2020/06/24 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に霜降寺 響元さんが現れました。
■霜降寺 響元 > ここは、なんてこと無い違反部活の一つ。
世間から見て悪そうな柄をしていて、悪いことをしているなんてこと無い人たちが集まる場所。
正確には場所だった…。
彼らは今は、歓喜と快楽に震え狂っている。
部屋の壁にはポツンと人だったものが、ナニかのオブジェと化している。
目を背けたくなるほどに彩られ、弄ばれたソレを見た人たちは忌避や嫌悪を浮かべるのではなかった。
答えは今この部屋で起きていることがすべて。
それを隅で見つめている男がいる。
狂喜と歓喜で周囲が騒ぎ立てる中、なんの感情もなく見つめている男がいる。
少しばかり違うかもしれない、彼は、彼が欲しかった賛美を得られず呆然としているだけなのだから。
■霜降寺 響元 > 「失敗だ…。なんてつまらない駄作だ。これじゃあただのダンスパーティでしかない…、」
思ったように行かなかった。
今日はヤケに辺りが騒がしい、似たような気配や懐かしい匂いに引き釣られて衝動的になってしまったが題材がよくなかったのだと反省する。
こんな場所など自分の汚点でしかない。
ゆらりと手を伸ばし、彩られたオブジェに触れる。
すでに生物として形を成していないその頭蓋に新たな色と術式を足すと、オブジェはガダガタと震え動き出した。
■霜降寺 響元 > 捩れた腕を地面に付きたて、すげ替えられた脚を振り、反転した身体を揺らして咽ぶ狂乱に混じり、一人一人、丁寧に、踏み潰し、穿ち抜き、噛み砕き、その命を立っていく。
オブジェと化した、醜悪で、粗末な身体の何処から出ているのかわからない怪力で持って一人一人、消していく。
消しゴムで擦るように、鉛筆で塗りつぶすように、筆で押し広げるように。
それを誰も咎める事はなく、逃げることもなく、ただ悦びに咽せ、歓喜に打ち震えながら享受していく。
そんな光景を眺めて、やはり男はおもしろくないと血が滲むほど指を噛み締めた。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に日ノ岡 あかねさんが現れました。
■日ノ岡 あかね > 「つまんない事してるわね」
音もなく。
前触れもなく。
その女は現れた。
常世学園制服に身を包んだ女。
ウェーブのセミロングの女。
その女は……開け放たれたままの部屋の窓枠に足を組んで座り込み、醒めた顔で一部始終を見下ろしている。
「これ、アナタの趣味?」
指を噛み締める男を細目で見ながら、女は呆れかえるように尋ねた。
その左腕についているのは……風紀の腕章。
■霜降寺 響元 > 「そう、つまらない。つまらない事なんだ…。」
突然の来訪者に、自分に気付く誰か、声を掛けられるが驚く事もなく。
噛んだ指から手を離すと唇にも血が着いている。
相手の言葉を飲み込むように反芻し一息吐くと、首だけをぬるりと相手の方へと向けた。
「ボクはこんなもの趣味ではない。しかし、後片付けは必要だと思わないか?」
すっかり冷めた目に変わり、今起きている事に対してもさして興味はなさそうに。
ただ、やることもしたいことも終わったのだから片付けなくてはいけないと、そう告げて。
■日ノ岡 あかね > 「それ、鬱陶しいから止めてくれない?」
凶行を続けるオブジェを指さして、溜息をつく。
声色は冬の泉のように冷めていた。
「『駄作』作っといて『観客』に当たり散らすのは違うでしょ」
女は、ただただ平坦な声色でそう呟く。
真っ暗な瞳には、光が籠っていなかった。
■霜降寺 響元 > 「ふむ、キミはまだアレらが『観客』に見えるのだね。」
凍てついた、冷めついた声色に、月を隠してしまったその瞳に見つめられ答える。
こちらにはもうアレを、賛美するだけのその他大勢としてしか見ていない。
だが彼女はどうやら違うようだと、すんなりと受け入れる。
もう興味のないものだ。絶対にしなければならない事でもなく、そこまで執着するものではない。
パチンと指を鳴らすと、オブジェから色が抜け落ちる。
同時にオブジェだったものは魂が抜け落ちたようにその場に崩れるが、周囲に変化は訪れない。
生き残ったアレらの行動は何も、変わらない。
■日ノ岡 あかね > 「勿論よ、ちゃんと作品に反応してくれてるじゃない?」
そう、正気を失った違反部活の面々を指さす。
異能か何かにやられているのだろうが、まぁ、大したことじゃない。
死ですら覆る常世島だ。
原型があるならどうにでもなるだろうし、死んでいないなら『もっと』どうにでもなるだろう。
「用が済んだなら退場してくれると嬉しいんだけど、お願いできるかしら?」
そういって、左腕についている腕章を指さす。
風紀委員会の腕章。
風紀の仕事は明白。
しかし。
「今私、非番だから。正規人員じゃないから逮捕権もないし」
そう、女は溜息混じりに告げた。
■霜降寺 響元 > 「もの好きな事だね。キミのようでもなく、何も変わらないモノたちだと言うのに、」
こちらには執着する理由もなく。
助けようというのを止めるつもりもない。
言われた通りに相手の前を通り抜け、出口に手を掛ける。
「名前の知らないお嬢さん。今度は完成品を見に来てくれると嬉しいよ。」
その扉が開く音はしない。
開いた形跡もない。
だが言葉を告げた彼はその場からはキレイさっぱり消え去っていた。
■日ノ岡 あかね > 「つまんない事と『ダッサい』事が嫌いなだけよ。期待しないで待ってるわ」
そういって、ひらひらと手を振って見送る。
一応、通信端末で風紀委員会に一報だけいれるが、まぁ、ついでだ。
先ほど消えた男が言う通り、ここに居る者達は居ても居なくても『何も変らない』と言う事になっている。
実際、『自責』で此処で違反部活をやって、その結果として『こうなった』のだから、女からしてもそこは言う事はない。
つまんなくて『ダサい』から、観客として感想を述べた程度のことだ。
だから、大したことではない。
しかし。
「……『ああいう』のを相手するのが、『あの子達』のやる事じゃないのかしらね?」
どこか、呆れたように。
「徹底しないとこういう時に……所詮『趣味』は『趣味』よねって言われちゃうのよ? 看板って軽くないんだから」
そう、苦笑を漏らした。
どこか、慈しむように。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から霜降寺 響元さんが去りました。
■日ノ岡 あかね >
「がっかりさせないでよね? ……『悪』が『悪』だから『悪』を行う話……結構期待してるんだから。ふふふ」
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から日ノ岡 あかねさんが去りました。