2021/10/17 のログ
火光雷鳥 > 一番痛いのは、完全に油断して寛いでいた所からのちょっとコンビニ行ってくる、なノリだったので友人から貰ったガムランボールのお守りと指輪が未装備なのである。
…ついでに異能制御用に買ったグローブも勿論持っていない。携帯と財布くらいしか無い。

(…やべぇ、何かあったら俺の人生詰むんじゃなかろーか?)

いや、死ぬならせめて童貞卒業しておきたいし人の頭の中に居るやべー奴の問題を何とかしておきたい。
大体、『門』やら『龍』やらちょっと俺は凡人で居たいのでそういうぶっ飛んだのは他所に分けて欲しいのだけど。

と、懊悩していてもしょうがないのは流石に分かっている。ちょいと現実逃避したい気持ちだったんだ…と、いうか大通りは分かるが具体的にどの辺りかもさっぱり分からぬ。

「あ、ちょっと泣きそう…ついでに吐きそう…。」

思わず壁に手を付いて項垂れる。神様仏様、俺なんか悪い事しましたかね?

火光雷鳥 > 「…よし、吐きたいけど我慢だ俺。ちょっと涙出てる気がするけどファイトだ俺!!」

と、少し情けないが気合を入れて一息。そこでやっと周囲を見渡す余裕が出来た。
どうやら”比較的”治安がマシなのは嘘ではないようだ。油断したらカツアゲくらいされそうだから怖いのに変わりは無いが。

(…つーか、お守りも指輪もグローブもねぇから本当に体一つでいざとなったらどうにかするしかねーのか……無理ゲーじゃね?)

頭の中の自称『龍』のクソ野郎はこっちを煽るだけで話にならないし、異能はグローブ無いと制御が不安だ。
戦闘経験はそもそも喧嘩レベルがせいぜい…いや、友人に扱かれてちょっとは動けるようにはなってるが。

「…かといって、また何時ぞやみたいに腕がドラゴンみたいになっても困るしなぁ。」

俺の体は大丈夫なんだろうか?両親普通の人間だから俺も普通の人間の筈なんだけども。

火光雷鳥 > 「どうしてこうなった…つーか、異能の制御出来ればそれで良かったのに段々とアレな方向に向かってねーかな、俺…。」

それでも自分は『凡人』でありたいし、それ以外になりたいとは思わない。
そこだけは、ちょっと情けない自分でも一貫しているポリシーみたいなもの。

と、しんみりしても事態は何も解決しないのが現実である。
取り敢えず嘆いてもしょうがないし、多少なり心理的余裕は出来た…かもしれない。

「取り敢えず突っ立っててもしょうがねーし歩くしかねーか…あ、いや建物の屋根とかに登れば周辺見えねーかな?」

と、言うが気軽に登れそうな建物が近隣に無さそうである。コンビニに行こうとしなければ回避できたんだろうか?この事態。

火光雷鳥 > こういう時、魔術とか使えればいいんだろうけど…生憎、自分は魔術の才能がゼロらしい。
…魔術の才能がゼロらしい。大事な事だから二度繰り返しておく。
しかも異能はただの発火能力だ。何か何処かのクソ親父が何時の間にか大仰な名前で登録してたけど。

(せめて、俺の頭ん中の奴の力を借り…たくはねーけど、利用すれば帰れるチャンスが多少なりあるとは思うんだけどな…。)

アレと交渉出来る自信は皆無だ。と、いうより人の頭の中に居る”コイツ”はどうも俺に死んで欲しい節がある。
と、なると当てになんて出来ないし、借りを作ったら後が怖そうだから正直嫌だ。

「…ってこたぁ、やっぱり落第街初心者兼凡人の意地でどうにかするしかねーのか…ちくしょう。」

また泣きたくなるが我慢だ。男の子はそう簡単に泣いてはいけない!あと吐いてもいけない!!

火光雷鳥 > ランダム強制唐突ワープの謎体質に魔術適性ゼロの体。
異能はただの発火能力で頭の中のやべー奴は今は役に立たない。
何かもう色々と詰んでる気がするけど、生憎とここで野垂れ死にしたくはないので、どうにかあっちまで戻るしかない。

ちなみに、既に彼の目指す『凡人』からとっくの昔に外れてはいる。
けれどどんなにアレだろうとその気質だけはせめて『凡人』でありたい。
それだけが己の誇りでポリシーだ。強い力だとか凄い叡智だとか、そんなものは”全くいらない”。

「…あーちっくしょ。ならやっぱり自力でどうにか脱出するしかねーじゃん。」

見知った誰かが通り掛かる幸運はそうそう無い。土地勘もないから現在位置も分からない。
それでも足掻いてもがいて何とかするのが人間というものだろう。

まぁ、気取った感じで飾ってはみたが、要するに…早く部屋に戻ってゆっくりしたい。それだけだ。
取り敢えず、大通りをこのまま歩いていけばいいんだろうか?何か更に奥まった方に行きそうな気がしないでもないが。

火光雷鳥 > 「…いや、でも前に雨見先輩とかユラに助けられた時は路地裏通って案内された気がするし…むしろそっち行くべきか?」

路地裏とか正直怖いんだけど、このまま大通りを歩き続けてもあかん気がしてきた。
取り敢えず、丁度通り掛かった路地裏を覗き込む…当然明かりなんてものはない。
…明かりの代わり…と、なると自分の異能でどうにか…いや、でも制御不安定だが大丈夫か?

「つっても、明かりも無しだときついしな…やるか。」

息を整えつつ、本来は視線誘導で発火するタイプの能力だが、そこからの応用。
己の手足に炎を纏う。グローブがある時は割と難無く出来ていた事だ。
取り敢えず、右手の人差し指からライターみたいに発火するイメージ………上手く行った!

「…お、おぉぉ…俺ってば少しは成長してる?前は無理だったんだが。」

地味に感動しつつ、指先に点した小さな火を明かり代わりに路地裏へと踏み込んで――…

火光雷鳥 > ――そして、そこから道に迷うわ変な連中に追い掛けられるわ、異能の制御狂って放火未遂するわ…と、まぁ色々あった挙句。

都合、5時間程度経過して漸く奇跡的に落第街を抜けて歓楽街辺りに出れたのは別の話である。

ご案内:「落第街大通り」に火光雷鳥さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」から火光雷鳥さんが去りました。