2020/06/10 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に東郷月新さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から東郷月新さんが去りました。
ご案内:「とある違法部活のアジト」に東郷月新さんが現れました。
東郷月新 > 「いやはや。楽といえば楽。物足りないといえば物足りないですなぁ」

とある違法部活のアジト。
二級学生の人身売買やら違法研究のデータの取り扱いなどをしていたそこは、今、血の海に沈んでいた。
別に義侠心からやったわけではない。対立する違法部活の用心棒に雇われただけ。

「斬ったところでカエルの潰れたような声をあげるだけの連中でしたな」

飄々としながらあたりを見回す。

東郷月新 > 目的のデータは既に奪取。
ついでに襲ってきた連中は全部斬り伏せた。
死ぬも死なぬも運次第だろう。簡単な体組織蘇生でもあれば生き残るかもしれない。

「ま、死んだ所で別に構わない連中ばかりですがなぁ」

ここにいるのは、いわゆる違法学生。「二級学生」と呼ばれる連中ばかり。
公式には居ない事になっている、学園の影の存在なのだ。

ご案内:「とある違法部活のアジト」に虞淵さんが現れました。
虞淵 >  
「よォ」

突然、東郷月新へと向けられる野太い男の声

おそらくは視線を向けずとも伝わるであろう獣気を発しながら向けられた言葉は簡素な呼びかけ

場所が場所である
そして現場の状況に動じた様子のない、声の持ち主は
男もよく知るところ──だろうか

東郷月新 > 聞き覚えのある声に振り返る。
やれやれ――

「――物足りないとは言いましたが、少々歯ごたえのありすぎるのが来ましたな」

かつて出会ったその男は、相も変わらずの様相で。
むしろ、変わらぬ姿に嬉しくなるくらいである。

虞淵 >  
入り口から、その巨躯をやや折り曲げて覗き込む男
獣のような鋭い瞳が紅く、妙に目立つ

「随分と辛気臭ェ獲物を狩ってんだな。ロストサインの人斬りも腹が減れば痩せ犬を喰らう、ってか?」

東郷月新 > 苦笑しながら刀を構える。
まぁ、言い返せない事実であった。

「その名前を知る人間も少なくなりましてな。今では、単なる用心棒で食いつないでいる有様でして」

もはやロストサインは過去の遺物だ。
その名前を知る者は少なく、グランドマスターの行方は知れず、幹部であるマスタークラスも東郷以外はほとんど姿を見なくなった。

「――それでもまぁ、こうしてたまに相手を見つけられるから、<落第街>(ここ)の暮らしはやめられませんなぁ」

虞淵 >  
早速刀を構える様子にくつくつと笑いを零す
犬歯の覗く口元は獰猛な笑みに歪み…

「お前みたいな腕利きならいくらもお呼びがかかろうよ。
 俺様は噛んでねえが、新興の組織なんてのもあんだろう?」

落第街で生きていてそういった話を知らぬ筈もない
こんな真似をして食いつないでいるのであれば、反りが合わないのだろうことは容易に予想がつく

「──ま、相変わらずはお互い様、ってわけだ。商売道具が圧し折れても、俺ァ弁償しねェからな?」

男は構えない、が
それが男の本来のスタイルだということは、伝わるかもしれない
この男が構えを取る時は、むしろ加減のためなのだから

東郷月新 >  
確かに、新興の組織や勢力を拡大したい違法部活。
それに、東郷の腕を必要としている場所など山ほどあるだろう。

だが。

「無理な話ですな――小生はロストサインのマスタークラスですので」

過去の遺物だろうが、その名を知る者がいなくなろうが関係ない。
元マスタークラスのプライドだとか、そんな話でもない。

ロストサインは『ある』のだ。
グランドマスターが帰還していないだけで。

なら、東郷が別組織に所属する事はない。

「なに、折れるならそこまで、死ぬならそいつが間抜けなだけ。そんなものでしょう、ここでは」

軽く地を蹴りながら相手へと近づく。
相手は構えを取らないが、武術の世界でいう『無形の位』ではないだろう。
野生の動物が大層な構えを取るはずがない。牙も爪も力を持たない人間だからこそ『形』を作り技術を磨く。だが、元より強者である虞淵に、そんなものが必要であるはずがないのだ。

だからこそ、今回は真っ向勝負。
地形を利用した小手先の目くらましも使わず、ただ力いっぱい刀を振るう。

虞淵 >  
「最早機能すらしてねえ組織に義理立てかよ」

嘲るように笑い、目の前の男を射抜くように見据える

「あー、落第街といわずスラムなら大体そんなもんだ。ルールはな。
 ──が、」

剣筋ではなく、迫る剣気に反応し、その場で床を踏み抜く
その場に発生した大音量、床を濡らしていた夥しい量の血が弾け飛ぶように散る様子を見れば、それは踏み抜くなどと言った生易しいものではなく
発生した衝撃が空気の壁となって大振りを構えた、その身体を叩く──

「正面から、屋内で、俺とヤるのは賢くはねェな大将。血の匂いに惹かれて来たんだ…──イっちまうぜ、マジで」

刹那
互いの距離が急激に収縮したかに錯覚するかのような詰め

「カアッ!!」

放たれるのはその拳が空気との摩擦でまるで発火したかのようにすら錯覚される程の崩拳(中段突き)だ

東郷月新 >  
義理立てというよりかは。
東郷という『生き物』は、ロストサインでしか生きられないだけ。
だが、それを説明した所で、得るものはない。

次に発生した衝撃が東郷の身体を叩く。
中国拳法ならば震脚と呼ぶが、そんな生易しい物ではない。常人ならば吹き飛ぶ所だろう。
確かに屋内で、この衝撃を受け止めればただではすまない。屋内戦ならば虞淵の有利は揺るがないだろう。

ならば。

「では、屋外戦としゃれこみますかなぁ!」

崩拳を柄で受け止め、その衝撃をモロに受ける。
吹き飛ぶ東郷の身体はそのまま壁へと激突し――同時に、刀を壁へと叩きつける。
衝撃に、ボロ造りのアジトの壁が耐えられるはずも無し。壁と屋根が崩れ落ち――

「いたた――まぁ、これで屋外戦ですな」

多少の傷は負ったものの。
崩れ落ちた壁と屋根。これで屋外戦だ。

周囲で悲鳴が上がり、二級生徒が逃げて行くが知った事ではない。

虞淵 >  
「あ゛ー…ったく、脆い建物だぜ」

屋外、つまりは多角的な戦いが可能になる
となれば当然、長物が有利な状況へと傾くが──

「まぁ狭っ苦しいトコでヤるよりゃいいな。オウ、さっさと続きだ」

二人がやりあうのは初めてではない
かつて隆盛を誇った頃のロストサインのグランドマスターから『虞淵とはことを構えるな』と構成員には通達されていたと聞く
それでもなおこの人斬りは、剣を抜き楽しげにそれを向けた
その気性は、当然この男から見て好ましいものだったと言わざるを得ない
ましてや、その頃からその"質"が落ちていないなら、尚の事

「オラ行くぜ!」

足元の瓦礫、それをロケット弾のように東郷月新へと蹴り飛ばす──!!

東郷月新 >  
ロストサイン内部で彼と事を構えるなと通達があったのは正しい判断だ。
かつて風紀・公安と事を構えていた時に、こんな男と戦い戦力を消耗させるわけにはいかなかった。
だが、今は状況が変わった。もはやロストサインの組織的活動は停滞し、グランドマスターの『帰還』を待つのみ。
ならば――自分の楽しみを優先しても良いだろう。

多少ダメージはあるが、この程度なら戦闘には問題ない。
ロケット弾のように飛んでくる瓦礫を足場にして、空中へと飛び上がり――

「――ッ!!!」

飛ぶ能力がなければ空中戦は不利。移動方法が固定され、相手が狙いやすくなるからだ。

だが、東郷の能力を使えば、この常識を少しだけ捻じ曲げられる。
二振りの刀の重さを一気に重くし、落下速度に弾みをつけ狙いをブレさせる。同時に重さと速度を乗せた一撃を相手の頭上から与えようと刀を振り下ろし。

虞淵 >  
この男は化け物だが、砲弾の如く迫る瓦礫を足場に跳ぶその男もまた十分に化け物じみている
二級学生達は逃げ出して正解だ
こんな場所で観戦していては、命がいくつあっても足りない──

「洒落臭え!!!」

避けない
どれだけ重さが乗ろうが、加速がつこうが──

男が取った行動は真上に──ではなく、真下に
地面に向けてその拳を、叩き込む
ズン──という破壊震動の音と共に粉塵と瓦礫が上空へ衝撃と共に舞い上がり、同時に男の身体が、ゆうに数十センチメートル、沈み込む
拳で作られたクレーターにより、東郷月新の刃の着弾点はズレ、同時に攻撃も兼ねる──単なる荒業だが、有効だろう

東郷月新 >  
まったく規格外のバケモノだ。
地上に穴を開けてそれで着弾点をずらすとは、どういう膂力をしているのだか。
衝撃と瓦礫が体に細かい傷をつけるが、それを厭わず。

「――フン!!!」

力技には力業だ。
大地を叩く刀に裂帛の気合を込め、地面を叩き割る。
重さを最大にしていたおかげか、刀は傷つく事なく、割れた大地の衝撃が相手の衝撃を幾分か相殺する。

多少のダメージは負ったが、仕切り直しといった所か。
やれクレーターやら大地の裂け目やら、もはやアジトどころか地形が変わりつつある。

虞淵 >  
いい、この相手はいい
細工を弄するも肝心要は力技
戦いにおけるカタルシスの何たるかを、重に理解しているのだろう
少なくとも、男はそう決めつけた

「おいおい、ますます住みづらくなるだろうが、よォッ!!」

地を蹴り、加速
まるでミサイルのようにその巨躯の重さを感じさせぬ速度で一気に距離を詰め、蹴りの乱撃を放つ
鋭く重い蹴りは空気を爆ぜさせ、振り抜いた先に切れ味の悪い大剣を叩きつけたかのような破壊痕を刻む程

そんなモノを、遠慮なく生身へと向ける──

東郷月新 >  
まったく、この相手は最高だ。
生き物の強さとは何かを教えてくれる。
積み上げた努力? 磨き上げた技?
否。生物本来の強さとは「力が強い事」であることを体現している。

「なぁに、何処も同じようなもの、でしょうなァッ!!!」

蹴りの乱撃を刀で受け止める。鳴る金属音は、とてもではないがただの蹴りだとは思えない。
まるで鉄塊を撃ちつけられているかのようだ。

こちらも刀を繰り出すが、流石に蹴りに対しては速さで劣る。
ならば――

「――ハッ!!!」

一刀で蹴りをなんとか防ぎつつ、もう一刀で地面を思い切り叩く。地面が一瞬揺れるほどの衝撃で叩けば、衝撃と砂埃が舞い上がり。
蹴りを繰り出す以上、その体躯を支えるのは片足。地面が揺れれば、攻撃の手は若干なりとも緩むはずと。

虞淵 >  
一刀で蹴りを逸らされたと思えば、もう一刀はこちらではなく地面を叩く
大方こちらのバランスを崩そうという腹か───

「クッ…」

「カカッ!!随分と浅知恵だな、東郷月新!!」

瓦礫が揺らぎ、足元は不安定
が、それを嘲笑うかのように、その巨大な体躯が高速で回転し、後ろ廻し蹴りを放つ

「仮にも体術を旨をするヤツの体幹がこの程度で揺らぐかよ」

あくまで、あくまでも加減の手段の一つとしてこの男が修めている武術は理合の宝殿、中国拳法である
たとえトランポリンの上でも、この男は体重を乗った蹴りを繰り出せるだろう

「どうせ一太刀振るうなら地面じゃなくてこっちに来いよ、大将」

そう言って自身の手刀でトントン、と自らの素っ首を叩いてみせた

東郷月新 >  
「ぐぅっ――!?」

後ろ回し蹴りがしたたかにこちらの首筋を捕らえる。
ギリギリで衝撃はずらしたが、ダメージはかなりくらった。
まったく、あの状況で蹴りを放つとは、曲芸師か何かか。

「いやはや、恐ろしい体幹ですな。鋼でも入っているのですか」

呼吸を整え、相手を見据える。
まったく――ここまで言われて、黙っていられる性質でもなし。

「では――」

呼吸を変え、肉体そのものを変質させる、剣術の呼吸法。
呼吸を生命維持から肉体の活性化へと切り替える。長くは続かないが――ひと太刀に振り切る分には、問題ないだろう。

「――――」

言葉を発せず、否、発する事すら出来ない中。
東郷はその速度と膂力を限界まで上げ、太刀を大きく振りかぶる。
狙うは首筋。だが、断ち切るのではない。

刀で引きちぎる。そのイメージのままに、空気を切り裂きながら太刀を叩きつける。

虞淵 >  
「悪ィな。鋼程度じゃねーわ」

評された言葉を鼻で笑い、再び距離を詰めにゆく───その最中

「──チッ!!」

空気が変わった
剣を操る者の、人を斬り殺す剣を持つ者がもつ特有の薄ら寒い、殺気だ

太刀筋は複雑ではない
避けるのは、容易か
横か、後ろか
どの道長物相手に距離を許すというのは二の撃、三の撃を生む
今、ヤツがやろうとしている斬撃
それが一撃で終わる保障は何処にもない、そこを見誤れば、首程度軽く転がるだろう
──しかし、それでこそ、である

「───」

無言の剣戟に合わさるは、無言の男の拳

「──…オウ、やるじゃねぇか」

赤い血が地面に滴り落ちる
太刀筋は、男の腕の強靭な筋繊維を切り裂き、更に強靭な骨──その中程で止められた
その剣閃が加速しきる、直前に自らその豪腕を叩きつける
ダメージこそ負うが、間違いなく自分の距離で"再開"出来る

「──噴ッッ」

再びの震脚から放たれるのはその全膂力を込めた、鉄山靠だった

東郷月新 >  
いつでも人を斬る感触は心地良い。
だが、この腕に来る感触は――!
気を抜けばこちらの腕が持っていかれそうな硬さ。なるほど、鋼などというのは確かに間違いだ。研究区の最新カーボンとて、これほどの硬さのものがあるかどうか!

斬っているはずなのに、こちらが力を込めねばならぬ矛盾。
そして、刀はその硬さで止まり

「――ガハッ!?」

途中まで成功した一撃など、最初から失敗した攻撃にも劣る。
その鉄山靠をまともにくらい吹き飛ぶ。刀を手から離さなかったのだけは褒められるだろう。
鈍い音とともに肋骨が何本か折れる感触。それでも何とか態勢を立て直し。

「――カハぁ、まったく、規格外にもほどがありますな」

身体に口に手に持つ刀。あらゆる場所が血にまみれながらも、剣士は構えを解かない。
これこそが殺し合いであり、これこそが東郷の求めたモノだ。

虞淵 >  
結果的に男がとった行動は
己がもっとも信頼できる武器を、ぶつけた形
──もっとももう一息遅ければ…

「ハッ、規格なんてモンに収まるなら此処にゃいねェからな。
 ったく、片腕もってかれるトコだったぜ」

切断こそ免れたものの、使い物にはならないだろう
ただし出血はすでに筋肉の力で止めたらしい

「まだ立ってんだ、ヤるってこったよなァ」

片腕はだらりと下がっているが、それを胃に介した様子もなく、再び歩み、距離を詰めて───

蒼天、ボロボロになった落第街の一角に風紀…だったか、公安だったか、特殊車両のサイレンが聞こえてくる
当然といえば当然だが、少々派手に過ぎたか