2021/02/08 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
この日は、何とも奇妙な…いや、珍しい任務と言えるだろう。
事の発端は、何時もの様に人手不足に悩む風紀委員会の同僚から。

曰く、同僚の友人である生活委員が、落第街の居住環境改善の為に支援物資を配布する。その護衛を頼まれたが、生憎警邏部も刑事部も、荒事になった時に対応出来る委員が当日出払っている。

そこで、やむを得ず。不承不承。仕方なく。
落第街の地理に明るく、荒事に慣れていて、比較的他の下部組織に比べてフリーに動ける己に護衛を頼めないか…との事だった。
特務広報部の隊員達では駄目なのか、と問い掛けたが――配給場所にあんな連中置いてくれるな、とのこと。
また、何か問題が起こる迄は異形は出さないで欲しい、との事だった。
従って――

「…ええい、手伝わぬと言っているだろう!大体、私の顔は或る程度割れているんだ。私が配給物資を配った所で、逃げられるか避けられるのが関の山だ!」

舗装の剥がれた道を大型トラックで乗り付けてせっせと物資を配布する生活委員達。
その中の一人に、人集めや配布を手伝ってくれないかと声をかけられたが…。
己がにこにこと物資を配ったところで、攫われるか罠かと勘違いされるのが目に見えている。
声をかけてきた生活委員をしっし、と追い払いつつ、少し離れた物陰から、群がる住民達に視線を向けているのだろうか。

神代理央 >  
まあ、取り敢えず配給の評判はいいらしい。
缶詰だの、毛布だの、正規学生になる為の手続き書類だの。
炊き出しは生憎調理部の協力が間に合わなかったらしいが、直ぐに必要になる物資を生活委員達がせっせと配っていた。

「……配給の警護を私がする、というのは何とも皮肉なものだと思うんだがなあ」

住民達に姿を見られる訳にもいかないので、物陰に隠れた儘缶コーヒーと煙草で一服。
偶には、本格的なスイーツが食べたいな、と。しみじみ独り言ちた。

ご案内:「落第街大通り」にラヴェータさんが現れました。
ラヴェータ > 「全くだな
普段砲撃に沈めている所で配給とは、マッチポンプも甚だしいなぁ理央」

缶コーヒーを仰ぐ理央の隣から顔を覗かせる狐耳もとい第一級監視対象。
鉄火の支配者以上にこの場にいるべきではない称号を持つそのケモミミはその物騒な肩書きに反し実に愉快そうな笑みを浮かべており。

「コーヒーの味はどうだ?
さぞかし苦いだろう?甘いものが食べたいだろう?」

まあそんなものは此処には無いがな、とケラケラ笑っており。

神代理央 >  
「……私が配っている訳ではないでな。とはいえ、マッチポンプか。
得てして、そうなってしまうのは致し方ないと言うべきか…」

影から現れた軍服の狐耳少女。
彼女の言葉に小さく溜息と共に紫煙を吐き出した。
甘ったるい紫煙が、二人の間を包むのだろうか。

「苦くは無いが、もう少し上質な甘味が欲しいところだ。
…まあ、此処では贅沢な望みに入るのだろうが」

甘ったるいだけの缶コーヒーを軽く揺らしながら、再度溜息。
洋菓子とか、和菓子とか。上質な菓子が食べたいな、とは、自ら零した独り言であるのだし否定はしない。

「…それで?貴様はこうして甘味に餓えた監査役を笑いに来たのかね?」

呆れた様な声色と共に。
ゆっくりと、彼女に視線を向けてみせるのだろうか。

ご案内:「落第街大通り」にラヴェータさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にラヴェータさんが現れました。
ラヴェータ > 「ああそうだな、貴様の贅沢な問いに応えられる甘味でも持ってきてやればよかったかも知れんが生憎私は貴様をからかいに来ただけだ」

鬱陶しい煙に僅かに眉を潜めて片手で払いつつ、その笑みは崩さぬまま一歩前へと進み出て適当な物に腰掛けて

「ああ、それとついでに貴様の近況でも聞きたいところだな」

足を組み腕を組み、偉そうな姿勢と態度でその耳を僅かに動かしながら尋ねた。

神代理央 >  
「特段貴様にその様な気遣いを求めている訳でも無し。
寧ろ、気を利かせて菓子等持ってきた日には、貴様を獣医に見せねばならんからな」

煙を払う少女の姿に、三分の二ほど残っていた煙草をポケットから取り出した携帯灰皿へ押し込む。
其の侭、腰掛けた彼女を見下ろす様に視線を向ければ――

「…貴様は最近"影"の中だったものな。しかし、近況となると何から話せば良いものかな…。

風紀委員会内部に自分の部署を持ち、大勢の部下が出来た。
しかし、その部署を狙った違反部活と小競り合いの真っ最中。
また、伊都波先輩を襲撃した松葉雷覇、という男を捜索している。

仕事の話なら、こんなところかな…。細かい事まで話していてはキリがないからな」

ラヴェータ > 「獣医とは失礼だな
確かに私は獣だがそこら辺の獣と一緒にされては困るぞ理央
私がそこら辺の獣と同じように見えるのであれば貴様の眼窩にはビー玉でも入っている事を疑わざるを得ない」

鼻で笑って一蹴しつつもまだ使えたであろうそれを吸い殻にする理央に対して穏やかに鼻で笑いつつ

「影の中は快適だぞ、理央
にしても貴様に部下か、それも大勢の
さらに小競り合いときたか
そこに同僚が襲撃に遭ってと...
胃が痛まないか?」

影の中にいる間に随分と...
僅かに哀れむ視線を理央に向ける。
らしく無いかも知れないがいない間に様々な事件に巻き込まれたのだろうと考えると正直笑えず...

神代理央 >  
「フン。この鉄火の支配者のペット扱いならば、そこらの獣よりも遥かにマシだろう?
…とまあ、冗談はさておいて」

と、彼女との軽口の応酬も懐かしくはあるのだが。
近況、という話題になれば真面目な表情を浮かべて思案顔。

「生憎、異は頑丈な方でな。唯、そうだな…。
悩む事は多くなった、様な気がする。私一人で何でも自由に動けていた時とは、状況が違うからな。部下を持てば、アイツらが死なない様に色々手配してやらねばならないし。
それに、襲撃犯は顔も名前も分かっているのにそこから先の情報が何も得られない。どうしたものか、と頭を抱える日々だよ」

まあ、それだけやりがいがある仕事ではあるのだが。
16歳、という年齢で抱えるには少しばかり大きくなってきた…のかも知れない。喫煙本数も、じわじわ増えつつあるし。

「あとは…貴様達第一級監視対象とは別で、監視対象の少女を家で預かって、その監視役についている。
近況らしい近況、と言えば、多分それくらいだと思うが…」

公務についての近況は、後で本庁で報告書を読んでもらうとして。
取り敢えずはそんなところかな、と視線を上空に向けながら思案顔の儘。

ラヴェータ > 「ほほう、悩むことが増えた、か
大人になったか?理央」

部下を守るために悩む鉄火の支配者と言うのも珍しい、と失礼な発言とともに驚愕の表情で理央を見つめて。

「なるほど、それは確かに大変そうだ
まあ優秀な貴様であればどうにか出来るだろうさ
それか私が手伝ってやってもいいぞ?
しかしそれよりもだ、私以外の監視対象だと?
なんだ?貴様は面倒ごとを背負い込むのが趣味なのか?」

呆れた表情と気が抜けた言葉を理央に投げかけつつため息を一つ。
天を仰ぐぐらいならもう少し楽をする事を覚えたらどうかなどと言いたい所だ。

神代理央 >  
「大人…大人、ね。どうだろうな。私は未だに、子供の儘な気がするよ」

と、彼女の言葉にも怒る様子は無く、小さく苦笑いを浮かべるだけ。
寧ろ、守るべきものが出来てからの方が、己が未だ幼い儘である事を自覚させられている様な…そんな気がする。

「優秀、か。貴様にそう評して貰えるとは光栄だな。
…別に、面倒事と思ってはいないさ。貴様の監査役になった事だって、別に後悔している訳でも無し。
必要であればそうする。風紀委員として求められればそうする。
それだけの事だ。此れくらいの事で、弱音も吐いていられぬしな」

溜息をつく彼女に、肩を竦めてから視線を向ける。
悩む機会は増えたが、投げ出そうとは思っていない。
自分に出来る事をするだけだ、と言わんばかりの声色で言葉を紡ぎ、残った缶コーヒーを一気に飲み干した。

ラヴェータ > 「なんだ、らしく無いな理央
だがそんな貴様も嫌いでは無いぞ」

何処から目線なのかは知らないが知らない間に変わった理央に対して穏やかに微笑んで見せて。
そんな狐も彼にとっては随分とらしく無いだろうか?

「そこは変わらないな貴様は
もう少し楽をする事を覚えろ貴様は」

求められた姿であろうとする彼に対してやはりそこは変わらないのだな、とやれやれと肩を竦め。
ただし自分の監査役になったことに後悔していないの部分だけ少し嬉そうにしており。

「背負い込んで弱音もはかずに頑張るのはともかく
癒しは必要だろう?触るか?」

おそらく言っても聞かないだろうし深く追求するのは今では無い。
缶コーヒーを飲み干した理央の前で尻尾を手前に手繰り寄せてニヤニヤと理央を見つめて。

神代理央 >  
「……らしくないのは自覚しているよ。
これを変化と呼ぶべきなのか。それとも単なる疲労からくるものなのか、私にも分からんがね」

穏やかに微笑む彼女に、少し驚いた様な視線を向けた後。
此方も同じ様に、穏やかに笑みを返すのだろうか。
其処に尊大さと傲慢さが人の形をしたかの様な、何時もの少年の姿は無い。
ただ、軽口を叩き合う様な少女に、静かに笑い返すだけの年頃の少年でしかない。

「楽、楽…ねえ。何だかんだ、部下が増えた分、仕事量そのものは減ってはいるんだが。
寧ろ、率いる者として悩むのも仕事の内さ。下に任せた儘では、誰も着いて来ないだろう?」

時には、盤上の王牌すら動かさなくてはならない時もある。
座して見ているだけ、というのは性に合わないのだ――と、笑みを浮かべた儘告げるのだろうか。

「……ほう?言い出したのは貴様故な。遠慮なく、触らせて貰おうか」

ぱちくり、と尻尾を手繰って笑う彼女を見つめた後。
こつり、と近くの瓦礫に空の缶を置いて、腰掛けた彼女を直ぐ傍で見下ろす場所まで近づけば――そと、その柔らかな尻尾に触れようとするのだろうか。