2019/02/06 のログ
■神代理央 > 「その仮定は無意味だな。俺は、力を得る為に努力した。生まれ持って得た異能を鍛え、行使しえなかった魔術は島に来てから顕現したものだ。親の金も、己の力足り得るなら使う事を躊躇う事は無い。だが、此処の連中は違う。己を鍛え、闘争するのではなく、弱者から収奪する事によって自尊心を満たし生活の糧を得ている。
…力を持たぬ事を悪とは言わん。弱者が強者から奪われる事もあるだろう。だが、奴等は自分が弱者となる事を理解しえぬまま奪った。それは、罪であり悪だろう」
それは、己の根源。闘争を求め、他者を屈服させて覇道を進む事を是とする思想。
それ故に、奪う者はいつか奪われる覚悟をしなければならない事を良く理解していた。そして、その覚悟が無い者に、かける慈悲等無い。
「風紀を潰す、か。それは、学園の治安維持機構に対しての宣戦布告と同義だぞ。だが、その覚悟があるのなら――」
ゆっくりと異形の砲身が軋む音が響き、浮かべる笑みが深くなる。だが、その言葉を遮る様に甲高い電子音が響き渡った。
「……チッ、これだから戦力を増強しろと言っているのに…。
残念だが、貴様の提案を受け入れるとしよう。貴様は兎も角、敗残兵共にかける時間も無いのでな」
響く電子音は、増援を要請する別働隊からのもの。
忌々し気な舌打ちと共に異形を消滅させると、彼に背を向けてゆっくりと歩いていく。その最中、一度だけ振り向いて彼に視線を向けると――
「ではな、國宏。貴様のその歪んだ正義感、嫌いでは無い。だからこそ、その正義感で潰れてくれるな。貴様の様な男がいなくては、つまらぬ故な」
それは、彼の実力と理想を理解し、その上で己と対峙する前に潰れてくれるなという憎まれ口の様な、忠告の様な、小言めいたもの。
言いたいことだけ言って相手の返事を聞くことも無く、何故か上機嫌な様子で此の場を後にするのだろう。
■國宏一実 > 「それでも、それでもだ。どんなに汚れ切った人間でさえも手を差し伸べるのが正義だ。
お前達風紀委員はこの島においての正義だ。徹底した慈悲と正義がなければ島は終わる。」
風紀委員は島にとっての絶対的な正義でなければならない。
正しい正義と正しい制裁がなければ、犯罪者はいつまでたっても消えず、真の平和は来ない。
「貴様らが殺すというのならば俺はこの島の犯罪者を全て潰す。覚悟なんて当の昔にできてんだよ。」
こちらも負けじと赤黒い液体が硬質化し、彼の周囲を鋭利な爪のような形状で漂う。
そんな空気も電子音と共に和らいでいき。
「はっ、さっさと別のとこ行ってこい。ここの連中の後始末は俺がやる。
愚問だな、俺の正義は絶対だ。折れることは許されない。」
相手が去っていくことを確認すれば、そのまま自分はビルの中へ入っていく。
さて、不殺の暴力でさっさと鎮圧して帰りたいものだ。
ご案内:「違反部活拠点」から國宏一実さんが去りました。
ご案内:「違反部活拠点」から神代理央さんが去りました。