2023/02/03 のログ
ご案内:「落第街大通り」にシェン・トゥアールさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に飛鷹与一さんが現れました。
■シェン・トゥアール > 「いやあ、なんもかも話が違うんじゃないの~?」
落第外の一角、大通りはずれの廃墟ビルの前には、大量の人が集っていた。
そのほとんどは手に得物を持った不良生徒たちで、それに相対しているのは徒手空拳の少女である。
「こっちはさっきの写真の人を探してるだけでさあ、要するに浮気調査なんだよ。
やれ風紀に突き出すとか、殴り込みをかけたってわけじゃないんだから、
穏便に対応してくれてもいいんじゃあないのかね?」
せえっ特に相手の応じる気配はない。 じりじりとこちらを取り囲むように陣を組みながら、
包囲網を狭めてくる。
「うーん……」
ゆっくりと構え直しながら考える。 攻撃を退けることはできるが、
それなり…むしろかなりの労力を使うだろう。 目立つ真似も避けたい。
にじり寄ってくる不良性とたちを睨みつけながら、小さく唸り声を上げた。
■飛鷹与一 > 少年がその場面に居合わせたのは単なる偶然に過ぎなかった。
偶々、落第街にてとある違反部活の壊滅作戦が発令され、後方支援ー―狙撃役としてバックアップ。
その仕事も無事終えT、ついさっき諸々の報告も無線で終えて後は帰宅するだけ。
もうちょっと歩けば歓楽街との境界付近に辿り着く、という辺りでその騒動に行き当たった。
(――女の子一人に、分かり易い不良集団…と。手助けはお節介…かなぁ?)
一見すると、少女の方が大ピンチ、という構図だが何となく少女の方が只者じゃない気がした。
遠目からなので、あくまで率直な印象によるものだが間違いでもないだろう。
その気になれば、あの子ならあの程度の不良集団は秒で叩きのめすのも不可能ではない、と、思う。
(――風紀が介入して余計な波紋を広げるのもアレだけど、流石に見過ごせないし…なぁ。)
それに、こっちの業務は一応終わっていて、今は服装は風紀のソレだがプライベートな時間だ。
そのまま、そろりそろりと足音と気配を可能な限り消して近付いていく。
丁度、不良集団の背後から姿を見せれば、少女にだけ分かるように軽く手をヒラヒラ振ってから。
『 す け だ ち し ま す よ 』
と、彼女が唇の動きを読めるかは分からないが、そう語る。
もし、彼女が了承してくれそうならそちらの動きに合わせて制圧するつもり。
■シェン・トゥアール > 「話し合おう!というわけでもなさそうだしな…。ようし!」
覚悟を決めたとばかりに一声上げたところで、ちらりと視界の端に人が入り込む。
明確に”こちらに味方する”という態度を取ったとの人を見て、小さくうなずきかけた。
この状況では”他の人を巻き込みたくない”とも言っていられないし、
協力してもらえるならこれだけの人数もあっという間だ。
「いいか、みっつだ!みっつ数える間に手を引け! …その様子はないみたいだな。
数えるぞ…いーち、にーいー……」
不良生徒たちに言い聞かせるふりをしつつ、助っ人に伝わるように大きく声を上げた。
合図となる3カウントをゆっくりと叫びながら、自分も構える。
「さん!!」四方八方から殺到する不良生徒たちをいなすように、
ぱっと身を翻して、空中に跳んだ。
「今だ!」大きく声を上げる。 ”助っ人”がいいようにやってくれるはずだし、
残った相手は空中から打ち下ろさんとする構えだった。
■飛鷹与一 > こちらの意図は伝わったらしい、と判断すればそぉっと、両手を左右の腰のホルスターに添える。
そこに収納した自動拳銃。その銃に手を掛けつつ少女がわざと大きな声で不良集団に呼び掛けるのを確認。
(――さて、タイミングは…3,2,1…)
カウントダウン。少女のそれと呼応するように心中で刻みながら、何時でも銃を撃てる構え。
「――フッ…!!」
鋭い呼気と共に、少年の両手が銃を抜き放つ!
同時に、少女が空中に跳んで殺到した不良集団がもみくちゃになるのを確認。
「今だ!!」と、いう少女の言葉に了解、と心の中で頷きながら発砲。
予め、強化ゴム弾にマガジン内の弾丸を変えていたのもあり、非殺傷ではあるが…
(まぁ、打ち所が悪いと昏倒くらいはするけど…!!)
そして、少年の天性の射撃の腕前はかなりのもの。
直接、弾丸が後頭部や顎、眉間、鳩尾などにヒットしたり、或いは壁や地面を”跳弾”して思わぬ角度から当たったり。
最終的に、数人だけ残して他は全て昏倒や悶絶をさせていく――後の数人は、空中に飛び上がった少女に任せよう。
■シェン・トゥアール > 軽功…己の身を軽く飛び、木の葉のように中を舞う術である。
空に跳んだその一瞬で、バタバタと不良生徒が倒れていくのを見て、思わず唸った。
「お見事!」
一度にこれだけ倒されたのでは、彼らも何が起こったのかわからないだろう。
何が起きたのか、まだ元気な連中が事態を把握する前にまとめて空中から蹴りを叩き込んだ。
「はい終わり、着地も完璧ときた!」
ひらりと地面に降り立ち、両手を上げて華麗な着地のポーズ。
協力者である相手に軽く手を振って、もう大丈夫だと示して見せた。
「そこの人、助かったよ! 何しろコイツラと来たら数が多くてね、ダメかと思った!
もう大丈夫だから出てきてくれていい!」
靴とジャケットを直しながら、改めてお礼を言わんとする構え。
相手に対してきちんと挨拶をせんと、身だしなみをきっちり整えた。これでよし。
■飛鷹与一 > 「ふぅっ…!!」
こちらの仕事は果たした。何人か残ってしまったが、そこは空中に飛んだ彼女がケリを付けてくれるだろう。
と、いう訳で銃は構えつつ静観していたのだが、空中から華麗に、そして豪快に蹴りを叩き込んで残りの不良も見事撃沈。
見事に着地も決めた少女は、かなりの身のこなしであると同時に矢張り只者では無いと感じる。
まぁ、この島において見た目だけで判断するのは愚の骨頂なのだが、矢張り見た目というのは視覚情報的にもインパクトが強い。
「あ、いえ…余計なお節介とかで無かったなら良かったです。
丁度、仕事終わりに通り掛かったので気になりまして…。」
と、軽く手を振ってくれる少女にこちらも小さく笑みを浮かべて会釈を。
思い出したように、両手に提げていた自動拳銃を左右の腰のホルスターへと戻しつつ。
丁度、不良集団の背後の物陰から射撃していた形だったので、そこから姿を見せつつもふと気付いた。
(……えーと、チャイナ服…だよな?この子…露出度凄くないか?)
きちんと身だしなみを整えてくれたのは何となく分かるが、それはそれとしても元の服装の露出度が高い!
とはいえ、未成熟の幼女ボディなのでそこは理性でガード。むしろこれで欲情したら色々とマズい気がしないでも無い。
でも、格好が気になる辺りは男の子というか男子のサガというもの!
ともあれ、そんな葛藤はさて置き。
「えぇと、ここで話すのもアレですから、どっか落ち着いて話せる場所に移動でもしませんか?
ここに居ると、そこの連中が目を覚ましたり、万が一仲間とか来たら面倒ですし。」
と、一先ず、お互いの自己紹介とかは後回しでこの場をちょっと移動する提案をしてみよう。
■シェン・トゥアール > 「仕事終わりだって? そんな得物と腕があるんだ、ずいぶんと鉄火場もくぐってそうだな…。
気に入ったよ! いっぱい奢らせてくれ!」
相手の言葉に満足げに答えたところで、ちらちらと向けられる視線に首を傾げる。
きちんと身繕いはしておいたはずだが…と若干の不安を感じながらも、提案に頷いた。
「ちょうどいい店があるんだ。 結構でかい店でこの辺に幅が利く。
水餃子と点心がうまいんだ。 学生さんだろう、満腹になるまで食べていいからさ!」
手招きしてからくるりと身を翻し、大通りの方へと歩いていく。
大通りに面したところにある大きな中華料理屋へと少年を誘導する途中で、気安く声を賭けた。
「しかし、ずいぶんといい腕だったなあ。 学園の生徒さんってのはみんなああなのかい?」
■飛鷹与一 > 「え?いや、そこまでして貰うのは――」
仕事終わりだから時間に余裕があると言えばあるが、ちょっと助太刀を成り行きでしたくらいだ。
流石に、奢って貰う訳にも…と、思いつつも矢張り彼女の服装が気になるのか時々視線は向く。
いや、なるべくジロジロ見ないように注意はしている、しているが気になるのはしょうがない。
流石に、身近にチャイナ服にコート姿の少女…いや、幼女?は居ないのだ。
(あぁ、でも落第街の料理が美味しい店は興味あるしなぁ…うーん、会計はさりげなく自分で払えば大丈夫かな…?)
と、結局は少年が折れる形でそのまま誘導されるという構図。割と流され易い少年だった。
ともあれ、少女の後に続くように歩きつつ、時々背負った細い銀色のガンケースを背負い直し。
「いや、そこは千差万別だと思いますよ?俺は、偶々射撃や狙撃の才能があっただけです。
後は、見ての通り風紀委員なので場数をそれなりに踏んだり、訓練で鍛えたり、といった感じですね。」
実際、天性の射撃の腕前以外は特筆するべき戦闘技能は無く、地道に磨いたものばかりだ。
ともあれ、そんな雑談も交わしながら彼女に案内された店へとやがて辿り着こう。
■シェン・トゥアール > 「千差万別ねえ…。 俺のいた世界にも学校はあったが、
風紀委員の一人ってだけでこれだけの腕があるんだから、すごい世界だよ。
この店はでかいって言ったろ、奥がセーフハウス代わりになるんだよ。
ゆっくりお茶でも飲んでる間に、さっきのほとぼりも冷めるさ。」
のんびりとした調子で話しながら店内へ。 金属のテーブルと簡素な椅子、
そして沢山の人と話し声。
それらをかいくぐって店の奥の方へとすいすいと歩いていく。
適当な所で椅子に腰掛け、相手にも座るように促した。
「小籠包と点心のセットを2つ…いや、3つだ。 お茶も。
風紀委員殿は、飲み物はどうする?」
まるで家かなにかのようにくつろいだ態度で足を組む。
「さて。と……お礼の一つもきちんとしないで食べるわけにもいくまいな。
さっきは本当に助かったよ。 風紀委員がこれほど頼りになるなんて知らなかった。」
■飛鷹与一 > (…”俺”?ワイルドな一人称の子だなぁ…あ、いや実は長寿の人とか?)
何せ、見た目通りの年齢なんて事は無い人たちも普通にゴロゴロ居る島だ。
この世界だけではなく異世界の人々も暮らしているともなれば、矢張り外見年齢=実年齢とはならない事も普通に多い。
男口調の人なのか、それとも別の理由があるのかな?と、少し疑問に思いつつも店内へ。
金属製のテーブルと簡素な椅子、あとは賑わう店内の活気に目を細めた。こういう大衆食堂みたいなノリは結構好きだ。
一先ず、彼女に続いて己も椅子に腰掛けつつ、コートやガンケースは椅子に引っ掛けたりテーブルの一角に立て掛けておきつつ。
「あ、俺ですか?えーと、一応未成年なのでウーロン茶か麦茶があればそれでお願いします。
いえ、偶々仕事終わりに通り掛かっただけですので。余計なお節介で無かったなら本当に良かったです。」
風紀委員は頼りになる、という言葉に微妙に苦笑いを浮かべる。
実際の所、風紀の評判は千差万別だし、こっち側から見れば面倒な連中という認識が多いだろうし。
そういう表裏の評判をある程度弁えている為、少年は控えめに笑みを浮かべつつ。
「あ、えぇとすいません、自己紹介してませんでしたね。
俺は飛鷹与一といいます。見ての通りといいますか、風紀委員の一員です。」
何だかんだ、結果的に余計なお節介にはならずに済んだのは幸いだなぁ、と思いながら遅ればせながら自己紹介と共に会釈を一つ。
■シェン・トゥアール > 「それならお茶がいい。 やっぱり点心は茶に限る。
ここはお茶はそうでもないが、とにかく点心が美味いんだよ。」
軽くうなずき、急須からたっぷりと普洱茶を注ぐ。
独特の芳香を持つそれを自分と相手に注いでから、相手の名乗りに頷いて見せた。
「シェン・トゥアールだ。 探偵をやってる。 常世で社会勉強もしている。
よし、挨拶は終わったな! 同じ敵を倒した朋友として杯を交わそうじゃあないか!」
元気よく宣言すると、普洱茶を注いだカップを高々と掲げた。
「わが友、与一のために!」
元気よく宣言してから口をつけ、喉を潤してから満足げにため息を漏らした。
「この体になっても味覚があるのは本当に助かる。 部の連中はいい義体を作ってくれたよ。」
■飛鷹与一 > 「点心…食べた事はあるんですけど、本格的な物というか久しぶりに食べるなぁ…。」
彼女が言うには、点心は絶品らしい。お茶はそうでもないようだが、不味くなければそれで十分、贅沢は言わない。
急須から注がれたお茶は嗅ぎ慣れない芳香。飲んだ事が無いお茶かもしれない。
「あ、ハイよろしくお願いしますシェンさん…って、探偵でしたか。常世学園にも?」
成程、島の表側と裏側、両方を股に掛けて色々と学んでいる、という事なのだろう。
彼女の宣言の勢いにこちらが押される形で、合わせるようにカップを軽く掲げつつ。
「ちょ、シェンさんいきなりそれは何か恥ずかしいんですけど!?」
いや、いきなり友とか距離感近いなこの人!?リップサービス、という訳でも無さそうだからサバサバした人柄なのだろう。
こちらもお茶を一口…あ、結構美味しいかも、と思いつつある程度喉を潤してから一息。
「…この体…?……義体…?」
首を傾げつつも、失礼でない程度に改めて少女探偵…シェンの体を見る。
露出した肌の部分、主に腕や手指を観察していて…ふと、よく見ないと分からない違和感に気付いた。
(…これ、人工皮膚とかその類か!凄い精巧でこの距離で観察しないと分からないな…!)
そして、それだけで彼女が使っているその義体の性能の高さ?が窺えるというもの。
「…いや、というか味覚があるの本当に凄いですね。もしかして、他の五感もあるんですか?」
義体なら、視覚と聴覚と嗅覚はセンサー的な意味であってもおかしくはない。触覚もは難しい所だが。
興味が沸いたのか、そもそも身近の知り合いに義体持ちが居ないのもあり、そう尋ねてみたり。
■シェン・トゥアール > 「盟友でなければ恩人だよ! いやあ、見ず知らずの人の危機にそっと手を差し伸べる…。
いくら風紀委員だといっても、なかなかできることじゃあないだろう。 素晴らしいことだ!」
からからと笑いながら、届いた蒸籠を開く。 等間隔に敷き詰められた点心を指して、
次に一緒にやってきた黒酢のボトルを指した。
「黒酢でやると一味変わって面白いんだ。 学園の近くも点心はあるが、
黒酢はここのが一番美味しいよ。」
満足げに語りかけたところで、質問にはにやりと笑って答えた。
「常世学園にいれば、この世界の社会の勉強をさせてくれるからな。
それに、この身体のメンテナンスをしてくれる部活があるんだ。
そいつラの趣味でこんな形だが…まあ腕はいいよ。 ちょっと少女趣味なのと、
知らない間に機能を追加する悪癖はあるけどね。」
話しながら点心をつまみ、お茶を飲む。 ゆったりとした時間と点心は、
先程の戦いを忘れさせ、歓談するための雰囲気を作るに十分だった。
「この体になる前は2m位ある全身義体だったんだ。 いいボディだったよ。
堅牢さと迅速さ、電子防御も備えていたんだがね。
転移してお釈迦になっちまった。 そんで助け舟を出したのが…件の部というわけ。」
点心をやりながら、身の上について語る。
概ね語り終えたといったところで、お茶をぐいと飲み干し、急須から改めて注いだ。
■飛鷹与一 > (あれ、普通に成り行きで助太刀しただけなのに、凄い高評価になっている…!?)
自分がした事は、別にありふれていてそこまで珍しい事でもないし、風紀委員なら当たり前の行動だ。
そもそも、あの時は風紀の仕事を終えてプライベートの時間だった訳だが、それでもお節介を焼いたのは少年の気質だろう。
からからと笑う彼女に、探偵さんはもっと疑り深くても良いと思うんだけどなぁ、と想いつつこちらも蒸篭を開けて。
「へぇ、それは初耳ですね…俺も、仕事以外で落第街に足を運んだ事は何度かありますけど、こういう穴場の店って中々見付からなくて…。」
と、言われた通り黒酢を…の、前に最初は普通に食べてみて味の変化を確認してみるのもいいかと。
「……趣味というか、どう考えても何というか…えーと、その義体を使ってるシェンさんには申し訳ないですけど…。」
と、言葉を濁しつつ一度点心を食べる。あ、美味しい、と思いつつも一度食事を挟んでから口を開く。
「…その見た目だと、変な輩とかを逆に招き易いかと俺は思うんですが…。」
高性能、だというのは分かるし、メンテナンスしてくれる部活があるなら問題も無いだろう。
将来的にアップデートや機能追加、整備などもおそらく可能性としては十分にあるだろうし。
しかし、どう考えても少女…いや、幼女?ボディに加えて露出が地味に高いのは色々危険では?と、心配になる。
「…へぇ。…あれ?えーと、じゃあシェンさんは元は、というか精神は男性なんですよね?
それで女性ボディというのは…こう、何か違和感とか色々平気なんですか?」
何だろう、確かそういう性別変換みたいなちょっと卑猥な本の類のジャンルであったような気もする。
■シェン・トゥアール > 「まあたいていの人間は落第街に来ないだろうな。
あんまり治安はよくないから…。 俺は元いたところに似ていて、そこが気に入っているんだ。
でも、そこよりはずっと良い。 メガコーポが人を食って生きてないし、街の人間も目が生きてるからな。」
ぐい、といきおいよくカップをあおってから、点心に手をのばす。
小さな口をいっぱいに開けて焼売を頬張りながら、相手の言葉に小首を傾げ…。
意地悪そうに笑った。
「ええ~~~? なになに~~~?
ミニチャイナ姿の女児に浴場しちゃう人なんているの~~??」
ここだけ切り取れば完全にメスガキだった。 言うだけ言ってから、大丈夫だと手を振ってみせる。
「これぐらい分かりやすい方が探偵として受けるんだよ。
消防士なら消防服、警察なら警察の制服だろ。 じゃあ探偵ってどんな姿してたら探偵だ?
そう考えたときに、外見的な特徴を”作る”しかないわけなんだな、これがな。」
「そうだなあ…、与一殿、自転車を乗り換えたことはあるかい。
乗り換えた直後は違和感があるだろうが、だんだん薄れてくるだろう。
あれと同じだよ。 全身義体てのは、ボディが乗り物になることなんだ。
その上で”俺”というOSが走ってるみたいな感じ。 わかるかね?」
足を組み直しつつ頑張って説明する。ひとしきり喋り終えると、
蝦焼売を口に放り込んだ。
■飛鷹与一 > 「…まぁ、実際に落第街に好きで住んでいる人達も数多いですからね。
…と、いうかシェンさんが居た世界は色々と過酷そうですね、それは…。」
こちらの世界もこの島も、過酷な所は過酷だろうがそれも考え方や見方次第か。
こちらは、彼女に比べたら食べ方は落ち着いているが食欲は十分にあるので、中々に早いペースで平らげており。
「…!?!?…い、いきなり止めてくださいよ心臓に悪いというか…!!
いや、そういう演技というかあれこれも探偵の必須スキル?なのかもしれませんけども…!!」
滅茶苦茶動揺してしまった気がする。咽そうになったのを堪えつつも、彼女…いや彼?まぁ、便宜上は彼女という事にしておきつつ、成程なぁ、と頷いて。
「つまり、肉体そのものが”着ぐるみ”みたいなイメージでしょうかね。
外側が破損しても、中身…精神などのコア部分が無事なら、別のガワに移る事も可能。
…ただ、うーーん…シェンさんの今のそのボディって、どう考えても製作者の”趣味”な気が…。」
改めて、お茶を飲みつつ少女探偵のボディを眺めて一言。
彼の趣味、という訳では無いだろう。先ほどの身の上話を聞く限りでは…存外気に入ってるみたいではあるが。
「…まぁ、でもシェンさんみたいに表裏どっちも股に掛けて個人で自由に動ける人は有り難いです。
俺は結局は風紀の一員なんで、いざとなればそのように振舞わないといけませんからね。
表にも裏にも染まりきらず、それでいて溶け込める人は得難いものだと思いますし。」
そして、探偵という彼女の職業はそのフットワークの軽さを生かせるだろう。
「――シェンさん、一つ提案があるんですが…。」
少し考えてから、それを口にしてみる。あくまで思いつきであり、了承をもらえるかは分からないが、。
「――風紀と探偵。お互いの情報網はそれぞれ違うのは明白ですが、協力体制を敷くのはどうでしょう?
まぁ、そんなガチガチな固い契約ではなくて、何かあれば軽い情報提供をお互いする、みたいな。」
風紀としては彼女のフットワークの軽さから来る細かい情報が手に入り、彼女からすれば風紀の仕入れた広域情報が手に入る。
まぁ、そこまで深いものでなくても、お互いに”パイプ”があるのは困るものでもないだろう、と。
「…まぁ、お互いの業務に深く関わる事は勿論なしで、あくまで情報提供をしあえる…えーと、友人関係?みたいな?」