2020/07/26 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に虞淵さんが現れました。
■虞淵 >
地下に潜む違反部活の一つ『まつろいの民』
とある神を崇拝し崇める…といった建前で金を騙し取る、よくある悪徳宗教だ
なぜ男がそんな連中の本拠地に呼び出されているのか、といえば…とある取引のためだった
■虞淵 >
ソファに深々とかけ、足を組んだ憮然とした態度の男に、その違反部活の代表であろう女は必死に語りかけていた
自分たちはそれなりに小さい規模でやってきたこと
最近の情勢の影響で、信者が急激に増えたということ
内部に派閥ができ、熱心な信者が増えてしまったということ
「──…で?」
男は重苦しい声を漏らす
場に鉛が投げ込まれたような、緊張感が走る
女は言った
組織の大部分が落第街の秩序に手を出そうとしていること
神の意思の元という大義名分で、落第街を浄化しようとしていること
『それは、絶対に不可能である』ということ
その理由が、風紀や公安だけでなく、とある落第街の新興組織に在るということ、そして──
『彼ら』から自分達を守ってほしい、という内容だった
■虞淵 >
「──新興組織?」
ぴく、と眉を顰める
なにかまた、面白いものでも出てきたのかと
守る守らないよりも、金の話よりも、そこに喰い付いた
「どういった連中か、詳しく言いな」
「"ロストサイン"より美味そうなら、味見ついでに守ってやる」
■虞淵 >
そこからの女の口は、実に饒舌だった
現状の自分たちの組織は熱狂的な信者達が『世直し』活動に手を出し始めた
違法に流れる薬物を自ら取締り、一方的な"法"を敷いて、地下ではなく表で、活動をはじめたのだという
そしてそれは彼ら…『裏切りの黒』と反発するのだと
このままでは自分達にも危険が及んでしまう、こんなつもりではなかったのに──と
それを聞いた男はゆっくりと乗り出した身を背もたれへと預ける
「──"裏切りの黒"は別に新興ではねえだろ。
俺がまだこの街にいた頃から名前は聞いたぜ」
ただし、記憶に在るものと、彼らの語る内容と、それはややかけ離れている
となれば新たな動きがあり、それが表面化してきた…ということだろう
「まーいいか。
"グランドマスター"が消え失せてつまらん街になったと思ったが、
なかなかどうして、見えん場所で火種は多く燻ってた、ってわけだ」
■虞淵 >
「いいぜ。金は次までに用意しとけ」
男から快い返事が出ると、その場の全員から安堵の息が漏れる
「話は済んだな。後は金をもらってからだ」
要件のみを終えて男は立ち上がり、狭苦しい地下から這い上がる
雨の後かややじっとりとした空気、淀んだ雰囲気がまとわりつく懐かしい空気だ
歓楽街地下でVIPの相手にも飽きていたところ
この島とももうじきおさらばだろう、と思っていた矢先の話だった
「──裏切りの黒、ねぇ」
吸い終わったタバコの柄を地面に落とし、踏み潰して、男は落第街の奥へと消えていった──
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から虞淵さんが去りました。