2023/07/14 のログ
ご案内:「落第街大通り」にホロウさんが現れました。
■ホロウ > 夜とは、大概の人間は落ち着いた時間を過ごし眠る準備をするときのことを指す。
つまり、夜は人間の観測には不向きな時間帯である。
しかしながら、夜のほうが活発な場所というものは存在する訳で。
先日、深夜帯に学生街上空を飛行していた際、攻撃を受ける出来事に遭遇してしまった。
なので、ここ数日は日が落ちたらあまり上空を飛ばないようにしているのだが…
(居場所はどこかないのでしょうか…)
不法入島者であり、金銭なども持ち合わせていない少女に居場所はなかった。
幸い眠る必要がない少女に寝床は必要なかったが、空虚な時間を過ごすのは何とも物足りなさを感じていた。
そんな不安を抱えながら、赤光と共に落第街大通りに降り立った少女は、怯えて逃げ出す浮浪者やこちらを伺う死んだ目の女を傍目にこの島の暗部の観測を開始した。
■ホロウ > 今も頭の片隅に残り忘れきれない少女の任務、『秩序を守る為の観測』において、こういった土地の観測というものは重要なのだが、こちらに来る以前の担当とは該当しない区域であるが故これまで観測はしていなかった。
しかしながら、同僚もおらず任務もなくなった今、こういった仄暗い土地の観測もするべきなのではないかという結論に至った。
と、いうよりかは…
(小競り合いや喧嘩、窃盗程度の犯罪であれば観測したこともありますが、それ以上となると気になってしまいますね)
好奇心が勝ったというのが本音であった。
これまでも上空よりの観測にて怪しい現場を何度か目撃しているが、どれもこれも具体的な観測には成功していない。
現地にて直接観測すれば具体的な観測も可能であろうという希望を抱き大通りを進んでいく。
(このジェット、こう狭いところだと結構邪魔なんですよね…)
折りたたまれているとはいえ、尻尾が生えたように後方面に伸びるジェット機はこうごちゃごちゃした場所では非常に邪魔である。
飛行中であれば慣れ故当てないようにするのは得意だが、こう地上を歩いていると邪魔で仕方がない。
鬱陶しさに眉をひそめた。
■ホロウ > エラーが取り除かれた鮮明な処理を経てえられる情報はどれもこの世界が別世界線であることを示唆していた。
上空のからの景色がそもそも100年程度で変わる範疇をはるかに超えている。
島の形から海底遺跡の有無、地形の起伏や植生までも何もかもが違っていた。
そして、ここ落第街においてもそういった要素が散見される。
(この魔法的痕跡、私の持つデータのどれにも当てはまりませんね)
少女に組み込まれた機能のうち最も特徴的なモノは、十字模様の刻まれたこの目である。
観測眼と言われるものだが、観測において必要な能力をほぼすべて持っていると言っていい。
その目が告げている、この未知の力は”あり得ない”と。
(魔法ですらないのかもしれません。監視の道具であることは分かりますがそれ以上は…)
カメラというには薄いそれを立ち止まって拾い上げる。
本来ならば注目せずに報告のみで済ませるべきなのだがこの身は既に任務を行っていない。
好奇心に任せて拾い上げてまじまじと見つめてしまった。
■ホロウ > 「ああ、不用意に触れてはいけませんね…」
拾ったカメラらしきものをそっと元あった場所に戻す。
得体のしれないモノに軽率に触れるのは迂闊であったと反省し、大通りを再び歩き出す。
しかし、この晩はこれといったトラブルに出くわす事もなく観測を終える事となった。
朝方落第街より飛び立った赤光は島の反対方向へと消えていった。
ご案内:「落第街大通り」からホロウさんが去りました。