2020/06/09 のログ
■エルピス > 「こんな身体でもお腹は空くし、維持費も掛かる。
別の買い取ってくれる所を探すかな……」
腕を組んで思案する。
売れそうな所に心当たりはあるが、"頼んでもない店に飛び込んで売った所で、大した値は付かないだろう。"
「……逃がす、のは……」
大した金にならないなら逃がしてしまってもいい。
売る事そのものにリスクがない訳ではないのだ。
■エルピス > 「……ま、いいや。」
考えるのは後にして空腹を満たそう。
適当な屋台に足を運ぶ。
「大蛇焼き……異世界の蛇か、魔物の類かな。ビールも売ってるね。」
■エルピス > 「今日の晩御飯はこれにしよう。」
"タレの匂い"が決め手だった。
そうと決まれば紙幣を取り出して注文する。
「すいませーん。この大蛇焼き重とビールを一つ。
あ、ここで食べていきます。」
■エルピス > 「これは……期待できるね。」
甘さと塩辛さと、ほんの少しの饐えた匂い。
口に含めば塩味と辛味とわずかな甘味と酸味が広がり、
間違いなく"旨味"を味わえるだろう。
そう確信させてくれるタレが白身の肉に塗られ、丁寧に焼かれてゆく──。
■エルピス > 「まだかな、まだかな。」
この鼻をくすぐる匂いも屋台から離れて"何かと混ざれば"、違法食材部群の強烈な臭いに成り果てるのだろう。好いものであっても混ざれば濁る。特色を喪う。匂いであってもそれは例外ではない。
それでも、ここで待っている限りは良い匂いなのだ。
「……来た。」
■エルピス > 大蛇焼き重。
分かり易く言えばかば焼き丼。
備え付けの座席に丼とビールを置けば、次々に口に含む。
「……うん、いいね。とてもいい。」
■エルピス > 後のことはこれを食べてから考えよう。
今しばらくは、憂いを忘れて食事に現を抜かす──。
ご案内:「違法食品部」からエルピスさんが去りました。