2021/03/09 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
「…多少は鼬ごっこの様相を呈するとは思っていたが。
落第街の連中は相変わらずタフというか
しぶといというか…」
落第街の一角。大通りとスラムの狭間に位置する雑居ビル。
検問を敢えて通過させた車両が数台、此の場所を訪れていた。
それ故に、強襲的な意味合いも兼ねて単独で乗り込んだのだが。
蓋を開けてみれば、細やかな違法薬物と武器。
後は、酒だの煙草だの食料品だの。
所謂、嗜好品と呼ばれる物が山積みされているだけ。
「……こんな物を押収したところで…」
しかも、廃ビルを管理していた少数の者達は自分の姿を見た瞬間
蜘蛛の子を散らす様に逃げ出してしまった。
その為、此の場所を管理していたのがどういう組織だったのかも
分らずじまい。
残された荷物の搬出記録を見れば、不正規なルートで搬入された
物資である事は間違いないのだが。
「……あ、この缶コーヒーこっちじゃ廃盤なのに。
本土じゃ生産してるのか。
というか、こんなもの仕入れてたのか…」
廃ビルの中を進んでいれば
山積みの段ボール箱から見つけ出した缶コーヒーを一本拝借。
プルタブを捻る音が、人気のないビルの中に響くだろうか。
■神代理央 >
今回は、顔を見られただけで逃げられてしまったので
砲火を振るう間も無かった。
おかげで、廃ビルの調査は楽で良いのだが情報が集まらない。
(いやまあ、自分がこういう情報収集に向いているとは
露程も思わんが…)
足で稼ぐのは嫌いでは無いが聞き込みは苦手な類。
まあ、それは自業自得な面もあるのだが。
缶コーヒーを煽りつつ、何か面白い物でも転がっていないかと
若干宝探しの気分でその辺りの物資や段ボールを覗き込む。
ご案内:「落第街大通り」にラヴェータさんが現れました。
■ラヴェータ > 「『私が情報収集には向いてるとは思わんが...』
だろう、理央?」
少年が覗き込んだ段ボールの中にちょこんと座って少年の顔を見つめる一匹の白い狐。
獣の姿であるため細かい表情は表せないはずだが、それでも滲み出る嘲りを浮かべていて。
獣の姿であればその煩わしさも半減であろうか。
「ここの奴らもなかなかに運が悪いな
違法とはいえ細々やっていたのであろうに、貴様に見つかってしまったがために...」
同情のどどころかdの字すらない同情の言葉を散っていった蜘蛛の子らに向けつつ、箱の中に顔を突っ込んで何かないか漁り始めて。
■神代理央 >
「……人の内心を言い当てるのは余り良い趣味とは言えぬな」
段ボールの中に現れたのは、監査対象の少女――もとい狐。
見事に内心を言い当てられたのが少し悔しかったのか
わしゃわしゃと狐の頭を撫でるのだろうか。
「大掛かりにやろうが細々とやろうが違法は違法。
運が悪かったという点には同意するが、同情の余地は無い。
それに、大した荷物を扱っていた訳でも無さそうだしな」
狐が箱を覗き込めば、其処にあるのは缶詰や酒。
保存がきく食料等々。
落第街の住民にとっては生活必需品と言えるものでも
少年にとっては粗大ごみも同然。
生活委員会に引き渡して支援物資にしてしまうか
程度のものでしかない。
「流石にペットフードの類は無かったと思うがね。
何かお気に召したものがあったかな?」
■ラヴェータ > 「図星か?理央
まあそれもそうだな
どうせ落第街の素寒貧どもにとってはこの程度はあっても無くても同じか」
撫でられていることは気に介せず箱の中を漁り続けて。
少年が好みそうな甘味...果物の缶詰でもあればよかったのだが、落第街の住民にとって必要なのは果物ではないためか、見当たらず...
適当に鯖缶を一つ咥えて箱の中身の一番上に置いて。
「ペットフードなど私は食わんさ
にしても甘味の一つぐらいあってもいいだろうに
ところで理央、鯖とはうまいのか?」
鯖缶をカリカリと引っ掻きながら少年に問うて。
■神代理央 >
「此の街では、甘味は高級品なのかもしれんな。
無い、とは言わんだろうが…そういうものを楽しむ余裕は
最下層の住民達にはあるまいさ」
小さく肩を竦めれば、狐がおり出した缶詰に視線を向ける。
「……鯖?まあ、私は嫌いではないが。
食べてみるか?というか、人の姿に戻れば缶詰程度空けられるだろうに」
何て言いながらも、狐が取り出した缶詰に手を伸ばせば。
プルタブ型のそれを軽く持ち上げて、小気味よい破裂音と
共に、缶詰の蓋が開かれた。
「……甘味と言えば。先日は丁寧な甘味を有難う。
美味しく頂いたよ。よもや、お前がああいうイベント事に
手を出すとは思っていなかったから少し驚いたけどな」
バレンタインの際、引き出しに入っていた義理チョコ。
その礼を告げながら…少しおかしそうに、クスクスと笑うのだろうか。
■ラヴェータ > 「ああ、他の魚は食ったことはあるが鯖は食ったことがない。なんなら缶詰の魚というものも初めてだ」
持ち上げられた缶詰に視線を向けつつ尻尾を揺らす。
本来の姿が獣である少女にとって魚というだけでもそれなりに期待値が高いらしく期待が見てとれる。
「ん?ああ、バレンタインのあれのことか
なに、かまわんさ。普段貴様にはなんだかんだ世話になっているからな
美味かったなら何よりだ
ホワイトデーとやらの返礼を楽しみにしているぞ、理央」
缶詰が開き、独特の匂いがあたりに漂えば鼻をひくつかせて匂いを嗅いで。
すでにひと月近く時間が空いてる話を持ち出されればふふん、と言葉に反して感謝しろと言わんばかりの態度をとって。
その上返礼を要求する始末で。
そして、それを早く食わせろとばかりに少年と鯖缶を交互に睨み付けて。
■神代理央 >
「そうなのか?缶詰を食え、とは言わんがお前の食生活については
些か改善の余地があるかもしれんな…」
もう少し栄養バランスの取れた食事を指導するべきだろうか。
しかし、魚を食べないから不健康という訳でも無し。
ふーむ、と悩みつつ――
「…現金な事だ。とはいえ、返礼が無いのでは無礼に当たるでな。
まあ、期待しておけ。なるべくお前の喜ぶ物を準備しよう」
チュール各種一箱ずつで良いんだろうか。
とか、そんな事を考えながら期待の視線を向ける狐と
缶詰を交互に見比べる。
「……此処には皿とか箸などという文明的な道具は無いが…。
いや、その姿なら気にしなくても良いのか…?」
取り敢えず、狐の傍に缶詰を置いてみる。
所謂、鯖の味噌煮というやつ。表ではありふれた食料品だが
此方ではそれなりに値が張ったりするのだろうか。
食べさせるにも道具も無いしな、なんて周囲を見渡しつつ
其の侭でも食べられるだろうか、と言いたげな視線を
向けているだろうか。