2021/01/05 のログ
シャンティ・シン > 「勘違、い……しな、いで……ねぇ……ふふ。私、はぁ……この、街に……刺激、を……与える、人……みぃん、な……愛し、て……いる、の、よぉ……で、もぉ……今、は……風紀、委員、が……元気、すぎて、ねぇ……それ、じゃ、あ……不平等、で、しょう?ふふ。」


クスクスと、女は狂気の笑いを浮かべる。否、正気なのかも知れない。だからこそ、狂っている。


「それ、にぃ……貴方、たち、の……欲しい、もの……はぁ……時、として……変わ、る、で、しょう? だか、らぁ……私、は……貴方、たちの、"ため"、にぃ……色々、準備、する、の、よぉ……? だか、らぁ……好き、に……要求、して……くれ、ていい、の……よぉ……? 私、は……道具、だも、のぉ……」


くすくすと笑って訂正する。自分は、悪徳の共有の道具なのだ、そのように。


「『隠蔽』? ふふ、いい、わ、よぉ……楽し、そう、ねぇ……ええ、ええ、悪巧み……あぁ、あぁ……グラン・ギニョルの、はじまり、ねぇ……あは、あはは、あははははは」


笑いながら、女は男の要求に従うだろう。
望まれるままに武器を道具を、なんとなれば盾となる木偶人形すら。


『盃』の話を聞けば、女は笑って実に楽しそうに、その杯を受けることだろう。
あくまで、外部の『協力者』として。

羅刹 > 「ウリなんて言って悪かったな。…お前は、んなタマじゃねぇ」

ハ、と声を上げて笑う男。
この相手を御せる者などそうそう居ないのだろう。
なら、自由にさせて…その全力を引き出した方が、利益になる。

そう考えた男は、依頼する。
爆薬、武器、道具…それら、彼女に造れるモノを見極めながら。

かくして、下部組織である『蜂』はまた姿を眩ませることに成功する。
そして…男は協力者として、彼女には信を置く。
偽名とは言え名を告げ…彼女の名も聞くだろう。

その後…盃を交わし、蜥蜴に新たな顔が加わった。
束縛されることなく、闇を濃くする濃霧のような存在が。

シャンティ・シン > 「ふふ……いい、の、よぉ……だって……ふふ。娼婦、だって……グラン・ギニョルの、一員、です、もの……」

くすくすと、不思議な笑いを浮かべる。そう言われたことをむしろ喜ぶかのように。

「報酬、は……貴方、たちの……活動、で……十分、よぉ……いっぱぁ、い……闇を、ふかぁく、して……ちょう、だぃ……」


薄嗤う女は、当然のように非合法な手伝いを強化していくだろう。
そして、名前を問われれば

ああ、それには彼女は、こう応えるだろう

『大道具 スシーラ』と。

ご案内:「落第街大通り」から羅刹さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からシャンティ・シンさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
落第街の住民にとっての、災厄。
頭を下げて、身を隠して、通り過ぎるのを待つ嵐の様なもの。
大通りを闊歩するのは、鋼鉄の異形の群れ。
突き出した砲身は天高く掲げられ、その武威を示している。

手を出さなければ何もされないだけ以前よりマシ、と住民達は囁き合う。
風紀委員会特務広報部の視察――と言う名の、威圧。

「………まあ、威圧するまでも無いとは思うのだが…」

小競り合い程度の問題は起こっていても、今のところ大手を振って此方に敵対する様な動きは見られない。
――或いは、準備しているだけなのかもしれないが。

兎にも角にも。落第街の住民達に風紀委員会への抵抗意識を削げばよい。
大地を踏み締める異形達の行進の中で、皺一つ無い制服を纏った少年は落第街を優雅に歩いていた。

神代理央 >  
『雪景勇成』からの報告書。
Spiderと呼ばれる錠剤の流通と、その情報を探る者との小競り合い。
薬物についての捜査は刑事課に一任しても良いだろう。
特務広報部の仕事は、あくまで違反部活の撲滅。
刑事課から情報が上がれば――叩き潰せば良いだけの話。

「……とはいえ、そういう組織の方が尻尾を掴むのが至難の業だったりするのだがな」

小さく溜息。
懐から取り出した煙草に火を付ける。
最近、喫煙本数が増えたなと溜息を吐き出しながら、洒落た細工のオイルライターで火を付ける。

ご案内:「落第街大通り」にシャンティ・シンさんが現れました。
シャンティ・シン > (あらあら。あらあらあら……昨日に引き続いて、面白いお客様だわぁ……)

女はほくそ笑む。舞台には役者が必要だ。
役者は多い方がいい。けれど

(この間、負けてしまってから様子が変わってしまったものねえ……お試し、しようかしら?)

女の横に、いつの間にか一人の青年が佇んでいた。
そして、其の後ろには一団の群れ


「ふふ……じゃ、あ……お試し……の、お時間……か、しらぁ……?いってらっしゃい、『アルビトロ』。」


その声を受け、青年は風紀委員の少年に向かって歩き出す。

青年 > 「……」

青年は無言で、恐気もなく少年に向かって進んでいく。
其の後ろには、数名の子どもたち。

「……なにをしているんですか?」

神代理央 >  
此方へ歩みを進める青年へ反応を示したのは、自分よりも異形の方が早かったのだろう。
軋む様な金属音と共に、針鼠の様に背中から生やした無数の砲身を一斉に青年へと向ける異形の群れ。
けれど、砲火が放たれる事は無い。主の命を待つかの様に、青年に向けられた砲身は微動だにしない。
その砲身は青年の後ろに続く子供達にも当然向けられるが――

「……見ての通り、風紀委員会の活動中だ。抗議活動や、その他諸々不満があるのなら風紀委員会へ陳情する事だな。
尤も、貴様が正規の学生証を所持しているのなら、という前提条件が必要になるが」

どうせ、自分に対して文句を言うか子供を出しに使った抗議か。
その辺りだろうと小さく溜息と紫煙を吐き出すと、青年へ向き直り言葉を放つのだろうか。

青年 > 「風紀委員の活動とは、ヤクザのように恫喝してまわることを言うんですかね?」

呆れ混じりの声で青年は応える。

「それに、見たところ未成年のようですが……タバコ、吸うんですね? それで取締とか、お笑い草じゃないですか?」

じっと手元を見つめる。


「ええ、確かに抗議ですよ。横暴な風紀委員様にね」

シャンティ・シン > (まあ、慣れっこ……よねえ……うんざりっていう顔。ふふ、かわいい、わぁ)


女は物陰で、様子を見ることもなく笑っていた。


(さて、『彼』は気づく、かしら……? いいえ、いいえ。きっと自分が刈った者の顔なんて一々覚えていないわよねえ?)


くすくす、と小さく笑う。そうであれば、それでいい。それこそ、横暴で傲慢たる風紀の化身なのだから。
もし、そうでないのなら……それもまた、よし

神代理央 >  
「その通りだよ。理性を以て話し合うことが出来る相手ならば、此方も相応の態度を取るがね。現状、こうして鞭を振るってやらねば分からぬ連中ばかりではな」

呆れ混じりの声に、フンと高慢な態度と声色で返す言葉。

「では、その点も踏まえて抗議しに行くと良い。何分ストレスが溜まる仕事故な。違反部活の連中が大人しくなってくれれば、私もこんなものに手を出さなくて済むんだがね」

手元へ向けられる視線に気付けば、ひらひらと煙草を揺らして笑う。

「横暴で無ければならない理由は、此の街と違反部活あってこそ。
此の行動も、違反部活へ協力的な姿勢を取る住民達への示威行動に過ぎぬ。
であれば、君が抗議すべきは犯罪者共であって私では無い。そこを御理解頂きたいものだね」

やれやれ、と小さく肩を竦めると話はそれで終わりだと言わんばかりに背を向ける。
青年の歩みを阻害する様に、鋼鉄の異形が足を進めて進路を塞ごうとするのだろう。

――青年の顔に、少年が何か思う所がある様子は、無い。

青年 > 「なるほど。では、貴方に殺された無辜の若者や。貴方に殺された罪もない少年や少女たちは。貴方ではなく、風紀委員会に訴えろと?」


返答を聞いた青年は、静かに言葉を返す。


「貴方を呪おうとする者は。貴方を恨もうとする者は。 みな、そちらに祟れば良いと?」


静かに、言葉を継ぐ。


「そうやって、力を誇示し、力で何事も解決しようとして。無辜の被害に目を向けない非道を。起こしてしまった害悪に対しての報いを。かつて、ここで生きた者たちに同胞を撃たせ、時に害させた悪辣も?すべて、組織に投げつけろと?」


青年は其処で薄ら笑った

「あはは、結局やりすぎで公安に捕まった方が、よくいいますねえ。それはあまりに無責任というものではないですか?」


そこで、ぽん、と手を打つ

「ああ!それでチャラっていうおつもりですか?いやあ、器が違いますねえ」

薄ら笑いは続く

「それでやられた我々の方は、納得はいかないんですけれど、ねえ?」

シャンティ・シン > (さて、どちらにしても抗議せよ、で押し切るつもりねえ……ただの"オハナシアイ"、ならそれで済ませるつもり、かしら? 其の辺は理屈派の彼らしくは在るけれど……)


女は思案する


(今日は、様子見、だけれど……せっかくだから、すこぉし……押して見てもいいのかしら……?)

神代理央 >  
背を向けて歩みを進めようとした少年は、青年の言葉に歩みを止める。
一瞬の間をおいて振り返った少年の表情には――何の感情も籠ってはいないのだろう。

「その通りだよ。私はあくまで、風紀委員会の命に従って行動し、任務を全うしている。"私に出された指示の内容"については風紀委員会へ抗議すると良い」

「…だが、引き金を引いたのは私だ。行動したのは私だ。無辜の民衆を殺したのは私だ。だから、怨嗟を向けるなら私に向けると良い。
抗議するなら、風紀委員会へするべきだ。しかし、組織へ恨みつらみを向けるべきではない。諸君等の家族、友人、恋人を殺したのは私なのだから、その憎悪は私に向けるべきが感情としては正しいだろうさ」

半分程灰になった煙草を地面に落とし、磨き上げられた革靴で踏み潰す。


「貴様らが納得しようとしまいと。私が公安に訓告を受けどう思ったのかも。それは貴様達には関係の無い話だ。
其処に貴様達の同意は求めない。其処に、貴様達の意見は求めない。私は、所属する組織と、守るべき秩序の為に必要な行動を取ったまで。納得がいかないのなら『此方側』に最初から居れば良いだけの事だろう?」

高慢に、傲慢に。
青年に言葉を紡ぎ続ける。

「恨むなら恨め。憎むなら憎め。
そして、正当に私を貶めたいのなら風紀委員会へ抗議すればいい。
法に依らない復讐を望むなら、私に刃を向ければ良い」

「何方を『選択』するかは貴様達の自由だ。
その選択に対する責任を取れるのなら、私は何も言わぬよ」

青年 > 「なるほど、それはそれは。"出された指示の内容"は組織にしろ、と。それは道理ですね。其の割に、"恨みは実行者に"と。また妙なことをいいますね。貴方は、抗議をさせたいのか、させたくないのか。全く妙です。」

大仰に芝居がかってポーズを取る。

「さてまるで、恨まれたいかのようにも聞こえますね。まあ、それはいいでしょう。」

さて、と後ろの子どもたちを一瞬だけ見る


「ところで、なかなか残酷なことを言いますね? 好きで『此方側』に居るわけでもない人間なんて、山のようにいて『そちら側』に行くなど夢物語のよう、なんてご存知でしょうに。好きで、『此処に産まれ落ちた』わけでもない子達だってたくさんいるというのに。ああ、ああ。生まれすら差別しようというのでしょうね。」

歌劇のように演劇のように振りをつけて青年は語りを続ける。


「……ああ、ところで。訴えることも、責任を取ることも、もはや叶わない者はどうすればいいのでしょうね?」

ぴたり、と止まった青年は神代理央を見据える。


「先も、言ったでしょう? 『死んだ者』は、どうすればいいのですか?」


ギギィ、と……鋼が軋むような音がした

シャンティ・シン > (うーん、これは大事に取っておこうかと思ったのだけれど……まあ、仕方ないわよねえ。役者のやる気をみるには、ね?)


チロリ、と赤い舌が唇からこぼれる

神代理央 >  
「だが、『此方側』へ来る手段は零ではない。……少なくとも此の学園都市は、差し伸べられた者の手を、振り払う事は無い。
手を伸ばさない、という選択をしたのは貴様達だ。それ以上の事は知らん」

次第に芝居がかった行動で言葉を続ける青年を静かに見据えながら、傲慢さを滲ませながらも淡々と。言葉を続けるのだろう。
しかしその表情は、次いで青年から投げかけられた言葉に――僅かに、その表情に変化を齎す事になる。


「………『死んだ者』?ほう、貴様は…いや、背後の子供達も含めて、死者の群れだとも言うのかね」

問い掛ける様な言葉ではあるが、それは確信を秘めた声色。
浮かべる表情は――複雑なものだ。嘲笑と憐憫が入り混じったかの様なもの。

「仮に貴様達が死者であるとすれば……そうさな。
私は、貴様達を蘇らせた者の人形遊びに付き合わされた事になる。
それは実に腹立たしい事だな」

「だがまあ、質問には一応答えようか。
死者はどうすれば良いか、だったな。答えは変わらんよ。
恨め。憎め。私を生かしておけぬというのなら、蘇っても良し。亡霊になってもよし。幾らでも方法と手段はあるだろう。
死んだからといって、抗議出来ぬとは限らないだろう。死人に口なしとは言わぬ」

「死んだから何も言えない、というのなら所詮はその程度のもの。
死して尚私に牙を向ける様な怨嗟を持ちたまえ」

ふわり、と少女の様に。
穏やかに青年に――或いは、青年の向こう側にいる誰かに。
微笑んで見せるのだろう。