具の中でも、特に魅力的なもの。
それと同等の能力を、目の前の青年は扱えると言うのだ。


「……変にはなってない。
 が、興味はあるな、ちょっと。」
憧れの道具、もとい能力を、この身に受けてみたいという好奇心はある。

梦 叶 >  
「そうだね。
 見た目も性別も性格も本性も矛盾してて、それが凄く綺麗な奴だったよ。
 人間、多少歪な方が綺麗に見える事だってあるじゃない?

 矛盾してて、気持ちと心が上手くかみ合わなかったり。
 自分のしたい事とやらなくちゃいけない事の折り合いがつかなかったり。
 自分が出来る事と今の環境のギャップに傷ついたり。

 でもそれでさ、悩んだりして…
 どっちに転んでもいいけど、変わる事があったら…
 すげえ素敵な事だって思うんだよね。

 くらげちゃんもそう思わないかな?」

周りにいる街の”住人”たちを眺めながら、歩く。
ここにいる人間は、欲に駆られたものも、ここにしか居場所がないものも、訳があるものも……どれも皆そんな”歪”を持っている。
だからここが好きだ。
そういう奴らが、ルールも何もなく、生きるためにここにいるから。

目の前の女の子にも、似たような”なにか”を感じる。
だから、魅力的に見える。

「そっかー、いないかー……
 じゃあ可能性アリって事かな。なんて」

ははは、と冗談っぽく言いつつ。
実際、彼女を知っていくのも楽しそうで…少し興味があるのは否定しない。
何を抱えてるのか、何があったのか。
人を知るのは、楽しいから。

「まぁ、でも残念ながら。
 この異能を使うには”情報”がないと駄目なんだけどね。
 だから無条件でくらげちゃんの事を引き出せるって訳じゃないよ。知る事出来れば、話は別だけど。
 
 …でもふーん……何か”知りたい”事でもある、って感じかな?」