2019/02/05 のログ
ご案内:「違反部活拠点」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 落第街の一角。ありふれた廃ビルとその付近に築かれたバリケード。普段は落第街の住民も近寄らない所謂違反部活の拠点の一つ。
普段は物々しい警備体制が取られる此の場所は、今夜紅蓮の業火と砲声に飲み込まれていた。
「……人の勉強時間を奪った罪は重い。暫く大人しくしていれば、手を出されずに済んだものを…」
拠点を囲む様に大地を這い回るのは、己が召喚した醜い金属の異形。様々な機械を押し潰した身体から根の様に手や足の様な何かが伸びている。その背中には、大小問わず様々な砲塔が針鼠の様に生えているだろう。
そんな金属の異形達は、主の命令に従って黙々と、粛々と背中の砲塔から砲弾を撃ち続けている。
注ぎ込まれる火力は既に飽和しており、違反部活からの抵抗は最早無い。炎上し、崩れかけたビルに立て籠もって防御魔法を健気にかけ続けている程度。
それでも、鉄火の嵐が収まる事は無い。
不機嫌そうに廃ビルを睨み付ける少年に従う様に、無慈悲なまでの砲声が延々と鳴り響いている事だろう。
ご案内:「違反部活拠点」に國宏一実さんが現れました。
■國宏一実 > 「少し出遅れたな相棒。さっさと行くぞ。」
騒ぎを聞きつけ大急ぎで飛んできたがどうやら祭りは終わりかけのようだ。
久々の「慈善活動」に気合いをいれてきたのだが...これじゃあ興ざめだ。
だが...。
向かいのビルの屋上から飛び降りると同時に、異形が周囲に触手を伸ばし、着地を補助する。うん、調子は悪くない。
「神代よォ、いつから風紀委員は戦争屋になったんだ?」
ビルの正面に着地し、即座に正面に異形が薄い膜で広範囲に壁を形成すれば砲弾を一時的に防ごう。
敵には最早戦意は無い。戦う術のない人間を一方的に攻撃するのは人としてあまりいいものではない、自分でいうのもあれだが。
「なぁ?」
■神代理央 > 「…ふむ?ああ、誰かと思えば貴様か。相変わらず物騒な所で良く会うものだな」
ビルから着地し、砲弾を受け止めた相手に一瞬敵意を向けるが、それが見知った相手だと知れば敵意を収めるだろう。
絶え間なく続いていた砲撃も止み、唐突に静寂が此の場を支配する。
「いつからか、と問われれば違反部活が戦力を増してからだよ。只でさえ風紀は戦力が足りんのだ。大体、前線向きでは無い俺を戦争屋というのは随分だと思うがね?」
前線向きでは無い、という部分は半ば冗談であり半ば本気である。
兎にも角にも、取り合えず攻撃を続ける意思は見せず、何用かと言いたげな視線を向けているだろう。
周囲に展開する異形は、砲身を廃ビルに――即ち、彼の方に――向けたまま、不気味なまでの沈黙を保っている。
■國宏一実 > 「あぁ、会うたびに背が縮んでる気がするな。ストレスでも溜まってるのか?」
砲撃が止んだのを確認すれば、展開されていた壁は溶けだし、彼の周囲で待機する。
背後のビルを確認するが特に何をしようとする気配は感じられない。
「人手不足ってのは悲しいもんだよなァ。だが、ここまでする必要はねぇだろ、殺しちまったらお前も奴等と同類だ。
前線向きじゃない?笑わせんなよ、動く戦場みてぇな異能しといてよ。」
例え風紀委員だろうが人を殺せば犯罪者だ。
犯罪者には全員叩き潰す、言葉通り。それが自分のやり方だ。
「これ以上の攻撃はやめろ、分かるよな?」
■神代理央 > 「余計な御世話だ。誰もが貴様の様に成長出来るというのは差別だぞ。大体、俺はまだ成長期が残っている」
地味に気にしている身長の事を話題に出されれば、ムッとした様に表情を顰める。
とはいえ、直ぐにその表情は尊大で高慢なものへと変化して――
「異能が戦闘向きである事と、俺自身が戦闘に向いているかどうかは別問題だ。これでも、こよなく平和を愛する人道的な後方事務方志望なのだがね。
……しかし成程、殺したら同類か。面白い事を云う」
腕を組み、とんとんと指で己の腕を叩きながら思案気な表情を浮かべ――
「攻撃を控えるのは構わんが。どうせ抵抗する意思も無くした敗残兵だ。だが、その前に一つ聞きたい。何故犯罪者を庇う?連中は、罪も無い学生を誑かし、陥れ、時には暴力を振るっていた連中だ。そんな連中を庇う理由が今一つ解せぬのだが」
■國宏一実 > 「おう、俺がお前を見上げるくらいになることを期待しとくぜ。成長期までにできるといいな。」
にやついた表情を浮かべ、やれるもんならやってみろと言いたげな表情でそういってみる。
「平和を愛する?面白いジョークだな、さっきまでのお前の顔はそこにいる糞共と変わらなかったぜ?いや、今もか。」
半笑いでそういって見せるが、すぐに真面目な表情を浮かべる。
風紀を謳う連中が殺しをしたらそれこそ風紀が崩れ去る。
この街を守る風紀が崩れれば文字通り最悪の状況だ。
「それでも奴等はこの島の住人だろう?
時間をかければ更生させることだってできるだろう。」
■神代理央 > 「…絶対に追い越す。見ていろ、成長期において思春期の男子が得られる身長というのは理論的に確立しているのだからな…!」
別にしていないのだが。最早悔し紛れの領域である。
少年に取っての救いは、己の父親が高身長であり、母親も外国人であって日本人の平均身長よりは高い背丈を持っている事。
そのせいで、未だ家族の中で一番背が低いのだが。
「蛮勇を振るって勝てぬ相手に立ち向かった後、怯えて巣に籠る連中と同じとは剛腹だな。まあ、価値観の違いというものもあるやも知れぬが……」
体格についてだけ話していれば、年相応の男子の会話で終わっていたかもしれない。
だが、"こういう"話題になれば此方が浮かべる表情は高慢にして苛烈。そして冷静さを併せ持つ尊大なもの。
そんな表情を浮かべながら、小さく、ほんの僅かに首を傾げて――
「……ああ、成程。認識の違いがある様だな。奴等は、少なくとも此の学園においては学生でも住民でもない。学園のデータベースに登録はされず、人口統計においてカウントされず、その生死は総数にカウントされない。即ち、連中は住民ではない。そこはしっかりと認識して欲しいものだな」
■國宏一実 > 「お前に力が無ければ同じことをするだろうさ。」
彼がそう言いきれるのは自身にそれなり以上の力と地位を持っているからだろう。
彼の傲慢な態度も全てはそこから来ているものも多いのだろう。
だからこそこの場は退くわけにはいかない、こいつは道を違えれば犯罪者と認識しなければならない。
「お前の言う通り奴等は畜生に堕ちた屑以下のゴミムシ共だ。救う価値もなければ捨てるべき奴等だ。正直殺したい程憎い。
だが奴等を殺しちまったら奴等と同格...お前も畜生に堕ちるか?」
彼の言い分も分かる。生きる価値も存在することも許してはいけないこの島の癌だ。
だがそれでも、やらせるわけにはいかない。
「これで最後だ神代よ。ここで撤退しろ、さもなければここでお前を潰し、俺は風紀委員を片っ端から潰す。」