2020/10/30 のログ
■フローレンス・フォー > 「複合装甲や特殊装甲ならどうにかできるわね。
魔導装甲は……どうかしら。
そんなのが列を成してれば確かに怖いわね」
機会があれば挑んでみるのもいいかと考えてはいたがその言葉に考えを捨て。
最新鋭でなくても十分面倒そうだと見つめてしまい。
「そこまでするなら見せしめで幾つか潰すほうがスマートよ?
それに焼け野原にしたら住む場所に困るわね」
道化という少年にそんな事はないと何故か優しい笑みを見せ。
ただ告げる内容は物騒の一言。
「そんな事はないわよ、だってワタシが楽しんでるんだし。
こういう時ぐらいはぱーっと楽しんだらどう?」
首を振る少年に兵器だった自分が楽しめるのだから人間に楽しめないはずがないと。
そして驚いたように声をあげる様子に満足し。
「驚かせ成功ね。もっと話していたいけど仕事の邪魔も悪いしワタシはいくわね。
頑張ってね、風紀委員さん」
ちょっとの見学のつもりがつい話してしまい。
少年も仕事中なのだと思い出すとこれ以上はと考え、頑張ってと告げて見送ろうとして。
■神代理央 >
「そも、こういった砲兵戦力は近接戦闘を考慮していないからな。
多大な火力を投射できる分、犠牲になる部分があるのは致し方ない事ではあるだろうさ」
結局は、アウトレンジでの攻撃が本来の使い方だろうと笑う。
中々そうはいかないところが、悲しいところではあるのだが。
「……そう思って、幾つか違反組織を潰してはいるのだがな。
人の欲望に際限は無いということやもしれぬが」
優し気な笑みを向ける少女に、困った様な、それでいて穏やかな笑みで笑い返すだろうか。
こうしてみると、随分と整った顔立ちの女だと今更ながら彼女をぼんやりと見つめていたが。
「……中々、そういった楽しみ方が出来ぬ性質でな。
努力はしようと思っているが…努力してどうこうなる訳でも無し」
そして、満足げな様子の彼女に、降参だと言わんばかりの苦笑い。
「…やれやれ。結局は私も悪戯された側、ということかな。
応援有難う。何か困った事があれば私を――」
其処で、今更ながら名を名乗っていなかった事に気付いて。
「……風紀委員の神代理央を尋ねると良い。此処で会ったのも何かの縁。貴様が犯罪者でなければ、力になれる事もあるだろうさ」
そして、彼女に笑みを浮かべると其の侭背を向けて。
「ではな。ハロウィンを楽しみたまえ。出来れば、もう少し平和な場所でな」
其の侭、制服を翻して。
異形達の群れを引き連れて、少年は立ち去っていくのだろう。
■フローレンス・フォー > 近接戦闘を考慮していないという言葉。
そう言えばなぜ歩兵戦闘車ではなく自走砲かと考えるが既に理由は聞いていたと苦笑してしまい。
脅すという意味では大きな砲ほど良い訳だと。
「もうやってたのね。
でもできればこの辺りを焼き払うのは勘弁よ?」
もし本当に焼け野原にされてしまえば色々と困ってしまう。
そしてふと穏やかな笑みを見せる少年が凄くかわいい少女のように見えてしまい。
「息抜きも大切なのよ。ちゃんと抜かないと壊れちゃうわよ?」
人間は脆いんだからと少し方向性のずれた小言を一つ。
「でも少しは息抜きになったでしょ?
風紀委員の神代理央ね、覚えておくわ。
ワタシはフローレンス型の…じゃないわね、フローレンス・フォーよ。
まだ犯罪はおかしてないわ。
えぇ、そうしておくわね」
平和な場所と言われれば小さく頷き、異形達の群れを引き連れた少年が去っていけば歓楽街のほうへと戻っていって。
ご案内:「落第街大通り」からフローレンス・フォーさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にF.U.R.Yさんが現れました。
■F.U.R.Y >
落第街の大通りを、男が進む。
見れば服はボロボロ、全身に生傷が残っており、されど眼光だけはぎらぎらと輝きを帯びていた。
ここ数日で既に落第街の中でも派手に暴れる男として、名は知られずとも風体を覚えられているのか、その男に近づく者は多くはない。
「―――――ケッ」
水気を喪い固まった泥の付着した汚らしいボロ布を羽織ったその姿は、落第街の住人ですら異質に思うほど荒れていた。
落第街の人間といえど総てが総て暴力を日銭の足しに使っている者ではないのだから、当然ではあるが。
それ故、そんな男が落第街とはいえ往来を歩いている姿は、近づく者はおらずとも目を引く存在なのだろう。
されとて、男にとってはどうでもいい事ではあったが。
視線が鬱陶しくなれば、そのぎらついた瞳をそちらに向けてひと睨みする。
大体の者は、それだけで視線を外し、物によってはその場からそそくさに去っていった。
暴れる獣に近づく者など、それこそ喧嘩狂いや、思惑ある者か…
世間知らずか。
そんなところだろう。
■F.U.R.Y >
男は飢えていた。
腹も飢えていたが、それ以上に心が、飢えていたのだ。
怒りのぶつけ所を探す、獣。
常に怒りを腹底で燃やす身となってしまったが故に、矛先が無ければただ、身を焦がすのみ。
しかしそれでも理由なく暴力を振るうような事は良しとはしなかった。
それは男が今の姿になる前、嫌悪した者共となんら変わらない行いだからだ。
男は、身を獣と成ろうと、心まで獣に成り下がる気は毛頭なかった。
とはいえ、そんな事は男を知らぬ者たちは知らぬ事。
ただ嵐のように暴れる男に、畏怖や嫌悪を抱くのみだ。
「――――腹、減りやがったな」
空腹は、男にとって最も身近な怒りの源だった。
飢えは生理的なもの故に、避ける事もままならない。