2021/11/11 のログ
ご案内:「落第街大通り」にアージェントさんが現れました。
アージェント > 濡羽の空と混ざるような風貌をした者が月下を彷徨う。
チラチラと覗く白色の眼光は普段併せ持つ感情を含んではいない様である。
普段ならば建物に隠れて見えないであろう月が煌々と目元を照らすのが何よりの原因でもあるだろう。

ぐっ、と気持ち力を入れ、腕を上に伸ばす。

「…あまり、こういう事はしたくないんだけどなぁ」

月に翳すようにして照らされたハートの8のカード、そこには印刷によって彩られた綺麗な赤とは異なった、また違う色の赤が付いている。
腕を下ろしながら、その赤を親指で拭い、懐にしまう。

「まぁここまで連れてこられると思わなかった…ってことで」

少しばかりため息をつき、また歩みを進める。

アージェント > 歓楽街での一件、カードの位置が調整されている事―――イカサマに気が付いたのが始まりであった。
普段の職業柄が幸いしたのだろう。その卓を降り、付近の従業員に耳打ちし、イカサマ師をそのままカジノ奥へと連れて行かせる。
まぁ、往々にしてあるものだと思いながらカジノを出たら、なんだか怖そうなお兄さん方が居たという訳だ。あぁ怖かった。

「歓楽街で済ませておくべきだったかな…?」

歓楽街にて多少名の知れてしまったであろうボクの首を飛ばしに来たのだろう、
そのまま目につかないであろう落第街の路地に連れていかれ、今でも思い出せるほどの下卑た笑みを向けられ…。
その結果敢無く乱闘、カードの縁に淀みを付与することとなった。

「にしてもスマホ…やっぱり充電がないなぁ」

そのまま家に帰れると思って充電を節約しなかったのが仇となり、マップの代わりに反射した月が映る。
土地勘が無く、軽めの落胆を味わってる最中、幸いにも大通りへと出られたものの状況はあまり変わらず。