2020/11/05 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
落第街のとある区域。
普段であれば、夜の帳が下りれば人口の灯りの乏しい此の街は深い闇に覆われ、違反部活が跳梁跋扈する場所である。
しかして今宵は、些か様相が異なっていた。
威圧感のあるガスマスクにパワードスーツを着込んだ集団が、アサルトライフルを構えて列を成す。
その周囲を固めるのは、蜘蛛の様な多脚で巨大な身体を支え、その背中から巨大なガトリング砲を生やした金属の異形達。
何事か、と物陰や建物の中から様子を伺う住民達を尻目に、行進を続けていた隊列は立ち止まり、奇妙な静寂が此の場を支配する。
集団の最後尾にて、巨大な大楯を構えた異形に守られた少年が、唯指示を待つ集団を一瞥し、次いで此方へ視線を向ける落第街の住民達をぐるりと見渡して。
「……此れより、先日の風紀委員襲撃に対する調査を開始する。
各員、迅速に行動を開始せよ」
短く告げた言葉と共に、ガスマスクの男達は周囲へ散っていく。
ドアを蹴破り、路地裏の者達を片っ端から抑えつけ――喧騒と悲鳴が、周囲に響き渡る。
■神代理央 >
多少の抵抗は、パワードスーツで強化された力に敵う訳も無く、地面に引き倒され、抑え込まれていく。
抵抗しない者には手を出す事は無いが――ありとあらゆる物を引き倒し、侵入した部屋の中の家具や荷物を片っ端から外に引きずり出し、ライフルで粉砕していく。
捜査、というよりも唯振るわれる暴力。しかもそれは、落第街が忌避する『体制側』からお墨付きで許可された暴力だという事。
「……我々は風紀委員会、特務広報部である。
此の区域に住む"不法占拠者"の諸君に告げる。
我々は、学園の治安と風紀を乱す者達を決して許さない。
これは、その決意を示す活動である。それを努々忘れぬ事だ」
「違反部活を庇護する者は許さない。
犯罪者を保護する者は許さない。
我々は、純粋な暴力によって――諸君らの"風紀"を守る者である」
吹き荒れる暴虐の嵐の中。
一際目立つ大通りの中央で、少年は告げる。
自分達の名を。その正体を。憎むべきその名を。
落第街の住民達に、知らしめるかの如く、高らかに告げた。
■神代理央 >
抵抗した者の中で、運よく射殺されなかった者達は、後方に待機しているトラックへと詰め込まれていく。
といっても、彼等は直ぐに釈放される予定ではある。幾ら風紀委員会といえども、一晩で此処迄逮捕者を出せば、留置所が大変な事になってしまう。
だから、適当な理由をつけて解放する。
場所は――転移荒野辺りになるだろうか。
「余り殺し過ぎるな。抵抗しなければ、不要な暴力を振るう必要は無い。我々は、あくまで風紀委員会の執行機関だ。
余計な流血沙汰は…後が面倒だからな」
隊員達が命令に逆らう事は無い。
嘗て落第街の住民であった彼等が、同法に手をかける事に躊躇する様子は見受けられない。
――多脚の異形の砲身の一部が、隊員達に向けられていれば、さもありなんというところではあるのだが。