2020/06/28 のログ
ご案内:「摘発された違反部活の拠点」に赤坂桜子さんが現れました。
■赤坂桜子 >
既に摘発された違反部活の拠点。
二級生徒の人身売買に携わっていたこの部活は、先日風紀委員会によって摘発され、壊滅した。
そして風紀から公安へと引き継がれ、桜子が調査を進めている。
「…………」
無言で残された資料を調べる。
人身売買。臓器を取る、研究区の人身売買に使われる、娼婦として消費される、違法部活の尖兵にされる……
ロクな未来が待っていない人間の『カタログ』、ヘドが出るような資料。
そんな物を、眉一つ動かさずに読み進める。
■赤坂桜子 >
あまり有用な資料ではない。
これらに記載されているのは、既に売られた後の生徒達で、残っている生徒はほとんど居なかった。
どうもこの違法部活は、近々この拠点を畳むつもりだったらしい。
「……例の風紀の件ですか」
ため息をひとつ。
風紀の落第街への介入が強くなり、反発も同じく大きくなっている。このような「商売」が主体の違法部活は、今後より深く潜って活動するに違いない。
「まぁ、その為の公安、ですが」
ご案内:「摘発された違反部活の拠点」に四方 阿頼耶さんが現れました。
■四方 阿頼耶 > 「ハロ~」
後ろから声がかかる。
いつの間にいたのか、背後を見ればサングラスをかけ、髪を軽く流した青年。
軽薄そうにも見える笑みを浮かべているその男は、公安の人間なら知っているかもしれない。
四方 阿頼耶。同じく公安に所属する者。
第四特別教室と呼ばれる、公安下部組織を数か月前に創設した、公安の問題児。
「お仕事ごくろーさん、はいこれ暖かいものどーぞ」
缶コーヒーをぽん、と手渡ししながら、カタログを横から見ようとする。
■赤坂桜子 >
かかる声にわずかに振り向き、そしてため息。
他人とのかかわりをあまり望まない桜子としては、厄介な相手ではある。
が、缶コーヒーは受け取る。
「ありがとうございます――」
カタログを横から見ようとするのは止めない。別に同じ公安相手に隠すものでもない。
他のカタログも何冊か本棚から出し。
「――特別教室の方が調べる事は、残って無いと思いますが」
■四方 阿頼耶 > 「ハハハ、ウチは基本なんでも取り扱うから
必要な情報かどうかはま…後で分かるからいいんだよね。
それに、かわいい同僚を労いに来るのに理由は要らないじゃない?」
ハハハと笑う
「しかし風紀の摘発も厳しくなったモンじゃない?
一体何がそんなにやる気になってるやら。
反発も多くなって仕事が増えるわ増える。」
やんなっちゃうよね~、と軽い口調で言い放つ。
なんともまぁ、軽薄に。
本気なのかわかりやしない。
「で、今回はなんだい?
夜逃げしようとして先に借金取りに見つかったみたいな散らかり具合だけど」
■赤坂桜子 >
「そうですか、ご苦労な事ですね」
カワイイという部分は無視しながら相手を労わる。多少棘はあるが、これでも一応労わっているのである。彼女なりに。
「それだけ力を振るいたがる人間が多い、という事でしょう。
やる気のあるのは結構な事ですし、私達が介入する案件でもありません」
仕事は確かに増えたが、それでも常世島の体制を揺るがすような出来事は今の所起きていない。風紀には風紀の考えがあるだろうし、やりたいようならやらせておけば良いだろう、というのが桜子の考えだ。
「分かっているのにわざわざ聞くんですか?」
とはいえ、調査員は他の公安委員の為に情報を集約し要約するのも役目だ。
桜子は簡単にこの違法部活が壊滅した経緯を説明する。
「お察しの通り、店仕舞いしようとした所を風紀に急襲され壊滅したようです。『商品』は既に捨て値で処分された後でした」
■四方 阿頼耶 > 「ハハハ、ま、そうだねぇ
今後どうなるかは兎も角として今の所はまだ俺たちが直接動くような事件は少ないけど。」
今後どうなるかは兎も角。
端的に、今後はそうもいかなくなると示すような言葉。
「でも物事には前兆ってのがあるかあるからね。
最近の賽子騒ぎに昨日あったらしい会合、その裏ではしゃぎ回ってた落第街の目立ちたがりに、ちょっと前にあった虞淵、東郷月新…常世の裏での有名人二人の大喧嘩。
あぁ、校舎の方でも怪異が怪談扱いで出てきたりもしたっけ? 他にはー…ま、色々あるけどとりあえずそれはそれで。
まるで台風が出来る前みたいに小さい流れが渦になってきてる。
今回もそれの一要素。
ま、結果の良し悪しはこの際関係ないよね。
『日々小話になる程度の何かが起きてる』のが大事な訳で」
カタログを開いて、「うひゃー、ひっどいねこれ」等と言いながら見る。
「ま、生の声聞いた方がいいじゃん?唯の報告書より女の子の声でさ。
…で? 桜子ちゃんの見解はどう?
この件で気になる事とか、思うところ」
■赤坂桜子 >
「――私の見解などでよろしければ」
確かに、少しずつ小さな事件は重なってきている。
大きなうねりの前兆なのか、それともより統制が取れなくなってきているのか。一応、桜子も調査員としての見解はある。
「この件に関しては特に見るべき所はありません。重要なのは『落第街の違法部活が武装化、あるいは深く潜りはじめている』所かと」
桜子は順を追って説明する。
落第街は風紀による取り締まりが厳しくなった結果、二つの路線に分かれている。ひとつは風紀や、もしくは他の違法部活を襲撃(本人達は『悪を狩る悪』と名乗っていたか)するなどの武装闘争路線。これを受けて風紀は更に強硬な手入れなどを行っているとの話もある。そしてもう一つが、今回のように落第街に深く潜る、いわゆる武装闘争を選ばない路線で、こちらが問題だ。
「武装闘争を選ばず、落第街に深く潜った組織に注意が必要でしょう。深く潜った組織は、今回のこの件の組織のように、それまでの資金繰りを捨てる事となります。そして窮した結果、大きく統合し巨大組織になる可能性がある――」
落第街とて広さに限界はある。より上の方から圧迫された結果、深部で思わぬ結合を起こし、巨大化する――島の外の歴史でも、たびたびあった事だ。
「――かつてのロストサインのように」
■四方 阿頼耶 > 「成程ね」
彼女の見解には概ね同意だ。
出る杭を叩いても、刺さった杭が消える訳ではない。木に開いた穴は塞がらず、より深い穴が木には開く。
釘は奥へ進むだけ。消えず、深まる。
表層で見えなくなるだけ。むしろ、傷は大きくなる。
木そのものをへし折る可能性を生むほどの傷を与えて。
「OKOK,ふーん…うん、いい話を聞けたな。
サンキュー桜子ちゃん、俺も大体同意見だよ。
ただ一つ俺の見解を言うなら……
案外俺たちが戦うべきは、違法部活よりも風紀や学園本体の側に居るかもしんないんじゃない?」
■赤坂桜子 >
その発言の真意も分かっている。
――元違反部活生威力運用試験部隊。あのような物が出て来たという事自体が、『違法部活が表へ出ようとしている』と取られかねない、危険な行動だという事。
「――それを探るのも私達公安の仕事でしょう」
慎重に言葉を選びながら立ち上がる。
桜子は同じ公安だからといって無条件に信用はしない。彼女がするのは、常に情報を探り、整え、要約し、必要な時に使えるようラベリングしておく事。
ゆっくり一礼すると、彼女は違法部活の拠点を去る。次の仕事の前に、腹ごしらえでもしておこうか。
ご案内:「摘発された違反部活の拠点」から赤坂桜子さんが去りました。
■四方 阿頼耶 > 「って事でどう?俺と一緒にこれから常世学園の今後の事でも話しながら食事にでも……
…あらら」
そんな風に、食事に誘いおうとすれば、既に相手はコツコツとその場を後にしようとしている最中で。
少し残念そうに肩をすくめて、それを眺めてただろう。
「…しょーがない、俺も退散するかな」
カタログを1つ拾い上げ、そしてスマホを取り出し誰かに電話をかける
「あ、ゾノさん? あぁ俺俺。
いやぁ女の子に振られちゃってさー。飯、いかない?
一人で食べると寂しくて寂しくって」
そんな風に電話をしながら、その場を後にするだろう
ご案内:「摘発された違反部活の拠点」から四方 阿頼耶さんが去りました。
ご案内:「違反組織の地下拠点」にフィフティーンさんが現れました。
■フィフティーン > 落第街の奥隅から地面へと潜っていく一本の通路。
そのまま進めば鋼鉄製のシャッターが見えるが
それは綺麗に円形にくり抜かれており...
さらに奥へと進んでゆけば
異能者に関する商売をしている違反組織の拠点”だった”場所ににたどり着く。
研究所めいた内部は壁などが切断され間取りそのものが崩壊していた。
各所に何体か、短機関銃を手元で握りながら焼け焦げ穴が開いた遺体が転がる...
「制圧完了。内部調査開始。」
人の声など一切響かない静かな跡地に
擦れるようなモーター音と無機質だが明瞭な合成音声が響いた。
設備が散乱している中で一機の多脚マシンが
天井から垂れたコードの火花を浴びながら
緊急作動したスプリンクラーの水を浴びながら現場の調査を開始する。
■フィフティーン > 風紀の戦車はやがて一台の端末の前まで移動していた。
その端末に接続を開始し保存されているデータを確認する。
暗号化されているものの量子力学を応用した計算速度を前には
時間稼ぎにもならない。
視界に様々な情報が投影される。
<アクセス開始。>
「これは...危ない所でした。
この組織は拠点を移動させる寸前だったのかもしれません。」
そのデータには異能者のリストや異能関連の詳細情報や研究資料だけでなく
組織の拠点の移動先や、現拠点への爆薬の設置場所などが含まれていた。
フットワークが軽く落第街の水面下へと潜っていこうとしていたようだったが
幸いにも早期に発見し、引っ越しを行われる前に制圧することが出来た。
途方もない量の色々なデータが出てくることになるが
「このデータは...興味深いですね。」
その中でフィフティーンが注目したのが異能の研究データ。
それは、カテゴリー分けの手法や科学的な検出パターン、能力の実験データや
DNAとの関連性など、異能に関する包括的な情報を示していた。
機械にとっては正に甘い汁そのものであったのだ。
■フィフティーン > 入手した異能データは、風紀委員会に
違反組織に関する情報として提出しなければならない。
無論、任務上の決定事項であるのでそこは機械も守るが
<データのコピーを開始。>
フィフティーンはこの異能データをコピーし
自らのストレージへと保存し、いつでも閲覧できるようにした。
電子の神経を伸ばすのに新しい学習は不可欠。
新鮮なこの情報を逃しはしない。
「後は、始末をしなければなりません。」
戦車はパルスレーザーの照射を端末に向けて開始する、
ハードウェア自体を残して組織の残党が居た場合の回収を阻止する必要があるのだ。
強力な遠赤外線に焼き付けられた端末は激しく火花を起こして
薄暗いこの拠点を明るく照らしながら小さく爆発した後
合成プラスチック製の外装が焦げながら液状化し
四角い綺麗な形がだんだんと崩れてゆく。
■フィフティーン > 「この異能データは後程学習することにします。」
端末の処理を終えた後
いくつかの投影していた情報を閉じて
後ろ足のアクチュエータを作動させ
せりあがるような音と共に機体が若干持ち上がる。
「最近、違反組織の行動傾向が変わっているように見受けられます。」
今日のこの違反組織しかり、
風紀データベースに挙がっている摘発済み組織の情報しかり、
確実に彼らの立ち回りが変化している事に気付くのは難しい事ではなかった。
そしてそれはこの落第街で何らかの動きが、
それも影で複数で動いている事を予測していた。
「何かが起ころうとしているのでしょうか?
面白い事だと良いです。」
治安維持は風紀委員会の目標ではあるが
この戦車に備わる思考回路はそれを目的とはしていない。
風紀委員会とはあくまで利用しているされているの関係だ。
落第街に何らかの変化が訪れるならばそれもまた一興、
そこから知見を得られるならば結果オーライ。