2022/02/25 のログ
ご案内:「落第街大通り」にスティールバイソンさんが現れました。
スティールバイソン >  
壁を蹴りつける。
粉砕された壁の破片が塵となって舞い上がる。

「オウオウ、ここには通行料がいるっつってんだろ」
「オメーみたいなココに迷い込んだ一般人っつーの?」

「そういうヤツは特にいるんだよ」

どういう学生かはわからねぇ。
だが男女が落第街に迷い込んだとあれば。
一発ビビらせてやろうって気にもなるじゃねぇか。

「大体よぉ、女連れってのが気に入らねぇ」
「もしデートのオマケに肝試しってノリで来たんならよぉ……」

わかるよな? と男のほうを睨みつける。
カツアゲだ。八つ当たりでもあり、腹いせでもある。

スティールバイソン >  
チッと舌打ちをしてその辺に唾を吐く。

「時間切れだ、通行料がアップするぜ」
「財布。置いてけよ」

破顔。哀れな子羊たちを嘲笑う。

「それでぶん殴られなくて済むんなら安いだろ?」

腕組みして一般学生たちを見下ろす。

「それとも……」
「テルミナスセブンのスティールバイソン様の名前に聞き覚えがないのか?」

「痛い目見たいとワカんねェってことだ……」

拳の骨をわざとらしく鳴らす。

スティールバイソン >  
腕時計を見る。まだ夕方。
ちょっとからかってやるか。

「テルミナスセブンの行動原理を教えてやる……」

「一つ、リソースは有限、奪い取れ」
「二つ、間抜けはカモ、盗み取れ」
「三つ、舐められるな、勝ち取れ」

ガハハと笑って少年の肩を平手でバンバン叩く。

「さぁてさて………この場合、奪い取られるのは誰かな?」

ああ、楽しいなァ!!
バカなガキをビビらせるのは!!

「財布がなんだ、帰ったらパパとママに泣きつきゃいいだろ」
「俺様にぶん殴られて鼻の骨が折れでもしてみろ?」

「金じゃ得られない経験ってヤツになっちまうぜぇ…サイテーのな!」

女の方を見る。
可愛いじゃねぇか。
こんな子を連れていい気になってんの、フッツーにムカつくぜ。

スティールバイソン >  
足元のレンガを一つ拾う。

「お前、鼻は効くほうか?」
「鼻だよ、鼻………匂いがワカるか聞いてんだ」

そのままレンガを握り潰し。

「顔面を強打するとな……」
「匂いが一生わからなくなることがあるらしいぜ……」

「試してみるか、なぁ!!」

大声で恫喝して。手をぱっぱと叩いて塵を払う。
周囲の人間がこっちを見ている。

「なんだテメェら!! 見世物じゃねぇぞ!!」
「ショーマン気取りなんざダスクスレイの野郎だけで十分だ!!」

そうだ、ダスクスレイ。
忌々しい目立ちたがり屋。
あいつがいなくなったおかげで。

俺たちテルミナスセブンはやりやすくなった。

スティールバイソン >  
その時。
額に石が当たった。

「……!?」

落第街、それでも大通りで行われる無法に住民が石を投げたのか。
痛くも痒くもないが、頭にくるぜぇ!!

「テメェら……!!」

拳を握る瞬間、目の前の二人組まで俺様に石を投げ始めた。

「オッオッオッ!?」

ある者は抗うために、ある者は面白半分で、ある者は鼻つまみ者を排除するために。
俺様に石を投げつけてくる。

「そうか……そんなにまとめてブチのめされてぇか!!」

激昂した瞬間、風紀委員が三人。
警笛を鳴らしながら近づいてくるのが見えた。
畜生、タイミング良すぎんだろ!!

「クソぉ!! 覚えてろよテメェら!!」

さすがに多勢に単騎はやりたくない。

背後から石を投げつけられながらその場を逃げ出した。

ご案内:「落第街大通り」からスティールバイソンさんが去りました。