2021/01/24 のログ
ご案内:「落第街大通り」に雪景勇成さんが現れました。
雪景勇成 > 「――あの爺、結局大した情報仕入れてねーじゃねぇか…。」

ぼそり、と悪態を小さく零しながら堂々と落第街の大通りを気だるそうに歩を進める風紀制服の男。
白い髪に赤っぽい瞳、ついでに無表情…に、加えてその制服と極め付けが背中に担いだ太い棒状の布包み。

以前、成り行きで護衛と送迎をする羽目になった少女の手伝い先の老人を尋ねてみれば、何ともはや。
どのみち、別件の仕事があるのでそのついでに立ち寄ったに過ぎないが…。

(ただでさえ、ウチは情報収集能力が高い奴がいねーってのに。外部協力者が当てにならねーと、さて。)

風紀がここを闊歩するならば、当然向けられる様々な――主に負の感情の視線は慣れたもの。
観察、監視、疑念、嫌悪、侮蔑、殺意、敵意、害意と相も変わらずだ。

(――3年前と何にも変わっちゃいねぇって事かよ)

その当時は、自分は連中と同じ側の住人だった訳だが、それは些細な事だ。
過去は過去、今は今だ。最近は隊員の訓練メニュー等をうちのボスが四苦八苦して考慮しているようだが。

「――暫定的に副部長は決まったとはいえ、やっぱ参謀か情報戦に秀でた面子が必要だろ。」

とはいえ、隊員の力の底上げを図るのは矢張り必要な事に変わりは無い。
いざという時に連携が取れなかったり足手纏いになられても困る。

特務広報部隊員 > 『――こちら東海林。配置に付いたぞ。村崎は?』

『あー、ちょっとトラブルあったが解決した、直ぐに合流する。』

『副部長と池垣さん、あと能守さんは?』

『三人とも今日は別件。部長は確か書類仕事とか色々あったから、その後にこっちじゃないか?』

『アンタ等、露骨に雪景君を省いたわね…。』

『――お喋りはそこまでだ。さっさと配置に付け。クソッタレな狩りを始めるぞ』

小型無線機から聞こえてくる同僚達の声。――ありふれた作戦前の会話。

雪景勇成 > (そりゃ省くだろーよ。作戦任務以外じゃ付き合いねーしな。)

味方で仲間ではあるが別に友人でも何でもない。
助けを求められれば駆け付けるし援護もする。
だが、それをプライベートな時間にまで持ち込む気は無い。

「――ヘマしてこっちにお鉢が回ってくんのは勘弁だぞ…ったく。」

主力メンバーが一人も居ないのが痛い。まぁ無線は切っておこう。そっちは自分の仕事ではない。
いざとなれば対応出来るように緊急無線チャンネルだけは常時オンにしてあるが。

雪景勇成 > ちなみに、そんな自分の今夜の担当は普通に警邏である。
部長のように異形を引き連れて、みたいな芸当は出来ないので威圧感も何も無いが。
流石に、武装召喚した得物をぞろぞろ引き連れて歩くのは…ただの見世物にしかならない。

「……ま、仕事は仕事か。」

面倒臭がりだが、仕事だけは律儀にきっちりこなしている。
後で楽をしたいのもあるが、手を抜いたせいで後々に面倒が己に回るのを避けたいからだ。
気だるそうな足取りと無表情でも、視線は緩く周囲に走らせ気配も常に探っている。

――ただし、あくまで経験則と勘を頼りにしている以上、限界はある。
索敵能力がある奴も欲しいよなぁ、と思うが都合よくそんな人材がホイホイと入ってくる訳もなし。

「――こっちの情報だけ抜かれて”あっち”の正確な情報が殆ど入らないのが痛いわな。」

相当に優秀な連中揃い、加えて頭が曲者なんだろう。多分。
…本来、こういうのに頭を悩ませるのは自分ではない筈だ。

(つーか、そもそも俺向きじゃねーよ、そういうあれこれ頭を回したりは)

ご案内:「落第街大通り」に能守重高さんが現れました。
能守重高 > 夜の落第街大通りに不釣り合いな梟が数羽空を飛び始める。
落第街には鼠や得体のしれない実験動物が蔓延ってはいるらしいが
それにしても大型の梟や小型の梟数羽の点でバラバラな種類の夜の鳥が、
空をあっちこっち飛び回るさまは何かの偵察のよう。

それ等が飛び回っている遥か下に小さな風紀委員の赤い服を着た影が混じった。
その小さい影はとても目立つ銃器を抱え持ちたったかととある人物に近づくべくまっすぐ向かっている。

『お待たせして申し訳ない! 能守合流する!』

小型無線機に雑音混じりの声が混じる。

雪景勇成 > 「―-…能守が合流したか。じゃあアイツに任せてりゃ問題ねぇな。」

どのみち、緊急無線で応援要請食らったら出向くしかない訳だが。
相変わらずの気だるい足取りで周囲に気を配りながら、一応無線に耳を傾けるが。

(派手にやってんな……いや、何時もの事か)

取り敢えず、こちらから語り掛ける事はしないで今は様子見だ。むしろ下手に連絡して巻き込まれるのは面倒だ。
今夜は警邏の仕事なので、それ以外の追加の仕事はなるべくならしたくない。

(――とはいえ、能守は後方支援メインだろうから、前線どうなるやら、だが)

能守重高 > 後方支援です、というのは間違っていない。
式神を大量に射出しては放射状方々に飛ばすという偵察紛いの事をさせて
怪しい箇所には随時攻撃を与えていくやり方をしているからだった。
宛ら安全な後方から式神召喚というえげつない数の暴力による戦術だった。
無線に交じって式神からも何か人影が見えるとか怪しいものがある等の報告が混じりだす。
それはまるで地味かつ無線の電波レース。
情報レースを捌く他の隊員は嘸かし捌く事から大変であろうがその辺は気にしない。

『辺り一帯を絨毯爆撃すればよろしいのに。警邏偵察だけではつまらないです、直掩出します』

独り言なのだろう、物騒な事を呟く少女の声が無線に交じる。
雪景の事を式神を通して視認したのか、見える範囲からは近づかない模様。
その内少女から白い紙切れなのか投げ出され瞬く間に鳥になったかと思うと方々に飛び回っていく。

特務広報部隊員 > 『お、能守さんが合流か!心強いな!』

『で、もう一人の出向組のあのサボり魔は?』

『彼は今日は警邏の筈だが。――と、部長から通信だ。』

『後始末は任せるって?』『そうらしい、ここはさっさと片付けるぞ』

『副部長仕込みの連携で行くぞ――って、能守さん!?俺ら巻き込まないで下さいよ!?』

彼女の物騒な独り言はあちらも何人か通信で拾ったらしく、方々から本気で止めてくれ、という類の嘆願が響く。

雪景勇成 > (……サボってねーよ、余計な仕事はしたくねーんだよ、分かれよお前ら)

思わず脳内で小さく悪態を零しつつ、聞こえてきた能守の物騒な独り言に溜息を零す。

「……うちって血の気の多い連中ばかりか。…いや、特攻課も割りとそうだったな。」

己も仕事で敵対相手には全く容赦も遠慮もしないが、血の気が多いかと言われたら…どうだろうか。
少なくとも、戦闘行為につまらないとか楽しいと感じた事は特に無いが。

――感じるのはただ、面倒だからさっさと終わらせたいという気持ちくらいか。

「……つぅか、ボスが用件だけ告げてこっちの応答も確認せずに切る、か。さっき緊急無線で『シンデレラ』の姐さんが緊急搬送されたってのが原因か?」

一人ごちながら、緩やかに足を止めて空を見る。この時間帯、この場所には聊か不釣合いな鳥の羽ばたく姿が垣間見える。

「――能守、取り敢えず直接片付けるのはかまわねーが、絨毯爆撃は止めとけ。面倒がこっちにも回る。」

と、無線を能守にだけ一度繋げてから一言だけ告げておこう。ボスの後始末どころではなくなる。

能守重高 > (式神大符を大量に持ってきてよかったよかった、一度ここ燃やしたい)

燃やすのと爆発による衝撃と振動と煙で一度ごっそりと狩った方が良いのではと思う幼女の内心の闇。

『後始末は任せる?では雷撃の許可が下りたという事で!ダメ?』

やったぁ、絨毯爆撃だあ!と一瞬喜んだ幼女の明るい声。
瞬時に巻き込まないで下さいと言われてちょっと凹み、
無線は真面目に聞いているのもあるのか続けて緊急無線の内容の『しんでれら』の二つ名の人が
搬送されたというのを又聞きして凹んだのか『あわー』という雑音混じりの声が漏れたかと思うと数羽梟が落ちた。

『大人しく狙撃にしますよぅ、生け捕りの方が部長が悦ぶでしょうし』

数羽の梟が地面に落ちきる前にボッと炎に包まれて燃え尽きていった。
ガシャンと管状弾倉に弾を装填しレバーを操作して銃の発射手順を徐にしだした。

『雪景さんでしたかー、面倒にならないようにー一撃必殺狙撃に徹しますね
 部長による一斉斉射開始されました。辺りは更地になりますね。
 あっちは嘸かし賑やかに燃え盛りましょう』

聞こえているか分からないけれど、無線は共通繋げたまま幼女は呟く。
空には鳥が数羽だけ飛んでる。鳥が見た光景は夜空が明るく照らされる爆撃砲撃雨あられの緋色の舞台!

雪景勇成 > 取り敢えず警邏の仕事を黙々と表向きはしているように見える少年だが、内心ではどうしたもんか、と溜息だ。

(シンデレラの緊急搬送、ボスの後始末、…後始末する必要あんのか?…で、能守が仕事を増やしそうだし、面倒臭い…。)

これが仕事中でなかったら、さっさと帰って飯食って風呂に浸かってそして寝る所だ。
と、やたらと嬉しそうな同僚の声が聞こえる。いや、だから後始末そもそもいらねーだろ、と呟きながら。

「――よろしく、こっちは今夜は警邏の仕事だけしか入ってねーし他に仕事追加されたくねーんだわ。」

私情というか本音全開だが。銃の金属音が僅かに無線越しに聞こえた。

「――あ?何で分か――あー成程。じゃあ最悪ボスの後始末命令は無視していいな。
そもそも後始末に人員を割くまでもねーだろ。むしろそっちの現場さっさと済ませて他の応援に回した方が効率がいい。」

と、現場指揮官みたいな事を言い出しているが本意ではない。
副部長と池垣が不在だし、能守があっちに居るので警邏しか仕事が無い自分が一応暫定判断をしている。

『…あーボス、こちら雪景。どうせ後始末の必要ないだろ。何で俺の判断で現場片付いたら別の方に応援回すんで。』

と、無線で部長に一言伝えておく。こちらも返事は待たずに即座に切る辺り、まぁおあいこだろうか。

「つーか、刑事課にも痛手だが全体的にもダメージあるな…シンデレラが緊急搬送、なんて下手したら既にこっちで情報耳に入れてる連中も居るだろうに。」

能守重高 > 『部長の一斉斉射何も残らないー、爆撃よりヤバい。あれは料理も後片付けもいらない。』

無線に独り言をつぶやき続ける幼女。料理=掃除 後片付け=始末と変換が妥当。
遠雷の音が時々木霊する空模様、あっちで高みの見物をしたいけど式神から又見で我慢している。
生け捕りという面倒な仕事を増やしにかかろうとしている幼女は命令違反にならない程度に、
徐に銃を構えたかと思うと タァンと乾いた音を伴い発砲を開始した。

『はぁい えーと誰かー こっち狙おうとした人を撃ったので生け捕りよろしく。
 適度に撃ったらわた。いや、誰か暇な人が応援行くでしょう。
 間違っても砲弾雨あられの部長の傍に行ったら巻き込まれますよ。怖い怖い』

誰が行くんですか あの砲弾の雨の下に。怖すぎて命がいくつあったとしても行きたくない。

雪景勇成 > 「――つーか、そろそろ誰か突っ込み入れろよ、お前何で声が幼くなってんだよ能守。」

さっき第一声を聴いた瞬間から気付いていたのだが、周りが普通に会話してたから黙っていたが。
そこに、無線越しに聞こえる銃声――どうやら狙撃で後方支援を始めたらしい。
もうあっちは能守に完全に任せる事にした。俺は行かない。

「――いや、それじゃボスが自爆するだろ。普通に自分の周囲は異形か魔術辺りで防御とか固めてあるだろ。
まぁ、俺らがいちいち後始末だとか行く必要は多分ねーよ。」

行こうと思えば普通に行けるが、面倒だしやりたくない。そもそも後始末がいらなそうだし。

(――さて、ただでさえ面倒なのに事態がこれで変な方に転がらなきゃいいんだがな。)

一度ゆるり、と足を止めてから適当な建物の屋根へとひらり、と一足飛びで飛び乗る。
そこからとある方角へと視線を向けて目を細める――あっちが能守たちが居る現場だ。
――もう一方、ボスが派手にやっているのは多分あちらだろう。どちらにも赴く気は無いが。

「――やってやられてまたやり返して、報復の連鎖ってやつか。――他の連中が動いたらどうすんのかね。」

何処か淡々とした口調で、作戦行動の無線と微かに聞こえる砲声に耳を傾けた。

能守重高 > 『見た目は幼女 中身は変わってないです!その名は能守重高!
 異能の力をちょっと解放してちょいちょい弄ったら縮みました。』

ちょいちょい弄ったら縮んだ。何を言っているんだ?と
つっこみがはいりそうな内容を無線にそっと乗せる。
無線越しに忘れたころに銃声が轟く。後方支援ならぬ狙撃支援を始めてしまった。
『あ、あれ死んだ』とか生け捕りにすべき敵が赤い花が散ったような声も無線に。

『部長は無敵だから。あれに勝てる人がいたらそれはそれで知りたい。
 誰もいかなくていいと思いますよ。更地なら何もないんですから』

タタタン タァン タタンと乾いた銃声が夜闇に交じって飛び交っている。
無線に独り言を零している幼女は銃声に交じって喋っている始末で黙って狙撃はしないつもりらしい。

『まとめて絨毯爆撃ですか?あとくされなく一網打尽にしたら終わるかもです。』

(そんな爆弾昔にはあったようですけど今はありましたっけ?)
銃の装弾を素早くし終わり、レバーを起こして薬莢を排出後砲声に交じって敵を狙って狙撃。

雪景勇成 > 「………成程、分からん。」

いや、まぁ中身が変化してないのと異能の反動?か何かで縮んだのは多分理解したが。
あと、どさくさで何で生け捕り対象を射殺してるんだろうかこの同僚は。

「――無敵ってーのは、そもそも”敵を作らない”のが本当の無敵ってもんらしーぜ?受け売りだけどな。」

敵を作らない、敵が無いから無敵、とかそんな屁理屈だったか何かだった気がする。
それに則るなら、うちらのボスはむしろ無敵どころか”無数の敵”が居る事になる。
能守も言っているように、更地になっているならわざわざ行く理由が無い。
少なくともそこは別の連中の管轄だろう。他の部署の範囲に首を突っ込むとロクな事が無い。

(しかし、会話しながら狙撃とか地味にこいつもとんでもねーな。普通集中できねーだろうに)

そもそも、狙撃は気温や湿度、風向きなどを計算してやるものだが、やたら銃声の感覚が短い辺り、連射しているのだろう。

「――後腐れなく?ちげーよ、むしろ場合によっちゃ余計に面倒が増える。」

――さて、ぼちぼち今夜の己の警邏の仕事も終わりだ。”残業”をするつもりはない。

「――能守、悪いが俺は先に戻って報告書纏めるんで後はよろしく。」

屋根からひらり、と飛び降りて着地すれば同僚にそう無線で声を送って歩き始める。

何処に?決まっている――仕事が終わったから帰るのだ。

能守重高 > ヤバい始末書だあ生け捕り予定が死人を増やしてしまった。
銃火器の狙撃銃に関しては妙に命中度が高い。バレルが長い銃器と重いのは使えないけど、
身体に合わせた銃火器に合わせて異能で+しているのだから化け物と呼べる部類の一人。

『部長敵だらけで手遅れでは。』

もう違う意味で殺し屋とかに狙われていそうで怖いです、と
独り言を絶えず漏らしながら狙撃を続行。敵の肩とか手首とか器用に狙撃して射抜いてる。
連射できるように魔改造しているのもあるけどあとは努力と才能です。

『よろしくされましたーではまた明日ー。』

タァーンと乾いた音が夜闇に無線と砲声に交じって轟く。
音声でお見送りするようで雪景の事は見て見送れなかった。

能守重高 > 雪景さんが去った後程無くして狙撃の音が止まり、
ぐるぐる巻きの簀巻き状態になった生け捕りとそうでないのとを
詰め込んだ薄汚れた大型のバンによって風紀委員広報部の数名と共に幼女は去ったとかなんとか。

ご案内:「落第街大通り」から能守重高さんが去りました。
雪景勇成 > 「――ボスが桁違いなだけで俺らもかわんねーだろ、連中から見れば、な。」

手遅れなのは俺たち”全員”だろう。仕事だろうが何だろうがそこは例外無く。

(そもそも、連中の敵意と殺意と恐怖心をこっちに向けるのが俺らの役割の一つみてーなもんだし、な)

つまり、だ――どれだけ圧倒的な力があろうと、物を壊し屍を積み重ねようと。
決して自分たちの誰もが、部長を含めて例外なく”無敵”なんて事は無い。

(―――まったく、面倒臭い事だらけだ)

呟きながら、最後に「じゃ、お疲れさん」と無線に声を残して通信を切れば男は立ち去ろう。

ご案内:「落第街大通り」から雪景勇成さんが去りました。