2022/04/27 のログ
ご案内:「落第街大通り」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 落第街の一画にあった、全てが灰となったどこぞの組織の跡地を眺めた後の帰り。
ふわりと優美で甘いローズの香りを漂わせながら大通りの端を歩く月色。
なるべく目立たないよう歩いてはいるが、纏う香りと見目の良さ、立ち振る舞いが裏に住む者のそれではない。
『……。』
厄介事を持ち込みに来た訳でもなければ、厄介事に巻き込まれに来た訳でもない。
ただ、己が関わった場所がどうなって居るのかを見に来ただけだ。
自身の身を守る術は持ち合わせているが、なるべくなら何もない方が良いに決まっている。
ヒールが地面を叩く音を響かせつつ、やや足早に。
■セレネ > 夜空に浮かぶは細い三日月。そうなると月の初めは新月か。
今月の初めも新月だった。そう、先程訪れていた跡地がまだ地獄絵図だった時。
黄緑髪の彼に始まり、自称探偵の男、そして自意識過剰な少女等。
様々な縁により己の器は死なずに済んだ。
…己からすれば、器には然して執着などしていないのだけれど。
『…ほんと、物好きというか…お人好しばかりよね。』
紡ぐ言葉は異国の言葉。小さく鼻を鳴らして。
表側なら兎も角、此処は何があっても自己責任だろう裏側の世界。
にも拘らず、わざわざ世話を焼こうとしているのはお人好し以外の何者でもないと思っている。
――しかし、そのお人好し達に恥ずかしながら救われている女神だ。
なんと、情けない事か。
■セレネ > 無論、助力してくれた事は有難いと思っている。それを疎ましいと思う事は無い。
だが、同時にそういう助力…ましてや守る事は、人間相手…いや、死を恐れる者にすべきものだとも思う。
『力のない者は消えるのが常なのにね。』
弱肉強食、弱者は淘汰されるのが摂理だろう。
なのに、己は未だ消えずに居る。
こうして危険な場所に足を踏み入れても、幸いなのか偶然か、不運には恵まれていない。
――もしや、己は。いや、やはり。
伏せた蒼を上げ、歓楽街へ続く道へと香りを残して歩くことと。
ご案内:「落第街大通り」からセレネさんが去りました。