2019/02/13 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  工場のような場所。そこにその騒動はある。
 もうもうと立ち込める煙。十数丁という機銃が一箇所に叩き込まれた結果である。
 手にサブマシンガンを手にした男達がその煙を見てガヤガヤと出てくる死んだと思い込んだのだろう。
 キラリと一瞬の煌きが男達に絡みつく。

「今度からはランチャーでも持ってくるんだな」

 その男達は切り刻まれ倒れる。一応は急所は外してあるが手足の腱など重要な場所は破壊されており動くなど出来ないだろう。
 痛みのあまり叫ぼうにも麻痺の毒が塗られたその糸によって痺れ、声など出せない。結果搾り出すような声だけが空間に木霊する。

「これで全部か。もう少しいるかと思ったが」

 情報によればそれなりに大きな組織の傘下、その工場施設……だったはずだ。こんな機銃をもった男十数人で済むはずもないはずなのだが……また変な情報を安値で買い取ってしまったのだろうか。
 少し苦い顔をしながら工場の中を足音をわざと立てながら歩く。周囲に空間把握の魔術を放ちながら

白鈴秋 >  くたばれやぁ!! そんな声と共に忠告を聞いていたのかいないのか。ランチャーを構えた男が飛び出してくる。
 だが……トリガーを引こうとした瞬間そのランチャーがバラバラになる。

「撃つなら叫ばず構えろアホが」

 それと同時に先ほどの男達と同じ末路。
 手足の腱を切り裂かれ地に伏せる。
 テスト期間の最中だというのに何をやっているのか、思わずそんな気分になる。
 最近はあまり情報も集まらずどうにもこっちに来ることも無かっただからこそ自分が”普通の高校生”をやれていると思ってしまっている。
 だが、結果はこの様だ。人を破壊する事にまったく抵抗がない男……仕方ないとはいえ自分がいやになる。
 
「おい、口だけは自由にしてある話せ。ここのコンソールはどこにある」

 自身がここに入った理由。それは丁度今の時期に関係してある。簡単に言えばバレンタインのチョコレート。それに細工をし、薬物を撒き散らそうとしている工場がある……そんな情報を聞いたのが原因だ。
 一人だけ遅れて出てきたのだから何か知っているかもしれないと毒を弱めておいたのだが……その男はヘラヘラと笑っているだけで何も答えない。

「チッ、もう良い。自分で探す」

白鈴秋 >  彼を捨て置き歩き始めたのだが、ピタと足を止める。何故”笑っている”?
 いくら毒を弱めたとはいえ手足の腱を破壊されたはず。その痛みは凄まじいはずだ。
 事実さっきの男達は伏せて動けなくなっており、もがいていた……なのになぜこいつは笑っている?
 時間にすればほんのコンマ数秒。1秒にすら満たない時間で思考をめぐらせ……理解する。

「お前、まさかッ!」

 即座に糸を使い距離を離すが、既に遅い。
 その男の服が急に膨らむと内部から凄まじい数の棘が飛び出てくる。
 キラリと糸が走ると同時にその男は再度彼方此方を斬られる。死んだか死んでいないかわからない、だが少なくとも今手加減していれば自分が死んでいたという事だけはわかる。
 相手の意識が消えると同時に相手の異能が消滅し、棘の発射が止まる。

「クソ、薬で痛覚が消えてるって可能性を忘れていたな」

 腕1本も離れていない距離から数十以上の棘を発射される。その全てを防ぎきる事はかなわず、腕に一発棘を受ける。
 その棘を引き抜くと異能で止血し服を引き裂くと包帯代わりにする。

「たかが傘下の組織のひとつだと侮ったか。まさか自爆覚悟でくるとは」

 もしかしたらそうせざるおえない事情があるのかもしれなかったが……それを考える余裕はない。
 まだ目的は果たせていない。

「少しだけ、今回はハードな事になりそうだな」

 それが合図だったのか、奥からは更に足音が聞こえてくる。こっちが本隊だろう。
 明日は実技の授業なのだが、赤点をギリギリ回避できるレベルかもしれないな。そんな事を考え少し苦笑い。こんな場面でこんな事を考えられるということはまだ自分は”普通の高校生”の1面もあるということだろう。

「さて、まずは生き延びることを考えねぇと」

 まだ生きている左腕で異能を発動させる。その目は一切諦めてなどいなかった。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から白鈴秋さんが去りました。