2021/06/07 のログ
ご案内:「落第街大通り」にパーシャ・ドルジェヴァさんが現れました。
パーシャ・ドルジェヴァ > 「…さて」
今日も今日とて情報集め。とはいっても情報屋との繋がりはまだないので足で稼ぐ。
欲しいのは表向きの情報ではなく裏向きの情報。

隠されている真実の探求。隠された真意の暴露。

大通り故、路地裏よりはまだ治安が良い。とは言ってもどんぐりの背比べではあるのだが。

『物乞い』がいるだけマシではあるのかな?治安が酷ければ物乞いなんてするより盗んだほうが早いし。

「っと」

どん、と。肩がぶつかる。瞬間、パーシャはぶつかった相手の腕を取り、ぐるりと捻って足を掛け、引きずり倒し、腕の関節を極めていた。

その手には、ダミーの財布。

「……」

どうせここに風紀は居ない。極めた腕をベキリと折り、財布を取り返す。

財布を上に投げて弄びながら、鼻歌を歌い、悲鳴を背景に歩いていく。

傍から見れば火遊びしに来たギャルっ子だ。

パーシャ・ドルジェヴァ > 「~♪」
さて、今日は情報屋が引っかかるだろうか。

私の異能を抜く識者は現れるだろうか。

私の腰にあるナイフと懐の銃に気付く者はいるだろうか?

情報屋と思しき店に目を向ける。

奇異の目は、無い。

ハズレ。次。

パーシャ・ドルジェヴァ > 「というか、表立ってやってる情報屋って大抵当てにならないのよね…」
情報屋をやっているということは、それだけ価値のあるものを保持しているということだ。それを表立ってやっているのは、大したことのない情報しかないか、裏の繋がりがあって狙われる心配が無いか、狙われても問題ないぐらいに屈強かのいずれかだ。

その点、ここはわかりやすくていい。狙われる場合、如何な攻撃が飛んでくるかわからないが故に、表立っているのは大抵信用ならないと教えてくれるようなものだ。

そう考えて、ふと路地裏に行くべきだったか、と悩み始めた。

パーシャ・ドルジェヴァ > 「はー、事前情報も現地員もないとかマジ…?」
パーシャは使命を帯びている。

だからこんな治安の悪いところで歩いている。

場違いに着飾った彼女が、それらしく見えるのは、彼女の『異能』故だ。

場違いな彼女に気付けるのは…治安の悪い所に精通している者か、数多ある情報を取り扱う者ぐらいだろう。

鞄から飴玉を取り出し、口に頬る。コロコロと舐めながら、店を見て回っていく。

パーシャ・ドルジェヴァ > 「………どうするかなぁ」
引っかからない。
このままでは無駄骨になる。

とはいえ情報屋の質を下げるわけにも行かないし…………うーん。

そこら辺の情報屋に聞いてもいいけど…金は無駄に使いたくないしなぁ…

難しい…

パーシャ・ドルジェヴァ > 「……んー。」
鞄からスマホを取り出す。
通知なし。時間は九時半を過ぎたぐらい。

まだまだ時間はある。寮の門限が過ぎたとて窓から入るから問題なし。

なにか、いい方法、無いだろうか。暇だし時間の無駄だしどうにかしたい。

ご案内:「落第街大通り」に『虚無』さんが現れました。
パーシャ・ドルジェヴァ > 喉が乾いた、と思った。

しかし、自販機がない。

それもそうだ。こんな治安の悪いところじゃ自販機なんてあるはずがない。

仕方ないので店を探そうとしたところ…何かが、目に入った。

『虚無』 >  
 いつも通りの巡回。その最中見かけた相手は色々と不自然だった。
 場違い、火遊び。そんなイメージを受ける。だというのに周りの人物は彼女など気にも留めないような目線を送る……普通あんなのが入り込めば襲われる。金という意味でもそういう意味でもなくても。
 なるほどと思って無防備に近寄るとボソとささやくように声をかける

「……お前、普通じゃないな。そんな姿なのに気にも留められないなんて色々と不自然だからな。どんなタネがある?」

 周りには聞こえないように。しかし彼女には聞こえるように。
 マスク越しに見えるその目は普通の青年の物に見えるだろう。だが彼女がこの場において場違いだと見抜いたそれは彼女のお眼鏡にかなうのだろうか。

「まぁ、どちらでもいいが。あんまり挑発するのは感心しない。俺みたいに見抜く奴は見抜く……それとも……それを釣っているか?」

 どっちかはわからないが。むしろその可能性が高い選択肢。あえて見抜く相手を釣っているのではないか。それを訪ねた。
 

パーシャ・ドルジェヴァ > 「……さぁ?どうなんでしょう。『ここのことはよく知りませんから』」
ようやく、だ。敢えてとぼける様子を見せ、且つ『部外者』であり、『知りたいことがある』ことを伝える。

これで『当たり』なら良いのだけれど。『ハズレ』だったらどうしよう、などと考えながら。

「出来れば、『案内』してくれると嬉しいのだけれど。」

ニコリ、と微笑みかけながら。鞄を肩に掛け、両手はフリーに。
立ち振舞も、自然に見せつつ隙を無くす。

じ、と。マスクの奥の目を見据える。

『虚無』 >  
「ほう?」

 相手の様子を見る。手ぶら、まさか。ここまで何らかの準備をしておいて素手などあり得ない。
 そしてあえて部外者を強調するような発言。
 この手の場合本当の意味で世間知らずかもしくは外部のスパイ。例えば海外マフィアだったり表の企業が利権を求めてスパイとして派遣してきたか。
 どうすっころんでも面倒な相手という事に変わりない場合が多い。

「変な女だな。行先も告げないで案内などできるわけがないだろう。外へ出る道ならここから東だ。俺としてはそれをお勧めする」

 と言い放つ。それでおとなしく帰るわけがないだろうが。
 それから目を細める。

「素手で来て無事帰れる場所じゃない……もっとも本当に素手なら。だがな。まぁいい何が言いたいかというとだ」

 ふぅと息を吐きながら目を閉じる。
 そしてゆっくりと目を見開く。

「この街では何かを求めるなら相応の対価を示す必要がある。金であったり情報であったり……それが無理なら強引に奪うなんて方法もあるが。さて、どれを選ぶ?」

 そちらの情報を全て隠したまま案内だけをするほど安くはない。そう暗に言い返し口の一切をつぐむ。
 見るだけならば完全に無防備。構えすら取らず別に手などに意識を向けることもない。油断? 否、能力のおかげもありこの距離ならば構えなどなくとも防御だけならば可能だからだ。

 

パーシャ・ドルジェヴァ > 「……ふぅ。『当たり』でよかった」
思わず心の声が漏れる。少なくとも『現状』は敵対の意志がない。で、ここに精通もしている。

「案内して欲しいのは本当ですよ。全く、表はゴミばっかりで嫌になっちゃう」

そう、気づきもしない有象無象ばかりで。何日か歩いてようやく見つけたのだ。『気付ける人』に。

「求めているのは『表に出ないもの』。対価は…まぁ、情報は無いのでお金になりますかね。穏便に済ませたいですし」

正直な話、異能を相手にして勝てる見込みが殆どない、というのが現状だ。そう言ったモノに対する訓練は受けていないし、しようがない。ここ常世の外でやれるのは出来て対人、対兵器ぐらいだ。

「貴方とやっても勝てる気はしませんからね」

『虚無』 >  
「お眼鏡にかなったのがどの点かわからんな……まぁいい」

 別にその辺はどうでもいい点だ。そんな細かい事を気にしていてはキリがない。
 彼女の要求を聞けばふぅと息を吐き出す。

「いくら何でもおおざっぱすぎる。表に出ない物などいくらでもあるぞ」

 近くの柱にもたれかかると指を4本。
 一言いう度にひとつずつ折っていく。

「表に出ないような質の悪いドラッグもある。あり合わせで無理やり作った銃もある。人を売るルートだって表には出ないだろうし。そもそもがこの街自体表向き無い街だ。正確に言えば普通の町扱いとしてのこの町は存在しているがこんな犯罪の温床としては存在していない」

 だから案内も何もない。と言い放ちポケットに手を入れる。
 それから相手に目線を投げかけて。

「で、大方お前が探しているようなもの。つまり超兵器らしいのや高額の金なる木としての表に出ない物ってのはそもそも誰も知らないケースが多い。どこかの組織が握りつぶしていたりしてな。それを知りたいなら冗談抜きで組織をつぶすとかしない限り不可能だ。どうしても欲しいなら黄泉の穴を調べるんだな。命の保障はないが」

 と言い放ってから目線を外す。

「金は要らない。というより取れるような情報を出せていないし。そもそもが俺は情報屋じゃないからな。だからそうだな。代わりにこれを聞かせてほしい。そんな表に出ないようなものを知ってお前はどうしたかったんだ?」

パーシャ・ドルジェヴァ > 「…正直思ったことを口にするならば、貴方が言う『素手で無事に帰れない』場所で『ポケットに手を入れる余裕がある』という時点で結構な力があると思うんですけどねぇ。」
知りたかったことがザクザク出てくる。つまりここは、『意図されて無法地帯に近い状態になっている』ということだ。

普通の街扱いをされているということは、隠されていることが多いということ。

「どうしたかったか、ですか。そうですねぇ…一応仕事なんであんまり言わないほうが良いんですけど。『深く知る』ことですかねぇ。タダで教えてくれたお礼です。誰にも言わないでくださいよ?」
その情報から、更に深く。推測ではなく、実測で。つまりはスパイだ。

『虚無』 >  
「能力が能力でな。防御系の異能だから逃げる耐えるだけなら問題ない」

 自身の能力の本当の姿までを話す理由はないだろう。だからそういう事にしておく。まぁこれもまんざら嘘ではない。攻撃にも転用できるだけであって自身の能力の根底は防御系の能力だ。
 そして相手に目線を移した。ある意味初めて興味を持ったといった視線だ。

「なるほど、仕事ね。飼い主はどこかの組織か企業か。わざわざ調査員を放つ。しかも特定の情報じゃなくて街そのものを調べさせるってことは新規参入狙いか」

 当たりか? と言わんと軽く首をかしげる。
 そのまま上を見上げる。夜の帳が下りたその空を見てポツリと。

「飼い主にくれぐれも伝えておけ。火遊びはほどほどにとな。あんまり大火事起こされたら色々と面倒な事になりかねない」

 と言ってそちらに顔を向ける。その目は明らかに裏の住人の目だった。

「この街にはもうある程度の秩序が出来上がってる。もしそれを逸脱すればあちらこちらから攻撃を受ける事になる……そうなればその飼い主も無事では済まないだろう」

 自身達の事は伏せる。相手がどこかのスパイならそれを伝える必要はない。だが秩序があること、そしてそれを破ればひどい目に合う。それだけは告げておく。

「まぁそういって止まるような奴らならそもそもがこの街に来ないだろうが」

パーシャ・ドルジェヴァ > 「…いやー、まぁ、言われてることはごもっともで。なんせ『後ろ盾』が無いもんですから。」
潜入しているというのに、現地での支援が全く無い。ということは『何があっても助けは無い』と同義なのだ。

しかし。それでも。

『異能』や『魔術』、『怪異』といった未知に対して手をこまねくということも出来ない。
それを逃せば、圧倒的不利に立たされるのだから。

「ここの秩序は乱すつもりはありませんよ。『とんでもない厄ネタ』がなければの話ですが」

ダミーを噛ませているとはいえ、一応国に属する組織の者だ。いたずらにパワーバランスを狂わせることはしたくない。

『虚無』 >  
「とんでもない組織だな。違う組織に寝返る事をお勧めするぞ」

 正体不明の場所を調査するのに後ろ盾も何もないというのはいくら何でもめちゃくちゃだ。そんな組織さっさとやめてしまえと簡単に言った。
 そんなことできない事など100も承知なのだが。
 その後の発言を聞き。溜息を吐き出す。

「むしろ厄ネタじゃない方を探す方が難しいと思うんだがこの街は」

 右を見ても左を見ても厄ネタだらけだろう。
 その町でとんでもない厄ネタが無ければ秩序を乱さないなど乱しますと同意に聞こえるわけで。

「そもそもが外部から新勢力って時点で厄ネタすぎる」

 なんの保障にも聞こえないなと言い切って柱から離れる。

「まぁ、応援はしないが。せいぜい無事に帰れる事を願っているさ。俺としても知り合いの死体を見たくはないからな。もし完全に裏切るつもりになった時に俺に会えたらその時にまた色々と話をしてやる。少なくとも部外者に話せない情報はいくつかあるからな」

 と言うと歩いていく。呼び止められなければそのまま去っていく事だろう。

パーシャ・ドルジェヴァ > 「とんでもないものがみつかれば、ですよ。それ以外じゃ自分の身が可愛いので調べる程度で済ませます」
それでも棺桶に片足突っ込んでることには違いないが。

「まぁ、頑張って生き延びますよ。犬死にだけはゴメンですからね」
そう言って、踵を返す。

ご案内:「落第街大通り」から『虚無』さんが去りました。