2021/10/14 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
「愉快な事だ」

落第街の奥深く。
其処で起こっている騒ぎは、既に此方にも情報が入っている。
というよりも、起こるだろうと予想して監視を配置していたのだ。
情報という点においては、まあ、嗾けた此方の手が早いのは
先ずは一安心というところだろうか。

「しかしまあ…随分と派手に暴れまわるものだ。
予想以上、と言うべきか。手綱を握ろうとせずに正解だったな。
此方に得は無くとも、敵には損しかない。ならば、差し引きで
我々の方が有利に立てる」

公安の剣客。
怪異の少女。
今回は『風紀委員会』として大掛かりに動いている訳ではない。
寧ろ、炊き出しの護衛だの支援物資の配布だの
落第街に寄りそう方向に舵を切っている。

「力任せでは統治も出来ぬか。勉強になるな、色々と」

落第街の一角。
先月、特務広報部が制圧した違反部活の拠点であった廃ビル。
その屋上でのんびりと煙草を吹かしながら、唇を歪めて、嗤う。

神代理央 >  
怪異を投入する事による敵対組織の弱体化。
している事が些か父親と似てきた気がして、少し思う所が無い訳では無いのだが。
それでも、風紀委員会の評判は下がらず。
無益な犠牲は出ず。
敵の組織は弱体化…まあ、大した影響は無いかも知れないが。
まあ、影響を与える事は出来る。

「……監視を継続しつつ、余り不用意に近づき過ぎるなよ。
不用意に近づけば、落第街の住民と同様に彼の世行きだ。
そうなりたくなければ、周囲の状況だけ随時報告を入れていればいい」

後は、適当なタイミングで落第街に再び支援の手を出す。
無理に表に引き摺り出そうとすることもしない。
ただ、其処で暮らす為の支援を与える。
風紀委員会の為の『美談』を準備する。

「……問題は、伊都波先輩の救出作戦に影響が出ないかどうか、だが…」

一番の目的は其処である。
其処が遠ざかっては、本末転倒なのだ。
支援活動と合わせて落第街の一区画を制圧してしまうのもいいかもしれない。
何せ此方は、未だ『動いてはいない』
手札は、幾らでもある。

神代理央 >  
…まあ、暴れまわって貰えるのは良い事だ。
これで情報が出て来れば良し。
情報が出なくとも、公安が動きやすくはなるだろう。
先ずは綻ばせれば良い。最初から、一気に解こうとするのは
自分の悪い癖なのだから。

「…その方が楽だし、そうする方が向いてはいるのだがね」

何とも無しに零した独り言。
とはいえ、貰った『手紙』は己の激情を沈めるには十分だった。
沈める、というよりも考える時間を設ける余裕を得られたと
言うべきだろうか。
何にせよ、感情に走りがちなのも己の悪い癖。

「………悠長に事を構えるつもりはない。
しかし、事を焦って失敗するつもりもない」

彼女は、恐らく『人質』なのだ。
或いは、情報源、だろうか。
何にせよ、今の時点で未だ犯行声明が出ていないということは
少なくとも、殺してはいない…筈だ。


「……であれば、やりようは幾らでもあるさ」

神代理央 >  
"襲撃"は終わったらしい。
余程大急ぎで撤退してきたのだろう。
息も絶え絶え、という様な部下から入る、通信。

「…御苦労だった。其処かしこに火の手が上がっているな。
其処に人員を出す。近隣にビーコンを設置した後、撤収しろ」

これで、今夜は十分に仕事を果たした。
また暫く忙しい日々が続くだろうが…先ず、一手打った。

それに対する反応は、此方に見えるものか。
それとも見えざるものか。
何にせよ――

「……努力せねばならんな。今まで以上に」

ぽつりと零した言葉。
暫くすれば、廃ビルの屋上から少年の姿は消えていたのだろう。

ご案内:「落第街大通り」から神代理央さんが去りました。