2021/01/06 のログ
■青年 > 「ああ、ああ、貴方は。まさしく貴方は、我らの恨みをその一身に背負おうというのですか?あはは、それは実に傲慢ですね。ああ、ああ、実に傲慢の極みだ。貴方は何様だというのか」
青年は笑う。高らかに笑う。
「いいでしょう。今日のところは、私は『貴方』に抗議させてもらいましょう。ええ、ええ。貴方の言い分では風紀委員会の方に言え、ということでしょうけれど。ああ、でも。そちらも前向きに検討させてもらいましょうか。」
青年は笑う
「ええ、私は風紀委員ではなく『神代理央』という男に抗議しましょう。私は、『神代理央』。貴方個人が気に入らない。いかにも自分がすべてを背負っているかのような、其の態度が気に入らない。」
青年は笑い続ける
「だから。私は貴方に『出ていけ』と抗議する。私達のような無辜の者を殺すように、脅すような貴方は。風紀委員としては出来が悪い。ああ、けれど――」
ひたり、とまた青年は見据える
「貴方の人間性だけは、面白い。だから、貴方に一言。ああ、そうです。貴方が其のように言うのであれば……いずれ、亡霊が貴方を襲うことになるかも知れませんよ?」
■シャンティ・シン > (ああ、まったく……亡霊の恨みすらも買おうというのは……本当に面白いわねえ……ふふ。それが、貴方の答えなら……ええ、ええ。ふふ。いずれ、あらゆる恨みを背負うことになるかも…しれない、わねぇ?)
くすくすと、物陰で女は笑う
■神代理央 >
「……そうだよ。私は傲慢なんだ。
恨みつらみなど、所詮は感情に過ぎない。貴様らがどれ程私を憎もうと、それを私が承知の上で行動している以上、何の意味があるものかね」
穏やかな笑みの儘、少年は囀る様に言葉を紡ぐ。
「その抗議も聞きはしよう。耳は傾けよう。だが、聞き入れない。
私は私の為すべき事があり、其処に大義がある限り、貴様らの抗議を聞き入れない。
私が受け入れてやるのは……貴様達の、怨嗟の声だけだよ」
愉快そうに、愉しそうに。
クスクスと嗤いながらも――その瞳は、決して笑ってはいない。
「――亡霊だろうが、アンデッドだろうが構わぬよ。
私は、私の選択を決して後悔しない。違わない。
だから、貴様らの恨み言も……受け入れるさ」
それは、青年に向けた言葉でもあり。
青年の向こう側へ向けた言葉でもあり。
そして――自分自身へ言い聞かせる様な言葉でもあったのだろう。
■青年 > 「はぁ、そういうことですか。貴方はむしろ、傲慢であろうとしているように見えますね? ああ、恨みを背負おうとするのも、そういうことですかね。ええ、どうせお答えいただけないでしょうけれど」
青年は首を横に振る
「貴方は、ああ……そうですね、まさに役者だ。決められた筋書き通りにことを運ぼうとする舞台役者だ。はは。しかし、即興劇には弱そうですね。ああ、実に愉快だ。不愉快だ。」
大仰に腕を振り上げる
「わかりました、いいでしょう。此処で事を起こしても、あまり面白くありませんしね。けれど、もう一言だけ。風紀委員というのであれば、もう少し光の世界で生きてほしいものですね。灰色の人間に取り締まられても納得は、やはりいかないものです。それであれば、まだ『シンデレラ』に屈したほうがいい。」
■シャンティ・シン > (少なくとも……『その気』はある。いびつだけれど……というところ、かしらぁ。また、少しオハナシをしにいくのも……いいわねぇ。今は、そのときではないけれど……ね)
■神代理央 >
「……舞台役者、か。そうだな、それを否定はしまいよ。
私は与えられた役割をこなすだけだ。それ以上も、それ以下でもない。
だが……」
だが、と続けようとした言葉は呑み込んだ。
それは、自分の中でも未だ定まっていないもの。
死者に告げる様な事でも無し。
「私も同意見だよ。ただ、光の中で動けるものと、汚れ仕事を引き受ける者と、それぞれ役割がある。
『シンデレラ』は闇に堕ちる訳にはいかないだろう?だから私は、こうして『憎まれ役』を演じているのさ。
及第点であるかどうかは、知らぬがね?」
腕を振り上げ、正しく『舞台役者』の様な動きを見せる青年に苦笑い。
しかし、此処で事を起こすつもりがない、と青年が告げれば――肩を竦めて、再び背を向けるだろう。
「そうしてくれて助かるよ。此処で戦闘になれば"無辜の民衆"に被害が出る。今の私は、それを是認する様な指示を得ていない」
「だから、今宵の問答は此れ迄だ。死者と語らうというのも、悪くは無いがね。
ではな、怨嗟の死者。或いは、喜劇役者というべきかな。
再会は望まぬが……まあ、また会う事があれば、宜しく頼むよ」
ひらり、と軽く手を振って。
少年は異形の群れを引き連れて、青年の元を立ち去るのだろう。
その表情には、感情の色は灯っていない。
其処にあるのは唯、己の役割をこなそうとする風紀委員の姿であり――重圧に耐える、唯の子供の姿であったのだろう。
■シャンティ・シン > 『「――」神代理央は口をつぐむ。己の定まらぬ気持ちを"カタチ"にするのを恐れるかのように。「――」そして、苦笑いを浮かべる。』
『「――」少年は感情を宿らせず、其の場を立ち去る。しかし、其の顔は表情こそないが子どもじみた雰囲気を宿らせてもいた』
女は謳う
ようやく解き放たれたかのように、街に似つかわしくない朗々とした声で謳う
「あぁ、あぁ……かわい、そう、な。かわ、いそう、な……ふふ、少年、よ、ねぇ……あは、あはは。業を、背負、い、こん、で……何処、へ――いく、つも、り……なの、かし、らぁ……あは、あはははは。」
女は笑う
愉快そうに無邪気に高らかに
「……歪、んで、る……わ、ねぇ……いい、わぁ……ええ、ええ。カタチ、は……ちがっ、て……しまった、けれ、どぉ……ふふ。また、新た、に……舞台、に……あが、るの、なら……ええ、ええ……いっぱぁ、ぃ……愛し、て……あげ、ない、とぉ?」
くすくすと女は笑い……呼び出した傀儡の青年とはまた違う方へと姿を消した。
ご案内:「落第街大通り」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からシャンティ・シンさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に天野創一さんが現れました。
■天野創一 > 「お~い!もしもし猫さんやぁ~!」
この街では薄汚いアンダーグラウンドとも言われる場に似つかわしくない陽気な声。あまりにも…そう、あまりにも緊張感がないのだ。通常な神経の持ち主であればここがどんな場所で分からずとも周りの雰囲気で全身に緊張が走るはずだ。だというのにこの男はその様子が全くない。
空気の読めなさすぎる呼び声と共に排気口を覗き込む。猫でも探しているようで、実際呼んでいる。
猫を探すためにこんな所まで立ち入るなど正気の沙汰ではない。空気の読めない陽気な声はここに住む住民にとってみれば一周回って狂気すら感じるだろう。
それほどまでに空気が読めていない。
「…あれれ、俺いつのまにこんな所に入っちゃったんだろ…?」
少年は首を傾げた。
ご案内:「落第街大通り」に鷹野エリザさんが現れました。
■天野創一 > 空気の読めない気の抜けた声の少年はただの迷い込んだ憐れな子羊かと言われるとそうでもない。
背中には刃渡り150cm程の巨大な日本刀。細長いだけの剣ではなく刀身の長さ相応に刃の腹も重厚に仕上がっている。まるで巨人が使うが如き刀。
それは野太刀と言われる代物で刀を扱うだけの技量だけではなく両手剣を扱う膂力も無いといけない。
分かる者が見れば所持者は紛れもない猛者だと分かるのだが、はったりという可能性もある。それほどまでに腑抜けた態度で
「って、いっかーん!帰り道が分からなければ意味がない!」
■鷹野エリザ > 碌でもないものが住む場所に響く陽気な声に何だと仮の寝床を出て通りを見れば排気口を覗き込む人影を見つける。
聞こえた内容では猫を探しているようだが実際はどうか判らない。
珍しいものを見るようにしていれば、自分の他にも同じようにその人影を見る住人がちらほら。
不気味な者を見る目から獲物を見つけたというような様々な視線が向けられて。
しかしその人影、少年の背中に背負われた刃物を見れば襲うとも声をかけようともする者もいなく。
仕方ないなと頭を掻き物陰から抜け出し。
「おい、大声出してんなよ。変なのに絡まれるぞ」
武器こそ持っているが学生服姿、よして帰り道がという言葉に迷子かと思い。
出来れば放っておきたいがそれもできずに声をかけていく。
■天野創一 > わぁぁぁ、と頭を抱え込んでいた矢先に飛び込んできた声の方へと身体を向き直す。
街灯などの照明は辛うじてあるものの総じて薄く暗い通りでも顔の表情は分かるだろう。創一はニコニコして穏やかなオーラが漂う。
対する彼女は赤髪の女の子。特に赤色の髪は珍しいのかジロジロと見つめる。
そしてやっと口を開いた
「大声は元気の証拠だからいいじゃん!元気、勇気、ソウイチ!…あ、俺は天野創一っていうんだよろしくねー」
ニィ、と至って健康で頑丈な白い歯を見せる程笑って見せた。
はみ出し者が集まるこの危険地帯の中でもある意味ではみ出し者感があるオリジナル挨拶で周りのならず者達も若干引いている。
「変なのって…?」
例えば貴方ですか?というような視線を向ける。
■鷹野エリザ > 声をかければ驚いて危機感を持つかと思えば、振り返った少年には危機感の欠片もない笑顔と穏やかさ。
何だこいつとつい眺めるも黒髪黒目と人が多ければ背中の武器以外は目立ちそうにないと失礼ながら見てしまい。
「それは否定しないよ。けどな、ここで大声出してりゃ鴨が葱背負ってるようなもんだぞ」
この辺りではこんな笑みを見せる奴は先ずいない。
もしかしてこの危険な場所の住人よりもヤバい奴か?実際にその雰囲気と様子に迷い込んだ者を襲う連中すら手を出していないのだから。
「なんだよ、その眼は。俺は親切なほうだよ」
この場においては変は否定できないが、視線を受ければ面白くなく親切だと睨むように見返しては返す。
■天野創一 > 「そういうものなの?…つまりここは結構危ない所で命の危険もあるのか。」
そういって眼だけを動かし周りにいる人らを一瞥する。一瞬だけ見ただけであまり大したことはない様に見えると判断する。否、大したことがあっても普段のこのペースを変えるつもりなどないのだが。
相手の忠告も『ふぅーん…?』と鼻から気が抜けるような相槌をし、それでありながら隙を一切見せない立ち方と呼吸。平常心を保っているが故に心の隙は無い。
「そうだね。少なくとも君は困っている俺を助けようとしたから親切なのは間違いない。だから俺が御礼に護衛っぽい事してあげるよ。丸腰で危ないのは君の方じゃないのかな?」
親切心には親切心で返すのが流儀なのか。護衛役を買って出た。案内されるのは自分の方であるにも関わらず。
彼女は見たところ丸腰に見えるので逆に危険じゃないのかと危惧したからこその申し出
■鷹野エリザ > 「それ本気で言ってんのか?」
今ここに集まっている連中は頭数が全てというような連中ばかり。
実際に少年に襲い掛かったとしても鎧袖一触されるような者達ばかり。
そうとは知らないだろうが気の抜けた返事をする少年を大丈夫かとみてしまう。
その佇まいから隙は一切ないとは見て取れず。
「親切な物好きだよ。お前、学園の生徒だろ?だから助けてやろうって思ったんだよ。
俺を護衛?そんなもんいらないって。俺の護衛よりも帰り道を知りたいんだろ?」
丸腰で危ないと言われると目を丸くして驚き、次には笑って大丈夫だと言い切る。
少なくともこの辺りの連中ならば全く問題にはならず、少年の言葉に自分の心配だと言っては背中の武器に気を配りながら近寄っていく。
■天野創一 > 「うん、そうだね。学園の生徒だよ。まだ一年生だけど。」
元気良く返事をする。陰気な場所には相応しくない朗らかで明るい声。
彼女と受け答えする間に目と耳はさりげなく、それでいて好きなく野次馬の彼らを観察している。視線を彼女に向けている間は耳で音を拾って、自然な視線の逸らしにはしっかりと彼らを観察していた。
周りの連中はたかが知れているが目の前の彼女だけは別格。とはいえ、助けられる恩もあるし、何より武器を持っていない女の子というだけでも心配だったりする。
「ということは君も学園の生徒かな?困ったときはお互いさまって…ああ、俺がいう立場じゃないけど。ははは
帰り道は知りたいけどね。丸腰の君の方が心配…もしかして空手とかボクシングやってるからむしろ武器持ってるより素手の方が強いとか」
シュ、シュと拳シャドーボクシングをしてみる。さりげない動作ながらも武術を取得したならではの癖があり空手のような拳の突き出し方。
そんなシャドーボクシングを虚空に披露した後、「帰り道はどっちかな?」とキョロキョロしだす
■鷹野エリザ > 「寄りにもよって同学年かよ…」
この場に合わない元気で朗らかな、明るい声での返事に参ったなと頭に手を当て。
学園生徒で一年に被害があれば、この辺りでよく見る風紀委員も増えるかもしれない。
そのリスクを考えると増々放っておけず、手を出すなというように周囲をにらみ眺めて。
「あぁ、同じ一年だよ。ここで困ってるのはお前だけだっての。
そう言うのはやってないけど腕っぷしには自信はあるぞ。
で、どこまで戻りたいんだ?歓楽街か?それとも寮までか?」
素人の動きとは違う様になった拳の突き出し方に背中の武器だけじゃないのかと感心。
そんな姿に拳を握って見せて笑えば直ぐに拳を解き、きょろきょろし始める少年の肩を軽く叩いて問いかける。
■天野創一 > 「同じ学年か!そっかーよろしくねー。ええと…名前は何て言うんだっけ」
困ったように頭に手を当てる相手とは逆でこちらははしゃぎだす。仲間意識を持ったところで名前を聞いていないのを思い出してそれとなく相手から名前を訊こうとする。
睨んで追い払う彼女には苦笑い。「怖いねぇ」と漏らす一方でこの威圧感は一定以上の実力が出せない圧だと感じ取り。戦わずしても彼女はかなりできると判断した。守るつもりが逆にこっちが守られるね、とまた苦笑。
「えぇ~俺だけぇ?…ああ、猫ちゃんはまた後にしよう。今は帰らなきゃ。…寮まででお願いしていい?
腕に自信があるのは分かったよ。でもどこの流派だろう。想像もつかないや。我流?」
何処まで案内してもらおうか迷ったが折角なので厚意に甘えて寮まで頼もう。どうせ途中までだとまた猫を見つけにフラフラしてしまうから。自分でもわかっている、でも分かってて追いかけてしまうのだ
■鷹野エリザ > 「鷹野エリザだよ。あんま学校は行ってないけど会ったらそん時は挨拶はするよ」
再度問われると今度は答えない訳にはいかないかと名前を名乗り。
違反組織や部活に所属さえしていない連中なら睨んでおけば大丈夫。
万が一襲われたとしても自分と少年なら問題はないだろうと。
それでも周囲を睨み終えれば少年が苦笑いをしている事に気が付き、「何かあったか?」と問うように見返し。
「俺はここに住んでるようなもんだしな。全然困ってないって。
本当に猫を探してたのかよ……もし次に猫探しで迷ってたら手伝ってやるから行くぞ。
流派?そんなもんはないから我流だな」
まさか本当に猫を探しての迷子だったのだとその言葉に察すれば呆れ果て。
しかし寮までと頼まれれば任せておけと笑みを浮かべて頷く。
「猫見てもどっかに行くなよ?こっちだからついて来いよ」
念のために釘を刺せば学生寮だよなと思えば異邦人街を通る方が安全かとそちらへと足を向けて先導をはじめて。