2021/02/01 のログ
ご案内:「落第街大通り」に花菱刃さんが現れました。
花菱刃 >  
 イヤホンで音楽を聴いている青年が道の脇に座る。自身に傾けるように剣道などで竹刀や木刀を入れておく袋がもたれかかっている。
 一見すれば音楽を聴いているだけの青年。大通りを眺めていて……ある人が通れば。

「ポイント2。3人通過……後3人な。誘導よろしく」

 と告げる。
 ただの音楽を聴いている青年ではない。通りに面した危険地帯でもあるここの監視兼荷物を運んでいる”蟻”に何かあった時の護衛役。
 今のスタイルはそれをごまかすための姿であり、イヤホンはそのまま通信機としての役割も果たす。

「無事におわりゃ良いんだがねぇ」

 のんきな声を出してはいるが、周囲への警戒は一切怠ってはいない。というより座っているのを通じて魔法で地面の様子を探る。大まかにこの辺りにいる人物の数、方向などはすべて把握しているつもりだ。

花菱刃 >  
「……ん、1人通過。あぁ、ポイント3に誘導してくれ。少し変な足音がする」

 地面の様子を探ると先に別の足音。敵だと厄介なので別の道をと指示を出す。
 そのまま壁にもたれかかった。

「あの連中次第で道変えないとだからな……ただの風紀とかチンピラなら平気だけどさ」

 その辺ならバレるようなヘマはしないだろうし。どうとでもできる。
 だが今話題の連中や少しキレ者だったりすると厄介なわけで。
 まぁ話題の連中だったらそれはそれでラッキーだが。逆にとっ捕まえて仲間との交換材料にできる。

花菱刃 >  
 まぁまだ彼女が殺されるのは当分先だろうという予想はある。というよりこんなに早い段階で殺しにかかるような無能組織が相手だったら今頃とっくにこっちの勝利のはずだ。
 人質というのは生きているから価値があるのだから。

「……ん、ポイント2。戻ってきていいぞ、ただの酔っ払いだ」

 そのせいで奇妙な足音になっていただけであった。
 あまりのあほくささに少しだけあくびをしてしまう。
 
「後2人。無事おわれよー」

 そうしてこの日の仕事も終えていくのである。

ご案内:「落第街大通り」から花菱刃さんが去りました。