2020/10/29 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
落第街にも、大通りから裏路地。商店街の類に至る迄諸々と施設や設備は存在する。
元々は歓楽街区域だった事もあり、残存し使用可能であればそれなりにインフラの整っている区域もあるのだ。

残っていれば、の話だが。


落第街の大地を踏み締めるのは、武力の象徴たる巨大な砲身を生やした多脚の異形。
金属の化け物が、群れを成してならず者の住まう街を闊歩する。
これ見よがしに掲げられた砲身は、落第街という街そのものを睥睨するかのよう。

「…こうして練り歩くだけで、犯罪が減れば楽なものなのだがな」

落第街が暴力と学園の闇を象徴する場所であるのなら。
己は落第街に取ってどの様な存在なのだろうか。
そんな取り留めも無い事を思案しながら、ハロウィン柄のプリントが為された缶コーヒーを片手に。
異形を従え、落第街をのんびりと歩いていく少年が一人。

ご案内:「落第街大通り」にフローレンス・フォーさんが現れました。
フローレンス・フォー > 最近はほとんど足を運ぶことのなくなっていた落第街。
以前はここから色々と持って行っていたのでこういうイベントの時ぐらいは逆に何かをばらまくのもいいかもしれない。
そんな気まぐれを起こしやってきて。

途中で見つけた知り合いという名の獲物に強引にお菓子を押し付け路地裏から大通りにと抜けたのだが…。

「現代版百鬼夜行?」

向けた先には巨大な砲身を生やした多脚の異形が歩く光景。
ある意味見慣れ、この世界では見た事のなかった存在に思わず目を奪われ。
上から下、左右と異形を眺めればそれを従えていると思われる少年に目が付き。

「持ち主なのかしら。飼い主なのかしら」

どっちなのだろうとずれたことを考えてじっと見つめてしまう。

神代理央 >  
ゴォン、と重量感のある足音が、止まる。
群れを成し、列を形成して闊歩する多脚の異形。
その内の一体が――主に向けられている視線に気が付いた故。
軋む様な音と共に、砲身が回る。ゆっくりと、ゆっくりと。
此方に視線を向ける少女に、砲身が向けられていく。

「……何用かな?余り荒事にはしたくないのだが」

異形の砲身が向く先へ。
ゆるり、と視線を向けると――少女に向けて、首を傾げて見せるだろうか。

フローレンス・フォー > これだけいれば盛大な戦争が出来そうと懐かしそうに眺め。
そうしていれば多脚の異形の動きが止まる。
何かやるのかと興味を持てば軋むような音と共に砲身が自分を向く。
普通ならば脅えるなり逃げるような光景であるが浮かぶのは楽しそうな笑み。

「用?別に?面白いっていうか懐かしいおもちゃを見たからつい気になっちゃたのよね」

少年の視線、異形の砲身を向けられても笑みは変わらず。
見ていた理由を告げては軽い足取りで近寄っていく。

神代理央 >  
「ほう?随分と物騒な思い出に浸っている様だな。
この異形達を見て"懐かしい"等と思う者は早々おるまい」

向けられた砲身が、火を噴く事は無い。
言わば、主を守る為の自立行動の様なもの。彼女が少しでも敵意を見せれば即座にその砲身は業火を撒き散らすだろうが…逆に言えば、敵意を見せない相手に、その鉄火が振るわれる事は無い。

「気にしたところで、くれてやる訳にもいかぬがな。
他者にやるには、過ぎた玩具だろうし」

近寄る彼女を眺め、その動きを止める事も無く。
小さく肩を竦めて、答えてみせるだろうか。

フローレンス・フォー > 「物騒は否定しないわよ。
コレじゃないけど似たようなのは色々と知ってるのよね」

少し前ならば楽しめそうと喧嘩を吹っ掛けたかもしれないが少しだけ丸くなった今ではそれはしない。
楽しみよりも心配と迷惑を掛けたくない人が増えたからなのだが…。
それはそれとして向けられた砲身を楽し気に眺めては近づき続け。

「別に要らないわよ。置き場所に困るもの。
こういう玩具は戦争じゃないと使えないのよね」

止められる事無く肩を竦める少年の数歩前まで近づけば手に持った籠を持ち上げ。

「ところでお菓子って食べる?」

唐突にそんなことを告げ、本来来た目的のお菓子を渡そうとする。

神代理央 > 「まあ、見た目がどうあれ突き詰めれば自走砲の紛い物の様なモノ故な。背中の砲身に覚えがある者は、少なからずいるとは思ってはいたよ」

砲身の種類や弾頭を任意で変化出来るとは言え、それは現実のソレと大差無い。
であれば、見覚えだの懐かしさを感じる経歴の者もいるだろうと、彼女の言葉に淡々と答えてみせて。

「置き場所の問題で片付けられるのであれば、まだ良い方ではあるかな。
実際にこれの砲火を他者に振るわれては、面倒な事に……」

其処で、彼女が掲げた籠と、投げかけられた言葉に。
きょとんとした様な表情を浮かべた後、クスリと小さく笑みを零した。

「こんな場所で、ハロウィンの真似事かね?だがまあ、甘いものは好物だ。くれるというなら、喜んで貰うがね」

フローレンス・フォー > 「自走砲だったの?てっきり戦車だと思ってたのよね」

自走砲で多脚は倒れない?とずれた事を呟きながら見上げ直し。
これで撃たれたらきっとバラバラになっちゃうと思い、少年の言葉に頷いて。

「こんなのを誰かになんてここだと必要ないでしょ?
やるならコレで十分、大砲の出番はないわね」

そうでしょう?とマガジンの入っていない突撃銃を軽く揺らし。
兵器の話をしていたのに急にお菓子の話をした自分の行いにきょとんとした少年を楽しそうに見て。

「ハロウィンで来たのよ。よく毟り取ったから今日はお返しにきたの。
お菓子はたくさんあるからよかったらいくらでもね?」

遠慮しないと押し付けるように籠を揺らして。

神代理央 >  
「戦車というには装甲が薄すぎる。砲身が稼働するという点では確かに戦車の様なものではあるが…まあ、単なる装甲戦力と認識しているよ」

火力は兎も角、防御力は各国の戦車に及ばない。
己の異形と異能の利点は、何といってもその物量にあるのだから。

「ふむ、貴様の言う事にも一理ある。
しかし、時には強大な武力を見せつけてやる事も、また必要な事。
銃を突きつけられるのと、戦車に迫られるのとでは心理的な圧迫感が全く異なるだろう?」

結局は威圧する為だけにしているのだと肩を竦めつつ。
彼女から告げられる言葉に、向けるのは幾分呆れた様な視線。

「…落第街で風紀委員にハロウィンの菓子を進める女など、中々見ないからな…。
そんな牧歌的なイベントを楽しむ街だとは思っていなかったよ」

小さく苦笑いを浮かべながら、押し付けられた籠を受け取る。
落第街なんて、存在がハロウィンみたいなものじゃないだろうかと内心思いながら。

フローレンス・フォー > 「砲身が動いて装甲が薄いのね。へー、そうなんだ」

告げられた言葉に何度か頷いてみせ。
簡単に壊せるけど火力が厄介と思考の隅で考えて。

「でもこれは見せすぎじゃないかしら?
この辺りを焼け野原に出来そうよね、これだけいれば…。
ワタシから言えば大した違いはないわよ?」

撃たれて大破か粉みじんにされるかの違いだと肩を竦め。
むしろ大きすぎて実感が起きないかもしれないと持論をぽろりと。

「そう?だったらワタシを見たから珍しいと思っておくといいわね。
楽しむ人は楽しむのよ。だって…楽しまないと損でしょう?」

少年が籠を受け取れば全力で楽しまなければ損と言って肩を叩こうとし。
そしてその手を戻せば「コール」と一言告げ、どこからか現れたお菓子でいっぱいの籠をキャッチして。

神代理央 >  
「何せ、実際の戦車は複合装甲だの特殊装甲だの。
魔導装甲の類を実戦投入している国もあるだろう。
それらに比べればな。幾ら金属の塊とはいえ、防御力は劣る」

流石に小銃だのなんだのに貫かれる装甲では無いにせよ。
最新鋭の装甲に比べればな、と肩を竦めて見せるだろうか。

「焼け野原に出来得る、という武力を誇示し、違反組織へ圧力を与える。
私の役割など、所詮道化の様なものだよ。効果があれば良いのだが」

大した違いは無い、という言葉には苦笑いで頷くだろうか。
こうして武力を見せつけても、違反組織が無くなる事はないのだと理解はしているのだが。

「生憎、私はそういったイベントを楽しむ様な側では無くてな。
楽しむ者を否定はせぬから、その考えも良いとは思うが」

肩を叩かれれば、苦笑いと共に首を振り。
何処かからか現れた菓子の籠には、少し驚いた様にへえ、と声を上げるだろうか。