2019/05/12 のログ
ご案内:「天兎の研究室」に閃 天兎さんが現れました。
■閃 天兎 > 「ふむ…調べれば調べる程に面白い」
スラム地下に隠された研究室にて、黄泉の穴で発見された「黄金の剣」の研究を行っている白衣に仮面を被った青年が研究の経過に何度目になるかもわからない研究対象に対する驚嘆の声をあげる。
すでにこの剣を研究して数ヶ月経過しているが底がしれない。
入手時に妨害──いや、協力と言うべきか──を受けた際自身の武具に触れたことにより言語能力を与えられた時点でこの武具に対する興味は他のすべてを置き去りにした。
この剣に触れた生物は若返ったり歳をとったり、死んだり分裂したり。
物質に触れれば酸化したり気化したり高熱を持ったり、それこそ違う物質へと変遷したり核分裂した場合すらあった。…核分裂した時は流石に焦った。
今日はついにこの剣を解体する。
触れただけで存在を書き換えるこれを解体する技術を見付け出すのにはなかなか手間取った。
■閃 天兎 > この剣に触れても書き換えが起こらないようにするには、まず異能を一時的に制御可能な薬物を使用する。
この薬物は単体では大した力は持たず、強い異能を抑え込む事は難しい。
だが、幸いにしてこの剣は強大な力に対し妨害に弱いという特徴を持っていた。
これを知るまでかなりビクビクしていたが、わかってしまえばどうということはなかった。
異能制御薬の形状は三態全て用意してある。
今回は気体と液体を使用する。
自分の異能は妨害に弱いというわけでもないため問題は無かった。
液体を全体にかけ、あとはフィクサーで切ればよい。
この剣のせい、おかげで身につけた言語能力のせいで騒がしく感じるようになったため隠すようにしている。
昼間も使えなくなって困っている部分が大きい。
騒がしくなることにため息を漏らしつつ虚数空間からフィクサーを取り出し──
■閃 天兎 > 「あぁ…うるさいな…」
フィクサーを取り出すや否や、数ヶ月前までは能力持ちの剣でしかなかったそれは虚数空間に閉じ込めていることを糾弾し始める。
普段から静かにしていれば閉じ込めない、といつも通り吐き捨て、剣の先端へと刃を当て──タンッと一瞬で切り落とす。
気体の制御薬を使っているのはこの際、切断面に制御薬が及ばない可能性を考慮してのことだ。
切り落とされた黄金の刃片を更に二つに切り分け、片方を異能制御薬そのもので作り上げたサジですくい上げ、異能制御薬のプールにそっと落とす。
もう一つの方は…
「培養は…難しそうだな」
制御薬に漬けた方は全ての変化が停止したのか、何も起きずプールの底に沈んでいるが、もう片方のおいてあったものは消滅し、剣の先端がその破片分再生を開始していた。
■閃 天兎 > 「プールの中に漬けておけば…いや、そのうち異能制御薬の効能が切れるか…」
既に剣本体につけた異能制御薬は効能が失われたのか、沸騰したり腐ったりと多種多様な状態へと移行している。
異能制御薬の棒で虚数空間の入口へと剣を落とし、プールの中の破片の観察を開始する。
これがどれくらい保つのか、わかったところで何か役に立つかは今はわからないが役にたてられる可能性を信じて観察を続ける。
────……そして、観察し始めて10分弱ほどで異能制御薬の効果が失われたたのか、硫酸へと変化した。
改めて異常な性質であることを認識し、消滅した刃片と虚数空間の剣の先端へ戻ったことを確認したあと、機材のスイッチなどを切り、その場を後にした。
研究室は閉ざされ、再び不可視不干渉領域となった──
ご案内:「天兎の研究室」から閃 天兎さんが去りました。