2021/02/09 のログ
■ラヴェータ > 「さぁな
どっちでもいいが変化と思っておいた方が気分はいいんじゃ無いか?」
楽観的かもしれないがそう思っておけ、と付け足して返された笑みを鼻で笑う。
きっと生意気な狐らしいだろう。
しかし相手のらしくなさに何処か寂しさを感じつつ。
「それはまあその通りだな
まあ普段から異形を引き連れながらもなんだかんだ自分で歩いて戦ってとしている貴様だ
慣れるのに時間もそうかからんだろうさ
ただ、人間は貴様の異形の何倍も御し難いがな」
言っても聞かないなら前向きな言葉をかけるべきだろうか
僅かに呆れが見受けられる様子。
「遠慮なく触るといいさ、さっさといつもの貴様に戻ってくれんと調子が出んのでな」
尻尾に触れようとする理央の手にこちらから尻尾を近づけるようにして、
尻尾にその手が触れれば「どうだ?」などと愉快そうに笑んで見せて
■神代理央 >
「…まあ、そうさな。疲労で片付けては趣も無い。
良い変化の兆し、と捉えておこうか」
何事も前向きに、であろうか。
フィジカル面は兎も角、メンタルくらいは前向きに保っておかねばな、と笑うのだろうか。
「違いない。異形ならば、私の命令を忠実にこなす。
しかし人というのは、感情で生きる動物だ。理性と知性、道徳感情だけで行動が決まるものでもない。
……だからこそ、だからこそ私は。私の部下達に求めるものは――」
それは、絶対的な忠誠。
死地に赴く事すら悦びとする様な、狂信的な忠誠。
だがそれは、かつて戦場を生きた彼女に告げるには些か無粋かと、言葉を紡ぐ。
己が求めている事は結局、忠実な兵士であれという事なのだから。
しかし、噤んだ言葉では隠しきれない傲慢さ――或いは、覇気。
そんな感情が、彼女にも僅かに感じ取れるだろうか。
「……ふむ?何時もの私でなければ調子が出ぬのかね。
貴様も物好きな事よな。何時もの私と言えば、自分で言うのも憚られるが…余り、良い性格をしているとは思えぬがね」
へえ、と言わんばかりに首を傾げながら、クスリと笑ってみせる。
其の侭、彼女の尻尾を毛繕いするかの様に指先で器用に梳きながら撫で始めるのだろうか。
「相変わらず、撫で心地だけは一級品だな。貴様もこの毛ざわり程、殊勝に御しやすくなってくれても構わんぞ?」
と、笑うその姿は。
最初の頃に比べれば、幾分普段の尊大さと、己への矜持を持つ少年の姿なのだろうか。
■ラヴェータ > 「その調子で頑張ってくれ
何をかは知らんがな」
笑う理央に対して無責任に短く笑って突き放す狐。
しかしその笑いに嘲りや悪意は含まれていない。
「貴様らしい考えではあるな
まあ実際は貴様が思っているようにはいかんだろうさ
貴様が求めている部下はもうそれは人間では無い何かだろうさ
人間を従える以上求めたものは叶わんだろうさ」
当然彼もそれくらい分かってはいるのだろうが。
呆れ半分諭し半分、いつも呆れている気がするななどと思いつつ言葉を紡ぎ。
「なに、こちらから一方的にいじり倒しても張り合いがないのでな
貴様が無駄な抵抗をしてくれた方が幾分か面白いと言うものだ」
"いい性格"をしている同士のやり取りはどちらかが弱気だと面白くない。
そう言うものだ。
「なんだ貴様、撫で心地以外も一級品であろうが
手伝ってやろうかなどと自分から言い出すこの私をもっとありがたがれ」
ここぞとばかりに軽口を返して。
笑っている理央に対して心なしか僅かに安心したような喜んでいるような表情を向けており。
■神代理央 >
「……そうだな。分かっているさ。
上に立つというのは、難しい事だ。それは、私もまだまだ勉強しなければならない事だがな」
彼女の言葉を否定せず、素直に頷いて見せる。
そもそも、己の理想を求めれば――究極のところ、機械を部下にしておけば良いのだから。
だが、それでは――それはあまりにも、寂しいことなのだろうし。
「……言ってくれる。全く、貴様は相変わらずというか何と言うか…」
と、小さく苦笑い。
しかし、その言葉には先程よりも大きく頷いてみせるのだろう。
此方とて、彼女がしおらしくしていれば不安になってしまう。
互いに軽口を叩き合う仲だからこそ、相手が弱った姿を見せれば…不安になってしまうものなのだろうか。
「…はいはい。御助力頂き、感謝の極み、とでも言っておけばよいかね、ラヴェータ」
やれやれ、とわざとらしく大袈裟に首を振りながらも、感謝の言葉自体は素直に告げる。
実際、手伝ってくれるという言葉そのものは有難くはあるのだし。
だから、彼女の尻尾に触れる手はその毛並みを綺麗に整える様に。
尻尾の付け根から毛先迄、丁寧に撫でようとするのだろうか。
■ラヴェータ > 「向上心があるのはいいことだ
応援しているぞ理央」
穏やかな表情で理央の髪にかるく触れて尻尾に触れられているのと同じ感覚で梳いて。
「ああそうだな、貴様もいつもそのくらい素直であってくれてもかまわんぞ?」
満足げに、とても愉快そうに満面の笑みでそう返した表情が僅かにピク付き耳が僅かに揺れ。
「ところで理央、尻尾に触れるのはいいがあまり付け根の方は触るな
セクハラというやつだぞ」
余裕ありげにー実際まだ余裕ー尻尾の付け根を梳いた理央に対してそう伝える。
敏感な部分に触れられるのは複雑な気持ちなのだ。
■神代理央 >
「応援ありがとう。ならば、次からは甘味の差し入れを忘れぬ事だ。
私のやる気は、糖分如何で激しく左右されるからな」
ふふん、と尊大な笑みを浮かべるその姿は、普段通りの少年の姿。
先程迄の少し疲労感が残っている様な姿ではなく――『鉄火の支配者』としての、神代理央なのだろう。
「…む、そうなのか?すまない。余りそういう事には詳しくなくてな。……しかし、良い事を聞いた。今後の参考にさせて貰おう」
彼女の言葉に、素直に手を離しつつ――
浮かべる笑みは、少し意地悪そうなものなのだろう。
「…さて、何時までも油を売っている訳でもいかぬしな。
そろそろ私は仕事に戻る。私について来るも良し。久し振りの『表』を満喫しても良し。
仕事が終わった後で良ければ、甘味の一つくらいは御馳走してやっても良いしな」
さて、と彼女から離れた少年は、遠目に見える生活委員会の作業が一段落ついたのを視界に入れれば、小さく背伸びして仕事に戻ろうと。
もし彼女が付いて来るのであれば、仕事が終わった後に二人で何処か喫茶店にでも。
此の侭久し振りの外を満喫するというのであれば、それを止める事もしないだろう。
何方にせよ、そうして軽口を叩き合う二人は。
『何時もの様に』或る意味穏やかな時間を過ごしたのだろうか。
■ラヴェータ > 「ああ考慮しておこう
それで貴様の調子が良くなるのであれば一考の価値はあるのでな
まあどの道大したものは用意できんだろうからあまり期待はするなよ」
尊大な態度とは異なった思いやりの心を感じさせる返し。
彼のやる気は本当に糖分によると思っているわけで。
ならば糖分を与えて元気にしたいと言ったところ。
「...好きにしろ」
一本取られたな、と苦々しい感情を押さえ込みそっぽを向いて。
少しぐらい我慢すれば良かったななどと後悔しており。
「そうだな、甘味とやらも魅力的だしな。ここから離れて食べ損ねるのも損だ
手伝ってやろう」
ありがたく思え、と尊大な態度をとりつつ立ち上がり理央の後を追う狐。
言葉の裏にあるかすら定かではないその本心がどういうものなのかは本人のみぞ知る。
ご案内:「落第街大通り」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からラヴェータさんが去りました。